藤原正彦のレビュー一覧

  • 管見妄語 始末に困る人

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    バラエティに富んでいてとても読み応えがあります。眉間に皺が寄りそうな世情や政情の憂えと、「あるある!」と共感を呼びそうな家族の話が同じ並びで語られる様が、読み応えを増しています。
    エッセイはSNSより言いたいことが言えるのかな、とも感じました。

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    2025年11月28日
  • 国家の品格

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    藤原先生の考えが非常に興味深く、日本人であることを誇りに思える内容だった。
    教養とは何か、人の素地や国家の素地を何が規定するのか。
    私は数学科の大学生だが、この本を読んで漢文に興味を持った。

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    2025年08月22日
  • 若き数学者のアメリカ

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    100円でたまたま買えたので読んだ本。昔、同じ著者の国家の品格を読んだことがあったけど、その時は記憶に残らなかったが、この本はかなり面白かった。

    著者がアメリカの博士課程やポスドクで留学していた時の話で、自分の感情を包み隠さず書いていて、入ってきやすい文章だった。本当に、今の時代なら公に出来なさそうな、個人的な日記というか。
    例えば、友達と過ごしたらマリファナをいつのまに吸っていたとか、大学の後は地域の子供と遊んでいたとか、ラスベガスで留学費用全部ギャンブルですったとかね。なかなか恥ずかしくて書けないような事も正直に書いてて良かった。わくわくしながら読めた。いい本。

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    2025年07月28日
  • 遥かなるケンブリッジ―一数学者のイギリス―

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    藤原さんの文章は初めて読みましたが、各章の締め括りが素晴らしく次の章に行く前に余韻に浸ってしまいます。読みながらイギリスに少し留学していた時の事を思い出しました。いつも曇っているか雨が降っている印象が強く、気分が暗くなっている時が多かったなぁと回想してしまいました。この本も同様な空模様で子供達が心配になりながら読み、私もこの子達同様イギリスで虐められました。今となってはいい思い出です。この本に出会えて良かったです。

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    2025年06月09日
  • 日本人の真価

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    「その声はメロディーを伴いリズムに乗って、合唱のように春の野を満たし、スルスルと青空に吸い込まれていった」(48ページ)。心憎いほどの名文だ。
    トップの資質は、国民の心に響く言葉を発する能力だ」という主張にも同意する。
    が、AIは情緒と無縁だという著者の主張の正しさは、最近、かなり怪しくなっている。

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    2025年05月26日
  • 世にも美しい数学入門

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    数を転がして、ころころと手のひらで弄ぶこと、美しい文章を暗唱したり、思い出して口ずさんだりすることが独創に良い影響をあたえる。

    何の役にも立たないけれどただただ「美しい」数学のおもしろさに気づいた。

    数学者の「ひざまづく心」を私も大切にしたい。

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    2025年05月17日
  • 古風堂々数学者

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    2000年刊。48篇のエッセイを収める。威風堂々と正論を言う。
    数学や家族以外の話題では、国語教育、ゆとり教育、国際化、ポリコレ、標語人間……に一家言。しかしそれから25年後経ったいま、憂えた状況はよくなるどころか、さらに悪くなっているかもしれない。とくに、強者の論理とポリコレの関係についてのエッセイ、ダイアナ妃の報道とポリコレの関係についてのエッセイは秀逸。
    巻末の解説は内館牧子。軽妙なタッチで、著者のナルシシズムをとりあげている。

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    2025年05月06日
  • 数学者の休憩時間

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    巻末100ページあまり、「父の旅 私の旅」が読みどころ。
    1980年、ポルトガル人モラエスを主人公にした小説を毎日新聞に連載中だった父・新田次郎が急逝。新田は、その前年にポルトガルを取材旅行していた。息子・藤原正彦は、遺された取材ノートを手に、父親がポルトガルでたどった道をたどる。その地でなにを見、なにを聞き、なにを感じたのか、どのような人たちと会ったのか、いわば追体験の旅。同時にそれは父親との対話の旅でもあった。
    なにやら真剣そうだが、いつものユーモアは健在。若い娘との多少妄想めいたアバンチュールもある。天正少年使節ゆかりの地(エヴォラ)で、現地の人間がだれもそのことを知らないのを嘆く場面も

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    2025年05月05日
  • 名著講義

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    お茶大の新入生向けゼミ、藤原先生と文庫本を読む。人気の授業だったらしい。収録されているのは先生最終年度のゼミ。文庫は『武士道』『武家の女性』『逝きし世の面影』『代表的日本人』……ラインナップを見て、最初は引いてしまった。
    一方的に講義するだけなら、魅力に欠けたかもしれないが、授業はゼミ形式。重要なポイントを学生が引き出してくれる。学生と先生のやりとりがおもしろく、読ませる。
    チョイスされた文庫11冊は、どれも保守的で、古臭い印象があったが、実際にはまったくそうではなかった。目からウロコ、それに生きる上で肝心かなめのことを教えてくれる。
    ボーナストラックは藤原先生の最終講義。半生をコンパクトに語

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    2025年05月05日
  • 心は孤独な数学者

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    カーソン・マッカラーズの小説ふうのタイトル。とりあげている数学者は、ニュートン、ハミルトン、ラマヌジャン。確かに彼らの心は孤独だったかもしれない。
    たんなる伝記ではない。まるで見ていたような臨場感。それもそのはず、彼らの生まれ育ち、生活し息絶えた場を見るために、現地に足を運んでいるからだ。
    とくにラマヌジャンには力が入っている(なんと160ページ)。ラマヌジャン(1887-1920)。インドの事務員、数学は独学。25歳の時に、自分が発見した公式を連ねた手紙を大数学者たちに送り、ケンブリッジのハーディがその天才ぶり発見する。ハーディはケンブリッジに呼び寄せようとするが、ラヌマジャンはヒンドゥー教

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    2025年05月05日
  • 若き数学者のアメリカ

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    数学者であり、随筆家でもあり、また国語教育や社会問題に関して優れた見識をもつ藤原正彦氏の名随筆。彼が70年代前半にアメリカのミシガンそしてコロラドに留学した際の体験が主に語られる紀行エッセイ。
    個人的に特に印象的だったのは、次の4つ。①アメリカ本土に上陸する前に立ち寄ったハワイで、唯一の日本人として白人観光客群の中に交じって、真珠湾を訪れるエピソード②日本とアメリカの大学生の違いに関して(アメリカの学生は、分数すら怪しい者がいるが、勤勉なことに毎講義で必ず宿題を要求する)③北部ミシガンでの寒い学究生活の中で行き詰まった末、同僚からのススメで、気分転換に南部フロリダへ海水浴に行く話④自分の下宿先

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    2025年04月28日
  • 名著講義

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    私の大好きな藤原正彦先生。
    本書はお茶の水女子大での読書ゼミ(11冊+α)の模様を収録したもので、藤原先生の教養と学生たちの感受性がぶつかり合う、楽しくもタメになる一冊。

    名著の数々に描かれる江戸時代から昭和初期までの日本において、当時の人々たちはじつに逞しく、そして気高く生きてきたことがよく分かります。

    本書に収録された名著のうち、恥ずかしながら読んだことがあるのは「学問のすゝめ/福沢諭吉(明治5年)」と「武士道/新渡戸稲造(明治32年)」の2冊のみ。
    それ以外の名著では、「代表的日本人/内村鑑三(明治27年)」、「逝きし世の面影/渡辺京二(平成10年)」、「山びこ学校/無着成恭(昭和2

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    2025年03月18日
  • 国家の品格

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    ふっわっとしていた自由と平等の矛盾がはっきり理解できた。民主主義は、成熟した国民がいてこそ成り立つがそんな国は存在しない。ある種のエリートによる抑制が必要なこと。文学、芸術、化学、数学、文化など一見役に立たなそうな学問を極めること。情緒は、武士道に学ぶこと。
    普遍的価値を生むこと、例えば親孝行
    金儲けより、国語、国語とは祖国、読書
    名作を若い時に感動の涙と共に読む
    たかが経済を忘れてはいけない
    人間の命は地球よりも重いは、人間中心主義から生まれた傲慢。人間の命はかくも儚いもの。人間は偉大なる自然のほんの一部にすぎない。美しい情緒は、こうした人間の傲慢を抑制し、謙虚さを教えてくれる。

    人生の指

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    2025年03月01日
  • 日本人の誇り

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    再読。数学者の藤原正彦さんが近現代史について自分自身の見方を書いた本。数学者であるのに歴史についての見識が広いことに驚かされた。日本人として祖国に誇りと自信を持つためには、歴史認識をもう一度確認することが大切であることを痛感した。

    心に残った言葉
    ・社会や国家に尽くすという美徳は、GHQが教育勅語を廃止し公より個を尊重する教育基本法を作成すると同時に消滅の運命を定められたと言ってよいでしょう。「公イコール国家イコール軍国主義」という連想を植えつけることで公へのアレルギーを持たせ、日本を弱体化しようとしたのです。公を否定し個を称揚することはGHQが産み、そしてそれを継承した日教組が育てたもので

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    2024年10月14日
  • 国家の品格

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    近頃の我が国では、「失われた30年を取り戻せ」と言わんばかりに、西洋の価値観に順応してゆこうとする趨勢の真っ只中にある。我々が今なしていることは、ひたすらに自国の否定にあるのだなと感じた。日本人であることの素晴らしさや誇りを改めて感じさせてくれたことに感謝したい。桜の儚さに思いを馳せるのも、俳句の情景に心打たれるのも、日本人ならではの「情緒」と「形」によるものであると理解した。

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    2024年09月23日
  • スマホより読書 本屋を守れ

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    極端な意見や日本賛美の表現もあり人によっては嫌悪感を抱く文章かもしれせん。

    しかし、スマホより読書と言うテーマ、また英語やパソコンを学ぶよりも本を読む事が重要と言う指摘は非常に鋭く事実を指摘していると思いました。
    私も仕事柄英語を使いますが、私よりも英語が得意な、特に帰国子女のような人たちが英語が話せるだけで、日本のお客さんを怒らせると言う場面によく出くわします。彼ら彼女らは英語が話せるだけで、相手が何を言いたいのか?何をして欲しいのか?と言うところまでは考えが回らない、つまり筆者が言うところの礼節や情緒が理解できていないのかもしれません。
    外国で育っただけではいくら英語が話せても日本語で正

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    2024年09月15日
  • 本屋を守れ 読書とは国力

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    本なんて時代遅れ、今は電子書籍でどうのこうので
    は?馬鹿もの!本をなんだと思っている。読書とは日本文化の最高峰だ!わかったなら本屋へ行きやがれクソガキ!

    そんな説教をしっかりと受け止め日本人の誇りにかけても守るべき文化を我々現代人に教えてくれるありがたい話。著書は2020年頃発行でまだコロナ前のドナルド・トランプ大統領が成立したばかりの内容にはなっているが、四年経った今でも知るべき内容です。特に日本と世界を比べ、我々の見方が世界に傾きつつあり、それは同時に沈みゆくタイタニック号に乗り込んでいると言わざるをえないといえるでしょう。日本は沈みゆく船ではなく氷山の一角にあるべきだとこの本を読むたび

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    2024年08月20日
  • 藤原正彦の代表的日本人

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    関孝和、上杉鷹山、福沢諭吉、河原操子、柴五郎をそれぞれ「惻隠の情」という言葉をもって代表的日本人と紹介してくれる。藤原正彦先生に今更ながら感謝。
    歴史の最前線には立たずとも歴史という大河の中でそれぞれ功を奏し、のちの人々へ大きな影響を与え続けている偉人たちの生涯、改めて惹き込まれて読んでしまった。
    知っているはずだった日本史の新たな側面も見え、脈々と繋がる歴史の中での小さいけれど大きな偉業を感じる。

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    2024年07月27日
  • 若き数学者のアメリカ

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    藤原さんの感受性の豊かさと、感じたこと、考えたことの言語化力に感動した。
    同じ体験をしても、ここまで深く考えて、感じて、言葉に表すことができる人はなかなかいないと思う。

    セリーナとの会話がとても印象的だった。
    他の作品も読んでみたい。

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    2024年05月01日
  • 若き数学者のアメリカ

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    最後らへん、「私のアメリカ」にまつわる文章が良かった。
    見知らぬ地で気を張ったり、疲れたり、でもそこで頑張って認められた時の全能感、それをビシって書き表していたところで「この本は面白い!」となった。
    アメリカにいても日本での自分らしくいればそれの異質さがアメリカらしさになるって言葉、励まされる。

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    2024年03月24日