中川右介のレビュー一覧

  • 源静香は野比のび太と結婚するしかなかったのか 『ドラえもん』の現実

    Posted by ブクログ

    読み物としては面白い。
    著者の興味がある点についてはしっかり研究している。
    しかし、その他の点については、原作を読んでいるとは思うが、原作に描かれていることと異なる内容の記載が散見されるのが残念。
    過去に出版された「『ドラえもん』の秘密」もおすすめ。

    1
    2014年03月11日
  • 源静香は野比のび太と結婚するしかなかったのか 『ドラえもん』の現実

    Posted by ブクログ

    タイトルに引かれて、思わず買ってしまった一冊。
    1.しずかちゃんについての考察、2.ドラえもん世代、3.のび太、しずかちゃん、ジャイアン、スネ夫のスクールカーストについて、4.パラレルワールドなドラえもんの歴史について。

    1-3については、楽しく読めました。表題にもあったしずかちゃんがのび太と結婚した理由は、詳しくは分かりませんが、しずかちゃんがクラスのマドンナは、良いとして、戦闘少女と言うのは、笑ってしまいました。
    確かに、それに加えて、意見もきちんと言うし、性格も良い、しずかちゃんが、何のとりえもないのび太と結婚したと言うのは、分かりかねるかも。

    3に関して、のび太、スネ夫、ジャイアン

    0
    2014年03月10日
  • 第九 ベートーヴェン最大の交響曲の神話

    Posted by ブクログ

    博識な知見をもって第九の歴史について掘り下げた著作。

    ベートーヴェンが第九を書いた時から、初演、そしてどのように世界に広がっていったかがよく分かります。

    当時の器楽では演奏・発声するのが難しい交響曲で敬遠されていたということです。

    日本では年末の恒例行事として演奏されるこの曲は世界でいったいどういう意味をもっているのか。

    また大指揮者の演奏にも迫っています。

    各種CDの紹介もいいですね。

    0
    2014年01月15日
  • カラヤン帝国興亡史 史上最高の指揮者の栄光と挫折

    Posted by ブクログ

    前作「カラヤンとフルトヴェングラー」ではフルトヴェングラーに嫉妬されながらも成長していくカラヤンを描く。
    そして、カラヤンがベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者になったところで前作は終わった。

    本著はその後のヘルベルト・フォン・カラヤンがクラシックの帝国を築き、死の直前に凋落していく様子を描く。

    自分で楽器を演奏できない指揮者は、最高の楽器を求める。
    その楽器こそがオーケストラ・管弦楽団であり、最高のオケを求めることは権力を求めることと重なった。

    「帝国」と表現するといかにも独裁者然とした人格を思い描くが、実際は後進の指導も行う善人格だったように思う。

    膨大な音源を残したカラ

    0
    2014年01月09日
  • カラヤンとフルトヴェングラー

    Posted by ブクログ

    カラヤンは超有名なので誰でも知ってますよね。
    フルトヴェングラーはベルリン・フィルハーモニック管弦楽団をカラヤンに引き継いだ
    史上最大の指揮者ともいわれています。

    ナチス政権時代にはすでにして大指揮者であったフルトヴェングラー。
    ヒトラーが大のワーグナー・ベートヴェン好きであったためナチ政権の宣伝に利用されかけるのをすんでのところでかわす毎日。
    一方、その大指揮者に憧れるカラヤンが如何にしてフルヴェンを嫉妬に狂わすほど成長していったか読み応えがあります。

    第三の男として、天才チェリビダッケが登場します。
    若くして才能を認められて世に出、戦後BPOの指揮を任されます。
    しかしオーケストラの全

    0
    2014年01月05日
  • 歌舞伎座誕生 團十郎と菊五郎と稀代の大興行師たち

    Posted by ブクログ

    面白かった、けど読むのに時間かかった・・・。なんででしょうね、中川右介さんの本は、内容にはすごく興味あるし、実際面白いんだけど、なかなか頭に入らなくて同じ行何度も読んだりしている。
    まあそれはともかくとして。以下、印象に残ったことメモ。

    *徳川時代には役者は「河原乞食」と蔑まれ、幕府の弾圧の対象であった歌舞伎が、明治維新を経て文明開化の名の元に、いろいろあって、日本の誇る高尚な伝統芸能という存在になったという、ダイナミズム。

    *徳川時代に、下賤な「芝居」なんか見たこともなく育った明治のエリートたちが、欧州視察にて、国賓として観劇でもてなされることに驚く。西洋では上流社会の社交の場として劇場

    0
    2013年11月08日
  • 歌舞伎 家と血と藝

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    歌舞伎界のあれこれ総ざらい。音羽屋、鳴駒屋などのいわれから襲名に纏わるあれこれ、なかなかに読み応えのある本。かなりいろんな事が分かる読み応えのある本。

    0
    2013年10月26日
  • 歌舞伎 家と血と藝

    Posted by ブクログ

    歌舞伎の名家の血筋と藝が明治以降どのように継承されてきたかを描いている。血筋、藝と人気も大事だが、その家が栄えるためには、政治力も必要だとの指摘には驚いた。明治以前は養子を取るのが当たり前だったが、明治以降は、男系の男子による血統が重視されるようになったとは、意外である。血筋、藝、人気を兼ね備えていた勘三郎の死がいかに大きな衝撃だったかも良く理解できた。

    0
    2013年10月19日
  • 歌舞伎 家と血と藝

    Posted by ブクログ

    歌舞伎に興味を持つようになって最初の疑問が家系だった私には、この上なく魅力的な一冊だった。
    思うこと、感じることはたくさんあるが、新米歌舞伎ファンとしては、家を継いだ役者さんも、血を受け継いでる役者さんも、藝を引き継いでいる役者さんもそれぞれ輝いて、もっと歌舞伎が盛り上がれば良いな、と。
    この本が出た後に、三津五郎が入院したり、福助が歌右衛門を襲名することになったり、変化がどんどんあるので、新しい動きについても、いつか本が出ることを期待している。

    0
    2013年09月20日
  • 歌舞伎 家と血と藝

    Posted by ブクログ

    明治~現在までの歌舞伎役者の権力闘争についての歴史の本。登場人物が多すぎて、同じ人でも名前が変わるし、しかも襲名するから同じ名前の人ばっかり出てくるしで、昨日読んだ箇所をまた読まないと前に進めない難しさはありましたが、よくまあこの膨大で複雑な物語を一冊にまとめてくれたと思います。新書にしてはさすがに厚い。
    省略なしの大家系図でも付録についていたら良かったけれど、お手軽な新書形式であることも本としての魅力のひとつなので、多くは望むまい。むしろ、大家系図を作る作業を自分でやったらすごく勉強になりそうだ(何の勉強だ…)。

    つい今年、なんの知識もなしに出会った歌舞伎でわーっと好きになったにわかファ

    0
    2013年09月13日
  • グレン・グールド

    Posted by ブクログ

    孤高の天才ピアニスト。グレン・グールド。本書では彼がコンサート活動を放棄する以前の10代から20代までの若き日の彼の実像に迫るものです。彼の評伝は夥しいほど出版されていますが、僕は本書が初めてでした。

    「孤高の天才」としてあまりにも有名なピアニスト。グレン・グールド。あまりにも多くの評伝や芸術についてはもはや語りつくされている感がありますが、何を隠そう、僕が彼の評伝を読んだのは本書が初めてでございました。ここでは、「コンサートは死んだ」と言い、彼はステージに上がることを拒否して31歳で引退するまでをメインに、その生い立ちからスタジオ録音だけではなく、ライブ・コンサートに打ち込んだ10代、20

    0
    2013年06月30日
  • 昭和45年11月25日 三島由紀夫自決、日本が受けた衝撃

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「1970年11月25日あの奇妙な午後を僕は今でもはっきりおぼえている」と村上春樹の「羊をめぐる冒険」は始まる。昭和45年11月25日がどんな時代の一日であったかを知るにはとても良いやり方で、この本は書かれている。100人以上の著名人が11月25日をどう感じどう過ごしたか、又その人が三島とはどのような位置関係にあったかを知る事で間接的に時代と三島を知る事ができる。先の村上春樹にも少なからず影響を与えたはず。そして読めば読むほど、三島は自身の信じる陽明学、「知行合一」の最後の実践者であると再確認することになる。それから40年、時は流れて今、時の総理は憲法改正、自衛隊の国軍化を目指している。右翼化

    1
    2013年06月30日
  • 十一代目團十郎と六代目歌右衛門 悲劇の「神」と孤高の「女帝」

    Posted by ブクログ

    歌舞伎の世界では相当な存在の11代目團十郎と6代目歌右衛門も、歌舞伎初心者には全く未知の人達。サブタイトルの“悲劇の「神」と孤高の「女帝」”に惹かれて読み始めた。
    最近歌舞伎にハマり始めたばかりなので、何も知らないので、書かれている内容はどれも驚くことばかり。
    昭和の激変した世情の中での歌舞伎の存在感も大きく揺らいだ、本当に大変な時代の中で世の流れをどう読むのか。
    そんな難しい時代の中、いわゆる「家」の重みと歌舞伎界の古い体質の中で出世するための歌舞伎政治。その凄まじさと狭い世界の中で生きる事の大変さにただただ驚くばかり・・・
    近代歌舞伎の歴史が少しわかった気がします。

    内容は面白く読めたけ

    0
    2013年06月01日
  • 第九 ベートーヴェン最大の交響曲の神話

    Posted by ブクログ

    第九絡みの本といえば、通常名演奏の紹介やら解釈上の諸問題やらを細かく論じる物が多い中、少なからずそうした事にも必要上最小限に触れはするものの、むしろ第九が「喜ばしい式典に演奏される曲」であったり、逆に「鎮魂などの厳かな場面に演奏される曲」という意味合い持たされるようになった経緯や、政治に利用される様になって深まってきた深刻な演奏環境、第九によって演奏上の解釈という仕事が指揮者に不可欠の問題になった事、さらに演奏会場の問題や職業指揮者誕生のきっかけなど、広い意味で第九が世間と音楽社会にどのような影響をあたえるような存在になってきたのかをわかりやすく解説した良書。

    0
    2013年03月12日
  • 未完成 大作曲家たちの「謎」を読み解く

    Posted by ブクログ

    シューベルトの交響曲第7番"未完成"やモーツァルトの"レクイエム"など、クラシックには数々の未完成な作品があります。その経緯にまつわる伝説は数々ありますが、それらは本当なのか?という点をミステリー仕立てで紹介しています。本書では、上記2名に加え、ブルックナー、マーラー、ショスタコーヴィチ、プッチーニを取り上げています。クラシックのガイド本はたくさんありますが、こういう切り口の本は珍しいと思います。未完成の秘話に思い入れのある人にはオススメできません。推理過程が作品によってはちょっと強引なところもあります。

    0
    2013年03月06日
  • 二十世紀の10大ピアニスト

    Posted by ブクログ

    ラフマニノフ、ルービンシュタイン、ホロヴィッツなど、20世紀を代表するピアニスト10人から見たその歴史やピアニスト同士の係わり合い等を描く。戦争やナチス・ソ連の影響の色濃さが興味深い。年表があれば尚良かった。誤字が多いのは興醒め。

    0
    2012年12月18日
  • 昭和45年11月25日 三島由紀夫自決、日本が受けた衝撃

    Posted by ブクログ

    事件自体はほんの数時間の出来事だった。しかし、その事件の発生は
    各界に大きな衝撃をもたらした。

    日本を代表する作家であり、ノーベル文学賞受賞の可能性も取り沙汰
    された三島由紀夫は自身が主催する民兵組織「盾の会」会員を引き連れ、
    自衛隊市ヶ谷駐屯地を訪れた。

    三島と自衛隊は近しい関係にあった。だが、この日の訪問は穏やかには
    終わらなかった。

    東部方面総監を人質に取り、自衛隊員にクーデターの決起を促す
    演説を行う。三島の演説には自衛隊員からのヤジが飛ぶ。

    これだけでも充分な大事件である。その後、三島は自衛隊員が彼と
    一緒に立とうとしないことを確認し、切腹という方法でこの事件の幕
    引きをする

    0
    2017年08月18日
  • カラヤン帝国興亡史 史上最高の指揮者の栄光と挫折

    Posted by ブクログ

    「カラヤンとフルトヴェングラー」の続編にあたる時代を扱っています。フルトヴェングラー亡きあと、ベルリン・フィルを手中に収めたカラヤンは、ウィーン国立歌劇場、ザルツブルク音楽祭をもその手に握ることに成功。更にいくつもの歌劇場やオーケストラを掌握し、ヨーロッパ音楽会に「帝国」を作り上げました。

    自らの処理能力を超える数の歌劇場やオーケストラを、支配下に置こうとしたのはなぜか。 録音という新しい技術を最大限利用し、クラシック音楽を大衆化したこと。音楽祭を創始してまでも、最高のオペラを上演することを求めたこと。「全て」を初めから手に入れ、その権力を維持してゆくテクニック。クラシックを民主化した、とい

    0
    2015年07月31日
  • カラヤンとフルトヴェングラー

    Posted by ブクログ

    世界最高のオーケストラとして名高いベルリン・フィルに、そしてヨーロッパ音楽界に君臨した二人の指揮者、フルトヴェングラーとカラヤン。彼らの紡ぎ出す美しい音楽とは対照的な、どろどろとした人間模様、時代に翻弄される音楽の現実が、生々しく語られます。

    ナチスが政権に就いた1933年以降、ドイツの音楽家たちは決断を迫られました。ある者は亡命を選び、ある者はドイツに残り、残った人々にはナチスとの距離をどう取るかという問題が残りました。既にベルリンフィルの主席指揮者であり、ドイツを代表する音楽家でもあったフルトヴェングラーは、ユダヤ人を保護し、新しい音楽を支持することでナチスと対立しつつも、ドイツ音楽の広

    0
    2015年07月31日
  • 第九 ベートーヴェン最大の交響曲の神話

    Posted by ブクログ

    株式会社アルファベータで編集長を務めながら精力的に著作をモノにしている中川右介さんによる昨年末発刊の著書。
    クラシック界で最も有名な曲であるベートーヴェンの第九交響曲の誕生と以後の演奏遍歴を年代を追って解説している。
    ベートーヴェンによる作曲から初演、その後の演奏遍歴を読むにこの曲が同時代人ではなく後世に大きな影響を与えていったことがよくわかる。メンデルスゾーン、ワーグナー、マーラー... 作曲家として今に名を残す人々にどのように作用していたのかも興味深い。
    この曲だけではないだろうが、オーケストラの形や演奏能力の標準としての指標にもなったのだろう。
    原典や各種の資料にも丁寧に当たって正確な記

    0
    2012年04月30日