金子勝のレビュー一覧

  • 閉塞経済 ――金融資本主義のゆくえ

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    古典経済学ではうまく説明していない、所謂バブルについての解釈が興味深い。
    著者の説によると、金融改革を経て以降の世界ではバブルの成長と破綻はなるべくしてなると。
    また、経済の中ではとかく原因と結果が逆に見られているのではないか、という意見に新鮮味があった。
    経済学という側面から見ると、世界は発展しているのか、混迷しているのか、はたまたそういう見方自体がすでに何かしらのイデオロギーに染まっているのか、考えさせられる。

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    2011年09月24日
  • 逆システム学

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    [ 内容 ]
    市場や生命という複雑なしくみを解明する新たな方法を、著者たちは「逆システム学」と呼ぶ。
    それは、新古典派経済学や遺伝子決定論などの主流の学問研究を批判し、市場や生命の本質を多重フィードバックのしくみに見出すというものだ。
    経済学と生命科学の対話から浮かび上がる、まったく新しい科学の方法論。

    [ 目次 ]
    序章 逆システム学とは何か
    第1章 セントラルドグマの暴走
    第2章 制度の束と多重フィードバック
    第3章 フィードフォーワードの罠?医学と経済学の逆システム学
    第4章 変化と進化における多様性と適応
    終章 どのようにしてパラダイムは転換してきたか

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    [ おす

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    2011年04月25日
  • 経済大転換 ――反デフレ・反バブルの政策学

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    [ 内容 ]
    イラク戦争以後、アメリカの一国決定主義がますます突出し、世界は「分裂と不安定の時代」に入っている。
    一方、経済状況をみると、当分の間、世界同時デフレから抜け出せそうにない。
    それに苛立つかのように、日本国内ではバブル待望論が絶えないが、アメリカの景気頼みの日本経済回復シナリオは非常に危うい。
    むしろ地方へとデフレが波及し、さらに深刻化していくおそれがある。
    もはや古い時代の発想は通用しない。
    思考および政策の大転換が必要だ。
    日本経済の位相を確かな目でとらえる、『セーフティーネットの政治経済学』『長期停滞』に続く、三部作の完結篇。

    [ 目次 ]
    序章 分裂の時代へ
    第1章 バブ

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    2014年10月30日
  • 市場

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    [ 内容 ]
    市場の自動調整能力というイメージにもかかわらず、市場原理主義者の説明は、現実からますます乖離している。
    いかにして市場の暴走を食い止めうるか。
    「市場を我らの手に」という思考にむけた根本的転換への知的戦略とは何か。

    [ 目次 ]


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    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

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    2010年07月14日
  • 閉塞経済 ――金融資本主義のゆくえ

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    なぜ貧者を救うべきか、社会として「機会の平等」と「結果の平等」のどちらを選ぶべきか、ということを考えさせられた。

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    2009年12月12日
  • 閉塞経済 ――金融資本主義のゆくえ

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    サブプライムローン問題やその背景となったマネーの流れがよく分かります。
    筆者の通説を疑う視点は僕も見習いたいと思いました。

    先生の授業を実際に受けるのが楽しみです。

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    2009年10月07日
  • 市場

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    経済学の「市場理論」で想定される個人を考察。「自立」と「共同性」のはざまでの「近代的個人」のジレンマがよくわかる。

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    2009年10月07日
  • 平成経済 衰退の本質

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    アベノミクスへの批判、安倍政権への危機感が強く出ている。
    主流の意見とならないのは残念。
    やや極端で断定的な所もある。

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    2023年12月12日
  • 人を救えない国 安倍・菅政権で失われた経済を取り戻す

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    起こったことを検証することは大事だが、後からならいくらでもケチをつけられる。批判のオンパレードである。読み進めるにつれて、テンションが下がってきます。
    最終章でこうすべきという提言はあるが、言うは易し、であろう。

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    2021年04月16日
  • 閉塞経済 ――金融資本主義のゆくえ

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    主流派(新古典派)経済学と非主流派の関係性を実際の経済政策に当てはめて整理できた。
    全体的に新書ゆえのさらっと感、主張(結論)中心で説明が少ない印象があり、下記は自分で確認したい。
    ○2004年年金改正など社会保障の話
    ○新古典派は本書が批判するように単純なのか
    構造改革の全体像、情報の経済学、インセンティブなども詳しく知りたくなった。

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    2020年07月23日
  • 平成経済 衰退の本質

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    金子勝氏は、抽象ではなく、具体的な事象を扱う経済学者なのだが、グローバリズムの意味を理解していない。
    1990年代を境にして、経済の何かが変わった。
    有効求人倍率も、もはや、景気の指標ではなく、人口動態と連動している。
    多くの指標の意味が変わっているのに、マスコミ始め、多くの人は、昔のままの解釈を行なっている。
    家族の形態も変わった。
    両親プラス子供という家族は、今や全体の3割に過ぎない。
    にもかかわらず、民法など法律は、核家族を前提にしている。

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    2019年09月10日
  • 悩みいろいろ 人生に効く物語50

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    経済学の先生が答える悩み相談なのに、ほとんどの相談が経済学とは何の関係もない。それでも一つにひとつ見事に回答しきっている。秀逸なのは小説や寓話を題材に答えを導き出し相談者に普遍的な安心感を与えているところ。加えて質問の内容も凄い。五年前、夫に先立たれた70代のお婆さんが趣味の集まりで知り合った、奥さんに先立たれた70代の爺さんと月1~2回のペースでホテル通いをしているという悩み。罪悪感に苛まれ悶絶しているとのこと。また、同じく70歳の婆さん。中学の時の初恋の人から電話があり、一度でいいから握手をしたいという妄念にかられ、四六時中頭から離れず、眠れぬ夜が続いているというもの。世界に類をみない高齢

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    2017年10月28日
  • 悩みいろいろ 人生に効く物語50

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    様々な悩みに関して、寓話や小説を用いながら回答していく一冊。
    自身の悩みが、普遍的な悩みであることを知ると同時に、小説を読むことは人生のヒントにつながると確信をもつこともできた。

    心に残った箇所
    自分が簡単に実現できない夢だとしても、その夢を他人に託すとき、それも希望になります。希望とは、世代に関わらず、人が時間の制約を超えて未来へとつながっていくことなのです。

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    2017年09月10日
  • 市場

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    主流派経済学の市場主義的発想を批判してきた著者による、「市場」というタイトルの本ということで、著者自身の立場から包括的に「市場」の意義と役割が論じられているのではないかと予想したのですが、やや期待していた内容とは異なっていました。むしろ、これまでの経済倫理思想における人間観を掘り下げ、それらの抽象性を明らかにすることに、本書における著者の眼目があるように思います。

    著者は、新古典派経済学のみならず、スミスやハイエクの人間観を取り上げ、それらが「強い個人」を前提にしていることを明らかにしていきます。しかし、「強い個人の仮定」に基づく市場主義は、人びとの生活の足場となっている公共性の地盤を掘り崩

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    2017年03月08日
  • 経済大転換 ――反デフレ・反バブルの政策学

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    『セーフティーネットの政治経済学』『長期停滞』(ともにちくま新書)の続編で、3部作の完結編となる本です。

    著者の基本的なスタンスは前著から一貫しており、本書でも小泉政権下における竹中平蔵の経済政策に対して舌鋒鋭く批判をおこなっています。とくに不良債権問題に対しては、銀行に対する十分な引当金を積むことのないまま弥縫策に終始していても、繰り返し損失が表面化することになり、そのたびに貸し渋りや貸し剥がしがおこなわれ、デフレ不況から脱することはできないと著者は言います。その上で、十分な引当金によって信用収縮に歯止めをかけることが、デフレ脱却へのもっとも有効な道筋だというシナリオが提示されています。

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    2017年02月15日
  • 日本病 長期衰退のダイナミクス

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     18世紀、ダイナミックに動くシステムの予測のため、イギリスの牧師トーマス・ベイズにより人間の経験を事前予測とし、そこにデータを加えてよりよい事後予測を生み出す方法が提唱された。
     今日の認知・認識の科学の進歩と、コンピュータの演算能力の爆発的な向上が新たな可能性を生み出しており、今後は、ベイズ主義の予測を進化させ、人間の認知・認識を客観視し、より精緻な事前モデルを生み出し、バイアスを与えないデータで推論サイクルを繰り返し、新たな予測モデルを打ち立てることが、6人にひとりの子どもが貧困となり、高齢者の9割が貧困に向かい、地域が衰退するという深刻な実情を直視する当事者主権、現場主義からの議論が求

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    2016年05月13日
  • 日本病 長期衰退のダイナミクス

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    よくこれだけ「こき下ろせる」なぁ。
    不安ばかりあおるショック療法なのだろうか。
    金子勝さんの性格も反映しているのでは??
    政府のスーパーバイザーになればいいのに。

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    2016年02月27日
  • 日本病 長期衰退のダイナミクス

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    あれも嫌、これもダメと言い続けることで逆説的なカタルシスを生み出す、サイエンスを騙った偏ったスタンスのプロパガンダ。こういう人達に限って、草の根的なイノベーションに期待する、など言うのだが、ダイナミックな資本の流動性が無ければ、そもそもそんなことは不可能だと思う。

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    2018年10月14日
  • 資本主義の克服 「共有論」で社会を変える

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    自国の制度を押し付けるのがグローバリズム。
    ネットワークの独占。
    独占がしやすくなっている社会になっていると感じる。
    おそらく、共有論というのがメインの主張なのだと思うが、あまり新鮮味はなく、印象には残らなかった。

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    2015年08月26日
  • 儲かる農業論 エネルギー兼業農家のすすめ

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    ○経済学者の金子氏と元農水官僚で民主党のブレーンでもあった武本氏の作品。
    ○現在の農業・農村政策への批判と、新たな農業(兼業農業)としてのエネルギー兼業の提案を行っている。
    ○現在の農業の衰退や兼業農家否定への対案、大規模専業中心主義への批判などは、一部理に適っている部分もあるが、再生可能エネルギーを一方的に推奨するのは、やややりすぎな印象。
    ○FITは、あくまでも一時的な政策に過ぎないので、それを前提として地域を支えるというのは、ちょっと安易。

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    2015年02月02日