五木寛之のレビュー一覧

  • 大河の一滴

    Posted by ブクログ

    戦い疲れて罅割れた心に染み入る一冊だった。
    そして、読む時期によって感じ入る場所も理解の進み方も変わるのが本なのだということも感じた。
    近頃にようやく、人生とはそれほど順風満帆なものでも理想や綺麗事ばかりでもないこと、そして悲しみや喪失感といった負の感情も正と同様に重要で不可欠な存在であることを実感した。
    理想や期待からのズレに失望し憤るのではなく、世界はそういうものなんだと受容し、それでもなお自分の人生をどう生きようか、何をして生きたいかを考え続けることが肝要なのだと思いたい。

    「喜ぶことと悲しむことは同じ人間の大事な感情である。明るい気持ちになって、すかっとした気持ちになることも大事であ

    0
    2026年07月15日
  • 親鸞(しんらん) 完結篇(下) 【五木寛之ノベリスク】

    Posted by ブクログ

    元々新聞小説として全国の新聞に何年にもわたって断続的に掲載されてきた大作の最終巻。ここまで長かったが、意外に早くスイスイと読めた感じ。新聞に掲載されていたときにも何編か読んだことがある気がしているが、こうして全体を一気に通読して、親鸞の生涯というのがよく分かった。もちろん細部は小説として創作されたものだが、当時の時代背景、ものの考え方、他の仏教各派との軋轢など、実際にありそうな話で、これぞ小説家の面目躍如といえる。次は唯円さんが書いたいう歎異抄を読んでみたくなった。

    0
    2026年07月06日
  • 親鸞(しんらん) 完結篇(上) 【五木寛之ノベリスク】

    Posted by ブクログ

    小説「親鸞」全6冊の5冊目。とうとうここまで読みましたという感じ。京に戻った親鸞が、長男の善鸞や弟子の唯円らと暮らしながら、また延々と悩み続ける。取り巻く登場人物も、親鸞の先の京での生活で因縁を持つ者たちで、高齢者がぞろぞろ。親鸞自体90才まで生きた人だが、この巻では81才までが描かれる。

    0
    2026年07月03日
  • 親鸞(しんらん) 激動篇(下) 【五木寛之ノベリスク】

    Posted by ブクログ

    五木さんの小説「親鸞」シリーズの4冊目。越後から関東に出た親鸞が、連れ合いの恵心と別れ、再び京に上るつもりになるまでの二十数年間を描く。いろいろと誠実に悩む人間・親鸞の姿が相も変わらずドラマチック。

    0
    2026年06月30日
  • 大河の一滴

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    この本が新刊として書店に並んだ時に購入しましたが、当時はとても難しく思えて理解ができず、
    読めませんでした。最終章が発売された事をきっかけにようやく読めました。

    この世はそもそも地獄、だから時折感じる幸せが天国、生きているうちに天国は味わっている。
    どんなにもがいても、どんなに抗っても、
    所詮人生は大河に流れる水の一滴に過ぎない。

    もうこの2つだけでどんなに心が救われたことでしょう。
    取り返しのつかないくらいの後悔があり、
    落ち込む時期もありましたが、そもそもここは地獄だったのか、と思った瞬間から霧が晴れました。
    どんなに泣いても後悔しても私の人生は大河の一滴に過ぎないんだ。
    自分の悩みを

    0
    2026年06月28日
  • 大河の一滴 最終章

    Posted by ブクログ

    今は亡き父が読んできた本のなかにあった前作の「大河の一滴」。父とはもう会話できないけど、同じ本を読み対話した良き思い出がある。
    まさか続編がでているとは露とも知らず急いで購入。
    頁をめくると一緒に父と読んでいる錯覚を感じる。

    抗ったっていいんだよね、自分の命だもの。生にかじりついてもいいではないかせっかく生きてきたんだからね。運命の荒波に石を投げてもいいではないか…
    自分の命の音を聞き生きよう!

    勇気が湧きます!


    ぜひ〜

    0
    2026年06月21日
  • 大河の一滴 最終章

    Posted by ブクログ

    五木さんの生き様を感じた。
    恐々と淡々と堂々と、内面の悲しみを堪え生きることの意味を見出す。奇しくも命ながらえて、この感覚に全て言い尽くされた。

    0
    2026年06月20日
  • はじめての親鸞

    Posted by ブクログ

    「人間・親鸞をめぐる雑話」と題して企画された五木寛之氏の講演(全3回)を書籍化したもの。本人の書き残したものが少なく、実際にどうだったのかよく分からない親鸞の実像について、五木氏の考えが平易な言葉で語られ、分かりやすい。五木氏の大作小説「親鸞」を読む前のウォーミングアップにちょうどいい感じ。

    0
    2026年06月19日
  • 五木寛之自選文庫〈小説シリーズ〉 ガウディの夏 THE SUMMER FOR GAUDI

    Posted by ブクログ

    中学生のころ、『青春の門』を少し読んで、読みやすすぎると感じてそっと閉じた。生意気な年頃だった。難解な文体にこそ文学的価値があると思い込んでいた。

    あれから何十年。読みやすい文章を書くことが、どれほど難しいか。読書歴を積み重ねてようやくわかってきた。五木寛之の文体は変わっていない。変わったのは、こちらの目のほうだ。

    CFプロデューサーを主人公に据えた本作は、情報を操る闇の組織が絡んでくると、しだいにオカルトめいた様相を帯びてくる。かつての自分なら荒唐無稽と笑い飛ばしたかもしれない。だが今は笑えない。ネット社会とAIが情報流通を根底から変えつつある現在、この物語はもはや寓話ではなく、現実の輪

    0
    2026年06月07日
  • 大河の一滴 最終章

    Posted by ブクログ

    ページターナーズで対談をみて、上品でユーモアがあり、すごい情報収集量、知識量、行動量。とても惹きつけられた。

    自分も50代に入って急に人生の終わりが迫ってくる感覚があって、みんなどんな気持ちで、考えで、歳を重ねているのかが気になっていた。本を読んでいて、わたしはいま50半ばだが、体力気力を失っている場合ではないと猛省。

    生きる意味とか、どう生きていけばいいか、この歳になってから考えるようになった。シンプルにだいじな人たちのために長く生きる、誰かのために生きる。という目標こそが、本当の生きる力になる。と考えるのがしっくりくるし、誰かのため、も大小あるのだろうけど、目の前にいる人のためを思って

    0
    2026年06月02日
  • 大河の一滴

    Posted by ブクログ

    影が長ければ長いほど照らしだす光が強いという考えに絶望と希望両方があって成り立つんだと前向きになれました。

    平成の書物とはいえ令和にも通ずる概念や思考なので時代を問わず読むことができます。

    戦争、宗教、哲学、文学を通して考えを述べていて決して強要する訳ではなく一個人の考えとして書き連ねているので読みやすく理解しやすいです。
    原田宗典さんの解説にもあるように20代、30代、40代、50代と読む度に違った景色が広がりそうな書物です。

    0
    2026年05月24日
  • 大河の一滴

    Posted by ブクログ

    #大河の一滴
    #五木寛之
    #幻冬社

    博識な方の文章はすごい。感想をどう書いたらよいかわからないほど知識と経験量が膨大だ。引用も多いので大変勉強になる。一番印象に残っているのは中国の政治家、屈原(くつげん)と漁師のやりとり。世の中がおかしいとただ嘆くのではなく、できることをせよ、というような内容。
    私たちはみな、大河の一滴。ちっぽけで、同時にかけがえのない存在なのだ。
    ちっぽけだという側面を今一度認識し、謙虚に生きることが大事なのですね。
    これは家に置いておきたい一冊です。

    0
    2026年05月09日
  • 一寸先は闇

    Posted by ブクログ

    佐藤優氏の数ある対談本の中でも出色の面白さ。常に大衆・庶民視点の「虫の目」五木寛之氏と、歴史的大局視点の「鳥の目」知の巨人・佐藤優氏の縦横無尽の話題と切り口・語り口にページを捲る手が止まらない。特に『「歌」がもたらした一体感』からの数編で、「歌」視点での草の根レベルの一体感醸成を、歴史を俯瞰して分析するあたりは目から鱗。以前に「異端の人間学」をお二人で上梓しておられるのを知り、未読なので読みたい。

    0
    2026年05月06日
  • 大河の一滴 最終章

    Posted by ブクログ

    あまりにも人生明るく前向きに元気にきすぎて、暗愁に目を背けてきたことを反省した。
    いつも出る新刊がなかなか出ないなあと思っていたら、大病をしていたとは驚きだし、その時の心情が知れる本書は貴重だと思った。
    「運と努力」「カネとカミ」など、これからの行く末来し方がよく分かるありがたい一冊となった。

    0
    2026年04月17日
  • 大河の一滴

    Posted by ブクログ

    凄く読みやすくて面白い!!何千年も語り継がれる歴史と共に、人生とは?を考えさせてくれる。知識人の典型を見せつけられた。

    端的にいうと「人はいずれ死ぬ、そのための思考方法」って感じ。希望と絶望はいつも隣り合わせなんだ、、!!

    自分を愛せない人は他人も愛せない。凄くセルフラブの精神な気がする。
    人間は感動することで極限状態をも生きていけるんだって。少しの心の動きも取り溢しのないように観察したいなと思った。

    0
    2026年04月16日
  • 蒼ざめた馬を見よ

    Posted by ブクログ

    直木賞の表題作を含めた短編集。
    ソ連やロシアを中心とした、戦後に関連した話。

    ・蒼ざめた馬を見よ
    衝撃的な面白さ。というか、凄さ。
    新聞社に勤める鷹野は、ロシア批判の長編を日本に持ち込み出版しようとする。
    100ページ弱の中に、緊張感あり、どんでん返しあり、多数の伏線回収あり、そしてさらに。
    圧巻でした。

    ・赤い広場の女
    戦争をした国々。平和になってからそれをどうとらえるか。過去は過去として忘れるか。抱えていくか。
    戦後世代だからこその観点。感じ入る。

    ・バルカンの星の下に
    パリ赴任5年を迎え、帰国前にとブルガリアのブカレストに旅行に来た商社マンが、とある日本人夫婦に出会う。
    これは純文

    0
    2026年03月26日
  • 大河の一滴

    Posted by ブクログ

    高校時代から20代前半の頃、五木寛之氏の本に夢中になった。「戒厳令の夜」「さらばモスクワ愚連隊」など衝撃的読書体験だった。久しぶりに読む氏の本は随分感じが違ったけれど、今の時代を鋭く描いていた。

    今の時代は情とかウェットなものが嫌われて他人に干渉しないドライなものになってしまった。今の日本の交通事故死亡者は1万3千人、自殺者は2万3千人(自殺未遂を含めると10万人)自殺は死因の7位。8位の肝臓疾患よりも多い人が自ら命を絶っている。氏が言うには、日本の人々は心に内戦を抱えている。生きていることそのものが地獄であり、自分の命も人の命も軽んじて奪ってしまう。もっと人の心に情を育んでいかないといけな

    0
    2026年03月20日
  • 大河の一滴

    Posted by ブクログ

    このベストセラーが30年近く前に書かれたとは。
    平成から令和、更に世知辛い世の中になって、我々はどう生きるか?
    何もかも受け入れて生きていくしかないのだな。
    数年後にまた読み返したい。
    また別な発見があるかも知れない。

    0
    2026年01月29日
  • 蒼ざめた馬を見よ

    Posted by ブクログ

    50年も前に書かれてたなんて!
    今読んでも時代をいい意味で感じない文章だった。
    そして、今生きている世界の見え方が変わるような。
    50年後の現代もさほど変わらない、もしかしたらもっと酷くなってるかもと。

    0
    2026年01月16日
  • 大河の一滴

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「人間はただ生きているというだけですごいのだ」という言葉は、戦後の混乱の時代を生き抜いてきた著者だからこそ実感を持って語れる言葉だと思う。私のようにのほほんと生きている人間にはなかなかそのように考られない。

    一番心惹かれたのは「私たちは死んで地獄へ堕ちるのではない。人はすべて地獄に生まれてくるのである」という言葉。これは究極のプラス思考ではないだろうか。自分がいま置かれたところが地獄だと考えれば、あとは上を目指すだけなのだから。

    これに関連して、「極楽はあの世にあるのでもなく、天国や西方浄土にあるのでもない。この世の地獄のただなかにこそあるのだ。極楽とは地獄というこの世の闇のなかにキラキラ

    0
    2026年01月02日