藤原正彦のレビュー一覧

  • 世にも美しい日本語入門

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    画家と数学者が日本語について語った本。

    対談なのであっという間に読めてしまいます、でも、読み終えるのがもったいないんです。
    短い言葉の中に、日本語への誇りとか憧れとか抒情とか…そういうものがいっぱいに詰まっていて、読みながら、熱いものが喉元に込み上げてくるのを何度感じたことか…

    この中で紹介されている本をぜひ読もう、読みたいと思いました。

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    2017年03月23日
  • 世にも美しい日本語入門

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    ネタバレ

    いつも小説ばかり読んでいるので、新書を手にとってみました。
    日本語って綺麗だなあと漠然と思っていたけれど、改めて日本語の奥の深さや、自分の浅学さを感じることができた気がします。

    「文字を簡略化するたびに、世代間に一種の段差ができます。世代くらいならまだいいのですが、古典との間に開きができます。」

    日本は、日本語で書かれた書物が古くから多く残っている国です。私たちが日本語を正しく身につけられていないことで、その歴史や文化との間に壁が出来るのは、悲しいことだと思いました。
    昔から紡がれてきた文学を、言葉を、美しいと思えるように、美しい日本語を学び続けたいなと感じました。

    日本語が愛しくなる本です。対談形式で、読みやすかった。

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    2016年11月24日
  • 管見妄語 グローバル化の憂鬱

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    文庫本になってから読んだので、時事ネタにはギャップがあるが、本シリーズは大変勉強になります。
    いまさらながら、女子サッカーの宮間あや選手のエピソードには涙目になりました。

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    2016年07月30日
  • 管見妄語 グローバル化の憂鬱

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    日本人である以上思考は日本語で行われるのであるから、英語だけできても仕方がない。情緒力を培うことこそ大事だという藤原先生の話は至極真っ当だと思うのですが、ここを分かっていない人が多い。
    物事の表層だけ見て、手を施しても仕方がないということを早く気付くべき。この本は政治家や官僚にこそ読んで欲しい。

    相変わらずユーモアに溢れた書きっぷりで面白い。

    #読書 #読書記録 #読書倶楽部
    #管見妄語
    #グローバル化の憂鬱
    #藤原正彦
    #2016年67冊目

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    2016年07月20日
  • 孤愁〈サウダーデ〉

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    近年まれにみる傑作。モラエスを心の奥底まで探るように描いており、とてもすばらしい本だ。モラエスについて勉強したくなった。

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    2016年02月16日
  • 心は孤独な数学者

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    自ら数学者でもある著者が、特に尊敬する3人の歴史上の数学者の生涯を追う旅をする。3人とは、イギリス人のニュートン、アイルランド人のハミルトン、インド人のラマヌジャンである。時代は違うが、皆ケンブリッジ大学で研究をした。
    私は数学に明るくないので、この3人の学問的なすごさは正直なところ分からないが、著者がどれほど敬意を抱いているかが十分に伝わってくる。ニュートンは、重力の法則が知られているが、微分積分学の生みの親といわれる。ラマヌジャンも短い生涯のうちに、独学時代を含め3,000を越える公式や定理を発見したという。その一部をインターネットで見てみたが、めまいがしそうな数式だった。
    彼ら天才の日常生活や、どう処遇されたかなどが功績とともに紹介されていて、著者がそのゆかりの土地や人を訪ねる。想像を絶するほどの天才は、その能力を正当に評価できる人がいなかったりして、なかなか発見されない場合も多いという。特にインドの片田舎にいた高卒のラマヌジャンがたまたまその才能を見出されたのは、奇跡なのだろう。著者がラマヌジャンのノートブック現物と対面したときの、興奮がよく伝わってきた。学問に人生をかけて打ち込む人は、分かってくれる人も少なく、とても孤独なのだという。
    カーストのトップのバラモンに属するラマヌジャンをひらめきに導いているのは、ヒンズー教の女神だというところも、興味深く読んだ。インドがイギリスの植民地だった頃の話や、インドとイギリスの関係や、イギリスのフェア精神によって無名のラマヌジャンも見出されたという著者の考察も面白かった。
    私は、数学や物理といった自然科学の分野の天才は無条件に尊敬してしまう。サイモン・シン「フェルマーの最終定理」にも鳥肌が立ったが、本書も数学の知識がなくても、読みやすくてお勧めである。

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    2016年02月14日
  • 日本人の誇り

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    大ベストセラー『国家の品格』の著者・藤原正彦氏が、同書から6年を経て書き下ろした、日本人への熱いメッセージである。
    『国家の品格』では、情緒や武士道精神などの日本人の伝統的な文化や感性を再認識し、尊重するべきであることを語っていたが、本書では、幕末の開国から昭和の敗戦に至る歴史を検証、再認識するべきであることを説いている。
    そして、著者が大学1年生を対象に行っていた読書ゼミで、「日本はどういう国と思いますか?」と尋ねると、多くの学生が「明治、大正、昭和戦前は、帝国主義、軍国主義、植民地主義にひた走り、アジア各国を侵略した恥ずべき国。江戸時代には士農工商の身分制度、男尊女卑、自由も平等も民主主義もなく、庶民が虐げられていた恥ずかしい国。・・・」と答えていたという「日本」の、著者の調べる限りの近現代史を詳しく解説している。具体的には、明治初期に日本を訪れた欧米人が見た日本人の生活と社会、南京大虐殺の真偽、第二次大戦開戦に至った経緯、原爆投下の目的、東京裁判の正統性、第二次大戦後の米国による日本統治の最大の意図などが取り上げられている。
    英国の歴史家E.H.カーは、歴史学の古典とも言える『歴史とは何か』の中で、1.歴史上の事実は純粋に存在するものではなく、常に記録者の意図を通して描かれるものであること、2.歴史とは、ある時代が他の時代のうちで注目に値すると考えたものの記録であること、3.歴史とは、多くの原因結果の連鎖の中から、歴史家が有意味と考える因果の連鎖を取り出したものであること、を述べているが、まさに我々多くの日本人が知る日本の近現代史は、ある大きな意図のもとに描かれたものとも言えるのである。
    本書で著者も述べているように、郷土愛・祖国愛(nationalismではなくpatriotismである)を持たない人間は、世界どこへ行っても尊敬はおろか信頼さえされないし、他国の同じような人々の気持ちも理解できないものである。
    真の郷土愛・祖国愛を取り戻すために、是非一読したい書である。
    (2011年4月了)

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    2016年01月16日
  • 祖国とは国語

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    数学者にして文筆家、そして新田次郎と藤原ていの息子である藤原正彦の、2000~2003年に朝日新聞、産経新聞等に掲載されたエッセイをまとめたものである。
    うち約半分が、持論の「国語教育絶対論」を熱く語ったものであるが、斎藤孝があとがきに書いている「ああ、この人に、文部科学大臣になってもらいたい。これが、私の切なる願いだ。数学者にして、華麗なる文章家。学問、文化、科学を愛すること、並ぶ者なし。そして何よりも、この日本をよりよくしていこうという強い志にあふれている。その志は、火山の溶岩のように、腹の底からやむことなくわき上がってきてしまう。それがこの『祖国とは国語』から、はっきりと伝わってくる」という思いに大いに共感する。
    「国家の浮沈は小学校の国語にかかっている」
    「言語は思考した結果を表現する道具にととまらない。言語を用いて思考するという面がある。・・・人間はその語彙を大きく超えて考えたり感じたりすることはない、といって過言ではない。母国語の語彙は思考であり情緒なのである」
    「『論理』を育てるには、数学より筋道を立てて表現する技術の習得が大切ということになる。これは国語を通して学ぶのがよい」
    「脳の九割を利害得失で占められるのはやむを得ないとして、残りの一割の内容でスケールが決まる。・・・ここを美しい情緒で埋めるのである」
    「祖国とは国語である。ユダヤ民族は二千年以上も流浪しながら、ユダヤ教とともにヘブライ語やイディッシュ語を失わなかったから、二十世紀になって再び建国することができた」
    「小学校における教科間の重要度は、一に国語、二に国語、三、四がなくて五に算数、あとは十以下なのである」等
    世界的な数学者である岡潔が『春宵十話』で語った「人の中心は情緒である。・・・数学とはどういうものかというと、自らの情緒を外に表現することによって作り出す学問芸術の一つであって、知性の文字板に、欧米人が数学と呼んでいる形式に表現するものである」に通じる。
    世界を知る数学者の国語に対する思いが、強烈に伝わってくる。

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    2016年01月11日
  • 遥かなるケンブリッジ―一数学者のイギリス―

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    数学者である著者の、1980年代の英国ケンブリッジ滞在記。
    藤原氏は、故新田次郎と『流れる星は生きている』の著者藤原ていの二男。
    『若き数学者のアメリカ』で日本エッセイスト・クラブ賞(1978年)を受賞し、『国家の品格』は2006年の年間ベストセラー1位となっている。
    米国滞在から10年以上を経て、今回は夫人と3人の子供と共に滞在した英国での波乱万丈の日々を、変わらぬバイタリティとユーモアで乗り切る姿が描かれている。
    以後の作品でもしばしば登場することになる、夫人との掛け合いがまた楽しい。
    (2007年10月了)

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    2016年01月11日
  • 若き数学者のアメリカ

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    数学者である著者の、1970年代前半の米国留学体験記。日本エッセイスト・クラブ賞受賞作(1978年)。
    藤原氏は、『八甲田山死の彷徨』の故新田次郎と『流れる星は生きている』の藤原ていの二男。
    本作品は数学者である藤原氏にとって、エッセイストとしての処女作であるが、氏の抜群の行動力、感性とユーモア、更に両親から受け継いだ著述力を余すことなく表現した、何とも楽しい優れた作品となっている。
    2006年には著書『国家の品格』が年間ベストセラー1位となるが、本書で語られているような、異文化の体験とそれへの理解、日本文化への思いが、そのベースになっていることがわかる。
    元気が湧く、青年数学者の体験記である。
    (2007年9月了)

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    2016年01月11日
  • 日本人の誇り

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    日本の本当の歴史が分かる一冊。

    学校で学んだ内容とは全然違った。
    間違った教育に洗脳されてる人が多いなと感じた。

    日本人としての誇りを取り戻したい方、必読。

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    2015年10月19日
  • 数学者の言葉では

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    数学者藤原正彦氏のエッセイ集。とても読みやすいし淡々としたユーモアが心地良い。学者の視点から語られる学問への考え方、数学と文学の対比など内容は多彩だったけれど、何だかんだで新婚旅行記が一番面白かった気はする。ところどころそれはどうかなという意見もあったものの、数学者というのは普段こんなことを考えているのかあという思いで始終楽しく読めました。薦めてくれた友人に感謝。

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    2015年07月27日
  • 若き数学者のアメリカ

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    若き数学者としてアメリカに渡り、もがきながらもアメリカという国と自己のアイデンティティとの間で奮闘した素晴らしい旅行記だった。

    ハワイで日本人ひとりの真珠湾遊覧船に乗り込み日本人であることのコンプレックスを過剰なまでに意識していた旅の始まり。ラスヴェガスで全額擦ったカジノ。ミシガンでは太陽のない季節に精神を病み、ガールハントのフロリダで新生し、コロラドで研究者としての深みを得る。最後はサンフランシスコ、「私のアメリカ」は太平洋で生まれ、大西洋で蘇り、サンフランシスコの霧に沈んだ。

    全編通して素晴らしいが、10章のアメリカに対する考察は特に素晴らしい。

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    2015年04月01日
  • 名著講義

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    学問のすゝめやわだつみのこえなど,名前を聞いたことはあるけど読んだことはない,そういう明治~昭和時代に書かれた名著を大学生が読んで討論した授業をまとめた本。
    学生の臆面なく言う若々しいアイディアと,それを受け止めて返答する先生の知識量に圧巻。
    難しくて読みづらいものもたくさんあるでしょうに,この本読んでみたい!と思わせるものがいくつも出ました。

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    2014年10月27日
  • ヒコベエ

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    『国家の品格』で有名な数学者、藤原正彦の自伝的小説『ヒコベエ』
    藤原正彦さんらしく随所に自虐的な笑いをちりばめ、時に国家観や歴史を語る。
    少年時代の甘酸っぱい恋の話なんてのもあって、、少し意外(笑)

    少しずつ読んだのだけれど、毎度「ヒコベエに会いたいな」という気持ちで本を広げた。
    まっすぐなヒコベエ、ヒコベエとともに、笑い、楽しみ、悔しさをかみしめ、考え、驚き・・・と様々な体験ができた。
    爽快な小説!

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    【内容(「BOOK」データベースより】
    満州で戦禍に巻きこまれ、命からがら日本へ引き揚げてきたヒコベエ一家は、信州諏訪に身を寄せる。なだらかな稜線を描く山や緑深い自然に囲まれヒコベエは腕白坊主に成長する。やがて一家に訪れた転機。母の小説がベストセラーになり、父も作家の道を歩み始め……。貧しくとも家族は支え合い励まし合って生きていた。日本そして日本人が懸命に生きた昭和20年代を描く自伝的長編。
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    【著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)】
    藤原/正彦
    1943(昭和18)年、旧満州新京生れ。東京大学理学部数学科大学院修士課程修了。お茶の水女子大学名誉教授。’78年、数学者の視点から眺めた清新な留学記『若き数学者のアメリカ』で日本エッセイスト・クラブ賞を受賞、ユーモアと知性に根ざした独自の随筆スタイルを確立する。新田次郎と藤原ていの次男
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    【目次】
    第1章 五歳のガキ大将
    第2章 信州の夏
    第3章 学校の孤独
    第4章 武蔵野のわが家
    第5章 クラスのために
    第6章 思いがけない告白
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    2014年07月08日
  • 祖国とは国語

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    藤原ていの「流れる星は生きている」に影響を受け「満州再訪記」が含まれる本著を購入。
    気軽に読めるウイットに富んだエッセイも多いのだが、教育論、生きる上での価値観・考え方について示唆に富む発信が多く自分の中での整理にも役に立つ。
    ウイット満載だが、留学していた英国仕込みなのだろうか。「満州再訪記」の最後もそのウイットで終わりその才能に感嘆。

    以下引用~
    ・日本の誇る「もののあわれ」は英国人には難しいと言う。英国にもこの情緒はもちろんあるが、日本人ほど鋭くないので言語化されていないらしい。
    古典を読ませ、日本人として必須のこの情緒を育むことは、教育の一大目標と言ってよいほどのものである。

    ・高次の情緒とは何か。それは生得的にある情緒ではなく、教育により育まれ磨かれる情緒と言ってもよい。たとえば自らの悲しみを悲しむのは原始的であるが、他人の悲しみを悲しむ、というのは高次の情緒である。

    ・家族愛、郷土愛、祖国愛、人類愛も、ぜひ育てておかねばならない。これらは人間として基本であるばかりか、国際人になるためにも不可欠である。どれか一つでも欠けていては、国際社会で一人前とは見なされない。地球市民などという人間は世界で通用しない。

    ・読書に得られる情緒の役割は、頼りない論理を補完したり、学問をするうえで需要というばかりでない。これにより人間としてのスケールが大きくなる。
    人間としてのスケールは、この本能(利害得失ばかりを考える)からどれほど離れられるかでほぼ決まる。
    脳の九割を利害得失で占められるのは止むを得ないとして、残りの一割の内容でスケールが決まる。

    ・言語を損なわれた民族がいかに傷つくかは、琉球やアイヌを見れば明らかである。祖国とは国語であるのは、国語の中に祖国を祖国たらしめる文化、伝統、情緒などの大部分が包含されているからである。

    ・祖国愛や郷土愛の涵養は戦争抑止のための有力な手立てでもある。自国の文化や伝統を心から愛し、故郷の山、谷、空、雲、光、そよ風、石ころ、土くれに至るまでを思い涙する人は、他国の人々の同じ思いをもよく理解することができる。

    ・英語で愛国心にあたるものに、ナショナリズムとパトリオティズムがあるが、二つはまったく異なる。ナショナリズムとは通常、他国を押しのけてでも自国の国益を追求する姿勢である。私はこれを国益主義と表現する。
    パトリオティズムの方は、祖国の文化、伝統、歴史、自然などに誇りをもち、またそれらをこよなく愛する精神である。私はこれを祖国愛と表現する。家族愛、郷土愛の延長にあるものである。
    わが国では明治の頃から、この二つを愛国心という一つの言葉でくくってきた。これが不幸の始まりだった。愛国心の掛け声で列強と利権争奪に加わり、ついには破滅に至るまで狂奔したのだった。
    戦争は一転し、愛国心こそ軍国主義の生みの親とあっさり捨てられた。かくしてその一部分である祖国愛も運命を共にしたのである。心棒をなくした国家が半世紀経つとどうなるか、が今日の日本である。言語がいかに決定的かを示す好例でもある。

    ・父の価値観の筆頭は「卑怯を憎む」だった。

    ・我が家では親子は、昨今流行の友達関係でなく、完全な上下関係だった。母が様々な日常の出来事に応じ善悪を示したのに対し、父はそれらを統合する価値観を教えた。それは上からの押しつけであった。私はいま押し付けられてよかったと思っている。押し付けられたものを自らの価値観としてとりこむにせよ、反発して新しいものを探すにせよ、あらかじめ何か価値観を与えない限り、子供は動きようがないからである。

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    2014年04月12日
  • 遥かなるケンブリッジ―一数学者のイギリス―

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     藤原正彦は、最近の発言にはちょっと気をつけるべき点があると思うが、この初期の頃の随筆は非常によい。解説で南木佳士が述べているように、この本と『若き数学者のアメリカ』は一級の随筆である。ただ、相変わらず愛国調は鼻につくけれど。
     ケンブリッジ大学に派遣留学した経験が描かれている。イギリスという国とその人々の様子がなかなか生々しく、それが臨場感を与えている。イギリスは一筋縄ではいかないな、と思わせる。それが大英帝国の記憶を持つ国なのだろう。
     古いものを大切にするお国柄であるが、これを読む限りでは、とても慕わしいものの、慣れない内はずいぶん不便だろうなぁ。特に冬の寒さやお風呂の貧弱さは辛そうだ。それでも、アメリカよりは落ち着きがありそうで、私は好きだ。
     いつか暮らしてみたいと個人的に思う国はイギリスなのだが、その実情を教えてくれて、興味深い。よい本だ。

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    2014年03月06日
  • 日本人の誇り

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    久々に心に響くいい本を読んだ。
    日本人としての誇り、自信、やる気が湧き上がってくる。

    家族愛、故郷愛、祖国愛があってはじめて人間の根幹が形成され、人類愛に繋がる。自分は家族、故郷、祖国を心からちゃんと愛せているか、自分に問いなおしたいと思った。

    惻隠、和の尊重。日本人が世界に誇れるこの精神は個人主義の欧米に染まってしまうのはもったいない。確かにビジネスの世界などではそういう思想に立たないと世界においていかれることはリスクだしグローバルスタンダードに乗り遅れないようにする必要はあるが、日本人はどこか欧米的なこと新しいことですごいこと、日本的なことは古くてダサいことと考えてしまう風潮がある。
    今こそ日本人らしさを見つめ直し、その素晴らしい思想、精神を大切にしていくべきだと思った。
    開国後に日本にきた西洋人がみんな一様に「日本は貧しい。ただ日本人は幸せそうだ。」と言ったこと。震災の混乱の中でも秩序を乱さずみんなで譲り合って助け合えたこと。どんぐりの背比べと言われるかもしれないが中流階級が国民の大半でほとんどの人が不自由なく生活出来てること。
    日本は素晴らしい。

    家族、親戚、近所付き合いを重んじるうちの実家についてどこか古臭いと感じ都会的なドライな生活が現代のスタイルだと心のどこかで思ってしまっていたことは思い直したいと思う。
    うちの実家のある故郷は、平均所得は決して高くないが、共働き率1位で幸福度1位であることが自分の考えの浅はかさを物語っている気がした。

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    2013年11月06日
  • 日本人の誇り

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    『国家の品格』でおなじみの藤原正彦氏による、戦中戦後史を通じていかに日本人が祖国への誇りを解体されて来たかを検証する良書。

    現代日本の抱える漠然とした閉塞感が「誇り」を基軸として言語化されている点に強く共感し、問題意識はありながら具体的方策が見出せていなかった自身の思考の整理にも非常に役立った。
    本書内で「自国の国益の為なら他国はどうでも良いナショナリズム」と「郷土愛としてのパトリオティズム」は明確に区別して主張されており、本書を「軍国主義的」「右翼的」と断じて排してしまうことは余りに惜しい。

    現在の苦境を日本が乗り越えて行く為にも、ぜひ読んで欲しい一冊。

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    2013年11月06日
  • 日本人の誇り

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    久しぶりの藤原正彦氏の一冊。今停滞している日本が昔の良き日本に戻るためには、明治からの100年戦争を経てGHQと日教組に骨抜きにされた現状を打破できない。そのためには、真の独立国家になり、愛する自国を取り戻すしかない。個の重要視の限界⇒和を持って尊しとなす。憲法改正。自国による防衛。誇れる日本。

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    2013年09月04日