藤原正彦のレビュー一覧

  • 日本人の誇り

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    歴史の先生が言っていた。
    「日本、アメリカになっちゃえばいいと思わない?アメリカ合衆国ジャパン州、どうよ?」
    この発言の適不適はさておき、私含め生徒たちはなんだか背筋がぞわっとして、なに言ってんだこの人はと思った。

    この本を読んでいて思い出したのはそんな昔のことで、あれはかの先生なりの、戦後日本への問題提起だったのだと気づかされる。

    『国家の品格』でもたしか書いてあった、ナショナリズムとパトリオティズムの違い。知ったときは本当に目から鱗だった。
    祖国愛は持ちたいもの。というか持つべきもの。本当に心からそう思う。
    それでも持っているだけではダメで、愛とともに、盲信ではない自信を持って進まなけ

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    2014年06月02日
  • 世にも美しい数学入門

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    博士の愛した数式も面白かったけど、同作者と実際の数学者との対談もなかなかだった。高校時代、数学にさんざん泣かされた身としては、ここで書かれたように、実験的感覚で学問と向き合うことが出来ればどんなに良かったことか、って思うことしきり。でも『小学生時代から先生より数学が出来て』みたいな発言を見て、やっぱり才能による部分が大きいんだな、って諦観みたいな気分も覚えたり。自分的には、美しい公式を見て、『うわ~、すっげー』って思うくらいがちょうど良い感じです。

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    2014年04月15日
  • 世にも美しい数学入門

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    わかりやすくて楽しく読めた。
    江夏の28ー完全数
    ゴールドバッハの問題
    「6以上の偶数はすべて二つの素数の和で表せる」

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    2014年02月01日
  • 管見妄語 大いなる暗愚

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    数学者藤原先生のエッセイ。父親に借りた。とっても面白い!日本の良さ、美しさや、政治批判、歴史、日々のこと、何にでも造詣が深く、素晴らしかった。

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    2013年09月15日
  • 日本人の誇り

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    数学者による日本の歴史の振り返り。決して自虐することなく強く尊い日本人の精神を呼び覚ますことが目的なのでしょう。歴史学者が書くと論議を呼びそうなこの内容を、不世出の天才である数学者が著すとこうなるのだな、と。絶賛している人のラインナップを見ると右寄りなのかとか思ったけど、そこはやはり中立に書いているから共感を呼ぶのでしょう。教科書にはこういう内容を載せてほしいなと思う次第。

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    2013年09月07日
  • 遥かなるケンブリッジ―一数学者のイギリス―

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    近は国粋主義者として鳴らしている氏の若い頃、数学者としてケンブリッジで過ごした中の1年間をまとめた旅行記兼エッセイ集。
    英国の根底に存在する生活や文化や思想等の考察も交えながら、身の回りの出来事を等身大でありのままに活き活きと描写してある、個人的旅行記のベスト。何度読んでも面白いので、たまに読んでしまう。国家の品格以降そういう系の啓発本しか出してない氏だけど、またこういう本書いてくれないかなぁ。

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    2013年05月26日
  • 心は孤独な数学者

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    著名な数学者でありエッセイストでもある筆者が、自身の尊敬するニュートン。ハミルトン。ラマヌジャン。の3人の天才数学者の業績と足跡を自らの足で辿った評伝紀行です。一人一人の人生がすごいです。

    著名な数学者、ならびにエッセイストとしても有名な筆者が自身の尊敬する数学者―ニュートン。ハミルトン。ラマヌジャン。の3人の足跡をたどる評伝紀行エッセイでございます。僕は数学を中学、高校で完膚なきなでに挫折して、それ以来数式にもほとんど触れないという人生を送ってまいりましたが、本書には難しい定理や数式などはほとんど出てくることはなく、同業者にしかわからない筆致で3人の苦悩や、数学をすることの喜び、さらには

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    2013年05月24日
  • 数学者の言葉では

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     数学者、藤原先生の強烈な個性爆発。『若き数学者のアメリカ』と一部重複する箇所があるように思うが、どのはなしも面白く読める。自分が日本人であると感じたいなら外国へ行くことだ。それも旅行程度の日程ではなく長期滞在をするに限る。日本人と自覚することでその後の人生にどんな影響があるのか、海外体験がプラスに働くことを願いたい。

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    2013年03月01日
  • 名著講義

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    本書は、著者が指定する文庫本を毎週一冊読んできて、それについて毎回ディスカッションするという、いささかハードなお茶大の名物ゼミをまとめたものである。

    藤原正彦は、思想家としては三流、数学者としての実力は未知数であるが、文章家としては超一流である。天才的といってもいい。まるで美しい数学の証明を見るように、簡潔にして要を得ており、全く無駄がない。文章の濃度が濃いのだ。だから、文庫本とはいえ、なかなか読みでがある。

    著者の膨大な読書量には圧倒される。しかしその割には、彼の思想は、バランスを欠いた狭隘なナショナリズムに過ぎない。江戸・明治期の日本と、昭和前期の日本を一緒くたにして、何でもかんでも礼

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    2013年02月13日
  • 管見妄語 大いなる暗愚

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    週刊誌で読んだ記憶のあるエッセイもかなりあったが,藤原先生の文章は説得力があり,溜飲が下がるものが多い.娘たちの大学祭で先生の模擬講義を聞いたことがあるが,話術の一流でした.

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    2012年10月19日
  • 名著講義

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    【読書その85】 「国家の品格」で有名な藤原正彦氏による、お茶の水女子大学で十数年続いてきた読書ゼミの講義録。新入生に毎週1冊の文庫を読ませ、それを皆でディスカッションする。取り上げられる本は、新渡戸稲造の「武士道」から始まり、福沢諭吉の「学問のすすめ」、内村鑑三の「代表的日本人」、「きけ わだつみのこえ」等の11冊。学生と藤原氏のやりとりの中でその本が執筆された時代背景、筆者の伝えたいメッセージ、現代日本に足りないもの、失われてしまったものが見えてくる。読んだことのない本も多く、是非とも読んでみたいと思う本ばかりだった。

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    2012年06月13日
  • 名著講義

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    読んでみたいと思っていた本を何冊も取り上げていたので読んでみた。こういうゼミに大学時代に積極的に参加しとくべきだった。

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    2012年06月13日
  • 世にも美しい日本語入門

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    画家の安野光雅さんと、数学家の藤原正彦さんが日本語について語るなんて面白そうだし、専門家が語るより気軽に読めると思い、借りました。
    漢詩(読み下し)や童謡など、意味が分からなくても若いうちから暗誦することの大切さを話していて、とても「にほんごであそぼ」的であると感じました。暗誦すると、確かにあとから効いてきて、人生をより豊かに過ごせるように思いました。
    「読書ゼミ」で読む、と挙げられていた本は、なかなか難しそうなものが多かったですが、これから少しずつ読んでいこうと思います。
    二人の実感に基づくお話が繰り広げられていて、ふーん、そんなものなのか、と感心しつつ楽しく読みました。

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    2012年06月13日
  • 管見妄語 大いなる暗愚

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    国家の品格以来,藤原先生は固いことしか言わなくなったのではと心配していたが,相変わらずエッセイは軽妙で面白いですね。

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    2012年06月11日
  • 管見妄語 大いなる暗愚

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    この方の文才は当然、知っていたが
    エッセイまでここまで、ユーモラスに書くことが出来るとは、脱帽です。
    愚妻とか書いてますけど、かなりの美人な奥様なんですよね。
    悔しいことに(笑)

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    2012年06月09日
  • 遥かなるケンブリッジ―一数学者のイギリス―

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    ネタバレ

    イギリス人、というものがどうであるか、どのような特徴を持っているか、ということが数学者としての経験、というよりかは一人間として見た点が描かれている。
    そしてそれがとても腑に落ちるものであった。

    外国で生活するには「自国の知識」が必要だし、「相手の国の知識」も最低限知っておかないといけないし、とにかく言語の問題以前に教養の必要性を感じさせられた

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    2012年06月09日
  • 数学者の言葉では

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    厳密な論理にもとづく科学。その中でも厳密な数学。その中でも基礎である数論は数学の女王とまで呼ばれる。科学を専門とする人間は変わったキャラクターを持つ人間が多い。曖昧な世界で生きる人と論理性の世界で生きる人間の世界に対する見方・取り組み方の違いが出るのであろうか。著者も数論を専門とする数学者で最近は本職よりも様々な文化論・国家論で有名。論理も行ききってしまうと逆に世界に対する諦観が生まれるのであろうか、一途なキャラクターも人間味を感じる。

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    2012年04月29日
  • 数学者の言葉では

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    「国家の品格」の著者として有名な方だけど、実はそれ以前から「若き数学者のアメリカ」を読んで知っていた。今回は(失礼ながら)神戸・元町の高架下の何屋さんか分からない店で入手した古本だったけど、一気に読んでしまった。面白い。コクがある文章表現に、ユーモアと深い考察が並立した世界。こんなエッセイを書いてみたいもの。

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    2012年04月01日
  • 遥かなるケンブリッジ―一数学者のイギリス―

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    前作「若い数学者のアメリカ」が大変よかったので、2作目である本作品も期待して読んでみれば、期待にたがわぬ素晴らしい出来栄えだった。

    1987-88年にケンブリッジ大学クイーンズ・カレッジで研究を行った著者の生活記。
    外国へ行くと極端に日本擁護派になってしまう藤原氏の前のめりな姿勢に時には苦笑しつつも、客観的で冷静なイギリス人分析力はさすがの一言に尽きる。
    「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」という格言通り、次第次第に周囲と打ち解けていき素晴らしい人間関係を気付いていく彼の人の良さには感動すら覚えてしまう。
    数学者とは思えないほどの文才も前作に引き続き冴えわたっている。まさに一級品のルポルタ

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    2012年03月06日
  • 心は孤独な数学者

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    ニュートン、ハミルトン、ラマヌジャンの足跡をたどったエッセイ。
    情景描写が巧みで引き込まれる。

    偉大な功績を残した人も、数学に取り憑かれた以外は普通の人間と変わらない。当たり前のことのはずだけれど、どうしても天才という言葉で区切ってしまう。この仕切を取っ払ってしまえば、なんとなく数学が身近に思えてくる。

    数学好きにも、そうでない人にもお勧めしたい本。

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    2011年12月03日