金子勝のレビュー一覧
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いわゆる裏金事件だけでなく、世襲議員と選挙の問題、政官財のトライアングル、防衛費や電力、マイナンバーカードの問題まで取り上げており、読みごたえがあった。
小選挙区制度が導入された1996年総選挙以降の総理大臣は、12人のうち9人が世襲議員。 2024年現在の自民党の衆議院議員258名のうち109人(45%)が世襲議員。世襲議員は、金でつながる地域の利益共同体を作ってしまえば、同じ選挙区で競い合う必要がないため、切磋琢磨して身につける政策形成能力も答弁能力も必要なくなっていく。小選挙区制度の下では、裏金を含めた政治資金を持って地方議員を囲い込む利益共同体を作り、世襲政治家を軸に政府の利益配分に -
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カタストロフは一般的には、崩壊と考えられているが、実は一つの周期であり、局所的な変曲点だそうです。
だいたい50年という周期で経済や生命科学が新しい枠組みに切り替わっていることが書かれていました。
この本は2022年12月に発行された本で、コロナウイルスの感染拡大の経緯が書かれていましたが、まだ2、3年しか経っていないのに、いろいろなことを忘れてしまっているな~と反省しました。
安定的な構造がカタストロフという変曲点を経て、次の安定的な構造になるためには、自立した地域からの再生エネルギーと食の供給を基盤とする再生、教育と医療の確立が必要だということでした。 -
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要するに、世襲議員が偏差値エリート官僚と、社内抗争だけで生き残った
大企業のサラリーマン経営者とつるんで、国税を未来のために使わず、
既得権益維持のために無駄に使っている、ってことだ。
文化放送大竹まことのゴールデンラジオで毎週金曜に叫んでいる金子勝節が、
この新書で体系的に示されている。
世襲議員は相続税なしで親の地盤看板を受け継ぎ、家業を守ることだけ考え、
偏差値エリート官僚は天下りで数年に一度高額退職金を得、
大企業サラリーマン社長は一般サラリーマンの100倍の報酬を得る。日産のように。
そして日本は沈む。ってこと。
悲しくなるね。
こりゃ陰謀論じゃないよ。
だから心ある官僚がどんど -
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ポッドキャストでよく聴いていた金子節は辛辣な内容でも語り口が心地よく、同感同感と何度も頷いていた。
本書は経済学者としての見識に溢れ、我が国の現状分析、裏金と国の行く末との関係、さらには国自体が裏金を作り出す「裏金国家」と堕していることへの鋭い追及も鮮やかである。
先など意識せず今だけ儲かればいいという経団連等の害悪は裁かれるべきだし、先を見せないことに注力する政、官、マスメディアもひっくり返す必要がある。
衆院選で自民は大きく衰退したが、案の定ここぞとばかりすり寄る輩が国民の願いを台無しにしようとしている今、金子勝の「令和船中八策」に学ぶべきだと思えた。
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(2014/12/17)
大竹まことゴールデンラジオ大竹交遊録金曜日担当の金子勝慶大経済学部教授の本。
歯に衣着せぬ毒舌ぶりから期待して手に取ったのだけれど、、、
なんだかよくわからなかった。
ピンとこなかった。
頭に入らなかった。
農業は関心度の高いテーマだし、読んでわからないことはないと思うのだけれど、
なぜかひっかかるものがなかった。
なんでだろう。
小作農の農地面積は機械化しない前提ではちょうどいい大きさ。
アメリカの大規模集約じゃ無理。
百姓とはいろんなことをして食べる人、という意味。兼業農家こそ理想。
TPPが入ったら壊滅する。
小規模農家にエネルギーを作らせよう
原発問題も解 -
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現代カタストロフ論
経済と生命の周期を解き明かす
岩波新書 新赤版 1953
著:金子 勝
著:児玉 龍彦
カタストロフとは、安定的な状況が突然破局する現象を説明するための数学モデルだとおもっていました。
でも、ちょっと、主旨がちがっていました。
ここでは、コロナの変種、経済危機がくりかえし発生することを説明するのに使われています。
あるいは、経済が周期的に変化していく内容を、カタストロフをつかって説明しようとしている書です。
内容はこうです
①生物も繰り返し変わっていくが、ある限界までは、「安定的な構造」を保ち、変化は予想される範囲に収まる
②しかし、不安定な循環が重なり、「安定的な -
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現在の日本の状況をどう捉えたらよいのか、経済学者の視点から幅広く批評している。もはや日本は発展途上国になりつつあるという見方はかなり辛口ではあるが、そのくらい“人を救えない国”に成り下がってしまっているのは確かだと思う。未来の世代のために、よりよい社会にするために今を犠牲にしても教育にお金をかける精神は失われてしまった。今の問題を何とかすることにきゅうきゅうとして、その場しのぎで、しっかりとした将来のビジョンなしにつきすすむ。社会システムのいたるところでどうにもならなくなっている閉塞感。従来の発想を根本から変えて社会を大胆に変革していくときだ。しかし、黒船到来のようなインパクトがないと変われな
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最近受験生の我が息子は、少し遠くの塾に
日曜日の夜間に通っています。(そんなに必死に
受験勉強しているわけではないのですが)
そこで、夫婦も揃って息子を送り届けて
塾が終わるまで二人でスタバに行って2時間
くらい待っています。私はじっくり本を読める時間
なので割と気に入っています。そこで読み終わった
今回のこの本。
川崎の桐光学園高校に様々な
論客(日本のトップクラス)が特別の授業をする
らしいのですがその授業の内容が本になっている内容。
こんな高校生はとても幸せだと思いますが
多分自分が高校生だったときはあまり興味を
覚えなかっただろうなあと思います。
でも、それでもそういうことを言っていた -
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第一章:バブルの経済学
第二章:構造改革の経済学
第三章:格差とインセンティブの経済学
かなり読みやすかった。
一貫して新古典派経済学への批判。
(竹中、小泉さんへの批判は少しうけた)
サブプライムについて述べている本かと思いきや、
アメリカを代表とする現代資本主義経済の限界について述べられていた。
バブル以降日本が模倣してきたアメリカの金融体制。しかし、実際はバブルが崩壊すると金融緩和、また新しいバブルを待って・・の繰り返しでごまかしてた。挙句、世界中にリスク分散させ失敗し、不況は全世界に波及してしまった。アメリカ型の金融政策を行ってきた日本の危うさを感じさせてくれました。
でも、