藤原正彦のレビュー一覧
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ネタバレ私は大分の唐揚げが大好きだ。
でも、それを食べなくても幸せに生きれる。
そして、大分の唐揚げを食べずに人生を終える人を
心底気の毒だと思う。
誰かにとっての唐揚げは、なくてもいいもの。
誰かにとっての唐揚げは、人生を最高においしくする。
教養のとらえ方は、こういうことなんだと思う。
そして教養は、そんなことあるのか、というモノの見え方を広げて、考える人を作ってくれる。
その教養は体験でも読書でも深まる。
ただ、読書をさけては深められないんだということを著書の中で明快に示してくれてます。
そして縁遠い国家という言葉。
そこで国家を、大分の唐揚げ、と強引に言い換えてみた。
グッと近づいた。 -
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ネタバレカタルニアが独立したい理由の1つは、スペインのGDPの20%を生み出す最も富裕な州と言うことである
見えなくなれば忘れられると言うことだ。機械の中の写真、機械の中の本は内容とともに忘れられてしまう
私などは、樫津行動しない女房に三行半を突きつけられぬまま、40年もしがみついている。いくじない、ふがいない
日本の労働には大きく4つの問題がある。第一が少子化による労働人口の減少。第二が先進7カ国中でビリと言う低い労働生産性。第三世紀と言う日世紀の不合理な格差。第4は長時間労働だ
人々は自由競争と言う名の下の激烈な競争で疲れ果て、うるおいのない社会に幻滅している -
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1209年創立。日本で言えば鎌倉時代。
そんな由緒正しきケンブリッジ大学に、文部省の長期在外研究員として我らが(⁉︎)藤原氏が乗り込んだ。
氏の著書はどれも(笑えるという意味でも)面白く、共感ポイントもすこぶる多い。しかしケンブリッジ滞在時の記録をしたためた本書だけがなかなか手に入らず、今回ようやく悲願達成に至った!
藤原氏が客員教授として初めに招致されたのがアメリカのコロラド州。その頃のエピソードの記憶が濃厚だったから、毛色の違う英国ライフは自分にとっても新鮮だった。
労働者階級やニュースで流れるイギリス英語に苦戦しつつも、大学で他の教授と互角に渡り合う氏に惚れ惚れ。英語力もしかり、あと -
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すごく面白かった!に尽きます。
数学者にしてこの文才。当時のアメリカの様子や社会的問題、著者の心の移り変わり、アメリカ人に対する見方の変化などが各章ごとにまとまっていてとてもよくわかります。頭脳明晰としか言いようがありませんが、それだけではない著者の人柄が滲み出ており、最終的には『愛なしでは人間は人間であり得ない』と言うところに行き着いているところにも表れていると思います。
また、ユーモアもあって色々な場面で何度も笑ってしまいます。アメリカに対し、初めは対抗心を持っていた著者が、一時は疎外感からノイローゼに陥り、フロリダで心が解放されアメリカを好きになる事で克服してからの、その後のアメリカに対 -
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著者の1987年の1年のケンブリッジ大学での客員研究員としての生活を描いているが、1年とは思えないほど濃い内容でとても良かった。またイギリスやイギリス人についての説明が興味深く、イギリスやヨーロッパに対する理解が深まった。ただ自分のいったジョークが受けた、的な自慢めいた記載も多く少し鼻につく。メインは次男が学校でいじめられた時の父親としての心境、行動だろうが。このあたり、子供も心配だが仕事も重くてなかなかそこまで手が回らないなど同じ父として非常に共感するものがあった。
ルース・ローレンスという15歳で博士論文を書いている天才少女の話が出てきた。これに対して著者は、こうした天才児は時々報道され -
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非常に刺激的だった。
・教養の変遷という視点からではあるが、人類史における大きな流れや転換期をストーリーとして理解しやすくなる。歴史の一テキストといっても良いかもしれない。
・各イデオロギーにはそれぞれのデメリットがあるが、教養がその打開策になりうるというのは個人的に大きな発見だった。
・これまで民主主義は最善と考えていただけに、批判的思考がまだまだ足りていないと自覚されられた。
・本書の構成や解説は論理的でとても読みやすくありつつ、主観をしっかりと盛り込み、個人的な感情を明確に出している。このことこそが、教養ある人が持ちうる、いわるゆ「論理一辺倒ではなく情緒や形を基盤とした思考」である