藤原正彦のレビュー一覧
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本書は、日本人の誇りと銘打っているだけあって東京裁判の不当性や中国の卑劣な行為、アメリカの押し付け憲法、またGHQによる戦後日本弱体化などを解説した上で痛烈に批判しています。
ただ、筆者はその上で日本の満州での行い、また大アジア主義から大東亜共栄圏への考え方の転向(列強帝国思想)など日本の過ちについてもしっかり指摘しているいわば右寄りの中道とも言って良い内容になっております。
排日政策、原料輸入禁止、アメリカによりどんどん追い込まれていく中、やむにやまれず太平洋戦争に突入していく日本。筆者も述べていたが、当時の環境を考えると、どう足掻いても戦争を回避することは出来なかったと考えると暗澹たる -
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私は数学が大の苦手科目でしたが、高校生の時にある数学教師との出会いをきっかけに数学への捉え方が変わりました。その恩師の口癖は「どうしてそうなるのかも理解せず、公式覚えて問題解いて、それって虚しくないか?」「わからない問いにぶつかったらとにかく実験してみればいい」でした。数学が得意科目になることは遂にありませんでしたが、少なくともこの言葉たちはその後の私の人生の指針になっています。
この対談の中でも「数学は実験科学のようなもの」と、どんな天才による大発見も地道な実験を重ねて生まれていることが示唆されていて、「腕組みしててもなにもわからない。まず実験してみる。そして観察する」というスタンスはこれ -
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「国家の品格」に続き、素晴らしい本を書いてくれました。全8章の内容は、前半4章を中学2年の課題図書に、後半4章を中学3年の課題図書と指定して欲しいくらいですが、きっと日教組は嫌がるだろうな。
本書は、近代日本の歴史がコンパクトにまとめられており、歴史を俯瞰する1つの見方や立場を多感な年齢で考えることに意義がある。例えば、最近流行りの国際交流の場で反日教育を受けた連中から一方的に攻撃されて、日本人として何も言い返せないのでは困る。そうした公平で正しい基本知識を身につけて欲しいという願いを込めて。
以下、本書のエッセンスを書き記す。
・「中国は美人を見たら自分の妻だと平気で主張する国」李登輝
・ア -
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ネタバレけっこうクセあるけど(笑)、藤原正彦さん好きで、尊敬しています。この本棚にも「祖国とは国語」と「国家の品格」入れています。数学者でありながら、文学に造詣が深く、でも国語の専門家というわけではないから独自の解釈というところが面白い。
もともと国語の重要性を痛感しており、正しく美しい日本語を使いたいと思っており、最近仕事でも後進の指導にあたることになったので、語彙を増やしたいな、と思って購入しました。
戦前、戦後くらいの、古い歌謡曲の歌詞を紹介し、そのころのご自分の状況を思い起こしながらその詩のどこがどのように良いのかをつづっています。
イルカの「なごり雪」とか、山口百恵が歌った「秋桜」、♪秋の夕 -
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前半は日本の教育について少し堅めに力強く書かれていた。幼少期から限られた授業時間のうちの大部分を使ってパソコンや英語を学ぶ必要があるのか。基礎となり、全ての教科や自身のルーツにつながる国語をひたすら学ぶことが大切だという。私は英語は子供の世界を広げるために必要且つ、早めの教育が効果的だと考えるが、なるほど国語力は現在の日本教育であまりにも軽視されてることに気付かされた。ディベート力や要約力、読解力など基礎的かつ非常に重要な科目がないがしろになっている危機感を教わった。後半は正彦さんの息子さん3人の憎たらしくも聡明な日常と会話が面白おかしく書かれていて、飾らない正彦さんの魅力が詰まっていると感じ
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Posted by ブクログ
著者がアメリカに研究、講師として招かれた頃の述懐がまとめられた内容でした
前半は、新天地、しかも海外ということで、どこかウキウキした気持ちが伝わってくる内容で、カジノで散財したお話とか、若さからくる勢い、怖いものなし、みたいな部分も味わえて楽しかったです
中盤、苦悩する時期、もがく時期の描写も、若さからくるもの、アメリカ生活における日本人としての意識、みたいな部分で苦しんだ経験、気分転換で行ったフロリダでの出来事、そのときの気持ちの変化、苦しみを乗り越えた先にあるもの、気持ちの描写がとても胸に響く表現で、ズシンときました
終盤、苦悩を乗り越えて、最後はアメリカ人の印象が綴られてます。アメ