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1966年、京都の若者5人が芸能界にデビュー。沢田研二は、たちまち大スターに。だが、「時代の寵児」であり続けるためには、競争に生き残らなければならない。熾烈なヒットチャート争いと賞レースを、いかに制したか。頂点を極めるまでのジュリーの全軌跡。圧巻の情報量で、歌謡曲黄金時代を描き切る。
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Posted by ブクログ
あまり期待してなかったんですがまぁなんと面白いこと!デビュー前から1978末までのジュリーを事細かに追っていくんですが当然レコード売上や賞レース、GSの人気メンバーや作詞家作曲家、芸能事務所、レコード会社、ライバルとなるアイドル達の描写にもページをかなり割くわけで、それがいちいち怖くていい。 普段...続きを読むは備忘録として長々書くんですけどこの本はオモロポイントが多すぎて書くのは無理。 手元に置いて読み返すしかないですね。 とはいえざっくり書いときます。なんせ忘れっぽいので。 まずデビュー前ですがとんとん拍子に進んでいきますね。勿論他にもあっという間にスターになった人達(しかも本人はやる気ないのにスカウトで半ば無理矢理)は沢山いるんでしょうけどバンドそのままでこのスピード感は時代とジュリーのカリスマなんでしょうねぇ。両性具有のようなあの顔と艶かしい身体のライン。 エレキギターブームを「ふーん」と横目で見ていたであろうナベプロ、他事務所はしてやったり、時代は俺たちに!なんて思ってたのかも知れませんが主役は最後に登場するもんで。結局タイガースが全部持っていってGS代名詞になるんだもんなぁ。 GS時代で特筆すべきは佐藤栄作別荘に呼ばれるくだりと、ジャニーのとこですかね。 いやーここだけでもこの本の価値がありますよ。 「金と権力」 このための性行為でもあるし、性行為のためのこれでもあるし。 世の中全て「脅し、ゆすり、たかり」で回っていて燃料は「嫉妬」。褒美は「金と権力」なんだけど真の目的は「性行為」とかですかね。 この2つのエピソード(ともにさらっと書いてあるだけですが)からも私の認識がさほど間違ってないなーと思えました。 子供の頃堺正章と井上順がかくし芸大会の大トリのような扱いであることに「???」という感じだったんですが、内田裕也しかり、堺正章しかり、井上順しかり、井上堯之しかり、大野克夫しかり、加瀬邦彦しかり、その前のホリプロ、ナベプロ、マナセ、田辺エージェンシー、ジャニーズなどなど、なるほどねーーーーという感じ。 GSからソロになるあたりもナベプロへの悪意ある描写がいいですねー。書いてあることは本当なんでしょうけども所属タレントを使い捨てのおもちゃとして扱うのはきっとどこも同じなのでは?と思ったり。特にギャラの配分はナベプロが法規制の網を掻い潜るために企画演出云々とありましたが吉本だって同じようなもんでしょうし。他事務所が数倍って言っても結局10-20パーとか?半分てことはないでしょ。 あとタイガースを個人契約にしてたのも事務所としては当たり前ですよね。バンドは音楽性の違いとか何とか言い出しやすいし、病気や怪我で1人抜けたりCMやドラマが来ても配分がムズイ。最初から欲しいのはジュリーだけだったでしょうし。 てか伊東ゆかり強くね?(アグネスも) 1973では五木陣営との口喧嘩がいい。 特に徳間の宣伝部長「ミーちゃんハーちゃんだけに騒がれてる歌手が多い中で幅広い支持の五木は贔屓目に言っても日本一」に対してポリドールの宣伝課長「売上が上なこと、品格、説得力、五木とは互角ではない」と言い切るとこなんて痺れるし、更には山口洋子と安井かずみの舌戦もいい。 (平尾昌晃と加瀬邦彦はまぁ綺麗よね。五木とジュリー本人たちも。大人。) 1974年末、久世光彦から「ジュリーでドラマを一緒にやろう」と持ちかけられた阿久悠。ジュリーには手紙形式でラブコールを雑誌に書いていた。 「歌が密室化して注射のよう。歌に翼、炎、剣、花を持たせ自由に大胆に細心に飛び回らせよう!あなたの使命だ」 「ありそうな形をした嘘よりも、ありそうもない姿をした真実を描く方がズーッと誠実だと信じています。壮大な嘘の顔をした真実を、壮大なまやかしの振りをして歌ってみませんか?」 ここでは要約して書きましたが阿久悠の原文はさすがofさすが。文章に骨がありますよね。技巧なんか気にせず伝えたいことをまんま書いてんだけどそれがきちっと整列してるしバランスも取れてる。何より耳障りがいいんよ。 ジュリーがフランスや西ドイツでデビューしてたなんて全く知りませんでした。日本語逆輸入のシングル「巴里にひとり」いい歌ですね。 コンサートで「嫁です」ってウェディングドレスの新妻を紹介するのが鬼畜。ジュリーのファンってコンサート途中でやめても「うちの研二はむずかしいから」と鷹揚なんだけど若い時から鍛えられてたのね。頭突き事件とか色々。 天地真理についての描写が淡々としてて芸能界の怖さがよーく伝わる。渡辺美佐の「お前はもう要らないよ」ってのが聞こえてきそう。 先日読んだレコ大の本で長年の「なんでレコ大ってあんな権威あったの?」という疑問が晴れたのですが、この本でもう一段理解が深まりました。 フジテレビ、昔から下品なんだなぁ。 (テレビマンにとって下品は褒め言葉でしょうけど) また百恵が賞に縁遠いのはCBSソニーが洗練されてるからとの分析。まぁそうなのかも。じゃあオングが獲れたのは何でかねってことになるわけで(残るは事務所。新栄でしたっけ?サブちゃんとかいたのかな。1979は秀樹、芸映との一騎打ち。小西良太郎の記憶にも新しいところでしたよね。両社の「呼びかけ」が。)聖子ちゃんもソニーでなければ獲れてたかな(スイメモを最初からA面で出してれば) 本人は歌唱賞で友和からの電話に泣いてくらいだし欲しかったのかもだけどね。なんせ賞が獲れないから。秋桜、プレバ、いい日とか。もし1-2年発売が遅れてたら文句なく横須賀。もしくはA面で出してたら曼珠沙華。でも作詞も楽曲も美しいのは美サイ。 ジュリーの本でしたね。はい。 1978のサムライなんですが。 「片手にピストル心に花束」あれ?なんか既視感が。1977のギャル「薔薇にピストル」のコンセプトなのでは?今まで気づかんかったわ。 この「熱いのと冷たいの」「辛いのと甘いの」は阿久悠の好きなコンセプトなんでしょうね。 1977では「薔薇の花とピストルならどちらがお好き」と甘辛を並列してたのが1978では「片手にピストル心に花束」と甘辛をフィジカルとメンタルにクロスオーバーして進化させてるのか。 ホステスさんがイヤリングを外す仕草を反対の手でやるように、阿久悠もこういう「捻り」を入れることで刺してくるよね。ネジ方式。 鉤十字の衣装について当時のデザイナーや関係者のコメントがあるけど、どれも言い訳じみてダサい。まぁ今聞いたら素直に自身の無知さを恥じるのかも知れないけど。野坂昭如の反応がカッコいいし私もこうありたい。 後半オモロいのはジュリーというよりもピンク。 事務所は89◯で金だけの無計画集団、さらに日テレの第一制作部長の悪だくみと。彼女達が売れたのはいいとしても、事務所が悪すぎたなぁ。でも大手だったらあの振り付けはなかっただろうしなぁ。 レコ大審査員の買収の仕方もいい。 ノーツに対する報酬を数倍、さらにラスベガス公演や海外録音への取材招待と。 この辺は証拠に残るものだからこれにプラスして色々あるんでしょうねぇ。とはいえT &Cにはタレントの卵はさほどいないでしょうけど。 歌謡大賞やレコ大の候補者を決める決選投票のデータが良かった。リアルタイムで観たかった。 てか歌謡大賞候補10曲にDo it bang bangの郁恵ってどういうこと??????(郁恵ちゃんは好きですよ) 1978のオリコンとベストテンの1位比較表もいい。てか数年分欲しい。誰か作ってくれ。chat GPTに頼んだらやってくれるかな。 軽く書くつもりがちょっと長くなってしまいましたが。これでもこの本を読んだ感想としては15%くらいに抑えてます。(全部書いたら指がもげる) ジュリーのファンの方は「1978までってどういうことやねん」でしょうし、私も「6番目のユウウツまではベストテンとかにも入って売れてたんだからここまでやったらいいのに。てかパラシュート背負って歌うのを触れないの?それって堀ちえみのワッショイに触れないようなもんじゃん?」とは思ったんですがそんなことしたら上中下巻になるでしょうしね。ただでさえ500ページ超えてるのに。 とりあえずジュリーの曲を復習しよう。 PS 五木ひろしとジュリーのレコ大レースの中で「今まで2回獲った者はいない」とありますが橋幸夫が聞いたら怒ると思いますよ。
ジュリー好きの歳の多い友人からのお薦め。まだ子供だった頃に観たグループサウンズ時代や、彼の出演し始めた紅白のリストが年代を重ねるごとにだんだん自分が知っている世界になっていき、楽しくなり、一気に読みました。
非常にボリューミーで事実に基づいたもの なので、 その点は素晴らしいと思うのですが、 それでも足りない気がする。 栄光から離れていったジュリー、 今も歌い続けるジュリーも、 このように丁寧に追っかけてほしい、 と思いました。
昭和カルチャーのアームチェアディテクティブ、中川右介の今回のテーマは、沢田研二。島崎今日子が週刊文春で連載していた「ジュリーがいた 沢田研二、56年の光芒」と重なって、今なぜかジュリー来てます。島崎本(単行本は未読、週刊誌連載時に読んだだけですが…)は、関係者へのインタビューで構成されていますが、中...続きを読む川本は相変わらず,当時の雑誌のインタビューとかヒットチャートとか膨大な資料の再構成だけで沢田研二というスターの物語を描いて行きます。前に読んだ「阿久悠と松本隆」とか「松田聖子と中森明菜」と同じ「歌謡曲が輝いていた時代」を蘇らせています。ただし、作詞家とかアイドルとかという視点とは違うのは、スーパースターというフィルターで見た時代であること。そこには日本レコード大賞と紅白歌合戦という2大ステージの物語であり、著者のに二項対立フレーミングで語ると「レコード大賞と紅白」という本かもしれません。自分の中ではジュリーは日本で一番メジャーなロッカー(デビット・ボウイもなにするものぞ!)なのですが、ロッカーというより日本で一番ロックなエンターティナーに感じてくるのは、熱い一等賞へのこだわりがあるから。タイガースもPYGも、いいロックバンドとして大きく成長できたはずなのに…という残念な気持ちもありますが、エンターティナー沢田研二が歌謡曲のヒットチャートで踠きまくったからこそ、井上堯之や大野克夫の音楽は時代を作り、ショーケンはそれとは違う道を進めた気もします。沢田研二が自分の音楽に固執するのではなく時代の才能たちがジュリーというプラットフォームで己のアートを輝かせたいと思った、それがジュリーの時代なのだと思います。それにしても改めて感じるのは渡辺プロというプロダクションの存在の大きさです。テレビ局のみならず、政治まで巻き込んで芸能をビジネスにしていくプロセスはジャニーズや吉本興業のロールモデルになっています。これも二項対立テーマでフレーミングすると「ジュリーとワベプロ」という本でもありました。お互いに利用し合った(?)沢田研二とナベプロの関係の終わりは、どういう物語だったのでしょうか?エンターティナーとして、例えばシナトラみたいな存在にはなってない訳だから…そういえば去年、BS-TBSで録画した「沢田研二 華麗なる世界 永久保存必至!ヒット曲大全集」あったな…観なくちゃ!
・一番好きな歌声の人についての本。 ・このタイトルはやや誇大広告で、正式には「沢田研二が駆け抜けた13年間について」。あるいは「沢田研二と歌謡曲黄金時代」。 ・ランキングや賞レースの豊富さ。一等賞へのこだわり。 ・意外とコンセプチュアルなアルバムが多いのだなと知った。 @ 目次 ◇はじめに ◇関...続きを読む連人物一覧 第1部 ザ・タイガース 京都の若者たち 1965‐66年 GSブーム 1967年 最初の頂点 1968年 分裂の始まり 1996年 解散へ 1969年 第2部 日本歌謡大賞 PYG 1971年 許されない愛 1972年 危険なふたり 1973年 追憶 1974年 第3部 日本レコード大賞 時の過ぎゆくままに 1975年 謹慎 1976年 勝手にしやがれ 1977年 サムライ、LOVE 1978年 ◇あとがき ◇参考文献
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