中川右介のレビュー一覧

  • カラヤンとフルトヴェングラー

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    世界最高峰のオーケストラ「ベルリン・フィル」を巡る新旧帝王の争い。 今まであまり知られていなかった「第3代常任指揮者フルトヴェングラー」〜「第4代常任指揮者カラヤン(帝王)」へのバトンタッチを”ナチス”に悩まされ(時には利用し)魑魅魍魎の世界にて繰り広げられた権力闘争を克明に描く大作。 ハマります・・・。

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    2009年10月04日
  • 巣鴨プリズンから帰ってきた男たち

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    巣鴨プリズンを土壌とした日本の闇は終わらない。
    東京裁判のA級戦犯。釈放された後前後日本を、表から影から動かした人たち。岸信介、児玉誉士夫、笹川良一など。
    敗戦から東京裁判、日米安保体制まで、そして現在も世襲の多い政治家。
    戦争犯罪としては処罰されずとも、国家を誤った方向に導いた時の権力者たちは戦後も権力を握る、戦争責任はあるはずという筆者の強い感情から執筆されたことが伝わる一冊。日本財団、統一教会など現在につながるタネが巣鴨プリズンから始まっていることに驚き。

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    2025年12月10日
  • 昭和45年11月25日 三島由紀夫自決、日本が受けた衝撃

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    当時の三島由紀夫と同年代になってしまったけど、国の行き先を憂いた天才の求めた美学。
    当時のスーパースーターの衝撃的な結末に多くの人が衝撃を受けた様子がよくわかる。ここで対象にした120人だけでなく、幾万もの当時の日本人に忘れられないできごとなんだと痛感。その影響力の大きさがうかがえる1冊でした。

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    2025年11月12日
  • 1968年

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    小学生としてリアルタイムデータ世代の私にとっては懐かしくおもいだされました。大騒ぎだったよね、そうそうそうだったよね、アレはそう言う事だったのかと再認識したこと、様々なことが友達、学友、親達の表情、会話までよみがえりました。同じ素材をいろいろな視点からまとめた同作者の他書もよみたきなりました。

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    2025年10月28日
  • 松竹と東宝~興行をビジネスにした男たち~

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    新書はほとんど読んだことがないのですが、新書にチャレンジしたく、興味のある演劇についての本を選びました。初心者には少し長く、多くの方の名前が出てきて少しだけ混乱しましたが、歴史を追体験しているような気分になり、とても面白かったです!

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    2025年09月14日
  • 昭和20年8月15日 文化人たちは玉音放送をどう聞いたか

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    終戦の日に合わせて読み終えるつもりだったが、思いの外のボリュームに月を跨いでしまった。

    知識として、玉音放送は視聴率100%みたいのがあって、信じていたけれども、いやはやそんなこともないんじゃん、というのがまずの感想。

    そして聴いていた人たちも、必ずしもよく聞こえた!ということではない事実。これは新たな発見だったな。

    同時に、事前に敗戦を知っていたというパターンも結構あり、玉音放送の真実をみたような。

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    2025年09月02日
  • 昭和45年11月25日 三島由紀夫自決、日本が受けた衝撃

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    ずっと気になっていた事件。当時の衝撃と様々な反応が見事に浮かび上がってくる。今の日本を三島由紀夫はどう見るのか。

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    2025年08月12日
  • 昭和20年8月15日 文化人たちは玉音放送をどう聞いたか

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    本人によって(後に)書かれたものを中心に、それぞれの8月15日を描く。後から書かれたものだと意外に記憶違い(や故意でない修正)もあるかもしれないが、一つの歴史として参考になる。意外に茫然自失的な記述が多いようだ。あと「天皇の声」に関する記述。
    個人的にはここには取られていないが山田風太郎の日記が一番正直に書かれているように感じられる。

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    2025年07月13日
  • 阿久悠と松本隆

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    70年代から80年代を彩った作詞家の2人と、それを取り巻く歌謡曲の変遷について。

    その時代をリアルタイムで知らなかった自分でも、十分に楽しめた。

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    2025年07月05日
  • 昭和20年8月15日 文化人たちは玉音放送をどう聞いたか

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    アジア•太平洋戦争は1945年8月15日に終わった。この終わりは天皇陛下が国民にポツダム宣言受諾を伝えた玉音放送により、全国民へと伝えられる。実際は放送内容も事前に録音されたものであるから、8月15日はそれを聴いた国民にとっての敗戦であり、戦況からすれば広島•長崎に新型爆弾(原爆)が投下される以前、遡れば日本の敗戦に向かう転機となる戦いは、それよりもずっと以前にあった。極端な事を言えば、国力10倍差と言われたアメリカとの戦争開始を決めた頃には日本の命運は決まっていたのかもしれない。国民にとっての敗戦は家族や身近な人の死により、負けを感じ取った時期は様々なものになるだろう。
    本書はその様な8月1

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    2025年07月05日
  • ヒトラー対スターリン 悪の最終決戦

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    ヒトラー、スターリンの2人の独裁者について書いた一冊。

    前作の続編的な位置づけとのことだが、改めてヒトラーとスターリンという独裁者について勉強になった。

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    2025年02月15日
  • 悪の出世学 ヒトラー、スターリン、毛沢東

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    ヒトラー、スターリン、毛沢東の3人の独裁者について書いた一冊。

    それぞれ艱難辛苦を乗り越え、独裁者になり、逆に国民を弾圧したことがよく分かった。

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    2025年02月15日
  • 角川映画 1976-1986[増補版]

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    本邦におけるメディアミックスの先駆けである角川映画は、あくまで本業の書籍を売るための手段であったことがよくわかる。
    それが進んでいく中でアイドルの登場と角川春樹の映画への関わりの変化。角川春樹があまり興味を示さなかったアニメに対して、彼が退場後は角川にとって重要なコンテンツになっていくといった変化も興味深い。
    この主のドキュメンタリーは、つい当事者の証言を重視しがちになるが、そこによらないことで客観的にまとめられている気もした。

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    2025年01月14日
  • 沢田研二

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    ジュリー好きの歳の多い友人からのお薦め。まだ子供だった頃に観たグループサウンズ時代や、彼の出演し始めた紅白のリストが年代を重ねるごとにだんだん自分が知っている世界になっていき、楽しくなり、一気に読みました。

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    2025年01月13日
  • 第二次マンガ革命史 劇画と青年コミックの誕生

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    マンガ雑誌がたくさん出て、子どもから大人まで楽しむ創作のジャンルになるまでが描かれます。

    手塚治虫があらわれ、彼に影響され、しかし批判的に乗り越えようとする者たちがあとに続く。

    ビジネスとしては、貸本漫画から月刊誌が現れ、その貸本が終焉を迎え、週刊誌が現れる。

    貸本のころは作者自由が許されていたが、月刊誌、週刊誌では編集者の意向、世間への配慮によって作者は不自由となり、漫画家主体で作家主義的な雑誌ガロ、それに影響を受けて手塚のCOMが登場、競い合いながら作家性を向上させていきます。

    一場面一場面、短いエピソードで綴っていくスタイルがとても読みやすいです。

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    2024年07月05日
  • プロ野球「経営」全史 球団オーナー55社の興亡

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    なかなかに、面白い本だった。川上、長嶋、江夏、田淵、王、江川…そういう選手たちは名前くらいのもので、この本の主役は球団の経営者なので、それぞれの経歴が割と紙面を割いて書かれており、それはそれで興味深いところもあるのだけれど、寧ろ、西武が球団を持つのはライオンズだけではなかったんだとか、ユニオンズとかセネタースとか、過去の歴史を振り返ると時に出てくるそういう球団の事情とか、色々知ることができて、面白かった。
    この本は、だから、プロ野球球団の経営者の個人史であるのと同時に、経済史でもありといった風な読みものとして、日本の戦前から今に至るまでの一面の歴史書なんだな。
    にしても、この著者は阪神ファンだ

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    2024年06月14日
  • 社長たちの映画史 映画に賭けた経営者の攻防と興亡

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    戦前から現代に至る映画産業の観点からの通史。
    特に戦後映画が娯楽の花形だった1955年までの時期(第2部)からテレビの普及や娯楽の多様性によって斜陽となる1964年までの時期(第3部)は日本経済の高度成長を背景として読み応えあり。
    また松竹、東宝、日活、大映、東映各社の製作方針や企業経営の考え方が、各社の経営陣の個性や対立協調と共に栄枯盛衰を客観的な動員数や配給網ともに浮かび上がってくる。
    また会社間の人材の引き抜きや既存会社の存続保護ののための協定が、自由な映画製作や表現の自由、観客のニーズの把握にとっての功罪と限界を興味深く描く。

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    2024年03月31日
  • 悪の出世学 ヒトラー、スターリン、毛沢東

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     歴史上最も人を殺したと言われるヒトラー、スターリン、毛沢東のそれぞれの出世方法を分析解説したものであり、やはり普通は真似たくてもできないのであろうが、他に考察すべきは、そういった圧倒的な権力者が現れた時に、その者から逃れるよりも、人はその者を恐れ、命令に従ってしまうのであろう。その命令が人を殺すことであっても。それは命令に従わなければ、自身の命の危険があるからというよりも、まるでマインドコントロールされたみたいに正常な考えができなくなるのであろう。
     いまだプーチンや習近平など絶対的権力者が国を牛耳っており、ロシアはウクライナへ侵攻し、台湾情勢も安定性を見せない今日において、この三人について

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    2024年03月28日
  • プロ野球「経営」全史 球団オーナー55社の興亡

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    日本のプロ野球の歴史を経営の観点で辿っていく。
    昔から順を追って少しずつ今の形に出来上がっていく過程、知らないことが多すぎて面白かった。
    「経営」なだけあって金勘定のドライな裏事情のみなのかなと思いきや、黎明期はとくに、「野球が好き」と言う思いから発達につながったというあたり、人間臭くていいなと思った。経営層とか政治家とか、そのあたりの人たちって普段直接は関わりないけど、「あいつが気に食わない」とか「気に入られる」「根回し」「紹介」とか、生な人間関係とかコミュニケーションが超重要なんだろうな。

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    2023年10月05日
  • 社長たちの映画史 映画に賭けた経営者の攻防と興亡

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    祇園精舍の鐘の声、諸行無常の響きあり。
    娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。
    おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。
    猛き者もつひには滅びぬ、ひとへに風の前の塵に同じ。
    「平家物語」

    巻末に添えられた平家物語の一文のように、映画業界が大きく隆起し魑魅魍魎の人間模様あり友情ありを経て凪となり消えゆく様が非常に面白かった。残った3社も様変わりしていることだろう。今の映画業界にも少なからず映画さながらのドラマもあるのだろうが、この時代ほどではないと思われる。
    裏切り者とされたが最後、業界締め出しの嫌がらせの憂き目にあう俳優、業界人の話しには辟易したが、それは今もあるんだろうと想像す

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    2023年05月31日