中川右介のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
1889年落成の「歌舞伎座」を軸に、幕末・明治期の歌舞伎の歴史をテーマとしているが、本書がユニークなのは、役者の演技論や作家の文学論には深入りせずに、もっぱら興行システムの変遷を、金主・座元・役者間の「カネ」と「コネ」の入り組んだ生々しい人間関係に重きを置いて明らかにしていることだろう。いわゆる「団菊左」時代だが、本書の最大のキーパーソンは団十郎でも菊五郎でもなく、江戸三座の1つ「守田座」(維新後は「新富座」)の座元で、後に歌舞伎座にも関係する12世守田勘彌である。江戸の芝居小屋から近代の劇場へ変化する過程を、この稀代の興行師の盛衰に焦点を合わせることで、その「近代化」の意義と近世人ならでは
-
Posted by ブクログ
歌謡曲やミステリーに続く著者の70's80'sティーンエイジ人格形成カルチャーシリーズは角川映画。東映、東宝、松竹、(大映、日活)五社体制プログラムピクチャー時代にトドメを刺し、現在の製作委員会方式時代の前史を作った存在は「角川映画」という映画界アウトサイダーが作り出したクリエーションがあったから、とはなんとなく感じていましたが、それが詳細なクロニクルとして記録されています。「読んでから見るか 見てから読むか」一大メディアミックスキャンペーンの嚆矢とされる「犬神家の一族」ですが、その前のプロトタイプとして「ある愛の詩」があったこと、さらにそれ以前に結果論としてのNHK大河ド
-
-
- カート
-
試し読み
-
Posted by ブクログ
面白かった・・・のだが、スターリン、ヒトラー、毛沢東、この3人については、それぞれ1人1人にこのテーマで本があってしかるべきだと思うので、それを無理矢理1冊の本にぎゅっと詰め込んでいる感は否めない。
また、1人書き切ってから次の人・・・という順番ではなく、ざっくり言うと頭角を現すまで、権力を握るまで、その後の3部に分けて、それぞれの部で3人を並べて書いているため、流れがいったん断ち切られてしまい、確認のため前に戻って読み直すことも何回かあった。3人のそれぞれのライバルの名前もたくさん出てきて、どのライバルがどんなタイミングで現れたのかなど、この書き方ではわからなくなってしまう。
ということで、 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「ドラえもん」を考察するにあたって、本編だけでなくて劇場版のシリーズや、「のび太の結婚前夜」みたいなビデオ版の中編アニメの話まで含めての考察だったので、その辺に関しては信頼性が高いと思います。
学年誌掲載の関係で、第一話が数種類あるとか、最終回も数種類あるとかっていうのはこの本で初めて知りました。
ただ・・・ドラえもんを通して社会を見るという視点はちょっと失敗だったのではないかなと思います。
特にドラえもんとスクールカーストの関係についてやジャイアン・スネ夫は民主党政権?っていうのは首をかしげてしまう。
スクールカーストの上位に来る人たちが皆、「みんなに好かれる人気者」とは言い難いという事実、 -
Posted by ブクログ
サブタイトルにある”稀代の興行師たち”とは幕府官許の江戸三座森田座の座元守田勘彌、歌舞伎座建設の中心人物となる福地櫻痴、金貸しで興行の金主となる千葉勝五郎、田村成義らを指すが、本書の主要人物と言えばもっぱら守田勘彌である。
本来は福地櫻痴こそが本書の主人公となる筈だが、そのあまりに波瀾万丈な生涯を前にすると他の奇人たちが霞んで見えてしまう。
書名から歌舞伎座誕生の経緯を描いたノンフィクションを想像するが、安政七年(1860)悲劇の立女形澤村田之助のデビューから明治36年九代目市川團十郎の死までの長いスパンを描く渾身のノンフィクション。
金と欲、プライドの激突、義理と人情が渦巻く当時の劇界。
そ