藤原正彦のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
教養の必要性について述べた本。西洋や日本における歴史の中での教養の位置づけに大部分の論述を割きつつ、最終章で現代における教養の必要性について述べている。
教養を厳密に定義することには著者も消極的であるが、著者は教養を「情緒や形と一体になった知識」、最終章での言い換えでは知識・情緒・意志や道徳と主張している。民主主義国家において、衆愚政治に陥らないためには国民一人一人の教養が必要という点には納得がいく。一方、国民一人一人に教養が無いことも前提においた次の政治手法が今後出てきてもいいのではないかなとも思えた。いずれにせよ、教養がこの不確実で情報にあふれる世の中で重要であることに疑いの余地は無いかな。 -
Posted by ブクログ
武士道。名誉は命よりも重い。金銭よりも道徳。
運命を引き受ける平静な感覚、生を賤しみ死に親しむ(仏教から)▼主君への忠誠、祖先への尊敬、親孝行(神道から)▼為政者の民への慈悲(儒教から)
新渡戸武士道は日清と日露の間。西洋列強が日本に警戒感を持ち始めた時期。
敗者への共感、劣者への同情、弱者への愛情。惻隠(相手の心情を深く理解、いたましく思って同情)
なぜ人を殺してはいけないのか。なぜ野に咲くスミレは美しいのか。ならぬことはならぬ。論理ではない。
薔薇の西洋、桜の日本。薔薇は花の色も香りも濃厚で、美しいけれど棘を隠している。なかなか散らず、死を嫌い恐れるかのように、茎にしがみついたまま色褪せて枯れていく。桜の花は、香りは淡く人を飽きさせることなく、自然の召すまま風が吹けば潔く散る。清澄爽快(せいちょう)。清く澄んでいる。爽やかで気持ちがよい。
能・敦盛。
悠久の自然と儚い人生。
鈴虫の歌声。秋の憂愁。
桜の木は毛虫はつきやすい、むやみに太くねじれていて、肌はがさがさ。たった三、四日の美しさのために。
もののあはれ。自然に対する畏怖。自然への繊細で審美的な感受性。
数学には美的感覚。
家族の延長が郷土。郷土の延長が祖国。祖国の延長が人類。
自国の利益を追求し、自国の文化・伝統・情緒・自然を愛する。
自国の利益を追求せず、自国の文化・伝統・情緒・自然を愛する。
自国の利益を追求するが、自国の文化・伝統・情緒・自然を愛さない。
自国の利益を追求せず、自国の文化・伝統・情緒・自然を愛さない。
日本・自己を知らない人は国際人とは言えない。縄文土器と弥生土器はどう違うのか。元寇は2回あったが違いはあるのか。中身空っぽ英語ペラペラではいけない。 -
Posted by ブクログ
教員時代、ベテランの先生方から教わったことと同じことが書かれてあった
読書力は大切で、読書が習慣になるよう、学校で取り組んできた
しかし、最近の学校はベテラン教員がほぼおらず、20代の先生たちがほとんどで、指導を深めることができていない
それが子どもたちに大きく影響している
外国の教育方法を取り入れる考えに、私も違和感があった
なぜなら、ベテランの先生方の指導法の方が優れているから
「読み・書き・計算」
これがやはり学習の基本であると、経験を通して思う
インターネットと紙の本の両方を上手に扱えるなら、私はどちらも利用したら良いと思う
しかし、目につくところに本を置くのがよい、というのは賛成
無意識に目に入る環境は、インターネットにはないように思う
グローバル化も、私は好きではない
日本のことを知らない子どもが多すぎてゾッとする
知っていても、知識が浅すぎて、外国の方のほうが日本に詳しいな、と思ってしまう
まずは日本について学んでほしい
英語教育も、英会話は必要ないと思う
中・高校で学ぶ英語をしっかり学習した友人は、英語でスラスラ会話ができる
文法などの基礎がきっちり身についているからだと思う
それに、語学力より会話力が必要で、そのためにはやっぱり読書や、日本語でしっかり考えられる力をまず身に着ける方がよいと思う
極端なこともたくさん書かれていたけれど、多くのことには共感したし、自分ももっと勉強しないとと反省した
-
Posted by ブクログ
国家の品格からの流れの本と感じた。
ペリー来航からの100年戦争について書いてある。その中で太平洋戦争後のGHQや日教組などの働きで日本人が自分達に誇りを持てなくなっていることに警鐘を鳴らされている。
自分の国に誇りを持てなくなったら寂しい限りだが、自分を振り返っても思惑通りに戦争当時の日本に対して恥じるところを持っていたと感じる。
自分達の子供達にも日本に誇りを持ってもらいたいし、日本人であることに自信を持ってもらいたいと改めて感じた。
何も恥じることはない。中国や韓国の言いがかりに近いことを真に受けていてはダメだ。よっぽど彼らの方が、当時のことを言いながら、恥ずべく事をやっている。
同じ土俵に立つまでもない。堂々と日本人である事を主張していこう。 -
Posted by ブクログ
スマホのために読書の時間が奪われ、それが原因でOECDの読解力調査で最下位になる。
教育の中に読書の時間を組み込むことが大切だと筆者は考える。
論理よりも情緒が大切。論理は出発点が間違えば、全てが破綻するから。情緒は大局観を養う。
移民の受け入れには反対。
出発点として情緒を養うことは大切だと思います。その上で論理的思考があれば、鬼に金棒ではと思いました。本を読むことは強制されてするべきことではないと思います。行動と検証があって、読んだ内容も身に付くのでは。
この人の論調は嫌いではないです。政治や外交も根なし草のない追従の状態が続けば国益を失うことも分かります。本を読むだけで、それが払拭されるとは思いませんが、AI到来を考えれば情緒さが大きな武器になる感じはしました。
「これからがこれまでを決める」
過去を生かすのも殺すのも、これからが大切 -
Posted by ブクログ
学問をするはずの大学生ですら多くは本を読まないという現実。読書、教養が国の未来を支える。ネットの時代だからこその本屋と紙の本の重要性を、日本の教育行政の問題点も含めて語る。
数学者として著名な筆者また海外経験も豊富なだけに教育に関する提言は説得力がある。小学生からの英語教育には強く反対。それよりも何より子供の頃から大人までの読書、それに基づく教養の重要性を説く。
筆者の他の本でも主張しているが新自由主義とグローバル化には強く反対している。効率重視で日本古来の良きものが多く失われているという。
筆者のユーモアを交えつつも過激な主張は、案外藩閥を持つ人も多いようである。それもまた筆者の望むところだろう。
役に立たないから勉強ということが失われつつある世の中。同意できる点が多い示唆に富んだ一冊でした。 -
Posted by ブクログ
『国家の品格』『遥かなるケンブリッジ』以来、久しぶりの藤原さんの著書。歯切れがいい語り口で読書の意義を力説していて、町の本屋を守ることは国を守ることだと語りかける。私も出張や旅行で訪れる場所で、本屋を探してついつい覗いてみている。扱う書籍も本屋それぞれ個性的で、気に入った本屋もいくつかあり、今度訪れたときに再訪をしたいと思っている。そんな本屋が再訪時に無くなっていたらやっぱり悲しい気持ちになる。
今日から、新型コロナウィルス感染症対策の一環で緊急事態宣言下の生活が始まる。5月6日まで、臨時休業する本屋もあるのでしょう。この困難を乗り切ってまた多くの読書家を楽しませてほしいなぁ。