五木寛之のレビュー一覧

  • 青春の門 第六部 再起篇 【五木寛之ノベリスク】

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     昭和29年ごろは: アンパン10円、ラーメン35円、カレーライス100円、岩波文庫40円、新聞購読料330円、小学校教員の初任給7800円・・・。五木寛之「青春の門 第六部 再起篇」、1990.5発行、539頁。実業家林三郎の書生兼運転手として住み込み、娘のみどりには好かれて、何不自由のない生活2年半の信介。その境遇から一転して、歌手の織江のマネージャーに。織江も高見沢タエから中元寺はるかとして再出発。石井講師の死、カオルの行方不明、林みどりの信介へのラブコール、金朱烈の動向など重なりつつ「挑戦篇」へ。

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    2023年09月04日
  • 青春の門 第五部 望郷篇 【五木寛之ノベリスク】

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     織江は高見沢タエの芸名で歌手の道を。信介はアルバイト、読書、ボクシング、遊び、政治活動・・・。塙竜五郎重傷の新聞を読み、急遽福岡の飯塚に。故郷田川の空気も。竜五郎は没し、東京に。信介と織江は時々出会うが、川筋で育った男と女、すっきり伴侶にとはいかず、会ったり離れたり。信介は林三郎という実業家の車にはねられて入院という事故をきっかけに、林三郎宅に住み込みで仕事を助けるという新たな展開に。五木寛之「青春の門 第五部 望郷篇」、1990.2発行、583頁。

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    2023年09月03日
  • 青春の門 第三部 放浪篇 【五木寛之ノベリスク】

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     伊吹信介は大学を休み、劇団を目指す緒方たち10数人と北海道、函館に。アルバイトをしながら何とか演劇活動をしようとするが簡単ではない。サポートする人もいれば、邪魔をするやくざ達もいる。函館を後にし、札幌に。信介は「アンジェラ」で働いている綺麗になった織江と再会する。五木寛之「青春の門 第三部 放浪篇」、1990.1発行、479頁。

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    2023年09月01日
  • 大河の一滴

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    社会の閉塞感はきっとここに書かれていること。

    また読むかも。
    でも死んだじいちゃんの話聞いてるみたいで
    ちょっと悲しくなる。

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    2023年08月23日
  • 弱き者の生き方

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     考古学者の大塚初重さん、18歳、輸送船に魚雷が。ワイヤロープにつかまり上に上がるとき、脚にしがみついてくる2~3人を、両脚で、燃えてる舟底に蹴落とした。まさに、蜘蛛の糸の世界。五木寛之さん、12歳、ピョンヤンで終戦。ロシア兵が病気で寝ている母を軍靴で踏みつけ、布団ごと庭に放り投げた。ガンジス川で、ピョンヤンで死んだ亡き母の髪を灰にし、川に流した。このお二人の対談集です。「弱き者の生き方」、2007.6発行。人間は皆弱き者で、それぞれの人の道を懸命に生きていくのある。

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    2023年08月15日
  • うらやましいボケかた(新潮新書)

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     豊昇龍、優勝と大関昇進、おめでとう!「君が代」の前に「モンゴル国歌」を演奏して欲しかった!国技だから君が代はわかる。でも、外国の力士を認め、その力士達が頑張り優勝したのだから、優勝力士の国歌を演奏しその栄誉を称えるべき!相撲協会に猛省を促します! 昨年卒寿を迎えた五木寛之さん「うらやましいボケかた」、2023.3発行。医療の専門家は「できるだけ歩け」と言う。その一方で「無理をしてはいけない」とも言う。氾濫情報の中で数千万人は立ちすくんでいる。こども家庭庁もいいが、ひざ・こし庁でも新設したらどうかw 数千万票が政府与党の支持に回ることはまちがいない。

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    2023年07月24日
  • シン・養生論

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     平易で良い。長生きするための実践を紹介してくれる。確かにそれほど健康に生まれていない人でもこんな生き方をすれば長生きできる。

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    2023年07月22日
  • 蒼ざめた馬を見よ

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     巧妙な物語。1966年。ソ連は、言論統制が敷かれていた。Q新聞外信部記者の鷹野隆介は、新聞論説主幹の森村から、社を辞めてソ連に行き、アレクサンドル・ミハイロフスキイの未発表の長編小説を密かに入手することを命じられた。この命令自体がかなり危ない。それを鷹野は引き受けることに。
     ユダヤ系市民の3代に渡る家族の物語は、ソ連では発表できない。これを持ち出して、西側で発表する。そして、鷹野はミハイロフスキイの家に訪問するが、ミハイロフスキイの妻に拒絶される。
     困っていた。キーロフ劇場に行ってみようとして、劇場でオリガとあった。オリガは強引に席を譲れという。それで譲ったら、劇がおわってから誘われる。

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    2023年07月20日
  • 孤独のすすめ 人生後半の生き方

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     本書タイトルの「孤独」というようりも,本書の元となった単行本のタイトルに使われていた「嫌老」という言葉の方が,より心にずしりとくる内容の本でした。
     「嫌老」という言葉は,著者の五木さんの造語で,今,ATOKで変換しようとしたけれでも,まだ変換用の辞書には入っていないようです(でも,嫌韓なら,すぐに変換できる)。そのうち,嫌老でも変換できるようになるのが,ある意味,怖い社会になってきたということですね。変換できなくてよかった。
     さて,この「嫌老」。少子高齢化社会が生み出す新たな階級闘争の原動力となるのではないか…五木さんはそう危惧しています。元気なくせに働きもしないで年金で暮らしている裕福

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    2023年07月19日
  • 青春の門 第八部 風雲篇 【五木寛之ノベリスク】

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    2016年に出版。なにゆえ、五木寛之は人生をかけて『青春の門』を書くのだろうか。
     伊吹信介という筑豊生まれの若者の限りない好奇心の広がりを時代に翻弄されながらも、なにをしたらいいのか?悩む信介が、頼もしい。時代は、1961年、日本は復興の道をひたすら走っている。
     北海道から、奈良に向かう信介。和辻哲郎の『古都巡礼』に導かれながら。海外に行こうと思ったから、余計日本のことを知りたくなっている。そして、ハーレーダビットソンに乗せられて、牧オリエのラジオの公開録音を聞きに大阪に行く。牧オリエが大きなプロダクションに入ったことで、脚光を浴びるようになる。信介は、オリエに会いたいと思ったが、オリエの

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    2023年07月01日
  • うらやましいボケかた(新潮新書)

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    タイトルは気難しいおじいちゃんが少しボケてきて、ニコニコして話しやすくなった。「今のおじいちゃんが一番好き」という話から。ボケのは防げない。でもいいボケ方があるんじゃないかということです。

    五木寛之のエッセイは比較的常識的なことを書いていて、つまらなくはないのだけど、ぬるま湯のイメージです。ですが90歳ともなると先行く人の体験談が切実で参考になったりしますね。

    「荒げる」を「アラゲル」と読んでいたが、「アララゲル」がホントって、最近知って、言葉で仕事をしているのに、こんな年になってるのに、大丈夫かというような話。

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    2023年07月01日
  • 青春の門 第七部 挑戦篇 【五木寛之ノベリスク】

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     物語は昭和35(1960)年。水原弘 黒い花びらという歌が流行っていた頃。伊吹信介。25歳になった。舞台は、北海道の江差。風が強く吹く街で、伊吹信介は青春をする。
     1980年に第六部再起篇が刊行された。それから、間を置いて1993年に、第七部挑戦篇が刊行される。
    五木寛之は、ライフワークにしている。1932年生まれなので、1993年は五木寛之61歳である。
     その長い間の休みの間があっても、『青春の門』の雰囲気は変わらない。伊吹信介は、前向きに生きようとするが、成長はしていないような気がする。この挑戦篇、688ページもあるのだ。
     伊吹信介は、トミ子の依頼で、トミ子の父親、アーナキストの丸

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    2023年06月29日
  • かもめのジョナサン【完成版】

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    リチャード・バックの本は、読み始めるとたちまち辺りに静謐で夢の中の様なふわふわとした浮遊感に包まれる感じがして、プロペラ機で1人空を飛行している時はきっとこんな感覚なのかな。と夢想してみたり昔からとても好きなのだが、最近になって第四部があった事を知り今回初めて完成版を読んでみた。

    不思議な世界のカモメの話は、人間社会に生きる私たちがその意味を考えるうえで示唆に富んだ内容ではあるけれど、第三部までは童話(?)寓話(?)的な世界観の色が強く、説教くさく感じないまま物語は終わるという印象を持っていた。

    第四部ではジョナサンが会得した飛行技術や「カモメとはどんな存在か」を若いカモメ達に教えていく中

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    2023年05月13日
  • 人生のレシピ 健やかな体の作り方

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     病院に駆け込むより先に、体が発している信号(身体語)に耳を傾ける。体にいいから食べるのではなく、体が欲しているから食べる。健康年齢が一人一人違うように、健康法も百人百様のはず。五木寛之「健やかな体の作り方」、2023.3発行。①呼吸は、吐く息に注意を集中する ②歩き方、嚥下、転倒予防、一番大事なことは「意識すること」。今から〇〇するぞ。無意識というのが一番の事故のもと。

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    2023年03月26日
  • 青春の門 第六部 再起篇 【五木寛之ノベリスク】

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    相変わらず都合良すぎる出会いと再開、窮地脱出が繰り返される点が時に興覚めだが、無理やりにでも話が転がってゆき面白い。半世紀前の世相も懐かしい。

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    2023年03月21日
  • 青春の門 第五部 望郷篇 【五木寛之ノベリスク】

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    相変わらず面白い。人との出会いや再開がちょっと都合良すぎる気がするが、長編小説なのだから無理筋の展開もやむを得ない。

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    2023年03月18日
  • かもめのジョナサン【完成版】

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    生きる目的って。
    寓話なのかファンタジーなのか。児童文学の姿をしてるのに、読んでみたらとんでもない方向に流さる作品。エンデの「モモ」のような衝撃を受けました。

    谷口けいさんが好きだった本。ということで気になり読破。70年代後半に世界中でブームになったそうなので、知ってる方もいるでしょうか。

    かもめのジョナサンは、飛ぶことが好きなカモメ。
    他のカモメは餌を摂るために飛ぶが、ジョナサンは飛ぶこと自体が目的。より一層美しく、速く、「飛ぶ」ということをとことん追求していく。

    そんな他と違うカモメはどこの群れでも馴染めず、追放されしまう。そんなはぐれカモメ達が集まり、ジョナサンは飛ぶことをさらに追

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    2023年03月14日
  • 孤独のすすめ 人生後半の生き方

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    いかに孤独と向き合うかの本ではなく、いかに老いるかを考察する本。または社会的問題としての高齢化社会の論考。
    身体の衰え、認知機能の低下、社会からのリタイア...老後の孤独は若い頃のそれとは異なり、場合によっては大変苦しいものになるだろう。自分もそれに対する恐怖心はある。
    諦める=明らかに究める。来し方行く末を想い、自分の現状、今後の見通しをしっかり見極め、次の世代に譲るべきものはちゃんと譲り、なるべく子供の世話にならずに往生していきたいもんである。しかしそうできなくなることも十分ありうる。
    また、人口問題の結果、世代間の格差、対立があり、五木氏は「嫌老感」と呼んでいるが、我々第二次ベビーブーマ

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    2023年02月22日
  • 青春の門 第七部 挑戦篇 【五木寛之ノベリスク】

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    「青春の門 第七部 挑戦篇」の舞台は、北海道の江差・函館。第六部までは、主人公の生まれた九州・筑豊、そして、大学入学後は東京が舞台だったので、新たな地での物語の始まりである。
    第六部までの物語は、「筑豊という日本の一地方から東京の大学に進学した主人公の伊吹信介は、東京という地で、これまでに会ったことのないような人に出会い、これまでに経験したことのない経験を積み、成長していく物語」という風に要約できるかと思う。この第七部も伊吹信介の成長物語であることに変わりはないが、部隊が北海道に変り、今後ロシア、更には東欧諸国に展開していくことが想像できる。伊吹信介は、ロシア、あるいは、東欧の国々で、同じく、

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    2023年02月10日
  • 生きるヒント ―自分の人生を愛するための12章―

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    1.著者;五木氏は小説家・随筆家。少年時代は、父親から古典の素読や詩吟を教えられたそうです。小説を読む事を禁じられたので、坪田譲治や江戸川乱歩を隠れて愛読。中学以降は、ドフトエフスキー・ゴーリキー等を読み漁る。「さらばモスクワ愚連隊」で作家デビュー。「蒼ざめた馬を見よ」で直木賞、「青春の門」で吉川英治文学賞他、多数受賞。「大河の一滴」等、仏教に関する著作も多い。
    2.本書;1990年代に雑誌「ミセス」に連載された。「生きるヒント」シリーズは累計600万部を超えたヒット作品。著者のあとがきです。「僕らは鋼鉄のような強い意志を持った人間ではありません。迷いながら、その時々の気分で生きている適当な生

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    2023年01月31日