中川右介のレビュー一覧

  • 歌舞伎座誕生 團十郎と菊五郎と稀代の大興行師たち

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    明治維新と、それにともなって歌舞伎役者と歌舞伎そのもののステータスが上がっていく様子が、とても興味深く読めた。芝居の歴史を興行の面から描いた名著だと思う。

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    2014年05月08日
  • 悪の出世学 ヒトラー、スターリン、毛沢東

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    スターリン、ヒトラー、毛沢東はどうやって国のトップにのし上がったのか。3人の人生を並行させて、出世という切り口で論じたところが非常に面白かったです。

    若い時は凡人扱いだったのに、策略や粛清を重ね、どうやって権力を集中させたのか。

    思想をもたない、
    敵の敵は味方
    オールorナッシング
    逃げる時はすばやく
    常に多数派につく
    ライバルになりそうな人材は容赦無く粛清

    など、それぞれの特徴がありました。


    悪い人を見抜くためのビジネス書としても、歴史本としても、文学としても楽しめる本です。

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    2014年04月09日
  • 歌舞伎 家と血と藝

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    江戸時代から平成の世まで、歌舞伎の家、血、藝を巡ったハードな人間模様が描かれていました。現役で活躍されている歌舞伎役者の方々の名前が持つ重さを感じます。中村福助さんの歌右衛門襲名が本当に大変なことだということが分かりました。

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    2013年12月24日
  • カラヤンとフルトヴェングラー

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     本書に描かれた20世紀を代表する大指揮者フルトヴェングラー、チェリビダッケ、カラヤンが繰り広げる三つ巴の戦いは、「仁義なき戦い ── ベルリン・フィル編」とでも名づけたくなるほどの生々しさと妄執に満ちている。
     ヘーゲルはかつて「悪をも為しえる人間にしてはじめて善をも為すことができる」と述べたが、この3人が見せてくれたようなとてつもない妄執や疑心暗鬼があってはじめて、音楽にデモーニッシュな凄味がうまれてくるのかもしれない。

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    2013年10月20日
  • 歌舞伎 家と血と藝

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    まだ歌舞伎を「鳴神(中村橋之助)」、義経千本桜の三段目「鮨屋の段(片岡仁左衛門)」しか劇場で観ていません。でも本書の内容はとても面白く読めました。簡単な家系図付きで読んでいくと「あ〜、こういう家の、血、藝のつながりがあるんだな〜」と分かってきます。歌舞伎を観ていない人でも、ぐいぐい読ませていく本かと。知っている人が読めば、なお読ませる本かな。

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    2013年10月11日
  • 二十世紀の10大ピアニスト

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     19世紀末から第一次世界大戦、第二次世界大戦、共産圏崩壊間近に至るまでの激動の時代を生き抜いた10人の大ピアニストを中心に、歴史を横にスキャンすれば同年代、先輩・後輩が織りなす友情、ライバル心、嫉妬、誤解、すれ違い、悔恨、迫害、韜晦等々の物語があり、縦にスキャンすればマエストロたちの華々しいコンサートの熱狂ぶりを思わぬところで目撃して発奮したり、無視されて絶望した10年後、15年後のマエストロたちがいたりと、クラシック音楽の世界はまことに意外性に富んだ物語を秘めている。その綾をひもといて、飽きさせることなく読ませるのは、さすが <クラシック・ジャーナル> 編集長たる著者の力量あってこそ可能だ

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    2013年09月29日
  • 歌舞伎 家と血と藝

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    縦横斜め前後左右に複雑に絡み合った歌舞伎界の名家の興亡の歴史が楽しめる。藝の話はないが、その代わり超大河ドラマをみているような感じである。
    「えっ、あの人とこの人がそういう関係だったの?!」といった話がある一方で、ドロドロとした下世話な話はない。あくまで通史といった感じか。

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    2013年08月23日
  • 二十世紀の10大ピアニスト

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    音楽論に踏み込むのではなく、現存している資料から発言や動向を読み解いていくスタイルは著者のカラヤンの本と同じである。

    ピアニストとしてのショスタコーヴィチについて触れている数少ない本。

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    2013年04月16日
  • 坂東玉三郎 歌舞伎座立女形への道

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    最初に読んで何やねん?もう一度読んで何やねん?でもおもろいわ。三度目以降、はまります(笑)。歌右衛門とのン10年にわたる確執も、その差異も、若き日の勘弥との葛藤も、輝かしい孝玉時代も、すべて楽しく面白い。ゴシップ上等、ファンのツボをわかってるなあ。

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    2013年02月27日
  • 昭和45年11月25日 三島由紀夫自決、日本が受けた衝撃

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    ファンなら読んでいて、
    本書がある三島作品のトリックを導入しているのが、
    よくわかることと思う。

    こんなに沢山の人が事件について語っていたとは。
    いやはや、著者の努力に頭が下がるばかり。

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    2013年01月06日
  • 第九 ベートーヴェン最大の交響曲の神話

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    書名はずばり「第九」。

    著者の中川右介氏は私より若い。

    『世界の10大オーケストラ』『カラヤン帝国興亡史』『カラヤンとフルトヴェングラー』を読みました。

    博識・資料渉猟・筆力・・・敬服します。

    この本を読んで「第九」に関わるさまざまなことを知りました。

    ワーグナーの楽劇は別にして、「第九」は人類が産み出した
    音楽の最高傑作だと私は感じています。

    昨年暮れのマエストロ下野+読響の「第九」は若々しく
    エネルギーに溢れていて、大家の悠然たる演奏とは
    また異なった感動がありました。

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    2012年01月26日
  • 世界の10大オーケストラ

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    シュターツカペレベルリン、ニューヨーク、ウィーン、レニングラード、ベルリンフィル、ロイヤルコンセルトヘボウ、チェコ、イスラエル、フィルハーモニア、パリ。
    の10のオーケストラを紹介している。
    指揮者の変遷の一覧表がある。

    10大を選んだ理由は、カラヤンを起点としているとのこと。
    若干納得がいかないところもあるが、自分では実際に聞いたところもない。

    CDなどで聞いたのもすべてではない。
    とにかくCDを、一度、全部のオーケストラについて聞いてみようと思いました。

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    2012年01月15日
  • カラヤンとフルトヴェングラー

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    チェリビダッケがベルリンフィルに残らなかった訳を知りました。
    はずかしながら、チェリビダッケという名前を初めて読みました。
    もっとはずかしながら、フルトヴェングラー も意識したのは初めてです。

    ベルリンフィルのまわり、カラヤンのまわりの事柄を知ることができました。

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    2011年09月24日
  • 二十世紀の10大ピアニスト

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    とても面白かった。年代を切り口に各ピアニストの関係、状況をまとめたのは新鮮。但し、結論部分は某ピアニストの言葉ではなく、筆者の意見を聞きたかった。ピアノファンにはお薦めです。

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    2011年08月17日
  • 二十世紀の10大ピアニスト

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    10大ピアニストの物語であると同時に、音楽家からみた激動の20世紀の物語。
    音楽家、というと、なんとなく浮世離れしていてピアノばかり弾いている、、というイメージがあるけれど、考えてみれば当然ながら、歴史の流れに翻弄され、それでも自分の技量と音楽への情熱を武器に生き抜いていく。

    故郷のロシアを愛しながらもアメリカへの亡命後は一度も故郷の土を踏めなかったラフマニノフ。
    時に精神を病みながらも「鍵盤の魔術師」と言われた技巧で人々を魅了したホロヴィッツ。
    陽気で社交的でありながら、ユダヤ人であるために親族をほぼ皆殺しにされたため生涯ナチを許さず決してドイツで演奏を行わなかったルービンシュタイン。

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    2011年08月12日
  • 十一代目團十郎と六代目歌右衛門 悲劇の「神」と孤高の「女帝」

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    松竹の俳優行政のまずさにちょっと驚く。役者(特に十一代目團十郎)に断らないで勝手に仕事を決めてしまって後でつむじを曲げられることの多いこと。
    先代の幸四郎とその二人の息子を東宝に取られるあたりも、土台きちんと契約を交わしていなかったというから、ずいぶん前近代的。

    この著者はカラヤンもそうだが、すぐれた芸術家であるとともに権力志向の強い政治家でもある人に興味があるらしい。さまざまな出来事の経緯はひどくややこしいが、読んでいてすんなり頭に入るように書けている。
    ただ、同じ名前が何度も出てくるので、混乱する。

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    2010年12月28日
  • 十一代目團十郎と六代目歌右衛門 悲劇の「神」と孤高の「女帝」

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     歌舞伎界を指す言葉に「梨園」というものがある。それは、楊貴妃を溺愛したことで知られる唐の玄宗皇帝が、梨の植えられた園で舞楽を芸人たちに教えたという故事にちなんでいるのだとか。どこか浮世離れしたようなイメージがする言葉……。
     本書は、十一代目市川團十郎と六代目中村歌右衛門という、人気を集めた二人の名優が繰り広げた「権力」闘争を軸に、戦後の梨園がどのような軌跡(大衆娯楽→人気喪失→伝統芸能=文化財化)をたどったのかを丹念に追っている。
     松本幸四郎家(高麗屋)の長男に生まれながら、養子となって「海老様」ブームを巻き起こした十一代目團十郎は、絶えて久しかった「團十郎」という大名跡を復活させること

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    2010年05月16日
  • カラヤンとフルトヴェングラー

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    すごく読み応えのある1冊でした。
    芸術の裏にこんな昼ドラ顔負けの人間ドラマが繰り広げられていたんだなぁと実感。
    音楽がナチスにどのように利用されていたのか。
    そこに関わる人達の思惑が交錯する様子が良く分かる。
    巨匠と呼ばれようと1人の人間。
    フルトヴェングラーもカラヤンもチェリビダッケも凄く人間味がある。
    身近にこうゆう人がいたら嫌だけど・・・。
    素晴らしい芸術家=素晴らしい人格者という考えは間違ってる!と思わされました。笑

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    2009年10月04日
  • カラヤンとフルトヴェングラー

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    本屋で見つけた瞬間に読もうと思った本。クラシックを齧っていながら指揮者には全然こだわりがなかったんですが、読んでドイツ指揮者の時代の流れがよく分かりました。まずそもそも第二次世界大戦のヒトラー統治下のドイツで、政治に利用されながらも活動を続けていたという事実に驚き。カラヤンとフルトヴェングラーなんてほとんどまともに顔を合わせたこともないだけに、余計に相手を過大視し恐れ、陰謀・策略を巡らせていく様が、哀れ且つ人間臭い。チェリビダッケは三者の中では一番純粋?に自分のやりたいことを貫いた印象があるけど、やっぱり天才芸術家はどこか螺旋がずれてるのねと実感。三者三様の指揮者を受け入れ演奏したベルリン・フ

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    2009年10月04日
  • カラヤンとフルトヴェングラー

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    暴力の代わりに音楽が使われる、クラシック音楽界を舞台にした「仁義なき戦い」とでもいいたい権力抗争。綿密なデータを裏打ちにして人間関係の力学に従ってくるくると変わる状況を追うのを読むと、どこも一緒なんだなあと思わされる。

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    2009年10月04日