金子勝のレビュー一覧

  • 人を救えない国 安倍・菅政権で失われた経済を取り戻す

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    「政治と経済がダッチロールのように墜落しつつある日本」「サラ金頼みのごとく日銀券を刷って花見酒に興じている」無責任体制。「出口のないねずみ講に陥った異次元の金融緩和」誰が考えても“異常・異様”な日銀の振る舞い、なぜ止められないの?この出版から1年半が経ってコロナはさらに猛威を振るい、日本は売られ続け戦後最悪の円安水準にまでなっても“コロナ禍のバブル”という異常事態は日常の顔してより強固になっている…。久しぶりの金子さん、もっと発信を!だから言ったのにというアリバイ証明の出版にならないように。

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    2022年09月14日
  • 平成経済 衰退の本質

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    平成時代に日本経済はほとんど成長していない。むしろ、衰退の道を歩んでいると言って良い状態である。その理由を筆者はその間の政策にもとめている。結果として、現在の日本経済の状態は筆者の言葉を借りれば、下記の六重苦の状態となっている。
    ①産業衰退の加速
    ②貿易赤字の定着
    ③実質賃金と実質家計支出の継続的低下
    ④少子高齢化と地域衰退
    ⑤銀行経営の圧迫と金融リスク
    ⑥中央銀行の機能麻痺

    私の感覚で言えば、この中では、①の「産業衰退の加速」、すなわち、日本の産業競争力の弱体化(要するに競争に負けているということ。例えば、電機産業、特に昔の家電メーカーは往時の面影は全くない。三洋電機、シャープ、東芝等)は

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    2022年08月01日
  • 人を救えない国 安倍・菅政権で失われた経済を取り戻す

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    バブル崩壊以降、すなわち、平成以降の日本経済の歴史について、まとめて何冊か本を読もうとしている。これは、その2冊目。
    筆者は経済学者であり、平成以降、特に安倍・菅政権の時代の経済政策、そしてその結果の現状の日本経済について、論理的・実証的に論じている。多くのことを論じているが、現在の日本経済の問題点・悪循環の原因を3つに整理している。
    ひとつは、異次元の金融緩和と呼ばれるものが、そろそろ限界にきていること。特にコロナ禍以降の財政規律のなさは、コロナバブルを生んでおり、そろそろ、そのバブルの崩壊も近いと主張している。また、日本企業が不景気の中での収益確保策として、コスト削減策を選んだために、賃金

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    2022年07月16日
  • 平成経済 衰退の本質

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    平成の経済を復習することができました。
    前時代の昭和が、「戦後」や「朝鮮特需」など特別な背景があったため「高度成長」を成し遂げ、また「GDP世界2位」にまで登り詰めました。
    平成は平時が当たり前になり、経済を他力に任せた「投資」や「投機」に傾き過ぎました。
    令和は始まったばかりですが、地に足をつけ経済一辺倒ではない“日本”をつくりあげましょう。
    私も微力ながら貢献したいと思います。

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    2022年05月11日
  • 人を救えない国 安倍・菅政権で失われた経済を取り戻す

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    安倍政権から菅政権の今日にいたるまでいったい何をもたらしてきたのだろうか?安倍政権からそのままずるずるときて、のらりくらりと政策、批判をかわしてきた結果が今に至っているようなものである。コロナ対策も後手に周りこの国が大変まずいことになりつつあり、思い切ったリーダーがホントに必要であると感じた。

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    2021年08月29日
  • 平成経済 衰退の本質

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    金子勝という人はイデオロギーの色が付き過ぎて素直に信じられなくなっているが、原発を始めとする過去の主張を見ると、本質を掴まえる事においては信頼できそうだ。であるからこそ経済学者は政策の実現に責任があると思うのだが、どこか他人事だ。そんなに先が見えるのなら自分が責任を引き受けて行動すべきであって、その覚悟がないなら安易に為政者を無責任などと糾弾すべきでない、と思う。
    仮に本書の見方が大方正しいとして、何が諸悪の根源かと言えば縁故資本主義であるように感じた。安倍、竹中のヨコシマコンビは言うに及ばず、ほとんど“家業化”した世襲国会議員こそがネポティズムの象徴であり、彼らのお仲間が楽して特権を維持する

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    2021年05月22日
  • 逆システム学

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    すごく示唆に富む本

    「複雑系」との違い・・・システム全体のモデル化を目的にする複雑系と異なり、調節制御の仕組みや要素間の関係そのものが研究対象

    ノイズとシグナルの峻別・・・重要な差異か、無視してよい誤差か

    「一創造百盗作」−大野乾の遺伝子重複仮説

    ゲーム理論に基づく情報の経済学の限界−年金制度や失業保険制度で論理破綻

    日本企業の「現場監督者(フォアマン)」は、職場の代表であると同時に経営側(制御系)の末端機構である。
    └2つの調節制御の機能が一人の人間に重複し、その機能を果たせないようになっている。
    交渉モデルでは、相反する利害を持つ者同士が交渉しないと均衡には達しないのに、「現場監

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    2018年10月18日
  • 悩みいろいろ 人生に効く物語50

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    朝日新聞『Be』に連載中の人生相談「悩みのるつぼ」に寄せられた声に、経済学者の金子勝氏が応えたものを10のテーマに分けてまとめた一冊です。

    少し前に金子さんの講演を聞く機会があったのですが、日本経済や政治状況へのするどい指摘に大きな拍手を送ったところだったので、読む前には「どんな展開になるのだろう」と楽しみでした。経済学者としてこの時代を読み解きながら、その中で暮らす人間への深い洞察と信頼をベースに、悩みに対して縦横に語られていて「すごいな」と率直に思いました。

    回答の中では小説や落語の一説などが使われていて、相談者や読者のための本のガイドブックとして活用できると思います。

    <「悩みの時

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    2018年01月08日
  • 高校生と考える日本の問題点 桐光学園大学訪問授業

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    ネタバレ

    読書途中。20人の講師による。一人90分の講演会の収録である。一気に読めるはずもなく、じわじわと読んだ。
    姜尚中の講演のなかで、夏目漱石が奥さんをなぐっていたエピソードがあった。ノイローゼであったらしい。私は夏目漱石になれないけど、夏目漱石よりましだなと少し思った。考えかたとしてまちがっているのかな?どんな偉い人もほんとうにいろいろな苦しみにもがいていきているのだと思い直した。
    20名全て役に立つわけでないが、中には、気に入る人もいるかもしれないとのことだろうか?3.11後の話など考えさせられたり。光触媒の話は興味を覚えた。文学、美術に関心を持った。宇宙論や素粒子の話は、わからないので、もうい

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    2017年01月01日
  • 資本主義の克服 「共有論」で社会を変える

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    結局、経済学は誰のためにあるかにつきるのであるが、人の将来を担う子供たちのため、その子供を産み育てる女性のためにつきるだろう。
    そのための社会保障制度の制度設計に当事者たちが民主的手続きの下、真に自由な発言ができ、きちんと加われるかが重要だと筆者は言う。
    しかしながら、超情報社会における情報の独占を食い止めるため、政府でもない、民でもない、新たな情報管理システムをどういう形で共有できるのか、今後の社会制度設計を行っていくうえで一番大切なことだと筆者は締めくくった。

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    2015年06月19日
  • 資本主義の克服 「共有論」で社会を変える

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    「セーフティネットの経済学」ほどのキレを感じられなかった。それほど危機は複雑化しているということか。はたまた自分の認識能力不足の問題か。

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    2015年05月24日
  • 儲かる農業論 エネルギー兼業農家のすすめ

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    専業農家ではなく、兼業農家を目指そう。それも、エネルギー業と兼業する「エネルギー兼業農家」となることで、利益を出そうという主張の本。

    工場の期間工など、お金が地域外に流れるものや、農業との相乗効果が期待できない兼業ではなく、エネルギー業と兼業することで、お金を地域で循環できるようになり、地域コミュニティの活性化にもつながり、農業にも相乗効果が期待できるようになる。
    確かに、農業という季節や年により不安定な収入に、エネルギー収入という安定的なベース収入を兼ねることで、ポートフォリオが格段によくなる。

    ただし、本書でも以下のように触れているように、誰がエネルギー兼業化を推し進めるのかという問題

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    2014年11月15日
  • 失われた30年 逆転への最後の提言

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    神野直彦氏の本は何冊か読んだが、自由主義、市場万能主義を強烈に批判している。僕も同感だ。自由競争の結果生まれる格差を肯定する事などありえないし、弱肉強食の社会が正しいわけがない。僕がもっとも共感できたのは、TPPは自由貿易ではなく、どちらかといえば加盟国内でのブロック経済に近いという主張。そして、国際分業というのは、「食糧とエネルギーは無限に安定的に手に入れられる」事を前提にしており何の現実味もない、という事。規模の経済を否定している点にも好感が持てた。
    対談形式なので大変読みやすい。
    多くの人にオススメしたい一冊です。

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    2014年04月28日
  • 原発は火力より高い

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    2012年に出版された『原発は不良債権である』の続編。発電単価が安い安と言われてきた原子力発電ではあるが、それは原発によるエネルギー政策を進めるために、都合上つくられてきた数字であり、公表されてきた数字を使って計算してみても、安いという論理は成り立たないことを明らかにしていく。その中で、この巨大な不良債権をどうすべきなのか、賠償問題をどう組み立てなおしていくのか、そして分散ネットワーク型社会へ向けての提言、などが述べられていく。
    実際には、東京電力がもはや経営破たんをきたしていることをあらわす様々な数字が生々しい。

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    2013年10月04日
  • 原発は不良債権である

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    岩波ブックレット・シリーズの1冊。筆者は、慶応義塾大学経済学部教授でサンデーモーニングのコメンテーターとしてもおなじみの金子 勝氏。テーマを絞ったスリムな冊子で手軽で読みやすい。原発が多額な負債を生み出す構造や、事実とかい離した情報発信、電気料金値上げのからくりなどが、数字をもとに語られる。何も生み出すこともなく、冷却費用だけでも1日5500万円という巨額な出費を出し続ける高速増殖炉もんじゅ、先の見えない六ヶ所村の再処理事業などの、驚くべき時間と金の無駄遣いぶりを改めて確認することができる。

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    2013年09月24日
  • 逆システム学

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    ネタバレ

    生命と経済学における市場の概念に、深い相関があるとする。
    あくまで概論だが、興味深い話ではある。いつか続きが読めるといいなという一冊。

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    2013年08月04日
  • 市場

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    経済理論・政治理論が、理論の出発点にどのような人間像を置いているのか。現実離れした「強い個人」(高い判断力、高いモラル、等々)を仮定して理論を組み立てれば、どんな理論でもいずれ現実との間に齟齬を来たし、生身の人間に無理を強いることになりかねない。そしてそのような理論には当然、持続可能性がない。著者は、この観点に絞って代表的な経済・政治理論や実際の経済政策の検討を進めていく。経済学を学んだことのない人のために書いたとのことだが、やはり経済学を学んだことのないものにはややつらい部分も多い。ただ、著者の論点がはっきりしているので読み進めることはできるし、すこし頭の整理ができたような気がする。1999

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    2013年01月30日
  • 原発は不良債権である

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    原発が国民にとっての不良債権であることは、官僚機構と現民主党執行部の原発に関連した施策の進め方を見ていれば一目瞭然。

    この本は決算処理や不明朗な情報開示などからそれを数字で説明されている前半は役に立った。

    結局、ツケは国民負担。だったら、すぐさま膿を出した方がよいのも自明なのですが、自民党、民主党+公明党が結託してこのまま原発を維持しようとする状況は狂気の沙汰でしかない。

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    2012年08月31日
  • 原発は不良債権である

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    分かりやすく解説されていた。そして、ニュースで言われていたり、自分が思っていたことが書かれていた。やはり、再稼動を急ぎたくなるんだな、と苛立ちとむなしさがこみあげます。
    「福島から始まる再生」、是非これを実現して欲しい!つくづく、そう思います。

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    2012年07月05日
  • 閉塞経済 ――金融資本主義のゆくえ

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    今日の世界を覆っている不自然な金融資本主義では、バブルや格差の発生は不可避である一方で、もはや神の手も公共対策も十分に有効ではないとの主張です。危機感はよく伝わってきましたが、それでは具体的にどんな処方箋が市民に受け入れられ得るかという点は言及が少ないと感じました。

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    2012年04月25日