あらすじ
日本語・日本文学に造詣の深い画家と数学者による対談集。古典や唱歌・童謡から日本語のもつ美しさ、奥深さを語り合い、すべての思考・学問・教養の基地となる日本語を学ぶことの意味を、存分に伝えていく。森鴎外『即興詩人』からは文語の素晴らしさを、落語からは高度なユーモア、唱歌・童謡からは文化の継承、と様々な角度から日本語をみていく新しいタイプの入門書。
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子供は「鳩」→「鳥」→「九」の順に漢字を覚える、というお話がおもしろい!
学校では画数が少ない方から覚えることになってるけど、画数関係なく、具体→抽象の方が覚えやすい。
抽象の代表格「愛」って漢字は小学4年生くらいで習う。その歳で器としてのその漢字を知り、その器に意味をどんどんためていく、って考えたらなんかロマンチックな気がしました
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画家と数学者が日本語について語った本。
対談なのであっという間に読めてしまいます、でも、読み終えるのがもったいないんです。
短い言葉の中に、日本語への誇りとか憧れとか抒情とか…そういうものがいっぱいに詰まっていて、読みながら、熱いものが喉元に込み上げてくるのを何度感じたことか…
この中で紹介されている本をぜひ読もう、読みたいと思いました。
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いつも小説ばかり読んでいるので、新書を手にとってみました。
日本語って綺麗だなあと漠然と思っていたけれど、改めて日本語の奥の深さや、自分の浅学さを感じることができた気がします。
「文字を簡略化するたびに、世代間に一種の段差ができます。世代くらいならまだいいのですが、古典との間に開きができます。」
日本は、日本語で書かれた書物が古くから多く残っている国です。私たちが日本語を正しく身につけられていないことで、その歴史や文化との間に壁が出来るのは、悲しいことだと思いました。
昔から紡がれてきた文学を、言葉を、美しいと思えるように、美しい日本語を学び続けたいなと感じました。
日本語が愛しくなる本です。対談形式で、読みやすかった。
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対談形式の本です。
とても読みやすく、「入門」の名にふさわしい本だと思います。
日本人の地力は、日本語と日本語によって書かれた”文学”から来ているということを良く解らせてくれます。
この本では先人の書かれた本が例として多く載っており、読んでみたい気持ちになりました。
そう長い本ではないので、一読をお勧めします。
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藤原正彦の小学校の時の先生が、安野光雄だったとは、つい一月前に知ったばかりでした。
まえがきを藤原正彦が、あとがきを安野光雄が書いているだけでも贅沢だ。
二人について興味がない人が読んでも、面白くないかもしれない。
絵と数学というそれぞれの専門家の二人が、絵本、小説などの作者として日本語について語っているのは貴重だ。読書、教育、歌、日本語がかかわるさまざまな視点の話題が満載。
挿絵は南伸坊で、すこしほっとする感じです。
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画家の安野光雅、数学者の藤原雅彦、2人の「日本語について」の対談を冊子にしたもの。
あぁ、日本語ってホントに豊かなんだ、そしてお2人のユーモアも素晴らしい。
というのと、今後読んだら良い本のガイドブックにもなっています。
この「世にも美しい日本語入門」は、
対談集なので、楽に読めます。
私にとっては、栄養が丁度よかった「良作」。
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安野光雅(と藤原正彦の対談)にクラフト・エヴィング商會の装丁なんて素敵すぎる。両者とも齢相応のかたくなさが目についてしまって、対談内容だけを取り上げてしまえば藤原氏が小川洋子と語った「世にも美しい数学入門」よりも劣るけれども、「美しい日本語」が矢継ぎ早に出てくるのは流石。そう、本書にも取り上げられるが「花発多嵐雨 人生足別離」を「花に嵐の例えもあるさ さよならだけが人生だ」と美しく書き下したのは井伏鱒二だ。
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日本人の必読本。抽象的な日本生まれの漢語を生み出した西周さんのこと。私は強制されて読書するのは天邪鬼だからこのまないけれど、読書ゼミというのは名著に出会う良いきっかけになるはずだ。宮本常一「忘れられた日本人」無着成恭「山びこ学校」新渡戸稲造「武士道」を読みたい。
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第5章の童謡の話が面白かった.出てきたものはほとんど歌えるが、歌詞が文語調で最初に習ったときは意味が分からずに覚えていた.今改めて内容を確認するとうまい表現が随所にある.日本語は平仮名、片仮名、漢字を使うので外国人が覚えるのは大変だと思う.Do you have a chance to learn Japanese language? と何人かの外国人に聞いてみたが、漢字はほとんど把握できないようだ.95%理解するのに日本語の場合2万2000語必要で、英語やフランス語は5000語で足りるとの説明があったが、分かるような気がする.
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2025.01.13〜01.17
文語体は難しい、なんでこんなものを学習しなくてはいけないんだ、と学生の頃は思っていた。というか、この本を読むまで思っていた。
意味がわからなくても、良いんだ。情緒として、感覚として、捉えられたら。確かに、この本に出てくる言葉はとても美しい。そして、使いたくなる。
幼き頃に、嫌がらずに感覚として読んでいたら、もっと表現力豊かに自分の気持ちを伝えられていたかも。
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藤原さんのエッセイ、日本語に対する考え方が好きで、文藝春秋の巻頭や、エッセイ集は読んでいます。今回は恩師との対談形式でまた別の楽しみ方が出来ました。語彙力が思考の深さ、広さを支えているのだと、日本語の特別な特性、可能性を改めて認識させていただきました。もっと古典に触れ未熟なジジイから大人のジジイになれればと思っております。
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藤原さんの国語教育重視の考え方に賛同しているワタシ。今回は久しぶりにその流れの一冊を。
藤原さんの小学校の恩師(!)である安野さんとの対談形式で進むこの本のいいところは、「今の若いもんは…」的な嘆き調になっていないこと。だから、読んでいて反発を覚えるどころか、やっぱり日本人としては日本語を誇り、日本語、しかも文語を読まなきゃ、という気にさせてくれる。
内田樹さんも指摘している通り、母語のほかに英語をマスターしないと職につけないなどという状況もなく、日本語さえ使えれば何とかなってしまう。この環境に感謝しつつ、文語にも目を向けることにしよう。
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画家と数学者のおふたりが昭和20年代に師弟関係だったとは。
人と人との出会い、巡り合わせの不思議を感じる。
読みやすい対話形式で素数の話、文学の話、ユーモアについてなど大事なことを楽しく読める。
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日本語に対する愛着が痛いほど伝わってくる対談。根っからの文系人間を自認しているけど、この両者から見たらひよっこもええとこやな~、って反省させられることしきり。
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画家の安野光雅さんと、数学家の藤原正彦さんが日本語について語るなんて面白そうだし、専門家が語るより気軽に読めると思い、借りました。
漢詩(読み下し)や童謡など、意味が分からなくても若いうちから暗誦することの大切さを話していて、とても「にほんごであそぼ」的であると感じました。暗誦すると、確かにあとから効いてきて、人生をより豊かに過ごせるように思いました。
「読書ゼミ」で読む、と挙げられていた本は、なかなか難しそうなものが多かったですが、これから少しずつ読んでいこうと思います。
二人の実感に基づくお話が繰り広げられていて、ふーん、そんなものなのか、と感心しつつ楽しく読みました。
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[ 内容 ]
七五調のリズムから高度なユーモアまで、古典と呼ばれる文学作品には、美しく豊かな日本語があふれている。
若い頃から名文に親しむ事の大切さを、熱く語りあう。
[ 目次 ]
第1章 読書ゼミのこと
第2章 国語教育の見直しを!
第3章 日本人特有のリズム
第4章 日本語は豊かな言語
第5章 小学唱歌と童謡のこと
第6章 文語体の力
第7章 ユーモアと空想
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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画家である安野光雅氏と数学者の藤原正彦氏の対談。読書の大切さ、美しい言葉に触れる大切さ、そういったものをいろいろな例を取り上げて対談されている。日本語の豊かさ、素晴らしさを教えていただける一冊。
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安野光雅(1926~2020年)氏は、島根県津和野町生まれ、山口師範学校(現・山口大学教育学部)卒の画家・絵本作家。芸術選奨新人賞、講談社出版文化賞、小学館絵画賞、(英)ケイト・グリーナウェイ賞特別賞、(米)最も美しい50冊の本賞、(チェコスロバキア)BIBゴールデンアップル賞、(伊)ボローニャ国際児童図書展グラフィック大賞、国際アンデルセン賞、菊池寛賞等、内外の数多くの児童書・美術の賞を受賞。紫綬褒章、勲四等旭日小綬章受章。文化功労者。
藤原正彦(1943年~)氏は、満州国新京(現・中国吉林省長春市)生まれ、東大理学部数学科卒、東大大学院理学系研究科修士課程修了、ミシガン大学研究員、コロラド大学助教授、お茶の水女子大学理学部数学科教授等を経て、同大学名誉教授。新田次郎とベストセラー『流れる星は生きている』の著者・藤原てい夫妻の次男。米国留学記『若き数学者のアメリカ』(1977年)で日本エッセイスト・クラブ賞受賞。「情緒」、「国語」、「愛国心(パトリオティズム)」、「武士道」等の大切さを説いた『国家の品格』(2005年)は200万部を超えるベストセラーとなり、その後も様々な講演活動、雑誌連載・本の執筆等を行っている。
本書は、安野氏と、安野氏が小学校の図画工作の教師だった時に生徒だった藤原氏が、日本語の美しさについて、数々の文学作品や唱歌・童謡等を引用しつつ語り合ったもので、2006年に出版された。
目次は以下の通り。まえがき(藤原正彦)、第一章:読書ゼミのこと、第二章:国語教育の見直しを!、第三章:日本人特有のリズム、第四章:日本語は豊かな言語、第五章:小学唱歌と童謡のこと、第六章:文語体の力、第七章:ユーモアと空想、あとがき(安野光雅)
本書の大前提となっている「美しい日本語の大切さ」については、藤原氏は、同時期に出版した『国家の品格』はじめ様々なところで説いているが、本書のまえがきにも次のように書いている。「美しい日本語に触れないと、美しく繊細な情緒が育たない。恋愛さえままならない。文学に一切触れず、「好き」と「大好き」くらいの語彙しかない人間は、ケダモノの恋しかできそうにない。・・・様々な語彙を手に入れはじめて恋愛のひだも深くなるのである。・・・祖国に対する誇りや自信も身につかない。祖国がいかに経済的繁栄を続けても、いかに強力な軍隊を持っても、深い誇りとか自信はそこから生まれはしない。世界もそんな国や国民には、嫉妬や恐れを抱いても決して尊敬はしない。深い誇りや自信は、祖国の生んだ文化や伝統、すなわち普遍的価値から生まれる。」
私は、これまで藤原氏の多数の本を読み、その主張には大いに共感しているので、本書についても頷きながら読み進めたが、最近短歌を詠み始めたこともあり、特に、日本人特有の「五七」のリズム、文語体の力と美しさ(尤も、私が詠むのは俵万智の『サラダ記念日』のような口語短歌だが)についてのやり取り、及び、「ユーモアと独創性」とは非常に近いもので、その真髄は二つの離れたものを結びつけるという「意外性」にあるというくだりは、興味深く読んだ。
安野氏と藤原氏という、かつての教師と生徒、かつ、共に専門外ながら日本語(文学)に強い思いを抱く二人ならではの、日本語愛に溢れた対談本と言えるだろう。(作家や日本語の専門家同士の対談であったら、(良いか悪いかはともかく)随分違ったものになっていたに違いない)
(2022年10月了)
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古来より受け継がれてきた「和歌」「漢詩」や小学校で歌う「童謡」の豊かな表現とリズムのなかに、美しい日本語は脈々と鼓動していると本書から感じた。
文語体は読みにくい、古臭いと敬遠がちだけれど、日本語の美しさを知りたいのなら自ら挑まなければいけない。
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イラストや絵本、本の表紙などでみんな必ず目にしている画家・絵本作家の安野光雅さんと、数学者の藤原正彦さんは、小学校時代の先生と教え子だそう。美術と数学の先生である師弟二人が、古典作品の中の日本語の美しさ、豊かさについて語ります。最初は意味がわからなくても、文語体や五七調のリズムに触れていると、日本語の美しさを深く味わえるようになります。若い頃から古典や名文に親しむことの大切さをやさしく教えてくれる一冊です。
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藤原センセイの小学生時代の恩師が、安野光雅先生だそうで。
正彦君は相変わらず奔放に、いつも通りの持論を展開し、安野先生がやわらかく包んでくれたという感じの会話が続く。
いろんな本を読みたくなる。
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巻末にある引用作品リストは、読書の参考になるかもしれない。
著者はどちらも国文学や語学の専門家というわけでないこともあってか、本文は比較的軽い対談形式であり、日本語の美しさを示す例として取り上げられている作品も個人的な好みや経験に偏りがちに感じられる。引用される例そのものもそれほど多くなく、全体としては物足りなく感じられた。ただ、気軽に読めつつ、日本語について、日本語教育についてあらためて考えさせてくれる良書ではあると思う。
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極めて個人的な感覚だが、藤原正彦氏の物言いはあまり好きではない。理由は特にない。本当に感覚的な部分で自分とは合わないのだ。
しかし、それでも本書の中で藤原氏が例に出す日本語には美しいものが多くて心を打たれた。
逆に安野光雅氏は、人柄は知らなかったが、氏の描く絵が好きで勝手に好感を持っていた。
だから、本書の中で安野氏が例に出す日本語には「さすが安野さん」という感じで大いに納得してしまうものが多かった。
あまり好きでない藤原氏と、好感を持っていた安野氏が師弟(安野氏が藤原氏の小学校時代の図画工作の先生)というのは驚いたが、結局、美しい日本語は誰が触れても美しく感じるということがよくわかった。
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日本語がいかに美しく豊かな言語であるかわかる。
子供の時からもっと文学に親しんでいれば、とも思う。
いまからでも遅くはないか、落ち着いたら文学とやらを読んでみるか。
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藤原正彦氏の日本万歳っぷりは大好きです。
日本語でものを考える人が日本人、という藤原氏の定義もとても好きです。
今の日本がどれだけ日本語を尊んでいないか、という話が良く出てましたが
私は、なんとなく、
制度として保護されていなくても頑固に変化しながら残り続ける、というのが日本文化に似つかわしい感じがするので
国の教育制度に押し付けられるではなく
家庭や地域でその響きを伝え続けられているといいなぁ、と思うのです。
もし子育てすることになったら
ダメ親でしょうけども
本だけは沢山読んであげたいと思うのです。
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画家・絵本作家の安野光雅と数学者・エッセイストの藤原正彦が、対談形式で、美しい日本語満載の古典や文学作品について熱く語り合ってます。
若い頃から名文に親しむことの大切さを痛感。
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安野光雅と藤原正彦の対談。 両氏が師弟関係にあったとは初めて知った。 かたや画家であり、かたや数学者で、二人が日本語の美しさを語るのはへんな気がするが、安野氏の美の根底には文学の叙情があり、藤原氏の携わる数学と言う学問もまた美しいものであるらしく、日本語の美しさを語るのになんら不思議はないらしい。 安野氏の絵本にはじめて触れたとき、じっといつまでみていてもあきない楽しさ、どこかに秘密が隠れていそうなわくわく感を感じた。高い空の上から、ゆったり眺めているような、奥深い感じは、彼の叙情に裏打ちされたものだったのだ。 二人は若いころから、名文に親しむようにと熱く語っている。日本の文学作品、童謡、唱歌には美しい日本語があふれている。もっとも美しい言語の国に生まれたのだから、古典を含め、もっと本を読めと力説する。 美しい日本語に触れ、美しい情緒を培い、祖国への誇りと自信を持つようにと説く。
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安野光雅と藤原正彦の対談。
両氏が師弟関係にあったとは初めて知った。
かたや画家であり、かたや数学者で、
二人が日本語の美しさを語るのはへんな気がするが、
安野氏の美の根底には文学の叙情があり、
藤原氏の携わる数学と言う学問もまた美しいものであるらしく、
日本語の美しさを語るのになんら不思議はないらしい。
安野氏の絵本にはじめて触れたとき、じっといつまでみていてもあきない楽しさ、どこかに秘密が隠れていそうなわくわく感を感じた。
高い空の上から、ゆったり眺めているような、
奥深い感じは、彼の叙情に裏打ちされたものだったのだ。
二人は若いころから、名文に親しむようにと熱く語っている。
日本の文学作品、童謡、唱歌には美しい日本語があふれている。
もっとも美しい言語の国に生まれたのだから、
古典を含め、もっと本を読めと力説する。
美しい日本語に触れ、美しい情緒を培い、
祖国への誇りと自信を持つようにと説く。
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画家?の安野光雅と藤原正彦の日本語についての対談。ちなみに二人は小学校の先生と生徒の関係だったらしい。さらに、そこの藤原正彦の後輩として松田哲夫がいるらしい。むかしよく安野光雅の絵本を読んでいて好きだったんだけど、意外と理屈っぽくてイメージが変わった。内容は・・・微妙。藤原正彦が好きな人間としては最近露出がインフレ気味なので、この本はいらない気がする。国家の品格だけ読めばよろしい。関係ないけど、あの本で大事なのは「論理じゃすべて解決できない」という話をしているので、できるだけ論じようとしてはいけない(反論はもってのほか)。好きか、嫌いか、で良い。