中川右介のレビュー一覧
-
- カート
-
試し読み
-
Posted by ブクログ
アジア•太平洋戦争は1945年8月15日に終わった。この終わりは天皇陛下が国民にポツダム宣言受諾を伝えた玉音放送により、全国民へと伝えられる。実際は放送内容も事前に録音されたものであるから、8月15日はそれを聴いた国民にとっての敗戦であり、戦況からすれば広島•長崎に新型爆弾(原爆)が投下される以前、遡れば日本の敗戦に向かう転機となる戦いは、それよりもずっと以前にあった。極端な事を言えば、国力10倍差と言われたアメリカとの戦争開始を決めた頃には日本の命運は決まっていたのかもしれない。国民にとっての敗戦は家族や身近な人の死により、負けを感じ取った時期は様々なものになるだろう。
本書はその様な8月1 -
Posted by ブクログ
マンガ雑誌がたくさん出て、子どもから大人まで楽しむ創作のジャンルになるまでが描かれます。
手塚治虫があらわれ、彼に影響され、しかし批判的に乗り越えようとする者たちがあとに続く。
ビジネスとしては、貸本漫画から月刊誌が現れ、その貸本が終焉を迎え、週刊誌が現れる。
貸本のころは作者自由が許されていたが、月刊誌、週刊誌では編集者の意向、世間への配慮によって作者は不自由となり、漫画家主体で作家主義的な雑誌ガロ、それに影響を受けて手塚のCOMが登場、競い合いながら作家性を向上させていきます。
一場面一場面、短いエピソードで綴っていくスタイルがとても読みやすいです。
-
Posted by ブクログ
なかなかに、面白い本だった。川上、長嶋、江夏、田淵、王、江川…そういう選手たちは名前くらいのもので、この本の主役は球団の経営者なので、それぞれの経歴が割と紙面を割いて書かれており、それはそれで興味深いところもあるのだけれど、寧ろ、西武が球団を持つのはライオンズだけではなかったんだとか、ユニオンズとかセネタースとか、過去の歴史を振り返ると時に出てくるそういう球団の事情とか、色々知ることができて、面白かった。
この本は、だから、プロ野球球団の経営者の個人史であるのと同時に、経済史でもありといった風な読みものとして、日本の戦前から今に至るまでの一面の歴史書なんだな。
にしても、この著者は阪神ファンだ -
Posted by ブクログ
歴史上最も人を殺したと言われるヒトラー、スターリン、毛沢東のそれぞれの出世方法を分析解説したものであり、やはり普通は真似たくてもできないのであろうが、他に考察すべきは、そういった圧倒的な権力者が現れた時に、その者から逃れるよりも、人はその者を恐れ、命令に従ってしまうのであろう。その命令が人を殺すことであっても。それは命令に従わなければ、自身の命の危険があるからというよりも、まるでマインドコントロールされたみたいに正常な考えができなくなるのであろう。
いまだプーチンや習近平など絶対的権力者が国を牛耳っており、ロシアはウクライナへ侵攻し、台湾情勢も安定性を見せない今日において、この三人について -
Posted by ブクログ
祇園精舍の鐘の声、諸行無常の響きあり。
娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。
おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。
猛き者もつひには滅びぬ、ひとへに風の前の塵に同じ。
「平家物語」
巻末に添えられた平家物語の一文のように、映画業界が大きく隆起し魑魅魍魎の人間模様あり友情ありを経て凪となり消えゆく様が非常に面白かった。残った3社も様変わりしていることだろう。今の映画業界にも少なからず映画さながらのドラマもあるのだろうが、この時代ほどではないと思われる。
裏切り者とされたが最後、業界締め出しの嫌がらせの憂き目にあう俳優、業界人の話しには辟易したが、それは今もあるんだろうと想像す