藤原正彦のレビュー一覧

  • 国家の品格

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    知識や技術は時代と共に蓄積する。しかし、人としての豊かさは一代限り。
     人類は戦争を経験し、その度に二度としないと誓いを立て、時が経てば誓いを破った。そしてこれを繰り返してきた。科学技術がどれだけ進歩しても戦争を繰り返すのは、人の感情や豊かさが引き継がれないからという理由も確かにありそうだ。
     この他にも目から鱗の連続。例えば、実力主義でないから社会は安定する。小学校で英語を教育するのは国を滅ぼす。パソコンを小学校からというのも無意味。祖国愛が無い者が戦争を起こす。強い主張が並び、全てを鵜呑みにすることはできないが、読めばそれなりに理屈が通っており、中には最近の研究結果と著者の勘が当たっているものもあり、著者のセンスを感じる一冊だった。

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    2026年10月10日
  • 世にも美しい数学入門

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    藤原正彦の「数字を弄ぶ」という表現がとても気に入りました。
    自分も多少は弄んだとは思うのですが、数学者のそれには足元にも及ばないことが、よくわかりました。

    藤原正彦は、数学史にも造詣が深いようで、その点でも面白く読めました。

    『博士の愛した数式』の背景が垣間見れる本でもあるので、興味がある人は読んでみてはどうでしょうか。
    肩肘張らずに読めるので、数学の苦手な人にもオススメします。

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    2026年04月23日
  • 国家と教養(新潮新書)

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    米国の教養市民層の話も欲しい

    ドイツは何か美しい原理や原則に陶酔すると、バランス感覚を失い、突っ走ってしまう。対して英国は時として狡猾だが、特定の原則や主義に従うことに本能的に危うさを感じ、バランス感覚に従って行動する。こんな感じで両国の教養市民層の違いをざっくりと説明するくだりは面白かった。若干物足らなかったのが米国に関する掘り下げだ。教養主義とは対極にある功利主義の国と指摘するが、かの国に教養市民層が皆無であるわけではないので、それを説明するような1章を設けて欲しかった。現代であれば、学費が巨額で金持ちの子どもしか入れない大学の在り方が米国社会にどんな影響をもたらすのか近未来の予想も読みたかった。

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    2026年03月29日
  • 国家と教養(新潮新書)

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     日本やドイツがなぜ無謀な世界大戦に挑んだかなどを考えて、戦後以降の日本人の教養のなさに警鐘を鳴らしている。教養と一口に言っても、西洋的な教養も大切だが、惻隠などの日本的な情緒を身につけることこそが大切だ。明治や大正の日本人がどうあったかを考えて、現代に生きる我々がどう教養を身につけるべきか考えさせられた。少々疑問に思うところもあったが

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    2026年03月26日
  • スマホより読書 本屋を守れ

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    ここ数年、外に出ると
    「想像力が欠如している人が多すぎではないか?」
    「どうして人を思いやれないのか?」
    「電車は降りる人が先なのに
    ズカズカと乗ってくる人が増えたな」と、
    本当に本当に小さなイライラを
    募らせることが多くありまして…

    そういう人が増えている理由が
    この本を読んで少し分かった気がしました。


    私は感情表現が良くも悪くも人一倍
    過激なところがあり、その結果
    言葉の使い方や表現まで過激に
    なってしまうので、もう一度見直して、
    今よりもう少し美しく生きたいと
    思いました。


    この本は、オススメです。
    若い世代の人にこそ読んで欲しい。

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    2026年02月18日
  • 若き数学者のアメリカ

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    著者の同じアパートに住んでてよく遊んでた女の子が、著者が引っ越しする時に広場で言ったセリフが切ない。その後、引っ越してたまたま広場に戻って来たら、もう誰も居なくなってた。

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    2026年01月02日
  • 管見妄語 始末に困る人

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    バラエティに富んでいてとても読み応えがあります。眉間に皺が寄りそうな世情や政情の憂えと、「あるある!」と共感を呼びそうな家族の話が同じ並びで語られる様が、読み応えを増しています。
    エッセイはSNSより言いたいことが言えるのかな、とも感じました。

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    2025年11月28日
  • 国家の品格

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    藤原先生の考えが非常に興味深く、日本人であることを誇りに思える内容だった。
    教養とは何か、人の素地や国家の素地を何が規定するのか。
    私は数学科の大学生だが、この本を読んで漢文に興味を持った。

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    2025年08月22日
  • 若き数学者のアメリカ

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    100円でたまたま買えたので読んだ本。昔、同じ著者の国家の品格を読んだことがあったけど、その時は記憶に残らなかったが、この本はかなり面白かった。

    著者がアメリカの博士課程やポスドクで留学していた時の話で、自分の感情を包み隠さず書いていて、入ってきやすい文章だった。本当に、今の時代なら公に出来なさそうな、個人的な日記というか。
    例えば、友達と過ごしたらマリファナをいつのまに吸っていたとか、大学の後は地域の子供と遊んでいたとか、ラスベガスで留学費用全部ギャンブルですったとかね。なかなか恥ずかしくて書けないような事も正直に書いてて良かった。わくわくしながら読めた。いい本。

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    2025年07月28日
  • 遥かなるケンブリッジ―一数学者のイギリス―

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    藤原さんの文章は初めて読みましたが、各章の締め括りが素晴らしく次の章に行く前に余韻に浸ってしまいます。読みながらイギリスに少し留学していた時の事を思い出しました。いつも曇っているか雨が降っている印象が強く、気分が暗くなっている時が多かったなぁと回想してしまいました。この本も同様な空模様で子供達が心配になりながら読み、私もこの子達同様イギリスで虐められました。今となってはいい思い出です。この本に出会えて良かったです。

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    2025年06月09日
  • 日本人の真価

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    「その声はメロディーを伴いリズムに乗って、合唱のように春の野を満たし、スルスルと青空に吸い込まれていった」(48ページ)。心憎いほどの名文だ。
    トップの資質は、国民の心に響く言葉を発する能力だ」という主張にも同意する。
    が、AIは情緒と無縁だという著者の主張の正しさは、最近、かなり怪しくなっている。

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    2025年05月26日
  • 古風堂々数学者

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    2000年刊。48篇のエッセイを収める。威風堂々と正論を言う。
    数学や家族以外の話題では、国語教育、ゆとり教育、国際化、ポリコレ、標語人間……に一家言。しかしそれから25年後経ったいま、憂えた状況はよくなるどころか、さらに悪くなっているかもしれない。とくに、強者の論理とポリコレの関係についてのエッセイ、ダイアナ妃の報道とポリコレの関係についてのエッセイは秀逸。
    巻末の解説は内館牧子。軽妙なタッチで、著者のナルシシズムをとりあげている。

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    2025年05月06日
  • 数学者の休憩時間

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    巻末100ページあまり、「父の旅 私の旅」が読みどころ。
    1980年、ポルトガル人モラエスを主人公にした小説を毎日新聞に連載中だった父・新田次郎が急逝。新田は、その前年にポルトガルを取材旅行していた。息子・藤原正彦は、遺された取材ノートを手に、父親がポルトガルでたどった道をたどる。その地でなにを見、なにを聞き、なにを感じたのか、どのような人たちと会ったのか、いわば追体験の旅。同時にそれは父親との対話の旅でもあった。
    なにやら真剣そうだが、いつものユーモアは健在。若い娘との多少妄想めいたアバンチュールもある。天正少年使節ゆかりの地(エヴォラ)で、現地の人間がだれもそのことを知らないのを嘆く場面もある
    新田の連載小説は絶筆&未完……のはずだった。しかしその後、藤原はそれを書き継ぐことにする。『孤愁<サウダーデ>』の完成は30年後の2012年。なんという執念!

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    2025年05月05日
  • 名著講義

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    お茶大の新入生向けゼミ、藤原先生と文庫本を読む。人気の授業だったらしい。収録されているのは先生最終年度のゼミ。文庫は『武士道』『武家の女性』『逝きし世の面影』『代表的日本人』……ラインナップを見て、最初は引いてしまった。
    一方的に講義するだけなら、魅力に欠けたかもしれないが、授業はゼミ形式。重要なポイントを学生が引き出してくれる。学生と先生のやりとりがおもしろく、読ませる。
    チョイスされた文庫11冊は、どれも保守的で、古臭い印象があったが、実際にはまったくそうではなかった。目からウロコ、それに生きる上で肝心かなめのことを教えてくれる。
    ボーナストラックは藤原先生の最終講義。半生をコンパクトに語っている。小学4年の時に教わった数学好きの図工の先生、安野光雅先生の話も出てくる。

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    2025年05月05日
  • 心は孤独な数学者

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    カーソン・マッカラーズの小説ふうのタイトル。とりあげている数学者は、ニュートン、ハミルトン、ラマヌジャン。確かに彼らの心は孤独だったかもしれない。
    たんなる伝記ではない。まるで見ていたような臨場感。それもそのはず、彼らの生まれ育ち、生活し息絶えた場を見るために、現地に足を運んでいるからだ。
    とくにラマヌジャンには力が入っている(なんと160ページ)。ラマヌジャン(1887-1920)。インドの事務員、数学は独学。25歳の時に、自分が発見した公式を連ねた手紙を大数学者たちに送り、ケンブリッジのハーディがその天才ぶり発見する。ハーディはケンブリッジに呼び寄せようとするが、ラヌマジャンはヒンドゥー教徒でバラモン、事は簡単ではなかった(戒律では海外に出てはいけなかった)。なんとか渡英し研究を始めるものの、食生活にも問題。そして病魔に冒され、帰国。1年後、32歳で逝去。読んでゆくうちに、ケンブリッジや南インドの匂いを嗅いだ気分になる。絶品の評伝。
    (蛇足。さも単身で果敢にインドに乗り込んでいったように書かれているが、さにあらず。「あとがき」の末尾にはこうある。「インド取材について来てくれた妻にも感謝を述べたい。彼女なくして、私はインドの涯でコレラかエイズかデング熱により、多くの人に惜しまれつつ短くない生涯を閉じていたかも知れない」。美子さんがインド行きを躊躇する夫を引き連れていかなければ、こんなに魅力ある本は生まれなかったはずだ。)

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    2025年05月05日
  • 若き数学者のアメリカ

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    数学者であり、随筆家でもあり、また国語教育や社会問題に関して優れた見識をもつ藤原正彦氏の名随筆。彼が70年代前半にアメリカのミシガンそしてコロラドに留学した際の体験が主に語られる紀行エッセイ。
    個人的に特に印象的だったのは、次の4つ。①アメリカ本土に上陸する前に立ち寄ったハワイで、唯一の日本人として白人観光客群の中に交じって、真珠湾を訪れるエピソード②日本とアメリカの大学生の違いに関して(アメリカの学生は、分数すら怪しい者がいるが、勤勉なことに毎講義で必ず宿題を要求する)③北部ミシガンでの寒い学究生活の中で行き詰まった末、同僚からのススメで、気分転換に南部フロリダへ海水浴に行く話④自分の下宿先の近くにあるマンション群で知り合った外国人家族の話
    ②に関しては、様々な本や周りの人達から聞き知ってはいたが、何度聞いても、このアメリカという国の不思議かつ驚異的な底力を思い知らされる。アメリカのエリート学生の大半は、入学時には、理数系の知識が他国の優秀な学生の足元にも及ばないのだが、それが大学卒業時や大学院修了時になると、超一流の数学者や科学者に変身しているのだから、すごく不思議というか奇異に感じられる。しかし、よくよく考えてみれば、そのカラクリは簡単で、藤原氏が指摘しているように、彼らは大学の講義に対して、非常に熱心かつ真面目であり――というより、彼らにしてみれば、大学の授業はサービスであり、「自分たちは、そのサービスを最大限の効果でもって享受する権利があり、また実際、そうしなければならないのだ」という意識が強い――この勤勉な学習姿勢と、またそれに応えんとする学校側の超一流の施設・サービスが、一介の大学生を世界レベルのエリート学生へと変貌させ、ひいては、この超大国を支える大黒柱へと成長させているのだ(勿論、移民国家ゆえに、外国の並外れた才能が自発的に結集しやすいという事情もあるだろうが)。
    ③の挿話に関しては、フロリダ・マイアミの白浜で、ほんの短い間だが筆者と地元の白人少女が心通わせるシーン(風景描写)がすごく心に残ると同時に、同じ時季にも関わらず、一つの国の北部(ミシガン)と南部(フロリダ)で、こんなにも気候や風土が異なるのかと心底驚いた。やはり我が国とは、国土からして規模が全然違うなぁと思ってみたり。
    藤原氏は、政治評論や社会批評なども精力的に書かれているが、個人的には、本書のような紀行エッセイのほうが好き(本書のイギリス編とも言える『遥かなるケンブリッジ』も素晴らしい)。彼の随筆の醍醐味は、「自虐的なユーモア」と「わざとらしい自慢話」と「感動を帯びるペーソス」の三者が絶妙に相混じる文体にこそある。前者の評論・批評には、時に3つ目の「感動味のあるペーソス」が欠けていることがあるので、やはり自分は紀行エッセイのほうが好きである(つまりは、本書もやはり星5つの高評価)。

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    2025年04月28日
  • 名著講義

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    私の大好きな藤原正彦先生。
    本書はお茶の水女子大での読書ゼミ(11冊+α)の模様を収録したもので、藤原先生の教養と学生たちの感受性がぶつかり合う、楽しくもタメになる一冊。

    名著の数々に描かれる江戸時代から昭和初期までの日本において、当時の人々たちはじつに逞しく、そして気高く生きてきたことがよく分かります。

    本書に収録された名著のうち、恥ずかしながら読んだことがあるのは「学問のすゝめ/福沢諭吉(明治5年)」と「武士道/新渡戸稲造(明治32年)」の2冊のみ。
    それ以外の名著では、「代表的日本人/内村鑑三(明治27年)」、「逝きし世の面影/渡辺京二(平成10年)」、「山びこ学校/無着成恭(昭和26年)」、「福翁自伝/福沢諭吉(明治32年)」あたりを是非読んでみたいと思いました。
    日本人として、先人たちの営みがとても誇らしく感じられます。

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    2025年03月18日
  • 国家の品格

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    ふっわっとしていた自由と平等の矛盾がはっきり理解できた。民主主義は、成熟した国民がいてこそ成り立つがそんな国は存在しない。ある種のエリートによる抑制が必要なこと。文学、芸術、化学、数学、文化など一見役に立たなそうな学問を極めること。情緒は、武士道に学ぶこと。
    普遍的価値を生むこと、例えば親孝行
    金儲けより、国語、国語とは祖国、読書
    名作を若い時に感動の涙と共に読む
    たかが経済を忘れてはいけない
    人間の命は地球よりも重いは、人間中心主義から生まれた傲慢。人間の命はかくも儚いもの。人間は偉大なる自然のほんの一部にすぎない。美しい情緒は、こうした人間の傲慢を抑制し、謙虚さを教えてくれる。

    人生の指南書である。

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    2025年03月01日
  • 日本人の誇り

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    再読。数学者の藤原正彦さんが近現代史について自分自身の見方を書いた本。数学者であるのに歴史についての見識が広いことに驚かされた。日本人として祖国に誇りと自信を持つためには、歴史認識をもう一度確認することが大切であることを痛感した。

    心に残った言葉
    ・社会や国家に尽くすという美徳は、GHQが教育勅語を廃止し公より個を尊重する教育基本法を作成すると同時に消滅の運命を定められたと言ってよいでしょう。「公イコール国家イコール軍国主義」という連想を植えつけることで公へのアレルギーを持たせ、日本を弱体化しようとしたのです。公を否定し個を称揚することはGHQが産み、そしてそれを継承した日教組が育てたものですが、これを変えようとする者はGHQの方針になぜか未だに忠誠を尽くしているほぼ全てのマスコミにより、直ちに軍国主義者のレッテルを貼られます。P25
    ・実はアメリカが日本に与えた致命傷は、新憲法でも皇室典範でも教育基本法でも神道指令でもあません。P65
    占領後間もなく実施した、新聞、雑誌、放送などに対する厳しい言論統制でした。終戦のずっと前から練りに練っていたウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム(WGIP=戦争についての罪の意識を日本人に植えつける宣伝計画)に基づいたものでした。この「罪意識扶植計画」は、自由と民主主義の旗手を自任さるアメリカが、戦争責任の一切を日本とりわけ軍部にかぶせるため、日本人の言論の自由を封殺するという挙に出たのです。P66
    ・この「罪意識扶植計画」は、日本の歴史を否定することで日本人の魂の空洞化をも企図したものでした。ぽっかりと空いたその空き地に罪意識を詰めこまうとしたのです。そのためにまず、日本対アメリカの総力戦であった戦争を、邪悪な軍国主義者と罪のない国民との対立にすり替えました。三百万の国民が米軍によっり殺戮され、日本中の都市が廃墟とされ、現在の窮乏生活がもたらされたのは、軍人や軍国主義者が悪かったのであり米軍の責任ではない。なかんずく、世界史に永遠に残る戦争犯罪、すなわち二発の原爆投下による二十万市民の無差別大量虐殺を、アメリカは日本の軍国主義者の責任に転嫁することで、自らは免罪符を得ようとしたのです。P66
    ・洗脳とは真に恐るべきもので、最初は生存のため仕方なく罪意識扶植計画に協力していたのが、次第にそれに疑いをはさまない姿勢こそが戦争への懺悔、良心と思い込むようになったのです。疑いをはさむ人は軍国主義者とか右翼というレッテルが貼られることになりました。そしてこの史観は、モスクワのコミンテルン(ソ連共産党支配下の国際組織)のものでもありましたから、その影響下にあった日教組がそのまま教育の場で実践しました。 
     そのためこの史観は今日に至るまで脈々と、多くの善良な日本人の精神の奥深くに、気づかぬうちに根を張っているのです。P82
    ・日本の軍人達は、戦場で涙ながらに老いた父母を思い、自分の死後に遺される新妻や赤子の幸せを祈り、恋人からの手紙を胸に秘め、学問への断ち難い情熱を断ち、祖国に平和の訪れることを願いつつ祖国防衛のために雄々しく戦いました。それが今、地獄さながらの戦闘で散華した者は犬死にと嘲られ、かろうじて生き残った者は人殺しのごとく難詰されるという、理解を絶する国となってしまったのです。祖国のために命を捧げた人に対し感謝の念をこめ手を合わせて拝むべきものであるのに、戦争の罪を一身に背負わせているのです。 
     このような状態で日本人としての誇りが生まれようもありません。P86
    ・最も重要なことは現代の価値観で過去を判断してはいけないということです。人間も国家もその時の価値観で生きるしかないからです。P175
    ・日本人は「敗戦国」をいまだに引きずり小さくなっています。WGIP(罪意識扶植計画)で植えつけられた罪悪感を払拭することです。そして作為的になされた「歴史の断絶」を回復することです。
    すなわち、「誇り」を回復するための必然的第一歩は、戦勝国の復讐劇にすぎない東京裁判の断固たる否定でなければなりません。そして日本の百年戦争がもたらした、世界史に残る大殊勲をしっかり胸に刻むことです。
     その上で第二は、アメリカに押しつけられた、日本弱体化のための憲法を廃棄し、新たに、日本人の、日本人による日本人のための憲法を作り上げることです。P246
    ・次いで第三は、自らの国を自らで守ることを決意して実行することでさ。他国に守ってもらう、というのは属国の定義と言ってもよいものです。屈辱的状況にあっては誇りも何もないからです。P247

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    2024年10月14日
  • 国家の品格

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    近頃の我が国では、「失われた30年を取り戻せ」と言わんばかりに、西洋の価値観に順応してゆこうとする趨勢の真っ只中にある。我々が今なしていることは、ひたすらに自国の否定にあるのだなと感じた。日本人であることの素晴らしさや誇りを改めて感じさせてくれたことに感謝したい。桜の儚さに思いを馳せるのも、俳句の情景に心打たれるのも、日本人ならではの「情緒」と「形」によるものであると理解した。

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    2024年09月23日