金子勝のレビュー一覧

  • 裏金国家 日本を覆う「2015年体制」の呪縛

    Posted by ブクログ

    いわゆる裏金事件だけでなく、世襲議員と選挙の問題、政官財のトライアングル、防衛費や電力、マイナンバーカードの問題まで取り上げており、読みごたえがあった。

    小選挙区制度が導入された1996年総選挙以降の総理大臣は、12人のうち9人が世襲議員。 2024年現在の自民党の衆議院議員258名のうち109人(45%)が世襲議員。世襲議員は、金でつながる地域の利益共同体を作ってしまえば、同じ選挙区で競い合う必要がないため、切磋琢磨して身につける政策形成能力も答弁能力も必要なくなっていく。小選挙区制度の下では、裏金を含めた政治資金を持って地方議員を囲い込む利益共同体を作り、世襲政治家を軸に政府の利益配分に

    0
    2025年08月01日
  • 現代カタストロフ論 経済と生命の周期を解き明かす

    Posted by ブクログ

    カタストロフは一般的には、崩壊と考えられているが、実は一つの周期であり、局所的な変曲点だそうです。
    だいたい50年という周期で経済や生命科学が新しい枠組みに切り替わっていることが書かれていました。
    この本は2022年12月に発行された本で、コロナウイルスの感染拡大の経緯が書かれていましたが、まだ2、3年しか経っていないのに、いろいろなことを忘れてしまっているな~と反省しました。
    安定的な構造がカタストロフという変曲点を経て、次の安定的な構造になるためには、自立した地域からの再生エネルギーと食の供給を基盤とする再生、教育と医療の確立が必要だということでした。

    0
    2025年01月17日
  • 裏金国家 日本を覆う「2015年体制」の呪縛

    Posted by ブクログ

    要するに、世襲議員が偏差値エリート官僚と、社内抗争だけで生き残った
    大企業のサラリーマン経営者とつるんで、国税を未来のために使わず、
    既得権益維持のために無駄に使っている、ってことだ。
    文化放送大竹まことのゴールデンラジオで毎週金曜に叫んでいる金子勝節が、
    この新書で体系的に示されている。

    世襲議員は相続税なしで親の地盤看板を受け継ぎ、家業を守ることだけ考え、
    偏差値エリート官僚は天下りで数年に一度高額退職金を得、
    大企業サラリーマン社長は一般サラリーマンの100倍の報酬を得る。日産のように。
    そして日本は沈む。ってこと。

    悲しくなるね。
    こりゃ陰謀論じゃないよ。
    だから心ある官僚がどんど

    0
    2024年12月31日
  • 裏金国家 日本を覆う「2015年体制」の呪縛

    Posted by ブクログ

    ポッドキャストでよく聴いていた金子節は辛辣な内容でも語り口が心地よく、同感同感と何度も頷いていた。
    本書は経済学者としての見識に溢れ、我が国の現状分析、裏金と国の行く末との関係、さらには国自体が裏金を作り出す「裏金国家」と堕していることへの鋭い追及も鮮やかである。
    先など意識せず今だけ儲かればいいという経団連等の害悪は裁かれるべきだし、先を見せないことに注力する政、官、マスメディアもひっくり返す必要がある。
    衆院選で自民は大きく衰退したが、案の定ここぞとばかりすり寄る輩が国民の願いを台無しにしようとしている今、金子勝の「令和船中八策」に学ぶべきだと思えた。

    0
    2024年11月11日
  • 儲かる農業論 エネルギー兼業農家のすすめ

    Posted by ブクログ

    (2014/12/17)
    大竹まことゴールデンラジオ大竹交遊録金曜日担当の金子勝慶大経済学部教授の本。
    歯に衣着せぬ毒舌ぶりから期待して手に取ったのだけれど、、、

    なんだかよくわからなかった。
    ピンとこなかった。
    頭に入らなかった。
    農業は関心度の高いテーマだし、読んでわからないことはないと思うのだけれど、
    なぜかひっかかるものがなかった。

    なんでだろう。
    小作農の農地面積は機械化しない前提ではちょうどいい大きさ。
    アメリカの大規模集約じゃ無理。
    百姓とはいろんなことをして食べる人、という意味。兼業農家こそ理想。
    TPPが入ったら壊滅する。
    小規模農家にエネルギーを作らせよう
    原発問題も解

    0
    2024年09月04日
  • 現代カタストロフ論 経済と生命の周期を解き明かす

    Posted by ブクログ

    現代カタストロフ論
    経済と生命の周期を解き明かす
    岩波新書 新赤版 1953
    著:金子 勝
    著:児玉 龍彦

    カタストロフとは、安定的な状況が突然破局する現象を説明するための数学モデルだとおもっていました。
    でも、ちょっと、主旨がちがっていました。
    ここでは、コロナの変種、経済危機がくりかえし発生することを説明するのに使われています。

    あるいは、経済が周期的に変化していく内容を、カタストロフをつかって説明しようとしている書です。

    内容はこうです

    ①生物も繰り返し変わっていくが、ある限界までは、「安定的な構造」を保ち、変化は予想される範囲に収まる
    ②しかし、不安定な循環が重なり、「安定的な

    0
    2024年04月03日
  • 悩みいろいろ 人生に効く物語50

    Posted by ブクログ

    慶應義塾大学の経済学の金子先生の人生相談です。
    いろいろな悩みをその内容にあった書物を紹介して、相談者の悩みに答えるスタイルでした。
    いろいろな悩みがあるけど、どれもみんな似たような悩みを抱えているんだと思い、先日亡くなった伊集院静さんの「人はみな悩みを抱えながら平然と生きている。」という言葉を思い出しました。
    金子先生は落語が好きなようで、たくさん落語の話にからめて回答しています。立川談志師匠の「落語は人間の業の肯定」という言葉が思い出されました。
    金子先生は相談者の悩みによりそって回答しているので、温かい気持ちで読めました。

    0
    2024年03月25日
  • 人を救えない国 安倍・菅政権で失われた経済を取り戻す

    Posted by ブクログ

    現在の日本の状況をどう捉えたらよいのか、経済学者の視点から幅広く批評している。もはや日本は発展途上国になりつつあるという見方はかなり辛口ではあるが、そのくらい“人を救えない国”に成り下がってしまっているのは確かだと思う。未来の世代のために、よりよい社会にするために今を犠牲にしても教育にお金をかける精神は失われてしまった。今の問題を何とかすることにきゅうきゅうとして、その場しのぎで、しっかりとした将来のビジョンなしにつきすすむ。社会システムのいたるところでどうにもならなくなっている閉塞感。従来の発想を根本から変えて社会を大胆に変革していくときだ。しかし、黒船到来のようなインパクトがないと変われな

    0
    2021年05月30日
  • 人を救えない国 安倍・菅政権で失われた経済を取り戻す

    Posted by ブクログ

    正直なところ経済はよくわからないが政府のしていることが富裕層や大企業のための政治であることはわかる。ほんのひと握りの銭の亡者に尽くして社会をめちゃくちゃにして恥じない。コロナ対策で彼らの強欲と無能が鮮明になったし、なり続けているが、どんな世の中にするつもりなんだろうか。今のままのやり方で社会が持つはずないだろうに。
    それでもお上を支える人たちには同罪ですぞと申し上げたい。ハラダタシイカギリダ。
    金子氏の分散革命による展望ある提言に救いを感じるが、質の悪い政治家どもにはわからんだろうというところをどう突き抜けるか。

    0
    2021年04月10日
  • 平成経済 衰退の本質

    Posted by ブクログ

    200622金子勝 平成経済衰退の本質
    産業の衰退 成長産業が生まれない 金融緩和で現状固守
    最後の産業 「自動車産業」 貿易黒字の7割⇒EV化 自動運転 MAAS
    グローバリゼーションのもと、国際通貨ドルの垂れ流し
    米国対外債務残高の著増2009年3兆ドル→18年10兆ドル

    「土建国家ニッポンから全く脱却できなかった」
    デジタル・ジャパンは片鱗もない
     野口悠紀雄先生
     韓国・台湾よりも劣後
    社会改革が出来なかった
     リーダー・人材の払底 バブル後
     後ろ向き・管理志向 バブル
     既得権益との調整不全 
      原資不足・政治力のなさ

    0
    2020年07月24日
  • 高校生と考える日本の問題点 桐光学園大学訪問授業

    Posted by ブクログ

    最近受験生の我が息子は、少し遠くの塾に
    日曜日の夜間に通っています。(そんなに必死に
    受験勉強しているわけではないのですが)
    そこで、夫婦も揃って息子を送り届けて
    塾が終わるまで二人でスタバに行って2時間
    くらい待っています。私はじっくり本を読める時間
    なので割と気に入っています。そこで読み終わった
    今回のこの本。
    川崎の桐光学園高校に様々な
    論客(日本のトップクラス)が特別の授業をする
    らしいのですがその授業の内容が本になっている内容。
    こんな高校生はとても幸せだと思いますが
    多分自分が高校生だったときはあまり興味を
    覚えなかっただろうなあと思います。
    でも、それでもそういうことを言っていた

    0
    2015年06月28日
  • 放射能から子どもの未来を守る

    Posted by ブクログ

    「何かが変わりはじめた。
     お母さんは、もう昔のように騙されない。
     そういう時代が始まった。」

    0
    2013年04月28日
  • 失われた30年 逆転への最後の提言

    Posted by ブクログ

    金子氏の著作,お二人の共著はこれまでも読んできたが,東日本大震災を経た日本社会の今後をどうしていくか,について示唆に富んだ図書である。といっても,金子氏がこれまでの著書で繰り返し指摘してきて,この書でも強調しているとおり,社会的セーフティネットを現実の課題に即して張り替え,安心とチャレンジをしやすくする社会にしていくべき,という点には強く同意できる。経済理論について話題となっているくだりは,正直難しいのだけど。

    0
    2013年01月24日
  • 失われた30年 逆転への最後の提言

    Posted by ブクログ

    政治家、官僚の言っていること
    テレビ、新聞のマスコミが言っていること
    本当の真実なのか、自分で目利きする力を身につけなければならない。
    この本に書いている内容は、なかなか知ることができない。

    0
    2012年07月21日
  • 放射能から子どもの未来を守る

    Posted by ブクログ

    論理がどうとか、原子力の専門家ではないとか、そんなことは問題ではありません。被災者のあるいは国民の側に立って権力に向かっていく熱い姿勢に、なるほどと心の奥底から納得しました。自分たちに何が出来るのか。いろいろ考えさせられました。

    0
    2012年03月17日
  • 逆システム学

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    要素還元論でも、構造論でもなく、演繹的に説明するのではなく、現象を説明するという感じに読めました。
    それなら、現象論ではないのだろうか。
    医学を引用しているので、生命だけに限定して解明してもらえるとうれしい。

    0
    2011年11月06日
  • 閉塞経済 ――金融資本主義のゆくえ

    Posted by ブクログ

    第一章:バブルの経済学
    第二章:構造改革の経済学
    第三章:格差とインセンティブの経済学

    かなり読みやすかった。


    一貫して新古典派経済学への批判。
    (竹中、小泉さんへの批判は少しうけた)
    サブプライムについて述べている本かと思いきや、
    アメリカを代表とする現代資本主義経済の限界について述べられていた。
    バブル以降日本が模倣してきたアメリカの金融体制。しかし、実際はバブルが崩壊すると金融緩和、また新しいバブルを待って・・の繰り返しでごまかしてた。挙句、世界中にリスク分散させ失敗し、不況は全世界に波及してしまった。アメリカ型の金融政策を行ってきた日本の危うさを感じさせてくれました。 

    でも、

    0
    2009年10月04日
  • 悩みいろいろ 人生に効く物語50

    Posted by ブクログ

    朝日新聞のBeという別紙の「悩みのるつぼ」というコーナーを受け持つ経済学者さんのお悩み回答集。

    いつも悩みに寄り添い、読後があたたかな気持ちになるが、金子さんの会は毎回本や落語を出典元とし、登場人物の心情に合わせて見事な回答をされている。

    自身は投稿したことがないが、相談者の身に置き換えて想像すると、フィクションといえど、過去の物語の登場人物も同じ経験をしていたのだと、

    気持ちが緩やかかになるのだろうと温かい気持ちになった。

    0
    2025年08月23日
  • 現代カタストロフ論 経済と生命の周期を解き明かす

    Posted by ブクログ

    金子勝さん、児玉龍彦さん、ポッドキャストで聞くお話は軽妙でわかりやすく、いつももっと知りたいとの思いを喚起されている。
    本書を読んでコロナのことや経済のことが科学的に分析され、安倍政治がいかに場当たりで非科学的かよくわかる。しかしカタストロフ論というのはどうも難解すぎて戸惑う。
    無策かつ愚鈍な為政者、いま儲けることしか頭にない財界人、日本を牛耳る彼らの指揮のもとでは日本は落ちていくしかないだろう。
    後期高齢者のひとりとなった自分は、若い世代にディストピアを味わってほしくないのだが。

    0
    2023年09月14日
  • 現代カタストロフ論 経済と生命の周期を解き明かす

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    社会もウイルスも周期的に変化していくことがよく分かった。とくに新型コロナウイルスは、性質を変え名称を変え何度も襲ってくるので実感がある。
    日本のカオス的なカタストロフを防ぐため、地域分散・小規模分散ネットワーク型経済構造を作る必要があるとのことである。この役割はいまだこの国をリードしている、昭和型の、中央集権的志向を持った既得権益層には担えないだろう。
    時代を切り拓くロールモデルとして、秋田県大潟村の再生可能エネルギーの地産地消に関する取り組みが紹介されていた。新たな日本の形を示すひとつの具体例であると感じた。

    0
    2023年06月19日