中川右介のレビュー一覧

  • 第九 ベートーヴェン最大の交響曲の神話

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    今年の1万人の第九に参加することになったので、第九について勉強するために読んだ。
    市民革命、第一次世界大戦、ヒットラー、ベルリンの壁崩壊と多くの歴史的イベントにこれだけ関係ある曲も類を見ないのだろうと思った。

    あと、メンデルスゾーン、ワーグナー、マーラーと言った、大してクラシックを知らない私でも知っている名前の作曲家達が、第九の指揮をしていたと知りびっくり。

    いやあ、面白かった。

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    2025年09月09日
  • 山口百恵 1970年代が生んだスーパースター

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    百恵さんのリアル世代の自分には、全てが走馬灯のように甦りました。
    あのスター性、スパッと引退した覚悟、人間性としても、百恵さんを超えるスターは現れないでしょう。

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    2025年07月15日
  • 第二次マンガ革命史 劇画と青年コミックの誕生

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    中川右介の本が「やめられない止まらない」状態になるのは、「知っているつもり」の出来事が、その奥になる「知らなかった」出来事や、その横にある「関係ない」と思っていた出来事と繋がって「知っているのに知らなかった」物語として立ち上がるからです。いわば中川右介バタフライエフェクト。この本棚でも今まで『松田聖子と中森明菜』『江戸川乱歩と横溝正史』『阿久悠と松本隆』のような「二人で一つの物語」もの、とか『プロ野球「経営」全史』『社長たちの映画史』のような産業群像もの、とか昭和の点を線にする著作を楽しんできました。今回は、手塚治虫と「劇画工房」、永島慎二とつげ義春、水木しげると白土三平、マガジンとサンデー、

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    2024年12月26日
  • 沢田研二

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    あまり期待してなかったんですがまぁなんと面白いこと!デビュー前から1978末までのジュリーを事細かに追っていくんですが当然レコード売上や賞レース、GSの人気メンバーや作詞家作曲家、芸能事務所、レコード会社、ライバルとなるアイドル達の描写にもページをかなり割くわけで、それがいちいち怖くていい。

    普段は備忘録として長々書くんですけどこの本はオモロポイントが多すぎて書くのは無理。
    手元に置いて読み返すしかないですね。

    とはいえざっくり書いときます。なんせ忘れっぽいので。

    まずデビュー前ですがとんとん拍子に進んでいきますね。勿論他にもあっという間にスターになった人達(しかも本人はやる気ないのにス

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    2024年11月13日
  • プロ野球「経営」全史 球団オーナー55社の興亡

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    オーナービジネスと産業興亡史

    プロ野球の歴史、オーナーがどう変わってどの様に関わったか。
    スポーツビジネスに関わるものにとって必読書、温故知新。

    ■概要
    400ページを超える長編で、戦前どころか明治時代から野球、職業野球→プロ野球に関する歴史を整理。
    プロ野球の球団増減、オーナーチェンジの歴史が全網羅されているだけでなく、オーナー企業の「経営者」や周囲の人間にもスポットがあたっており、なぜ球団を持ちたいのか、球団を持ってどうしたかったのか、が滲み出てくる

    ■感想
    ・球団の歴史日本の産業変遷や生活の変遷そのもの
    とはよく言ったもので、新聞や鉄道、映画、鯨肉→加工肉、IT企業の隆興などの解像

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    2024年07月07日
  • 第二次マンガ革命史 劇画と青年コミックの誕生

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    1960年代に日本で起こったマンガの歴史が正確に書かれていて、自分が小学生だった小さい頃に、大人の漫画の世界で起こっていたことがとても良く理解できた。また、当時のマンガを読み直してみたくなった。

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    2024年06月18日
  • 歌舞伎 家と血と藝

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    446ページ

    これ分かる。宝塚ファン歴20年近いけど、宝塚ファンになりすぎると宝塚経営内の政治的なものが見えてくる時ある。ただ芸があるだけでは無理な世界観ていうか。舞台見るの好きな人なら分かると思うけど、宝塚出身の女優さんの一般の演劇界の信頼感って凄いんだろうなと思うし、海外の演劇界からも信頼を寄せてる女優さんも多い。

    歌舞伎界は女関係は大昔からえぐいし自殺もいっぱいあって怖くなった。昔からそういう世界観こそが歌舞伎界なんやね。

    中川右介
    1960年、東京都生まれ。早稲田大学第二文学部卒業。「クラシックジャーナル」編集長、出版社「アルファベータ」代表取締役。クラシック音楽への

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    2024年06月09日
  • 江戸川乱歩と横溝正史

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    二人がお互いの人生にこんなに深く関わっていたとは。愛憎入り混じる二人の関係だからこそ相手の本当の理解者だったとも言えるのでは。乱歩は勝手にうちに籠った人かと思ってたけどバイタリティあふれ、自信過剰な人なのが意外だった。

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    2024年05月20日
  • 阿久悠と松本隆

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    のっけからオモロいのよ。予想はしてたけど。

    阿久悠と松本隆を軸に辿る歌謡曲歴史本。

    「百恵と昌子はそんなに仲が良くない」とか断言しちゃうし、昌子のデビュー以降の下降と淳子百恵の初期デットヒート(冬色vsはじ出来)もデータを使ってシンプルかつデジタルに表現してていい。

    ところどころ挟まれる阿久悠及び松本隆のコメントもその時期によってニュアンスがかなり異なるものを併記してあったり、事実を丁寧に拾うことで逆に幅というかボカシが入って読みやすい。

    「とてもテレビに出られるようなルックスではなかった」小坂明子の才能「のみ」を大衆が受け入れたこと、バラとパンジーと子犬とあなたが同格に扱われ男の矮小

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    2024年04月17日
  • プロ野球「経営」全史 球団オーナー55社の興亡

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    ネタバレ

    骨太なノンフィクション。
    プロ野球の成り立ちからIT長者による買収までの
    歴史がまとめられております。
    鉄道会社がプロ野球に限らず百貨店などを運営するのは
    あくまで鉄道を利用してもらうためのコンテンツとして
    位置づけられていたとは驚きです。
    冒頭のプロ野球オーナー会社一覧図が
    非常にわかりづらいのですが、
    そうせざるを得ないくらい、複雑な歴史でした。
    これを執筆するにあたり、どれくらいの文献を
    読み込んだのか、
    とてつもない量だと思います。

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    2024年02月07日
  • 社長たちの映画史 映画に賭けた経営者の攻防と興亡

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    実録!という感じで、筆者の感情的なものを抑えた文体で、淡々と端的でとても読みやすい。くどくない程度に、流れを反復して説明を重ねてあるのも親切。だが!!なかなかの登場人物数。そして特に1部・2部あたりは映画会社がくっついたり離れたり、相当複雑な動きをするので、完全に理解したかと言えばそうでもない。けれど、章ごとの展開を追うだけでも十分ドラマティックで楽しめる。歌舞伎に始まる同族経営の松竹と、近代的経営の東宝、泥っぽい東映、菊池寛など文芸人を重役に置く大映…と、各社の個性もよくわかる。3部・4部は、「日本人が最も多く映画館へ行った年ー1958年」など1年ごとにまとめられていき、崩壊へのカウントダウ

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    2023年10月09日
  • 社長たちの映画史 映画に賭けた経営者の攻防と興亡

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    書籍のボリュームを含めて、中味が濃い。出てくるメンツのキャラクターも濃すぎ。

    ここ数年、旧作邦画を見るようになったので、この本読んでも自分の解像度が、以前よりは高くなってそうだったので読み始めました。

    戦前からというか、今も残る映画系の企業の創業時の話から、話が進み、エンタメの業界だけに限らず、戦後までの近代史の一角が描写されてる感じでした。

    自分自身が、知らない事も沢山記述があって、読み応えと満足感が非常に高かった。

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    2023年07月15日
  • 社長たちの映画史 映画に賭けた経営者の攻防と興亡

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    映画勃興期からの映画史を、経営者の物語として描いた。通常は映画や監督、俳優なを通して語るところを、社長たちの視点で語った異色の本である。その歴史は、面白い映画を作ろうとしたところが、会社の維持や社員の生活のために低品質の作品を量産し、結局は新興のテレビに押されて崩壊していくというものだ。どうして協力して高品質の映画を制作し、後世に残す、そして権利で食っていくという発想にならなかったのか。経営者も監督も俳優も、人間はかくも愚かだ。

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    2023年07月09日
  • 社長たちの映画史 映画に賭けた経営者の攻防と興亡

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    まずはよくこれだけの歴史をまとめあげてくださった事で、一冊の本でたくさん知れたという事実に感謝

    ここにもまた大企業病を患った方々が登場し謎の意地やプライドを振り回した結果が描かれていて呆れる

    映画についてはもちろん興味深く読んだし、それ以外の業種にも映画会社が深く繋がっていた点についても勉強になったし、そもそも面白かった

    経営者と制作サイドと演者、戦争と終戦。観客や興収に労組、舞台やテレビとの関係性まで知れて楽しい

    そう考えるとめちゃくちゃ安い本だと今は思う

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    2023年04月20日
  • 国家と音楽家

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    長年のクラシック音楽ファンであれば、ほとんど知っている話ばかりだが、わりとしっかりと、それでいて要点を押さえて一冊の文庫本にまとめてある。かつては三浦淳史さんあたりがレコード芸術に紹介していたような話だが、近頃は見かけなくなっている。(いまは熱心な読者ではないので断言はできないが)
    クラシック音楽を聞く若い方には、過去の演奏家たちがどう戦争・政治に向き合ってきたか、現代史の一面を知る意味でも手に取ってもらいたい本です。
    あとがきを見ると、連載から単行本にする際に手を入れ、文庫化するにあたっては大幅に加筆・修正を入れているようで、読みやすい日本語にもなっていて、しかも録音の紹介、年表も整備されて

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    2022年12月05日
  • 国家と音楽家

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    ヒトラーとワーグナー、ケネディとバーンスタインなど、それぞれ名前としては知っていた人たちがこんな風に関係を持って生きていたということを知り、最後まで面白く読み切ることができた。
    特に今はロシアとウクライナの問題が勃発中だが、この本でそれぞれの背景なども知ることができて、また違う見方ができるようになった。
    普通に歴史書を読むよりも、すっと頭に入ってきて、ずっと勉強になった。

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    2022年07月17日
  • プロ野球「経営」全史 球団オーナー55社の興亡

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    小さいころから慣れ親しみ、プロスポーツといえばプロ野球として、純粋に選手、チーム、試合を見ていた子供の時から、球団とは会社であり、それもまた、スポーツとは関係のない企業が経営していることをいつの頃からか漠然と知った時に、とても不思議な感覚にとらわれたことを思い出した。さらに、好きな球団、スター選手、同郷の選手の活躍を喜々として楽しんでいた裏で、本書に記された政治、経済界、裏社会が暗躍するドス黒い駆け引きが繰り広げられていたとは、背筋が寒い。

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    2022年01月22日
  • プロ野球「経営」全史 球団オーナー55社の興亡

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    経営者の視点からのプロ野球球団史。鉄道、映画会社から流通、ITへ。時代を反映した閉鎖的な社会を概観した力作。

    何より分量の多い作品。プロ野球の誕生から今日まで、球団の歴史つまりは親会社の歴史。ある意味球団のオーナーは時の名士であるので、そのまま日本政治の裏面史となっているところが何より興味深い。閉鎖的な社会と巨人中心の野球界。

    親会社が何度も変わる中、実は創設から全く変わらないのは阪神だけという意外な事実も面白い。

    選手や監督がほとんど出てこない、また巨人中心でなく12球団満遍なく記載されているところも評価したい。

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    2022年01月22日
  • 第九 ベートーヴェン最大の交響曲の神話

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    第九の完成から、初演、さらにそれからの他の作曲家の作品へ及ぼした影響、翻弄される楽団や指揮者の物語を経て、2001年に直筆の楽譜が世界遺産に登録されるまでを綴ったノンフィクション。
    いかに第九が人類にとって重要で特別なのかがよくわかる。
    僕個人としては、曲が完成してから、ベートーヴェンが初演の手配やマネタイズに四苦八苦して足掻きたおすところが面白かった。しかし、初演から3年後にベートーヴェンは56歳で亡くなっているので、相当しんどかったのではないだろうか。

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    2021年08月02日
  • 至高の十大指揮者

    CMG

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    中川右介さんの著書はクラシック音楽関連の物をよく読んでます。たぶん著者は多量の過去の記事や文献を参考にして書いてるのでしょうけど、
    演奏家やオーケストラの歴史、人間ドラマが軽快なテンポでサクサク読めて面白いです。

    #タメになる

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    2021年07月03日