五木寛之のレビュー一覧
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ネタバレ「人間はただ生きているというだけですごいのだ」という言葉は、戦後の混乱の時代を生き抜いてきた著者だからこそ実感を持って語れる言葉だと思う。私のようにのほほんと生きている人間にはなかなかそのように考られない。
一番心惹かれたのは「私たちは死んで地獄へ堕ちるのではない。人はすべて地獄に生まれてくるのである」という言葉。これは究極のプラス思考ではないだろうか。自分がいま置かれたところが地獄だと考えれば、あとは上を目指すだけなのだから。
これに関連して、「極楽はあの世にあるのでもなく、天国や西方浄土にあるのでもない。この世の地獄のただなかにこそあるのだ。極楽とは地獄というこの世の闇のなかにキラキラ -
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ネタバレはい、というわけでね
トレードマークは荷台に描かれた聖徳太子の一万円札!
恐妻家で子だくさん
いつも明るくて、情にもろくて騙されることも多いそんな人
運転技術もたいしたことなくて、腕っぷしもからっきしだし、けっこうなビビり
だけど一番星桃次郎のピンチには必ず駆けつけ、恐怖に震えながらも4トン半の小さなトラックで倍以上あるトラックに立ち向かいます
そうなんよ!わいのヒーローは桃次郎じゃなくて「やもめのジョナサン」やったんよ!
なんでジョナサンはそんなことが出来たんだろう?
それはきっと自分の心の声に常に忠実だったからじゃないか?と思うのです
本当はすぐにでも逃げ出したい状況で、迷わずアクセ -
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五木寛之さんの本は初めて
大河の一滴はかなり話題になっていたことは覚えている
ただずっと小説だと思っていた
無知の極み‥
哲学的な書として紹介されているのをキッカケに手にとって見たが、
数ページ目からもうすでに目から鱗?
すべての文章が身体の中にストン!と落ちてきて
じわっ〜と染み込んでいくのがわかった
あーなんで今まで読まなかったかと悔やむ一方で
今だから響いているんだろうか
とも思った
話題になっていた頃に読んでいても
油ぎっていた身体に染みてはいなかったかもしれない
「人が生きるということは苦しみの連続なのだ」
マイナス思考から始まる人生、その中で思いがけず注がれるしあわせ
「早天の -
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五木寛之さんの作品は、「青春の門」などの小説やエッセイなど、若い頃によく読みました。本書も確か一度読んだと思うのですが、まだ若かった自分には、五木さんが仰ることが何か暗く、後ろ向きに感じて、当時はあまり本書に対する印象は良くなかったような記憶があります。五木さんの70代の作品(2008)で、これから日本も世界も自分も下り坂になっていくので、その中で覚悟を決めて生きていかねばならないと説いています。あれから17年。どうでしょう、本書で言っているような社会の閉塞感がまさに、日本、世界を覆ってきているではありませんか。自分も人生後半戦に入り、若い頃とは異なる人生観を持つようになってきました。なんと、
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自分はこの長大な物語をとても気に入っており、過去2度通読している。3度目となる今回も、主人公伊吹信介が通過していく時代と、関わっていくさまざまな人々とのやり取りを味わい尽くそうと楽しみにこの筑豊篇を手に取った。
物語序盤のこの筑豊篇において大きな存在感を放つ登場人物は何と言っても塙竜五郎だろう。新興ヤクザの親分といういかつさを持ちながら、伊吹重蔵の忘れ形見である息子信介を実の息子のように慈しみ、竜五郎が信介にかける言葉のひとつひとつが重みと深みを持つ。厳しい渡世の中で人間模様を知り尽くした人物であることが伺え、器の大きさを感じるばかりである。