【感想・ネタバレ】国家と音楽家のレビュー

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Posted by ブクログ

長年のクラシック音楽ファンであれば、ほとんど知っている話ばかりだが、わりとしっかりと、それでいて要点を押さえて一冊の文庫本にまとめてある。かつては三浦淳史さんあたりがレコード芸術に紹介していたような話だが、近頃は見かけなくなっている。(いまは熱心な読者ではないので断言はできないが)
クラシック音楽を聞く若い方には、過去の演奏家たちがどう戦争・政治に向き合ってきたか、現代史の一面を知る意味でも手に取ってもらいたい本です。
あとがきを見ると、連載から単行本にする際に手を入れ、文庫化するにあたっては大幅に加筆・修正を入れているようで、読みやすい日本語にもなっていて、しかも録音の紹介、年表も整備されていて、かなり誠実に作られています。

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2022年12月05日

Posted by ブクログ

ヒトラーとワーグナー、ケネディとバーンスタインなど、それぞれ名前としては知っていた人たちがこんな風に関係を持って生きていたということを知り、最後まで面白く読み切ることができた。
特に今はロシアとウクライナの問題が勃発中だが、この本でそれぞれの背景なども知ることができて、また違う見方ができるようになった。
普通に歴史書を読むよりも、すっと頭に入ってきて、ずっと勉強になった。

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2022年07月17日

Posted by ブクログ

クラシック音楽に造詣が深い訳ではないが、本書で取り上げられている音楽家は、昭和に育った人間であれば ”ああ、あの人ね” というくらいには分かる、大物ばかり。20世紀という戦争と革命の時代、音楽は国家・政治と無関係ではあり得なかった。世界的に高名であればこそ、政治は音楽家を利用しようとするし、音楽家はそんな中で、自らの態度表明を迫られることとなる。

 本書では、ドイツのフルトヴェングラーにカラヤン、イタリアのトスカニーニ、スペインのカザルス、フランスのコルトー、ミュンシュ、ソ連のショスタコーヴィッチにムラヴィンスキー、ポーランドから亡命したムービンシュタイン、チェコのターリヒ、アンチェル、アメリカのバーンスタインなどが登場する。
 そんな彼らが対峙したのは、ヒトラーやムッソリーニ、スターリン、フランコといった独裁者であったり、戦争や占領下その他の政治の大波などであった。
 対決、妥協、孤高、沈黙、亡命、服従等々、それぞれがそれぞれに取った態度、対応がある。

 各人の対応について思うことはあるが、そうした人生であったことを知った上で、改めてその演奏を聴いてみたいと思った。幸い、本書には演奏のCD(DVD)の紹介もされているので、参考にしたい。
 

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2024年05月22日

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