藤原正彦のレビュー一覧

  • 世にも美しい日本語入門

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    2025.01.13〜01.17

    文語体は難しい、なんでこんなものを学習しなくてはいけないんだ、と学生の頃は思っていた。というか、この本を読むまで思っていた。
    意味がわからなくても、良いんだ。情緒として、感覚として、捉えられたら。確かに、この本に出てくる言葉はとても美しい。そして、使いたくなる。
    幼き頃に、嫌がらずに感覚として読んでいたら、もっと表現力豊かに自分の気持ちを伝えられていたかも。

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    2025年01月17日
  • 祖国とは国語

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    国語教育と情緒の重要性!
    すっきりした文体と
    家族間でのやりとりが
    いたずらっ子のような
    お茶目さのあるエッセイ
    安部公房 に続き
    満州に縁がある方で
    後半の「満州再訪記」は
    興味深かった

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    2024年12月21日
  • 日本人の誇り

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    本書は、日本人の誇りと銘打っているだけあって東京裁判の不当性や中国の卑劣な行為、アメリカの押し付け憲法、またGHQによる戦後日本弱体化などを解説した上で痛烈に批判しています。

    ただ、筆者はその上で日本の満州での行い、また大アジア主義から大東亜共栄圏への考え方の転向(列強帝国思想)など日本の過ちについてもしっかり指摘しているいわば右寄りの中道とも言って良い内容になっております。

    排日政策、原料輸入禁止、アメリカによりどんどん追い込まれていく中、やむにやまれず太平洋戦争に突入していく日本。筆者も述べていたが、当時の環境を考えると、どう足掻いても戦争を回避することは出来なかったと考えると暗澹たる

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    2024年11月23日
  • 世にも美しい数学入門

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    私は数学が大の苦手科目でしたが、高校生の時にある数学教師との出会いをきっかけに数学への捉え方が変わりました。その恩師の口癖は「どうしてそうなるのかも理解せず、公式覚えて問題解いて、それって虚しくないか?」「わからない問いにぶつかったらとにかく実験してみればいい」でした。数学が得意科目になることは遂にありませんでしたが、少なくともこの言葉たちはその後の私の人生の指針になっています。

    この対談の中でも「数学は実験科学のようなもの」と、どんな天才による大発見も地道な実験を重ねて生まれていることが示唆されていて、「腕組みしててもなにもわからない。まず実験してみる。そして観察する」というスタンスはこれ

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    2024年11月11日
  • スマホより読書 本屋を守れ

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    ネタバレ

    ★3.5くらいかな。読書大事、国語教育大事という基本主張は完全アグリーですが、ちょいちょい疑問符がつくところもあったようななかったような感じでw。まぁ基本は対談ベースですし。
    左的な方には忌避されるでしょうけど、個人的にはこういった主張は好きですね。

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    2024年10月18日
  • 孤愁〈サウダーデ〉

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    時代に翻弄された一人のポルトガル人の話し。日本と日本人の妻を愛し、日本の土となった。『孤愁』という訳語がじんわりと心に染みる。物語全体に漂うメランコリーな雰囲気が好き。

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    2024年10月09日
  • スマホより読書 本屋を守れ

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    教養がないと大局観が得られない
    情報が繋がって知識になり
    知識が繋がって教養となる
    ネットに置かれている情報が得られたとて繋げ方を知らなければ知識として活用することもできない
    繋がった情報、つまり知識を得るには読書が効率的だし本質的だというお話
    そもそも校閲されていない情報は情報としても成り立っていないので情報源がネットである場合、知識を育み得ないとは思う

    ・論理的思考力とは数学的なものではなくて言語技術や表現技術を含む総合力

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    2024年06月22日
  • 若き数学者のアメリカ

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    高嶋ちさ子さんがインスタで紹介していて興味があって読んだ。著者がアメリカで生活していく中での心情の変化やそこで出会ったアメリカの人たちを通じての著者のアメリカに対する、アメリカ人に対する分析が興味深かった。

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    2024年06月09日
  • 日本人の誇り

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    「国家の品格」に続き、素晴らしい本を書いてくれました。全8章の内容は、前半4章を中学2年の課題図書に、後半4章を中学3年の課題図書と指定して欲しいくらいですが、きっと日教組は嫌がるだろうな。
    本書は、近代日本の歴史がコンパクトにまとめられており、歴史を俯瞰する1つの見方や立場を多感な年齢で考えることに意義がある。例えば、最近流行りの国際交流の場で反日教育を受けた連中から一方的に攻撃されて、日本人として何も言い返せないのでは困る。そうした公平で正しい基本知識を身につけて欲しいという願いを込めて。
    以下、本書のエッセンスを書き記す。
    ・「中国は美人を見たら自分の妻だと平気で主張する国」李登輝
    ・ア

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    2024年05月19日
  • 美しい日本の言霊 歌謡曲から情緒が見える

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    ネタバレ

    けっこうクセあるけど(笑)、藤原正彦さん好きで、尊敬しています。この本棚にも「祖国とは国語」と「国家の品格」入れています。数学者でありながら、文学に造詣が深く、でも国語の専門家というわけではないから独自の解釈というところが面白い。
    もともと国語の重要性を痛感しており、正しく美しい日本語を使いたいと思っており、最近仕事でも後進の指導にあたることになったので、語彙を増やしたいな、と思って購入しました。
    戦前、戦後くらいの、古い歌謡曲の歌詞を紹介し、そのころのご自分の状況を思い起こしながらその詩のどこがどのように良いのかをつづっています。
    イルカの「なごり雪」とか、山口百恵が歌った「秋桜」、♪秋の夕

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    2024年05月12日
  • 国家の品格

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    少し思想が強いと感じてしまったが、ここまで強い母国愛に触れることがなかなか無いという意味では貴重な一冊であり、日本人なら読む価値はあると思った。
    日本人の持つ情緒や美的感覚を、もっと鍛えるべきだという主張と、英語を学ぶ前に先ずは国語や教養を身につけるべきという主張が個人的には共感できた。

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    2024年05月10日
  • スマホより読書 本屋を守れ

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    言っている内容はとても共感できますが、表現が少々過激です。そういうところで嫌悪感を持つ人がいるかもしれません。スマホに限らず、動画や漫画など情報が多すぎるものは想像力が育たなくなるかもしれません。自分も気をつけようと思います。

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    2024年02月11日
  • 国家の品格

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    発売されてから時間は経っているが、日本人全てに読んでもらいたい。ならぬことはならぬ。理屈ではない。理屈の出発点は人それぞれ違う、その出発点を作るのが人それぞれの美的情緒。家族を愛し、その延長で地域、日本を愛する。花を綺麗だと思う美的情緒が日本人には備わっている。日本人に生まれたことを誇りに思う。

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    2023年11月23日
  • スマホより読書 本屋を守れ

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    駅前に書店がないのが許せないのは同感。でも、街中や郊外の大きな書店に通うようになった結果、小さな書店では物足りなく感じてしまう。ふらっと立ち寄った書店でたまたま手にした本との出会い。いいですね。
    それにしても文庫本、高くなったなぁ。本離れはここにも原因があるのでは?

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    2023年11月13日
  • スマホより読書 本屋を守れ

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    子どもの頃からの多くの読書を通し、人として大切なこと(惻隠、謙虚、抑制など)を身に着けることこそが日本をより良くし、ひいては世界をより良くする力になると著者は主張する。小学生からの英語教育、タブレット化による教科書廃止の動きに強い警戒感を抱く著者からの提言が記されている。
    本書は単なる読書論にとどまらず、PC(ポリティカル・コネクトレス)への疑問やグローバル化と新自由主義への批判など、大きな視線での著者からのメッセージが綴られている。

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    2023年10月11日
  • 祖国とは国語

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    前半は日本の教育について少し堅めに力強く書かれていた。幼少期から限られた授業時間のうちの大部分を使ってパソコンや英語を学ぶ必要があるのか。基礎となり、全ての教科や自身のルーツにつながる国語をひたすら学ぶことが大切だという。私は英語は子供の世界を広げるために必要且つ、早めの教育が効果的だと考えるが、なるほど国語力は現在の日本教育であまりにも軽視されてることに気付かされた。ディベート力や要約力、読解力など基礎的かつ非常に重要な科目がないがしろになっている危機感を教わった。後半は正彦さんの息子さん3人の憎たらしくも聡明な日常と会話が面白おかしく書かれていて、飾らない正彦さんの魅力が詰まっていると感じ

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    2023年09月22日
  • スマホより読書 本屋を守れ

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    戦争をなくすためには日本人の一人一人が読書することをもっと徹底していけば良いのではないか。読書が国防になることは私も薄っすらと感じていたことだったのでこの著書を読んで改めて自分の考えていた方向性は間違っていなかったのかなと認識できた。
    また安倍政権についての勉強にもなった。
    日本という国が如何に読書で守られていたのかを良い意味で思い知った。
    自分は日課となっている読書だが、読書から離れてしまっている自分の身の回りの人に読書は国防に繋がることを発信していきたいと思った。

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    2023年09月06日
  • 管見妄語 失われた美風(新潮文庫)

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    実はこの本との出会いは偶然で、自ら選んで手にした本ではなかった。でも、せっかくご縁があって巡ってきたのでと思い読み始めてみたら、自分でもびっくりするほどあっさりのめり込んでいた。
    堅苦しいトピックでも、ユーモアたっぷりの文体で読んでいて楽しかった。厳しく的確な意見と作者の人柄が伺える、コミカルな文章の緩急が心地よかった。もっと読みたい。

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    2023年05月25日
  • 日本人の真価

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    満州からの引き上げの、想像では追いつけない、ものすごくリアルな、そして壮絶な場面を、涙がにじみ出る言葉の連なりに、感動した

    私は戦争を知らない
    知らないから、想像する
    ウクライナの映像をリアルに見て、想像する

    昔、日本がそういうところだったんだと。
    昔、日本人は、そういう生き方をしたんだと。

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    2023年02月05日
  • 若き数学者のアメリカ

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    著者がアメリカに研究、講師として招かれた頃の述懐がまとめられた内容でした

    前半は、新天地、しかも海外ということで、どこかウキウキした気持ちが伝わってくる内容で、カジノで散財したお話とか、若さからくる勢い、怖いものなし、みたいな部分も味わえて楽しかったです

    中盤、苦悩する時期、もがく時期の描写も、若さからくるもの、アメリカ生活における日本人としての意識、みたいな部分で苦しんだ経験、気分転換で行ったフロリダでの出来事、そのときの気持ちの変化、苦しみを乗り越えた先にあるもの、気持ちの描写がとても胸に響く表現で、ズシンときました

    終盤、苦悩を乗り越えて、最後はアメリカ人の印象が綴られてます。アメ

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    2023年01月11日