五木寛之のレビュー一覧
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今年のはじめ、飼っているペットが亡くなりました。こういう日が来ることは、もちろんあらかじめわかっていました。この子がいなくなったら自分はどうなってしまうんだろう。そう想像したこともあります。しかし、そのとき私に訪れたのは、不思議に落ち着いた気持ちでした。それは、「こんなときだからこそ、この子のためにもしっかりしなくちゃ」と自分で自分を励ましたのではありません。悲しさよりも、「もうあの子はいないんだな」という淋しさがありました。そして、とにかく目の前のことをひとつひとつやろう。そういう気持ちになったのです。
その瞬間ふと頭に浮かんだのが「他力」という言葉でした。私の中で、がらりと世界が反転す -
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無数の病をかかえつつ、50年病院に行かない作家が徹底的に研究し実践しつくした、常識破りの最強カラダ活用法、満載。【目次】
第1章 不信と不安の時代に折れずに生き抜く知恵(健康は人生の目的;「身体語」をマスターする〜
第2章 私の「気やすめ」養生法(私はこんなふうに養生につとめてきた;非常識といわれても〜
第3章 私の実感的養生法(できるだけ病院にいかないという生きかた;きょう一日の養生を考える
第4章 腰痛との長い付き合い(腰痛が訴える命の悲鳴;腰痛かかえて東北紀行〜
第5章 私が感じる素朴な疑問(ストレスは本当に悪玉か?;現代はストレスが激化しているのか?
私自身の体験と偏見による養生の実 -
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御年九十歳になる著者、五木寛之さんは九十歳の壁を「直撃せずに 迂回する」 「よじ登るのではなく回り込む」と知恵のあることを仰っています。そんな五木さんでも「加齢の難しさは、全身くまなく 均一に衰えるのではなく各所バラバラに変化していくことにある」そうで、変形性ひざ関節症を抱えて今は杖の生活とのこと。そうであったとしても、九十歳で明瞭な文筆活動が出来ることに驚きです。作家を生業(なりわい)としてきた人の脳は衰えないのですね!
六十五歳で大好きな車の運転をやめた著者。懸命ですし、柔軟です。運転は「できるけど、しない」という一つの美学を感じます。「要するに老人は〈邪魔をせずに〉生きていけばいいのだ