中川右介のレビュー一覧
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ネタバレかわいいイラスト、そして図解で表されている部分もあり楽しく読めました。
バッハを基点としてそこから外れることで破天荒値を測り、それ以外にはお金・名声、苦労・悲劇、作品数、後世への影響、という、計6つの指標を人生パラメーターグラフにしています。
クラシックとは、ハイドン、モーツァルト、ベートーベンに代表される音楽(1750年~1827年頃)を「古典派」と読んだことから生まれた概念で、
広義のクラシックとしてはそれ以前に存在したバロック時代(1600‐1750頃)の音楽、バッハ、ヴィヴァルディ、ヘンデルなどがあることが紹介されています。
その後の19世紀のロマン派にはシューベルトやショパ -
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本書のあとがきに「先に書かれた続編」と言及された『昭和45年11月25日 三島由紀夫自決、日本が受けた衝撃』を読んだのは今から13年前か。ある一日、だけど特別な一日に着目して、その時、同じ時間の中にいた人々が何を感じたか、を資料を駆使して多面的に描き出す、という手法は非常に新鮮で中川右介というライターに着目したきっかけでもありました。時を超え「後から書かれた本編」としての本書でもその方法論は一貫しています。今回の一日は昭和天皇の肉声がラジオで流れた日、です。戦後80年というタイミングが本書が生まれたきっかけなのでしょう。半藤一利『日本のいちばん長い日』が描くのは玉音放送の内側の葛藤だとしたら、
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大出世を果たしたヒトラー、スターリン、毛沢東の3人を取り上げて、それぞれが如何に歴史に名を残すトップにまで上り詰めたかを記している。タイトル「悪の出世学」とある様に、我々の知る3人が歴史に名を刻む要因となった行いは、政治家としての素晴らしい実績よりも、大粛清や虐殺、失政などが目立つ。勿論、トップになるその過程では、国民の多くの支持を受けていたことも事実ではあるが、普通のやり方とは大きく異なるその手法、3人が上り詰めるまでの道のりをわかりやすく解説している。
共通しているのはライバルを蹴落とすのも徹底的であるという事だ。自分がトップになるには、国民や同僚から人気のある別の人物は邪魔になる。普通の -
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クラシック音楽に造詣が深い訳ではないが、本書で取り上げられている音楽家は、昭和に育った人間であれば ”ああ、あの人ね” というくらいには分かる、大物ばかり。20世紀という戦争と革命の時代、音楽は国家・政治と無関係ではあり得なかった。世界的に高名であればこそ、政治は音楽家を利用しようとするし、音楽家はそんな中で、自らの態度表明を迫られることとなる。
本書では、ドイツのフルトヴェングラーにカラヤン、イタリアのトスカニーニ、スペインのカザルス、フランスのコルトー、ミュンシュ、ソ連のショスタコーヴィッチにムラヴィンスキー、ポーランドから亡命したムービンシュタイン、チェコのターリヒ、アンチェル、アメ -
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ネタバレ・一番好きな歌声の人についての本。
・このタイトルはやや誇大広告で、正式には「沢田研二が駆け抜けた13年間について」。あるいは「沢田研二と歌謡曲黄金時代」。
・ランキングや賞レースの豊富さ。一等賞へのこだわり。
・意外とコンセプチュアルなアルバムが多いのだなと知った。
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目次
◇はじめに
◇関連人物一覧
第1部 ザ・タイガース
京都の若者たち 1965‐66年
GSブーム 1967年
最初の頂点 1968年
分裂の始まり 1996年
解散へ 1969年
第2部 日本歌謡大賞
PYG 1971年
許されない愛 1972年
危険なふたり 1973年
追憶 1974年
第3部 日本レコー -
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昭和カルチャーのアームチェアディテクティブ、中川右介の今回のテーマは、沢田研二。島崎今日子が週刊文春で連載していた「ジュリーがいた 沢田研二、56年の光芒」と重なって、今なぜかジュリー来てます。島崎本(単行本は未読、週刊誌連載時に読んだだけですが…)は、関係者へのインタビューで構成されていますが、中川本は相変わらず,当時の雑誌のインタビューとかヒットチャートとか膨大な資料の再構成だけで沢田研二というスターの物語を描いて行きます。前に読んだ「阿久悠と松本隆」とか「松田聖子と中森明菜」と同じ「歌謡曲が輝いていた時代」を蘇らせています。ただし、作詞家とかアイドルとかという視点とは違うのは、スーパース
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「小此木彦三郎は中曽根派だったが、菅義偉は小渕派に入り、
そのなかでは梶山清六に支持した・やがて小渕派を退会して
宏池会に入った。この人は平然と裏切る。
二〇〇五年十一月から〇六年九月までの小泉純一郎の最後の
内閣で、菅義偉は竹中平蔵総務大臣の下の副大臣となり、
これで総務省との関係ができた。〇六年の最初の安倍内閣で
総務大臣として初入閣し、自民党が大敗した〇九年も当選
すると、今度は宏池会を退会し無派閥になる。またも変節した」
引用が長くなった。本書のテーマである「世襲」とは直接の
関係はないのだが、読んでいてニヤニヤしてしまった。
中川さん、菅義偉嫌いでしょう。この文章でそんな印象を
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- カート
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試し読み
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西洋音楽の歴史を、99のトピックにまとめて解説したもの。「楽譜」、「未完成の曲」、「音楽の印象派」、「レコード」といった事物や用語に関するものと、作曲者に関するものとがある。著者は別に音楽の専門家という訳ではなく、雑誌のライターらしい。
分かりやすいとは思うけど、正直すごい印象に残った話というものもなく、サラッと知識を確認していくという感じで、ちょっと退屈な感じがした。ただ「標題音楽と絶対音楽」(pp.114-6)の話、曲のタイトルの話は随所でされているので、それは印象に残った。「歌やオペラ以外の音楽は、もともと『何かを描いた音楽』ではな」(p.114)く、「作曲家あたちは、『ただ書いた』