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Posted by ブクログ
現在の日本の状況をどう捉えたらよいのか、経済学者の視点から幅広く批評している。もはや日本は発展途上国になりつつあるという見方はかなり辛口ではあるが、そのくらい“人を救えない国”に成り下がってしまっているのは確かだと思う。未来の世代のために、よりよい社会にするために今を犠牲にしても教育にお金をかける精神は失われてしまった。今の問題を何とかすることにきゅうきゅうとして、その場しのぎで、しっかりとした将来のビジョンなしにつきすすむ。社会システムのいたるところでどうにもならなくなっている閉塞感。従来の発想を根本から変えて社会を大胆に変革していくときだ。しかし、黒船到来のようなインパクトがないと変われないのは日本社会の習性か。いずれこのままだと、社会を揺るがすとんでもないことが起きるのは確かだ。だが、悲観的になることはない、スイッチが入れば日本は強い。そういう国だと本を読みながら思った。
Posted by ブクログ
バブル崩壊以降、すなわち、平成以降の日本経済の歴史について、まとめて何冊か本を読もうとしている。これは、その2冊目。
筆者は経済学者であり、平成以降、特に安倍・菅政権の時代の経済政策、そしてその結果の現状の日本経済について、論理的・実証的に論じている。多くのことを論じているが、現在の日本経済の問題点・悪循環の原因を3つに整理している。
ひとつは、異次元の金融緩和と呼ばれるものが、そろそろ限界にきていること。特にコロナ禍以降の財政規律のなさは、コロナバブルを生んでおり、そろそろ、そのバブルの崩壊も近いと主張している。また、日本企業が不景気の中での収益確保策として、コスト削減策を選んだために、賃金が上がらなくなっていること。従って、消費支出が増えず、デフレから脱却できない。そして3つ目は、収益確保策としてコスト削減に頼らざるを得ないのは、日本企業・日本の産業に国際競争力がなくなったから。典型的には電機産業。一時高収益企業であった、例えば、東芝・三洋電機・シャープ等がどうなったているか。
異次元金融緩和と、政府支出の増大については、賛否両論ある。デフレを終わらせるためには政府支出が必要であり、それによる財政赤字は仕方のないものであることという主張がひとつ。もうひとつは、本書の筆者が述べているように、これまでずっと金融緩和・政府支出の増大を続けてきたが、日本経済はデフレを脱していない。ということは、この策はこれ以上続けても意味がなく、また、財政赤字の規模もそろそろ限界に近付きつつあり、異次元金融緩和策はすぐにでも止めるべきものであるという主張がある。
いずれが正しいのか、あるいは、それらは日本の経済を立ち直らせるためには、そもそも関係のないことなのか、他の著者の主張も読みながら自分でも考えていきたい。
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