藤原正彦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本書は、日本人の誇りと銘打っているだけあって東京裁判の不当性や中国の卑劣な行為、アメリカの押し付け憲法、またGHQによる戦後日本弱体化などを解説した上で痛烈に批判しています。
ただ、筆者はその上で日本の満州での行い、また大アジア主義から大東亜共栄圏への考え方の転向(列強帝国思想)など日本の過ちについてもしっかり指摘しているいわば右寄りの中道とも言って良い内容になっております。
排日政策、原料輸入禁止、アメリカによりどんどん追い込まれていく中、やむにやまれず太平洋戦争に突入していく日本。筆者も述べていたが、当時の環境を考えると、どう足掻いても戦争を回避することは出来なかったと考えると暗澹たる気持ちになりました。
ペリー来航から始まり、GHQ統治終了までの百年戦争。日本は、よく頑張ったと思う。
日本に生まれて良かった。そう思える一冊です。
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Posted by ブクログ
私は数学が大の苦手科目でしたが、高校生の時にある数学教師との出会いをきっかけに数学への捉え方が変わりました。その恩師の口癖は「どうしてそうなるのかも理解せず、公式覚えて問題解いて、それって虚しくないか?」「わからない問いにぶつかったらとにかく実験してみればいい」でした。数学が得意科目になることは遂にありませんでしたが、少なくともこの言葉たちはその後の私の人生の指針になっています。
この対談の中でも「数学は実験科学のようなもの」と、どんな天才による大発見も地道な実験を重ねて生まれていることが示唆されていて、「腕組みしててもなにもわからない。まず実験してみる。そして観察する」というスタンスはこれからも大切にしたいと思いました。
また、数学における中世ヨーロッパの遅れは、宗教や哲学の流れを踏まえると当たり前のように感じますし、ゼロを発見したインド人の包容力も既知のことでしたが、本書で紹介されていた日本人の数学における活躍の目覚ましさは恥ずかしながらあまり知らず、とても驚くとともに誇りに感じました。目の前に様々な問題はありますが、美しさへの感性が研ぎ澄まされるような国に生まれ育ったことは幸せなことですね。
さて、「不完全性定理」が発見されてしまった今、数学や哲学の未来はどうなっていくのでしょうか。また千年後は今とは違う真理の地平が開けているのでしょう。でも、どのような未来を辿ったとしても、この対談を読んだ今、その世界は神様の悪戯としか思えない美しさに溢れてるんだろうと思えます。
今この瞬間もこの世に隠された美しき真実があると信じ、未解決問題に人生を賭けて向き合う数学者の皆さんに、心からエールをおくりたくなる一冊です。 -
Posted by ブクログ
「国家の品格」に続き、素晴らしい本を書いてくれました。全8章の内容は、前半4章を中学2年の課題図書に、後半4章を中学3年の課題図書と指定して欲しいくらいですが、きっと日教組は嫌がるだろうな。
本書は、近代日本の歴史がコンパクトにまとめられており、歴史を俯瞰する1つの見方や立場を多感な年齢で考えることに意義がある。例えば、最近流行りの国際交流の場で反日教育を受けた連中から一方的に攻撃されて、日本人として何も言い返せないのでは困る。そうした公平で正しい基本知識を身につけて欲しいという願いを込めて。
以下、本書のエッセンスを書き記す。
・「中国は美人を見たら自分の妻だと平気で主張する国」李登輝
・アメリカの年次改革要望書は露骨な日本への内政干渉
・戦後、社会や国家に尽くすという美徳は、公を否定し個を称揚しようとするGHQと日教組が育てたものですが、これを変えようとする者はマスコミから軍国主義者のレッテルを貼られる
・物理や数学の公式は、美しい=正しい。「真、善、美は同じ一つのものの3つの側面にすぎない」マイケル・ワイル
・古来より日本は他国の新しい文明を日本人の持つ美意識をベースに取捨選択し、自分達の文明と融合させながら進化と洗練を繰り返してきた
・中国、韓国、北朝鮮のみが戦後ケジメのついた戦争を蒸し返し謝罪を要求し、おバカでお人好しの日本人リーダーがそれを受け入れ、それ以後毎回謝罪させられるも友好どころか外交カードとして無限に利用されるハメに
・米国のWGIP(罪意識扶植計画)は、原爆や無差別爆撃などの戦争犯罪を、日本の軍国主義者の責任に転嫁するために行われた。またその協力者には就職口を世話し出世させ、その結果日本の言論中枢から保守層が見事に消えた
・日本がポツダム宣言を受け入れないために米国が原爆投下を決断したことになっているが、ポツダム宣言発表以前にトルーマン大統領が投下命令を出していたのが歴史的事実
・さらに、大統領の周りから「日本はすでに敗北しており原爆は不必要」という進言には耳を貸さず、当初ポツダム宣言草案にあった「国体維持」の言葉を削除させて日本がすぐ受諾しないよう時間を稼ぐ周到さ
・真珠湾攻撃を宣戦布告の無い恥ずべき行為と糾弾し続けるアメリカは、己のベトナム戦争やアフガニスタン戦争、イラク戦争でも宣戦布告をしていない
・日本の愛国心が英語ではナショナリズム(国家主義)と訳されるが、パトリオティズム(祖国愛)と訂正すべき
・東京裁判が戦勝国による欺瞞なのは、日本の民間人を虐殺した原爆や無差別爆撃は『戦争犯罪』として不問に付され、ソ連が日ソ不可侵条約を無視し満洲に侵入し民間人を虐殺、降伏後も60万人以上の日本人をシベリアで強制労働させたことも不問という理不尽
・さらに、禁じ手である事後法を使ってまで「人道に対する罪」を過去に遡って適用、ブレイニー弁護人の「原爆投下という空前の残虐行為を犯した国の人間に、この法廷の被告を裁く資格があるのか」は発言と同時に会議通訳が中止されたため日本人は知ることが出来なかった
・敗戦国の悲劇は日本だけではなく、ソ連がポーランド人4,400名をカチンの森で銃殺したのを長らくナチスドイツの仕業だと喧伝
・中国への日本人の萎縮はでっち上げられた「南京大虐殺」にあるので、もういい加減事実に基づききちんと白黒つけるべき
◇◇◇ここまでが第4章までの内容◇◇◇
・「韓国併合は合法。当時の韓国は文明の成熟度を有さなかったため、国際法上違法とはならない」ジェームズ・クロフォード
・16世紀以後の世界史の半分は、恥ずべき人種差別に基づく残虐非道な侵略史だったのにもかかわらず、自存自衛のために帝国主義に遅れて参加した日本だけが、批難された。日本が侵略国なら欧米列強も間違いなく侵略の大先輩です。ここで大切なのは、現代の価値観だけで過去を判断してはいけない、ということ。人間も国家もその時代の価値観で生きるしかないからです。
・1919年のパリ講和会議で、日本は人種差別撤廃を提案し、賛成11対反対5で可決されそうになったが、議長のウィルソン大統領が全会一致を主張して廃案に
・日露戦争の勝利は、欧米列強に植民地化され抑圧され有色人種の民族自決への希望の光だった
・世界恐慌で、列強のブロック経済化という排他的政策により日本の輸出が締め出され、食糧不足で貧農では娘の身売りが横行した状況では、日本人が生きるために満洲に新しい市場を求めざるを得なかった。そして、コミンテルンの謀略により日中戦争となり、アメリカの謀略により日米対戦へと泥沼の道へと突き進む。
・戦争による大破滅を経験した日本だが、歴史家クリストファー・ソーンは「日本は敗北したとはいえ、アジアにおける西欧帝国の終焉を早めた」の言葉通り、結果的には白人のアジア侵略を止め、帝国主義、植民地主義さらには人種差別にも終止符を打つという偉業を成し遂げた。
こうしたことは学校では誰も教えてくれませんが…
今も米国にNoと言えない日本、さらに中国に対しても譲歩の連続。一方では国を守るべき官僚や国会議員が自己保身と利益誘導の権化となっている状況を見れば戦後日本人が失ったものはとてつもなく大きく、将来日本を背負う若者に一刻も早く正しい歴史を学び独立気概と愛国心(祖国愛)を醸成してもらうべき緊急事態です。
冒頭あえて2学年に分けて課題図書としたのは、早いうちに学ぶべきとはいえ、中学生にとっては覚える大事な事柄が多いためです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレけっこうクセあるけど(笑)、藤原正彦さん好きで、尊敬しています。この本棚にも「祖国とは国語」と「国家の品格」入れています。数学者でありながら、文学に造詣が深く、でも国語の専門家というわけではないから独自の解釈というところが面白い。
もともと国語の重要性を痛感しており、正しく美しい日本語を使いたいと思っており、最近仕事でも後進の指導にあたることになったので、語彙を増やしたいな、と思って購入しました。
戦前、戦後くらいの、古い歌謡曲の歌詞を紹介し、そのころのご自分の状況を思い起こしながらその詩のどこがどのように良いのかをつづっています。
イルカの「なごり雪」とか、山口百恵が歌った「秋桜」、♪秋の夕日に 照る山紅葉~♪で始まる「紅葉」など、私も知っている歌もあったけど、もっと古い歌が多い。
昔の歌謡曲ってこういう感じだったのね…と興味深い。
藤原正彦さんの好みでもあるのだろうけど、かなわなかった恋の歌、別れの歌が多く、哀愁ただよいまくりです(笑)。
お母様藤原ていさんや、お父様新田次郎との思い出も交えてあり、とても興味深いし、詩ってこんな風に味わうものなんだな、という勉強にもなるし、昔の言葉や言い回しの語彙も増えるし、聞いたことのある昭和の歌の時代背景とかもわかるし、なかなか良い本だったと思います!