中川右介のレビュー一覧

  • 第九 ベートーヴェン最大の交響曲の神話

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    ベートーヴェンの作曲エピソードよりも、
    誰が、どのような状況で第九を振ったのか?
    という初演後のエピソードが充実している。

    上流階級から労働階級へ
    ヨーロッパからアメリカ、アジアへ
    第九の演奏が広がって行く。

    確かに名曲。
    そして他の名曲とは一線を画した「特別」感。
    しかし、単に世界平和を謳うメッセージソングではない。

    ドイツ語が分からないし、日本語訳も読んでいない私は
    何に心揺さぶられているのだろうか……。

    第九初演以降の作曲家・指揮者に詳しい方が楽しめると思う。

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    2012年03月26日
  • 二十世紀の10大ピアニスト

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    ネタバレ

    ホロヴィッツの演奏を聴いて、他のピアニストとは違う「何か」を感じ、その「何か」を見極めたくて、この本を手にした。著者は、「執筆中、極端に言えば、ホロヴィッツとルービンシュタイン―この二人のCDさえあれば他はいらない…」、「ホロヴィッツは中毒になる…」とまで書いている。ますます、ホロヴィッツに興味を持ってしまった、がまだ見極められず。吉田秀和氏の『世界のピアニスト』なども読んでみよう…。ホロヴィッツに「彼こそナンバーワン」と言わしめる(作曲家として有名な)ラフマニノフの演奏も聴かなくては…。

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    2012年01月28日
  • 昭和45年11月25日 三島由紀夫自決、日本が受けた衝撃

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    死後40年に蘇る昭和45年11月25日。120人以上の、どこで、なにをしていて、どう感じたか、を時系列で再現することで「日本で一番夕刊が売れた日」を体感できます。本人の言葉とか新しい事実とか再評価とか次元の違う記述がないことで自分にとっての三島事件を考えざるを得ない構成です。一瞬で砕け散ったガラスの破片が当時のすべての日本人の心にそれぞれに突き刺さっているのは、そして今もチクチクさせ続けているのは、この事件が思想の事件とか制度の事件ではなくて個人の肉体の事件だったからだと思いました。首の上と下が別々になった肉体の物語を、われわれはその後、消費し続け、そしてまったく消化できずにいます。この事件は

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    2012年01月19日
  • 第九 ベートーヴェン最大の交響曲の神話

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    第九の初演で、耳が聞こえないのに指揮をしたベートーヴェンが大喝采に気付かなかった話は有名だが、作曲者の死後この曲がどのような局面で演奏され続けてきたのか、この作品が辿った歴史が論じられていて興味が尽きない。

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    2012年01月03日
  • 昭和45年11月25日 三島由紀夫自決、日本が受けた衝撃

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    三島由紀夫自決から40年を記念して出版されたらしいが、三島自身の言動を描いた作品ではなく、当時の三島を知る人々や、何らかの形で三島とかかわりがあった人たちの事件に関する発言なり出版物を中心に構成されている。

    そうか、三島はこんな人たちとの付き合いがあったのか!とびっくりするような場面が結構あったように思う。

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    2011年11月30日
  • 二十世紀の10大ピアニスト

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    ピアニスト達が才能を見いだされ、成功していく過程はとてもドラマチックです。
    名盤を探してみたくなりました。
    年代ごとにピアニスト達の生涯を追っていくかたちで書かれているのですが、私はあまり詳しい訳ではないのでたまに誰が誰だかわからなくなってしまいます。笑

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    2011年11月12日
  • 昭和45年11月25日 三島由紀夫自決、日本が受けた衝撃

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    この当日の、百数十人の文壇、演劇・映画人、政界やマスコミ関係者などの記録を時系列に追いながら、三島由紀夫の自決事件の真相と意味を問うたノンフィクション。

    大変面白い視点で、人々と三島との関係性のみならず、登場した多数の著名人その人たちもなかなかに興味深い。

    全体を一読した後のあとがきがまた非常に面白く、著者が、この三島事件という彼の一世一代の「大芝居」は、1970年代であったから成り立ったもので、現代の風潮を考えれば、もし今同じことが起きてもこうは行くまいと言うのには、膝を打つ思いだった。

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    2011年08月24日
  • カラヤン帝国興亡史 史上最高の指揮者の栄光と挫折

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    ネタバレ

    [ 内容 ]
    巨匠フルトヴェングラー亡き後、音楽界の頂点、ベルリン・フィル首席指揮者の四代目の座を掴んだ男、ヘルベルト・フォン・カラヤン。
    彼は類い稀なる才能と権謀術数を駆使し、ザルツブルク音楽祭、ウィーン国立歌劇場他、名オーケストラの実権を次々掌握、前代未聞の世界制覇を成し遂げる。
    何が彼をかくも壮大な争覇の駆け引きに向かわせたのか?
    盤石だったはずの帝国に迫る脅威とは?
    二十世紀音楽界ですべてを手にした最高権力者の栄華と喪失の物語。

    [ 目次 ]
    第1章 帝国の建設(三方面作戦;ザルツブルク陥落;ベルリンとの駆け引き;ウィーンの陰謀劇;拠点としてのロンドン。ミラノ;帝王の誕生)
    第2章 

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    2011年06月05日
  • 世界の10大オーケストラ

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    ネタバレ

    [ 内容 ]
    長い歴史を誇るウィーン・フィルですら一八四二年の創立だから二百年に満たない。
    つまりベートーヴェン(一七七〇‐一八二七)の時代には存在しなかったわけだ。
    かように近代になって誕生した「オーケストラ」は、きわめて政治的な存在であり、戦争や革命といった歴史的大事件に翻弄されやすい。
    「カラヤン」をキーワードに十の都市の十の楽団を選び、その歴史を、指揮者、経営者そして国家の視点で綴った、誰もが知る楽団の、知られざる物語。

    [ 目次 ]
    第1章 シュターツカペレ・ベルリン
    第2章 ニューヨーク・フィルハーモニック
    第3章 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
    第4章 レニングラード・フィ

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    2011年06月05日
  • カラヤンとフルトヴェングラー

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    ネタバレ

    [ 内容 ]
    クラシック界最高の名声と金そして権力が集中するベルリン・フィル首席指揮者の座。
    ナチス時代、その三代目に君臨する巨匠フルトヴェングラー。
    彼は誠実な音楽の僕でありさえすればよかった、比類なき才能と野心をもった青年カラヤンが現れるまでは―。
    嫉妬の炎を執拗に燃やし詐略をめぐらす巨匠、巧みに抗うカラヤン、そこに巨匠を慕う無名の田舎音楽家チェリビダッケが加わり、争いはさらに複雑になる。
    クラシック黄金時代の美と欲望のドラマ。

    [ 目次 ]
    第1章 巨匠と失業者―一九三四~三八年
    第2章 代理戦争―一九三八年
    第3章 陰謀家たち―一九三九~四二年
    第4章 黄昏―一九四二~四五年
    第5章

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    2011年06月05日
  • 昭和45年11月25日 三島由紀夫自決、日本が受けた衝撃

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     面白かった。
     三島由紀夫が自決した「その日」に焦点を当て、三島と交友の会った人物たちの「その日」を時系列順に並べ、「その日」を再現している。
     三島本人は一切出てこないが、エピソードの集積が三島の側面を点綴し描き出している。

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    2010年12月16日
  • 昭和45年11月25日 三島由紀夫自決、日本が受けた衝撃

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    この本では、三島事件そのものを描くのではなく、三島事件に人々(百数十人)がどう反応したかが、ほぼ事件前後の時系列で並べられている。実際彼らは興奮、驚愕、絶望、失望、感嘆、絶叫、唖然、愕然、反撥、嫌悪、嘲笑、様々な反応をした。
    当時20歳で多くの三島文学を読んでいた僕は当然彼らと同じように呆然とした。そして多くのものが饒舌になるか沈黙した。
    この日が「日本新聞紙上、最も夕刊が売れた日」だそうだ。

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    2010年11月27日
  • 昭和45年11月25日 三島由紀夫自決、日本が受けた衝撃

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    三島由紀夫の子供と同級生だったので、翌朝母から事件を聞いた記憶がある。
    事件が世の中に与えた影響の大きさも改めてわかったが、三島の広く深い交友関係に驚いた。
    第3者の言葉や記述で事件を浮き彫りにしているので、かえって臨場感が高まっている。
    ただし、120人は多すぎるように思う。

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    2010年11月17日
  • 昭和45年11月25日 三島由紀夫自決、日本が受けた衝撃

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    三島と全くかかわりのない人も多く登場して、事件のインパクトの大きさが分かる。なかなか意外な人もいて面白い。

    当時、小学生であった私はまだ三島の作品を読んだことがなく、名前すら身近なものではなかった。したがって新聞に掲載された不鮮明な現場の写真も、理解の範疇にはなかったのである。

    対象を二人にすることで作者との距離を明確にし、スタンスをぶれさせず客観性を提供するのがこの作者の手法だったが、この作品では一人の対象を多数の目で観察するという方法を採っている。

    聖子と明奈、カラヤンとフルトヴェングラー、そしてこの作品といずれも楽しませてもらった。次の作品が楽しみ。

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    2010年11月15日
  • 大女優物語―オードリー、マリリン、リズ―

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    同世代の3人の大女優の動きを時系列で並列して紹介していくという企画が面白い。語られるエピソードも盛りだくさんで興味深い。それにしても、様々な縁があるものだと感嘆。改めてマリリン・モンローは凄い人だと思う。良書。

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    2010年10月11日
  • ブームはどう始まりどう終わるのか

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    [ 内容 ]
    ブームは予測できない、でもいつかは終わる。
    ブームで成功するためには、ブームを発見すること。
    たまごっち、ボウリング、角川映画…ブームの栄枯盛衰。
    大きなブームからマイブームへ。
    ブームは報道によって変質する。
    撤退するための判断基準。
    クラシックカメラブームから学んだブーム8つの法則。

    [ 目次 ]
    序論 「ブーム力」と「ブームの壁」(ブームとヒットの違い ブームは商品寿命を短くする ほか)
    第1章 ブームの発見―一九九三年‐九四年(中古カメラブームが新聞で報じられる ブームの背景 ほか)
    第2章 ブームの構造―一九九五年‐九七年(教祖の登場 聖地の発見)
    第3章 ブームの変

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    2010年07月01日
  • 十一代目團十郎と六代目歌右衛門 悲劇の「神」と孤高の「女帝」

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    知ってる人はよく知ってることなんだろうけど、学生時代から歌舞伎を見ているが一向に詳しくならない私には面白かった。
    歌右衛門、事業家としても成功したんでないか? ただし、ワンマン経営で、後継者は育てられなそう。(その中から自力で育つ人が出てこないわけではない。)晩年の古怪としか言いようのない歌右衛門は見たが・・・。きれいな頃も見たかったよ。花組芝居の「歌舞伎座の怪人(歌右衛門版)」が見たくなった(ホントに歌舞伎座の怪人と言われるにふさわしい人だったんだと思って)。
    團十郎(というか、海老様。なんて、当時のことはもちろん知りません。生まれてないし)、人はよさげだけど、コミュニケーション能力に問題が

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    2010年06月08日
  • 世界の10大オーケストラ

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    1、シュターツカペレ・ベルリン
    2、ニューヨーク・フィルハーモニック
    3、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
    4、レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団
    5、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
    6、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
    7、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
    8、イスラエル・フィルハーモニック管弦楽団
    9、フィルハーモニア管弦楽団
    10、パリ管弦楽団

    とても簡潔にまた詳細に、さらに指揮者のエピソードも淡々と述べられていて、面白かったです。全体的にカラヤンを軸としているので、その辺が公平ではないと思いますが、へぇ〜、とか、ほう〜、とか感心する場面がたくさんあります。

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    2009年11月06日
  • カラヤンとフルトヴェングラー

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    カラヤンは知ってても、フルトヴェングラーを知らない人も大分増えてきました。チェリビダッケは一部のマニアの中に封じ込められた感があります。
    昔、アマデウスという映画の中でサリエリとモーツァルトの2人が折りなす権力と嫉妬のドラマを覚えているでしょうか? これは、3人の巨匠・天才が権力・嫉妬・軽蔑・尊敬・忠誠・猜疑心をもって織りなすドラマです。当時の世相が出ていておもしろいです。意外だったのはフルトヴェングラーの女好き&権力固執ぶりです。
    たとえは正確ではありませんが、信長・秀吉・家康の戦国時代を彷彿させるような人間ドラマがあります。音楽版「その時、歴史は動いた」といっても過言じゃありません。

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    2009年10月04日
  • カラヤンとフルトヴェングラー

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     カラヤン指揮ベルリン・フィルのCDは、誰もが一枚ぐらい持っているはず。R.シュトラウスの交響詩「英雄の生涯」は私の愛聴版の一つになっている。
     この本はベルリン・フィル四代目の首席指揮者をめぐる抗争の物語である。三代目指揮者として名声を博した巨匠フルトヴェングラーが、その座を脅かす新進気鋭のカラヤンに嫉妬。彼のドイツでの活躍を阻もうと詐略をめぐらす。そこにチェビリダッケも加わり、三角関係の中で政治が繰り広げられる。
     時に権力にすり寄り、時に甘言を弄し、時に裏切り。。。音楽の美しさとは関係のないところで、欲望剥き出しのドラマが展開。

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    2009年10月04日