Posted by ブクログ
2020年12月24日
江戸川乱歩と横溝正史。ある程度以上のミステリー(この場合は探偵小説と言った方がふさわしいか)ファンならば、この名前に、ドキドキやワクワク感、あるいは畏敬の念といったものを感じるのではないだろうか、
と言いつつ自分は、角川文庫ブームのときに横溝作品に触れたものの、乱歩についてはミステリーの紹介者...続きを読む、啓蒙者の立場からの評論から読み始まり、「孤島の鬼」や「陰獣」にハマり、少年探偵団シリーズは比較的最近読んだという読書遍歴である。
本書は、作家としても編集者としても活躍した、友人でありライバルでもあった両者が時に交わり、時に離れた、その関係性に焦点を当てて描いた、二人の評伝である。
これまで断片的には知識のあった両者の作家人生をまとめた形で知ることができて新たな発見があったし、作品に対しても新たな見方ができそうだ。
補助線として両者の作品を発行、発売した出版社の栄枯盛衰の歴史が語られ、これもまた興味深かった。