五木寛之のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
先日出た句会で、ベテランの方が退会されるという…
その、挨拶のなかで触れられていたのが本書だった。
ボクは、さだまさしの「飛梅」の一節を思い出していた…
ーのぼりつめたら下るしかないと
下るしかないと気づかなかった 天神様の細道
ただ、どうせ下らなければならない道ならば、
できることなら、生きてある一瞬、一瞬を満喫して
下ってゆきたい…そう思うのは当然のことだろう。
本書のメッセージは、いたってシンプルだ。
ーどんなに深い絶望からも、人は立ちあがらざるをえない。
核に汚染されたあぢ地にも、雑草は生え、樹木は根づいてきた。
しかし、と、そこで思う。私たちの再生の目標は、どこにあるのか -
Posted by ブクログ
☆天上天下唯我独尊
:宇宙にたったひとつの自分、そのことだけで、かけがえのない存在
☆年に二度は上手に風邪をひく
:発熱や下痢は体のバランスがくずれた時の自浄作用、無理に薬で抑えてはだめ
☆往く川の水は流れてもどらない
:ガンを含めて全ての病気は治らない、うまく付き合え
☆腰痛の原因は複雑
:こころも影響している
☆他力
:もう無理だ等考えるのは無駄、いけるところまで行けばよい。もし行けなくなったら神様が休めと言っているのだ。自力だけでは無理、ヨットは他力(風)がなくては動かない
☆光と影は一体
:光だけを増やせと言っても無理な話。ストレスもいっしょ -
Posted by ブクログ
五木寛之さんの作品を読むのはいつ以来でしょうか。
思い当たるのは『生きるヒント』シリーズ。もっと遡れば、学生時代、短編小説を何冊か読みました。金沢に縁のある五木さんの過去の小説は、親近感を覚えて金沢に関連する地名を読み漁りました。
下山の思想とは、少し悲壮感漂うというか、少し消極的・否定的に現在の世相を眺める印象がありましたが、必ずしもそうではありません。こういう時代だからこそ、しっかり足元を見つめる必要があります。
決して悲観的になるものではありません。
下山するということは、登ることに比べ価値がないことではない。
文化は下山の時代にこそ成熟する
私たちの時代は、すでに下山にさしかか -
Posted by ブクログ
日本は上りの時代は終焉し、どのように下山をすべきか?という下山の美学を描いた話です。確かに、いつまでも上りが続く訳ではなく、山は頂上があって、そこから下る過程まで含めて登山であり、人間はなかなか下りにはネガティブなイメージがあって焦点をあてないように避けようとする傾向があるのは納得で、下山の際に上りにの過程では見えなかったことが見えることもあるというのも深い真理ですね!
ポジティブシンキング=上昇志向ではないということでしょう。
のびやかに、明るく下山する気持ちこそ、今の日本人にとって大事な真理であるというのも、無理をした生き方をしないということで、腹におちました。