【感想・ネタバレ】本屋を守れ 読書とは国力のレビュー

あらすじ

日本人の15歳の読解力はOECD(経済協力開発機構)の学習到達度調査で急落。月に1冊も本を読まない中高生や、電車やバスの移動時間に新聞、文庫本を読まずスマホしか見ない大人たち。町の本屋の数は減る一方。著者いわく、これらは国家全体に及ぶ「読書離れと教養の低下」にほかならない。ITと引き換えにわれわれは何を「殺して」いるのか。それは人間を人間たらしめる情緒、思いやり、そして教養にほかならない。かつて昭和の時代、アメリカ人が日本の書店を訪れ、店内が黒山の人だかりなのを見て仰天したという。この光景をもう一度、取り戻さなければならない。めざすは「書店の復活」である。「国語力なくして国力なし」「町の書店がなぜ大切か」「インターネットの情報で教養は身につかない」「デジタル本は記憶に残らない」。愛国の数学者が独自の直観と分析によって達した結論が日本人の「常識」になったとき、わが国は再び輝きを取り戻すだろう。

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Posted by ブクログ

本なんて時代遅れ、今は電子書籍でどうのこうので
は?馬鹿もの!本をなんだと思っている。読書とは日本文化の最高峰だ!わかったなら本屋へ行きやがれクソガキ!

そんな説教をしっかりと受け止め日本人の誇りにかけても守るべき文化を我々現代人に教えてくれるありがたい話。著書は2020年頃発行でまだコロナ前のドナルド・トランプ大統領が成立したばかりの内容にはなっているが、四年経った今でも知るべき内容です。特に日本と世界を比べ、我々の見方が世界に傾きつつあり、それは同時に沈みゆくタイタニック号に乗り込んでいると言わざるをえないといえるでしょう。日本は沈みゆく船ではなく氷山の一角にあるべきだとこの本を読むたびに思います。タイタニック号を沈めたのは氷山であるようにこの国はまさに氷山になれると思います。
それが今では地球温暖化のように世界からの競争に負けじと容易く世界からの熱に晒されてその原型を留められていません。だからこそ今できることは読書にある教養だと言えます。

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2024年08月20日

Posted by ブクログ

読書の大切さについて説かれていて、強く共感した。論理的な思考には優れているとされる理系であっても、その多くが読書量が足りないがために大局観に欠け、国の指導者としては不向きである、といったことや、移民政策がいかに国を危うくするかということまで、藤原氏らしく分かりやすく説明されていた。多くの人に読んでもらいたいと思う一冊だ。

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2021年07月30日

Posted by ブクログ

 読書は、習慣だと思う。歯を磨かないと気持ち悪いように、本を読まないと1日が終わらないように習慣づけて仕舞えば良い。
文科省は、教科書デジタル化などとつまらないことを提案するより、小学校から大学まで、読書の時間を必修にすべき。
 8章、移民政策は、大変考えさせられた。私も藤原先生と同じく安易な移民政策は反対です。

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2021年01月16日

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スマートフォンを使うようになってからは、紙の本だけでなく電子書籍も読むようになった。しかし著者は、「電子書籍では、本に染み付いた思い出が甦らない」という。
確かに、と思う。電子書籍では書き込みは難しいし、本の重量、ページをめくる音、紙の重量、質感、匂い、字体の違いなどが味わえない。それに、スマートフォンは本が何より教えてくれる「見えないものを大切にすること」つまり想像力、「自分にはまだまだ知らないものが世界にはある」という謙虚さ、次の行、文の間にある時間的、空間的な「間」をことごとくそいでしまう。
とりあえずオンラインストアアプリ、ゲームアプリは削除した(またインストールしちゃうだろうけど…)。スマートフォンから離れ、読書をすすめる本に齋藤孝「ネット断ち」(青春出版社)があるが、こちらの方が、私にとっては説得力がある。

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2020年08月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

対話形式。論理的思考のみでは大局を見通せない。広い視野で物事を考えられるようにするなら、ICT教育や英語教育より、読書で文化や教養を身につけるほうが先でしょう、という考えに頷いてしまう。歯切れのよい語り口で、紙の活字本派に響く内容だった。本屋を守る方策に関しては、サラッとしか触れていないので、そのあたりは別の本を読んだほうがよい。本屋の存在を意識しつつ、日本がどうあるべきかを考える一冊。

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2021年03月23日

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本屋に立ち寄って書架を眺めるのはとてもワクワクする。本屋、読書の話かと思いきや、海外に滞在された経験から、予想以上に広い話に発展して得した気分。日本の学校教育において、交ぜ書きではなくルビ打ちを提唱されている点には大いに賛同する。岡潔先生の著作の話から、一般に、意味がなく排除すべきと思われている「情緒」が重要だという点は、山口周『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』と似ている。

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2020年10月03日

Posted by ブクログ

「電子書籍では、本に染み付いた思い出が甦らない」と著者は言う。確かにそうだ。
スマートフォンは「眼に見えないもの」を大切にすること、「この世界にはまだまだ自分の知らないことがある」という謙虚さ、紙のにおい、質感、重量、字体の微妙な違い、行間の間、次の句までの一拍などは一切省かれてしまう。知らないうちに。
とりあえず、スマートフォンの使用目的を「時間管理」「連絡」とに絞りこみ、snsアプリ、オンラインストアアプリ、ゲームアプリは削除することにした。またインストールしてしまうだろうけれど…。

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2020年08月20日

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教養とは、実利とは縁遠い役に立たない精神性の総体で、目先の利益は齎さないが、心の奥底に効くもの。教養がなければ大局観は磨けない。その教養を磨くには読書しかないという著者の自論が熱く語られている。

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2020年08月17日

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読書習慣の喪失による国語力の低下の弊害を嘆き、子供期の読書を推進する本。思想の強めな表現も散見されるが、メッセージには説得力があり読書の重要性を再認識できた。
対話形式ではあるが、インタビュアーは多くを語らず、著者の言葉が多いためわかりやすかった。

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2020年07月20日

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教員時代、ベテランの先生方から教わったことと同じことが書かれてあった
読書力は大切で、読書が習慣になるよう、学校で取り組んできた
しかし、最近の学校はベテラン教員がほぼおらず、20代の先生たちがほとんどで、指導を深めることができていない
それが子どもたちに大きく影響している
外国の教育方法を取り入れる考えに、私も違和感があった
なぜなら、ベテランの先生方の指導法の方が優れているから

「読み・書き・計算」

これがやはり学習の基本であると、経験を通して思う


インターネットと紙の本の両方を上手に扱えるなら、私はどちらも利用したら良いと思う
しかし、目につくところに本を置くのがよい、というのは賛成
無意識に目に入る環境は、インターネットにはないように思う


グローバル化も、私は好きではない
日本のことを知らない子どもが多すぎてゾッとする
知っていても、知識が浅すぎて、外国の方のほうが日本に詳しいな、と思ってしまう
まずは日本について学んでほしい


英語教育も、英会話は必要ないと思う
中・高校で学ぶ英語をしっかり学習した友人は、英語でスラスラ会話ができる
文法などの基礎がきっちり身についているからだと思う
それに、語学力より会話力が必要で、そのためにはやっぱり読書や、日本語でしっかり考えられる力をまず身に着ける方がよいと思う

極端なこともたくさん書かれていたけれど、多くのことには共感したし、自分ももっと勉強しないとと反省した




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2020年07月15日

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スマホのために読書の時間が奪われ、それが原因でOECDの読解力調査で最下位になる。
教育の中に読書の時間を組み込むことが大切だと筆者は考える。
論理よりも情緒が大切。論理は出発点が間違えば、全てが破綻するから。情緒は大局観を養う。
移民の受け入れには反対。

出発点として情緒を養うことは大切だと思います。その上で論理的思考があれば、鬼に金棒ではと思いました。本を読むことは強制されてするべきことではないと思います。行動と検証があって、読んだ内容も身に付くのでは。
この人の論調は嫌いではないです。政治や外交も根なし草のない追従の状態が続けば国益を失うことも分かります。本を読むだけで、それが払拭されるとは思いませんが、AI到来を考えれば情緒さが大きな武器になる感じはしました。

「これからがこれまでを決める」
過去を生かすのも殺すのも、これからが大切

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2020年06月07日

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国語力が全て、ここに尽きるとの一貫した語り口は、安穏と何の思考も無く暮らしている私には気付きが多い。

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2020年05月09日

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学問をするはずの大学生ですら多くは本を読まないという現実。読書、教養が国の未来を支える。ネットの時代だからこその本屋と紙の本の重要性を、日本の教育行政の問題点も含めて語る。

数学者として著名な筆者また海外経験も豊富なだけに教育に関する提言は説得力がある。小学生からの英語教育には強く反対。それよりも何より子供の頃から大人までの読書、それに基づく教養の重要性を説く。

筆者の他の本でも主張しているが新自由主義とグローバル化には強く反対している。効率重視で日本古来の良きものが多く失われているという。

筆者のユーモアを交えつつも過激な主張は、案外藩閥を持つ人も多いようである。それもまた筆者の望むところだろう。

役に立たないから勉強ということが失われつつある世の中。同意できる点が多い示唆に富んだ一冊でした。

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2020年04月19日

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『国家の品格』『遥かなるケンブリッジ』以来、久しぶりの藤原さんの著書。歯切れがいい語り口で読書の意義を力説していて、町の本屋を守ることは国を守ることだと語りかける。私も出張や旅行で訪れる場所で、本屋を探してついつい覗いてみている。扱う書籍も本屋それぞれ個性的で、気に入った本屋もいくつかあり、今度訪れたときに再訪をしたいと思っている。そんな本屋が再訪時に無くなっていたらやっぱり悲しい気持ちになる。
今日から、新型コロナウィルス感染症対策の一環で緊急事態宣言下の生活が始まる。5月6日まで、臨時休業する本屋もあるのでしょう。この困難を乗り切ってまた多くの読書家を楽しませてほしいなぁ。

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2020年04月08日

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本屋を守るためには紙の本を読むことを盛んにする。その読書を盛んにするための教育について語る。本を読むことは教養の形成の基礎となり,国家や個人の決断において大局観を持つことにつながる。情報収集ならネットで手に入る。それらの情報を意味づけて知識として自分の中に持つことが,情報の解釈や行動の仕方に大きな影響を及ぼす。しかし,教養を高めることを目的にする読書は続かない。多くの人は打算的である。教養の度合いは見えにくい。大切な物は見えないのだから。「本を一日一ページも読まないやつはケダモノと同じだ」と。

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2025年04月13日

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インタビュー形式の本でした。本の読むことが大切さはわかりました。しかし他の国への発言など共感しづらいところもかなりありました。

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2024年06月23日

Posted by ブクログ

作者の主義主張にはこだわりがあり、同意できない部分もあったが、全体的な大意には賛同。
ただし、テクノロジーの進化を止めることはできないので、スマホの使い方などは、もっと共存できる余地を探すべきなのではないかと思った。

情緒を磨かないと大局観をそもそも見誤る。そもそも出発点を間違える。適正に選択されない情報はいくらあっても無価値。情緒が情報の選択を正しい方へ導いてくれる。
この考え方は今までの私にはなかったので、新鮮だった。きっと今後もずっと心に響き続けると思う。

思考は言語で行なっている。基本的には母国語。語彙が貧弱だと思考も貧弱。これはいろんな人が言っているし、私もその通りだと思う。子どもたちにはたくさんの言葉に触れてもらい、語彙を増やし、思考を楽しんでもらいたいと思う。

最後になるが、本のタイトルと内容が合っていない気がするのは私だけだろうか?本を読む、日本語を学ぶ、日本語を大切にすることと、本屋を守ることはイコールではないはずで、違和感があった。本屋を守れというタイトルが極端だなと思う。本屋を守りたい気持ちは私も同じだが。

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2024年06月05日

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駅前の個人経営の書店を守る、と書かれていたのですが、守るためには大型チェーンにばかりベストセラーや新刊を流す出版社を何とかしなければならないと思いました。流通経路についての言及が全くなかった。
そして本屋に関する記載はごく一部で、とにかく読書が大事だという、本屋というより読書に関する記載が大半でした

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2024年05月29日

Posted by ブクログ

 ゆとり、個性、創造性等が大切だと''個性尊重''の教育方針で育った子供達は、周りに合わせる事を学び目立った行動を控えて考え方も画一的になった。本を読んで思考を高め教養を養う事が大切だが学生の読者好は''変人''で読まない方が''普通''らしい。

 教養は、文学・思想・歴史・芸術で実用には必要ないものだがそこから精神が生まれる。大局観が生まれる。

 読者しなくなったのは、孤独な時間をスマホやネットに変わったから。スマホでのメールやり取りは単なる反応の繰り返しでネット情報は単なる情報であって知識や教養では無い。著者は高校生までの子供のスマホには電話機能以外は作動させないようにするや、ネットでの本販売は、送料実費にする等、読書をする大切な時間を捻出する事、教養を醸成させる環境を作る事が大切だと訴える。

 また、自己顕示は卑しい人間のする事で謙虚さが大切だと。

理学博士で''国家の品格''でベストセラーとなった著者ですが、相変わらず鋭い切り口と独特の感性に共感します。紙の本を読む事は教養、情緒、大局観を養う上で大切だと。電子書籍では記憶に残らない、一目では何の書籍か判断出来ない、感覚が残らない等、本屋で購入し読む事を勧める。本を一日に1ページも読まない人はケダモノだと喝破します。

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2021年06月20日

Posted by ブクログ

納得できる主張と、やや先入観で語られる主張が半々。聞きにくい程ではないが、時代やテクノロジーは変化するものであり、そこから新たな価値観を生んでいく事の必要性を懐古主義で否定しまっている事が特に残念。本屋で得られるものは、インターネットでは本当に得られないのだろうか。いつまでも対面商売、生産物に不必要な労働を付加して金銭交換するスタイルが正しいのだろうか。もっと柔軟に語って欲しいものだ。

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2021年01月11日

Posted by ブクログ

さすがの知見と爺の戯言が半分半分に配合されて、いい具合に熟成しているワインのように読める。「読書とは国力」この言葉がパワーワードで、すべての説得力を産んでいるのがさすが。しかし、本屋を守るかどうかは爺の趣味では。

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2020年08月13日

Posted by ブクログ

読書をしなければならない。本を読むことの重要性
電子ではなく、紙の本を読むことの大切さは
大きく共感しますが。
それ以外は、ちょっと同感しずらく。。。

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2020年06月14日

Posted by ブクログ

理に適った事が書かれているが、若干情緒に訴えた表現が多い
受取手によっては感情的な文章と取りそうで勿体ない
物理的な本が知識や教養の定着に有用である、との主張には同意できる

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2020年05月27日

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