中川右介のレビュー一覧
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ネタバレ[ 内容 ]
不世出の女形、六代目歌右衛門が劇界に君臨する一九七〇年代、類稀な美を煌めかせ、五代目玉三郎は現れた。
三島由紀夫らに見出された彼は、目映い美貌とその才能で、大衆から熱狂的な支持を得る。
一方。
女帝・歌右衛門をなお「至高」と讃える劇評家たちは、玉三郎を酷評し、女帝も彼を拒絶し続けた。
かつて伝統と秩序の中で疎んじられた玉三郎は、いま立女形として劇界の頂点にいる。
これは未曾有の奇跡なのだ。
彼はいかにして歌舞伎座のトップに上りつめたか―。
葛藤と相克の四十年。
[ 目次 ]
第1章 玉三郎と三島由紀夫―莟の花の発見~一九七〇年(澁澤龍彦の玉三郎「発見」;国立劇場と歌舞伎座 ほか -
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ネタバレ[ 内容 ]
戦後、大衆からの絶大な人気を誇り、市川宗家の名跡のもとで劇界を背負う宿命を負った立役、十一代目團十郎。
妖艶な美貌と才芸を武器に、人間国宝、文化勲章などの権威を次々手にして這い上がった不世出の女形、六代目歌右衛門。
立場の異なる二人が一つの頂点を目指したとき、歌舞伎界は未曾有の変革を孕んだ―。
華やかな舞台の裏に潜む、人間の野望と嫉妬、冷徹な権謀術数の数々。
最大のタブーの封印がいま解かれる。
[ 目次 ]
第1章 海老様ブームと歌右衛門襲名―~一九五一年(市川海老蔵;中村歌右衛門;戦争と平和;歌右衛門襲名)
第2章 始動と雌伏―一九五二年~一九五五年(天覧歌舞伎;大佛次郎と三 -
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玉三郎と同時代に生まれた幸福。
一人でも劇場全体を支配できるほどのオーラ。
この二つの点については、全く同感です。
劇場に行っていないと、そこまでわからない場合もあるので、ぜひ足を運んでみて下さい。
しかし、本人にはまったく取材しないで書かれた本。
それで、このタイトルっていいの?
若い頃に美しさに注目されてブームが起きて、出ずっぱりになりながら、劇評では冷遇され、本当に大きな役はなかなか来ない。
そういう時期もあったんですね。
劇評やインタビューなどを詳細に調べて、取りあげ、その年の傾向や、ブランクの理由などを追求してあります。
何年何月にどの舞台に出た、というのは資料として間違っていな -
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音楽界の帝王と呼ばれた指揮者は難しい人間だった。
巨匠フルトヴェングラー亡き後、音楽界の頂点、ベルリン・フィル首席指揮者の四代目の座を掴んだ男、ヘルベルト・フォン・カラヤン。彼は類い稀なる才能と権謀術数を駆使し、ザルツブルク音楽祭、ウィーン国立歌劇場他、名オーケストラの実権を次々掌握、前代未聞の世界制覇を成し遂げる。何が彼をかくも壮大な争覇の駆け引きに向かわせたのか?盤石だったはずの帝国に迫る脅威とは?二十世紀音楽界ですべてを手にした最高権力者の栄華と喪失の物語。
中学生の頃、初めてカラヤンのレコードを買った時には、遂に一流の指揮者による演奏を手に入れたと感激したものでした。それはベー