中川右介のレビュー一覧
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本書は三島を直接的に理解するための書ではない。三島が生きた最後の時代の雰囲気を、彼自身の死を通じて今に呼び起こす書となっている。
三島自決のニュースに直接触れたことのない世代にとって、三島は大変不思議な存在である。自衛隊基地での演説シーンが稀にテレビ流れるが、必ずといっていいほど具体的な解説はない。三島が大声で叫んでるな、でも聴衆から共感得てないぽいな、自衛隊決起を呼びかけるなんて極右の親玉みたいなものかな、そんな感想を持つ。一方で三島の著作を読めば、テレビで見た彼と同一人物が著したのだろうかと疑うほどの耽美的な文章が並ぶ。自分の中で矛盾する三島像をつくりあげ、いつの間にか「三島由紀夫問題」化 -
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帯の「凡人がいちばん怖い」という言葉が全てを収斂しているなと、一読して感じました。
ヒトラー、スターリン、毛沢東の3名は、結局のところ、自身に正直に行動したというか、理性より感情が勝ったのかなと。
中間管理職とトップマネジメントの違いの様に、トップに立つと、時として目標達成のためには、我を通す必要性もあるかと思いますが。
この行き過ぎた”我”が”単なるワガママ”に、”公”から”私”に移行してしまったのが、この3名なのでしょうか。
しかし自分の様な凡人にも、こんなダイナミックな人生機会があるかもしれないと思って読むと、相当面白く読むことができます。
最終ページに明記している3名の出世術の要約版は -
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一次資料を縦横無尽に読み込んだ力作。オビには「血湧き肉躍る時代」と書かれているが、ここで徹底して描写されているのは、フロントの迷走、選手の葛藤・苦悩といった阪神タイガースの暗部ばかりだ。戦略なき強化方針、投高打低…といった伝統は、今も連綿と受け継がれている。ファンとしては暗澹たる気分になる。
この期間、村山、江夏という球史に残るとてつもない選手を擁しながら優勝できなかったのは、単にV9巨人が強かったからだけではない。マネジメントの致命的な欠落があったからだろう。しかし彼らが光芒を放っていたのは、そういう汚泥の中だったからこそではないか…という気もしないでもない。 -
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ある講演会でお話を聞いて本書を手に取りました。大林宣彦を尾道三部作に代表される「胸をキュンとさせる」ストーリーを紡ぐ映画作家としてだけではなく、70年代から80年代にかけて映画産業のシステムが変化していく時に、その変化のシンボルとしての「大林映画」を成立させるプロジェクトリーダーとしての捉え方が新鮮な企画でした。しかし「永遠の16歳」であろうとするクリエイターの意志がそれを成し遂げていくところに、その時代のビジネスが急激に個人を志向してきたか、と感じました。その際、自主映画→CM→メジャー映画というキャリアの中でコマーシャル時代の体験は大きな役割を果たしたのだと思います。チャールズブロンソンの
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世界中の誰に尋ねても知っているであろう、3人の指導者。
彼らは今でも人心を良くも悪くも引き付け、そこかしこに現れる。
彼らも、いいところはあった、そういう人もいるだろう。
それは否定しない。
人の評価というものはその時々で大きく変わるからだ。
ただ、なぜ彼らが悪とされるか。
それは彼らが、多くの人々を直接的、間接的に死に追いやったからだ。
このことはどんなに言い訳しようとも、なくそうとしても事実なのである。
それを踏まえた上で、彼らがどのように上り詰めていったか、出世の「極意」がここにある。
まずはスターリン。
鋼鉄の人、と自ら名乗った。
彼は人の弱みを握り利用し、そして誰も信じないことで登