五木寛之のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
自分のジャズトランペットに足りないものは何か?
を求めて旅に出たジュンイチロウ。
ロシア、フィンランド、スウェーデン、デンマーク、スペイン、ポルトガルと旅を続けながら様々な人に出会い経験を積む。
音楽とは人間である。技術や知識も大切だが奏者の苦しみや喜び、葛藤を込めれなければそれはいい音楽とは言えないことを実感する。
まだ若い主人公は生きる意味を求め、自分の中の未知なる荒野を目指して旅を続ける。
ストーリーも登場人物もよかった。読んでいてのめり込むような面白さがあった。日本人の主人公がやたら外国でモテるのは ? だったが。
自分の中にもまだ荒野はあるのだろうか? -
Posted by ブクログ
五木寛之の本はあまり読んだことがない。「さらばモスクワ愚連隊」「蒼ざめた馬を見よ」が世に出た頃は当方は小学低学年だったし、その後もこちらのストライクゾーンに打てる球がくることがなかった。近年は「親鸞」など仏教に関連した著作や探訪記を書かれているのは知っていたが、手を出していなかった。
佐藤氏が博識を披露する対談だろうと思ったが、五木氏が異端の信仰の口伝を収録しているとのエピソードに驚き。
アンタは宗教学者か民俗学者か!。五木氏への認識を改めなければ。
ロシア人については、残忍で極端な情熱家で詩人への尊敬が強いことが語られるが、ついていけないなあというのが正直な感想。ウクライナ、ポーランドの -
Posted by ブクログ
知識を得て、アウトプットするために読むのでないから、記憶をする作業は省き、しかし、興味ある事はそれを広げるために、やはり固有名詞の暗記が必要となる。こんな事を考えさせられたのは、やはり佐藤優の博覧強記ぶりを見せられたから、というのが本音の所。限られた時間の中で、幅広く事象を押さえるのは難しい。その点、僅かな期間の体験でリアルな小説を書き上げる五木寛之との対談は面白い。
タイトルの異端について、どう解釈すれば良いか。主に宗教における異端についてを取り扱った感が強いと感じる。信仰は一人で可能だが、宗教には、宗派としての組織が必要だ。組織において解釈が分かれれば、宗派を分かつ必要性が生じる。斯様に -
Posted by ブクログ
ネタバレ人種差別という言葉、普通に生活していれば聞かない言葉だ。
その言葉を聞くと、自分とは関係のない、むしろ宗教に似たいかがわしさを感じる。
しかし、かつて戸籍に登録されない人たちが日本には存在していた。
海の上、船で一生を終える「家船(えぶね)」
山の中で移動しながら生きていた「山咼(さんか)」
前半では戦後まで存在していた彼らの存在を炙り出す。
後半では江戸時代の階級、士農工商のさらにその下にいた穢多・非人に焦点を当てる。
関東一円の穢多を取りまとめていた穢多頭の称号「弾左衛門」とその下で非人を管理していた「車善七」筆頭四人の存在。
本人は穢多の被差別民ながら旗本ほ