藤原正彦のレビュー一覧
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【情報を論理的に体系化したものが知識とすると、これからの教養は書斎型の知識でなく、現実対応型のものでなくてはなりません。現実対応型の知識とは、屍のごとき知識ではなく、生を吹き込まれた知識、情緒や形と一体となった知識です】(文中より引用)
主に日本、そして欧米における教養の歴史を振り返りながら、現代社会を生き抜く上で本当に必要な教養とは何かを探求した作品。著者は、大ベストセラーとなった『国家と品格』を手がけた藤原正彦。
教養という多義的な言葉に切り込み、今日的な知の在り方について光を当てた点を評価したい一冊でした。かなり刺々しい言葉が作品中に目立つため、それを毛嫌いしてしまう人もいるかもしれ -
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語りおろし的な、さーっと読める本だが、なかなかに本質をついていて、現代人必読の書。
藤原氏の辿ってきた戦後の生育体験、アメリカでの学究生活からの知見、今までの日本の大学生に接してきた経験、豊富な読書体験などに裏打ちされた話はどの世代が読んでも有益だと思う。
ドイツの教養主義の誕生を歴史的背景から考察し、エリート知識層の功罪と、それが輸入された日本の戦前高等学校文化の系譜は興味深い。今まであまり疑問視しなかったけれど、今から見ればかなり偏った文化的態度が日本の知識層カルチャーであるなと相対化できる。
アメリカの知識層、支配層の内奥に接した藤原氏だけに、アメリカの日本支配の真相にも触れている。
本 -
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古典的な教養論だが、情報過多の現代こそ必要な生き方。
最初は軽く読み流すつもりだったが、実は「現代日本への警鐘」として、あるいは現代人へ生き方の問題提起として、真摯に受け止めた。
アメリカ主導の市場原理主義・新自由主義が主流となる中で、金融資本主義による覇権が至上の価値となり、
実務・金銭・収益の物差しがスタンダードとなった。
歴史的に敬意を払われてきた「教養主義」は時代遅れとして捨てられていくようだ。
権力者にとって、うるさい教養人が居なくなり、享楽主義者ばかりとなるのは望ましい社会である。
しかし経済的成功が国民を幸せにしないのは、戦前の第一次大戦時の好況も、戦後の高度成長期の好況も同 -
購入済み
日本の誇り
AIまでも登場した現代にあって、日本の底力、日本人である自らの真の誇りを取り戻せるに値する著書だと思います。
どのような歴史から、どのような風土から、どのような影響から、日本という国が世界を牽引するに相応しいのか⁈が良く理解できる一冊! -
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「祖国とは国語」藤原正彦 (3周目)
以下たそ解釈
・国語教育は現代日本にとって緊急かつ最優先の事項である
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・国語以外での他教科での思考・論理もそもそも母国語の言語をもとにしている
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・その土台である国語、つまり語彙や情緒といったものが貧弱であるとそもそも全ての思考に影響を及ぼす
・いくら方法論や英語、ゆとり教育などの個性を重要視しても肝心の中味が無い。コンテンツなしのガワだけになる
・詰め込み教育は害悪ではない。子供はそもそも悪い癖のほうが多い。方向づけは大事。
・読書は教養、教養は大局観を与える。一見無駄な教養も切り捨てるべきではない。
・満州国建国から崩壊までの歴史がよくわか -
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「国家の品格」の藤原正彦氏による、渾身の一冊。著者は数学者なのだが、本書は日本人が失ってしまった誇りを取り戻すためにはどうすべきなのか、というテーマで歴史と関連付けながら書いてある。数学が専門なのに、歴史しかも南京事件や東京裁判などセンシティブなところを調べ上げ、有無を言わせないほど理路整然としているのはさすが。
「現代の日本は嘆かわしい」と現状を批判するだけの本はたくさんあるが、この著者が「こうすればいい」と提示する案は極めて理に適っていて、説得力がある。このような強い見解を発表するのはリスクも伴うため、覚悟がいるだろう。
私は中国の近代史に明るくなかったが、この本から何となくつかめたものが -
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表題の通り、日本人の誇りを奮起させる本
戦後の自虐史観を払拭し、自国への誇りと自信を取り戻すべく、さまざまな歴史的事実を検証し解説しています。
とても、読み易く、かつ理解しやすい内容です。
さらに共感するところがたくさんあります。
おおむね、自分の歴史観とあっていたり、そんことあったの?と思うところあったりととても勉強になります。
とりわけ、びっくりしたのは、「近隣諸国条項」!
「教科書検定では近隣諸国の感情に配慮する。」
歴史的客観性より「ことを荒立たせない、中国、韓国、北朝鮮を刺激しない」ことの方が優先される。
なんじゃそりゃ?
歴史の教科書が過去の事実よりも、今の政治的な配慮を教え込 -
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自ら数学者でもある著者が、特に尊敬する3人の歴史上の数学者の生涯を追う旅をする。3人とは、イギリス人のニュートン、アイルランド人のハミルトン、インド人のラマヌジャンである。時代は違うが、皆ケンブリッジ大学で研究をした。
私は数学に明るくないので、この3人の学問的なすごさは正直なところ分からないが、著者がどれほど敬意を抱いているかが十分に伝わってくる。ニュートンは、重力の法則が知られているが、微分積分学の生みの親といわれる。ラマヌジャンも短い生涯のうちに、独学時代を含め3,000を越える公式や定理を発見したという。その一部をインターネットで見てみたが、めまいがしそうな数式だった。
彼ら天才の日常 -
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大ベストセラー『国家の品格』の著者・藤原正彦氏が、同書から6年を経て書き下ろした、日本人への熱いメッセージである。
『国家の品格』では、情緒や武士道精神などの日本人の伝統的な文化や感性を再認識し、尊重するべきであることを語っていたが、本書では、幕末の開国から昭和の敗戦に至る歴史を検証、再認識するべきであることを説いている。
そして、著者が大学1年生を対象に行っていた読書ゼミで、「日本はどういう国と思いますか?」と尋ねると、多くの学生が「明治、大正、昭和戦前は、帝国主義、軍国主義、植民地主義にひた走り、アジア各国を侵略した恥ずべき国。江戸時代には士農工商の身分制度、男尊女卑、自由も平等も民主主義