五木寛之のレビュー一覧

  • 蒼ざめた馬を見よ

    Posted by ブクログ

     巧妙な物語。1966年。ソ連は、言論統制が敷かれていた。Q新聞外信部記者の鷹野隆介は、新聞論説主幹の森村から、社を辞めてソ連に行き、アレクサンドル・ミハイロフスキイの未発表の長編小説を密かに入手することを命じられた。この命令自体がかなり危ない。それを鷹野は引き受けることに。
     ユダヤ系市民の3代に渡る家族の物語は、ソ連では発表できない。これを持ち出して、西側で発表する。そして、鷹野はミハイロフスキイの家に訪問するが、ミハイロフスキイの妻に拒絶される。
     困っていた。キーロフ劇場に行ってみようとして、劇場でオリガとあった。オリガは強引に席を譲れという。それで譲ったら、劇がおわってから誘われる。

    0
    2023年07月20日
  • 孤独のすすめ 人生後半の生き方

    Posted by ブクログ

     本書タイトルの「孤独」というようりも,本書の元となった単行本のタイトルに使われていた「嫌老」という言葉の方が,より心にずしりとくる内容の本でした。
     「嫌老」という言葉は,著者の五木さんの造語で,今,ATOKで変換しようとしたけれでも,まだ変換用の辞書には入っていないようです(でも,嫌韓なら,すぐに変換できる)。そのうち,嫌老でも変換できるようになるのが,ある意味,怖い社会になってきたということですね。変換できなくてよかった。
     さて,この「嫌老」。少子高齢化社会が生み出す新たな階級闘争の原動力となるのではないか…五木さんはそう危惧しています。元気なくせに働きもしないで年金で暮らしている裕福

    0
    2023年07月19日
  • 青春の門 第八部 風雲篇 【五木寛之ノベリスク】

    Posted by ブクログ

    2016年に出版。なにゆえ、五木寛之は人生をかけて『青春の門』を書くのだろうか。
     伊吹信介という筑豊生まれの若者の限りない好奇心の広がりを時代に翻弄されながらも、なにをしたらいいのか?悩む信介が、頼もしい。時代は、1961年、日本は復興の道をひたすら走っている。
     北海道から、奈良に向かう信介。和辻哲郎の『古都巡礼』に導かれながら。海外に行こうと思ったから、余計日本のことを知りたくなっている。そして、ハーレーダビットソンに乗せられて、牧オリエのラジオの公開録音を聞きに大阪に行く。牧オリエが大きなプロダクションに入ったことで、脚光を浴びるようになる。信介は、オリエに会いたいと思ったが、オリエの

    0
    2023年07月01日
  • うらやましいボケかた(新潮新書)

    Posted by ブクログ

    タイトルは気難しいおじいちゃんが少しボケてきて、ニコニコして話しやすくなった。「今のおじいちゃんが一番好き」という話から。ボケのは防げない。でもいいボケ方があるんじゃないかということです。

    五木寛之のエッセイは比較的常識的なことを書いていて、つまらなくはないのだけど、ぬるま湯のイメージです。ですが90歳ともなると先行く人の体験談が切実で参考になったりしますね。

    「荒げる」を「アラゲル」と読んでいたが、「アララゲル」がホントって、最近知って、言葉で仕事をしているのに、こんな年になってるのに、大丈夫かというような話。

    0
    2023年07月01日
  • 青春の門 第七部 挑戦篇 【五木寛之ノベリスク】

    Posted by ブクログ

     物語は昭和35(1960)年。水原弘 黒い花びらという歌が流行っていた頃。伊吹信介。25歳になった。舞台は、北海道の江差。風が強く吹く街で、伊吹信介は青春をする。
     1980年に第六部再起篇が刊行された。それから、間を置いて1993年に、第七部挑戦篇が刊行される。
    五木寛之は、ライフワークにしている。1932年生まれなので、1993年は五木寛之61歳である。
     その長い間の休みの間があっても、『青春の門』の雰囲気は変わらない。伊吹信介は、前向きに生きようとするが、成長はしていないような気がする。この挑戦篇、688ページもあるのだ。
     伊吹信介は、トミ子の依頼で、トミ子の父親、アーナキストの丸

    0
    2023年06月29日
  • かもめのジョナサン【完成版】

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    リチャード・バックの本は、読み始めるとたちまち辺りに静謐で夢の中の様なふわふわとした浮遊感に包まれる感じがして、プロペラ機で1人空を飛行している時はきっとこんな感覚なのかな。と夢想してみたり昔からとても好きなのだが、最近になって第四部があった事を知り今回初めて完成版を読んでみた。

    不思議な世界のカモメの話は、人間社会に生きる私たちがその意味を考えるうえで示唆に富んだ内容ではあるけれど、第三部までは童話(?)寓話(?)的な世界観の色が強く、説教くさく感じないまま物語は終わるという印象を持っていた。

    第四部ではジョナサンが会得した飛行技術や「カモメとはどんな存在か」を若いカモメ達に教えていく中

    0
    2023年05月13日
  • 人生のレシピ 健やかな体の作り方

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     病院に駆け込むより先に、体が発している信号(身体語)に耳を傾ける。体にいいから食べるのではなく、体が欲しているから食べる。健康年齢が一人一人違うように、健康法も百人百様のはず。五木寛之「健やかな体の作り方」、2023.3発行。①呼吸は、吐く息に注意を集中する ②歩き方、嚥下、転倒予防、一番大事なことは「意識すること」。今から〇〇するぞ。無意識というのが一番の事故のもと。

    0
    2023年03月26日
  • 青春の門 第六部 再起篇 【五木寛之ノベリスク】

    Posted by ブクログ

    相変わらず都合良すぎる出会いと再開、窮地脱出が繰り返される点が時に興覚めだが、無理やりにでも話が転がってゆき面白い。半世紀前の世相も懐かしい。

    0
    2023年03月21日
  • 青春の門 第五部 望郷篇 【五木寛之ノベリスク】

    Posted by ブクログ

    相変わらず面白い。人との出会いや再開がちょっと都合良すぎる気がするが、長編小説なのだから無理筋の展開もやむを得ない。

    0
    2023年03月18日
  • かもめのジョナサン【完成版】

    Posted by ブクログ

    生きる目的って。
    寓話なのかファンタジーなのか。児童文学の姿をしてるのに、読んでみたらとんでもない方向に流さる作品。エンデの「モモ」のような衝撃を受けました。

    谷口けいさんが好きだった本。ということで気になり読破。70年代後半に世界中でブームになったそうなので、知ってる方もいるでしょうか。

    かもめのジョナサンは、飛ぶことが好きなカモメ。
    他のカモメは餌を摂るために飛ぶが、ジョナサンは飛ぶこと自体が目的。より一層美しく、速く、「飛ぶ」ということをとことん追求していく。

    そんな他と違うカモメはどこの群れでも馴染めず、追放されしまう。そんなはぐれカモメ達が集まり、ジョナサンは飛ぶことをさらに追

    0
    2023年03月14日
  • 孤独のすすめ 人生後半の生き方

    Posted by ブクログ

    いかに孤独と向き合うかの本ではなく、いかに老いるかを考察する本。または社会的問題としての高齢化社会の論考。
    身体の衰え、認知機能の低下、社会からのリタイア...老後の孤独は若い頃のそれとは異なり、場合によっては大変苦しいものになるだろう。自分もそれに対する恐怖心はある。
    諦める=明らかに究める。来し方行く末を想い、自分の現状、今後の見通しをしっかり見極め、次の世代に譲るべきものはちゃんと譲り、なるべく子供の世話にならずに往生していきたいもんである。しかしそうできなくなることも十分ありうる。
    また、人口問題の結果、世代間の格差、対立があり、五木氏は「嫌老感」と呼んでいるが、我々第二次ベビーブーマ

    0
    2023年02月22日
  • 青春の門 第七部 挑戦篇 【五木寛之ノベリスク】

    Posted by ブクログ

    「青春の門 第七部 挑戦篇」の舞台は、北海道の江差・函館。第六部までは、主人公の生まれた九州・筑豊、そして、大学入学後は東京が舞台だったので、新たな地での物語の始まりである。
    第六部までの物語は、「筑豊という日本の一地方から東京の大学に進学した主人公の伊吹信介は、東京という地で、これまでに会ったことのないような人に出会い、これまでに経験したことのない経験を積み、成長していく物語」という風に要約できるかと思う。この第七部も伊吹信介の成長物語であることに変わりはないが、部隊が北海道に変り、今後ロシア、更には東欧諸国に展開していくことが想像できる。伊吹信介は、ロシア、あるいは、東欧の国々で、同じく、

    0
    2023年02月10日
  • 百寺巡礼 第一巻 奈良

    Posted by ブクログ

    私は京都よりも奈良が好きです。京都のような華やかさはなく、昔の繁栄の跡の侘び寂びが好きです。でも当時は、時代の最先端を行く華やかな都だった。それを忘れてました。今度、奈良へ行った際は、新しい視点で奈良の都を見られるような気がします。

    0
    2023年01月19日
  • 親鸞(しんらん) 完結篇(下) 【五木寛之ノベリスク】

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     飽く迄も人間として生き抜いた親鸞。悪人正機と他力本願、そして名号。すべてを語るのは難しいが、極限まで凝縮すれば凡そこの三大要素に帰結する。

     何かの本で、或る人が松下幸之助に成功の秘訣を訊ねたとき、松下曰く、それは運だと答えたらしい。では運を得るにはどうすれば良いのかと訊ねると、曰く、徳を積むことだと。

     成る程、いま、他力に就いて思索をめぐらせれば、このときの松下の言には頷かされるばかりである。


     親鸞は作中、幾度も危機に陥った。それはもう開幕から暴牛に殺されかけ、六波羅童や傀儡師たち、対立する僧らや、果ては雨乞いの為に命懸けの念仏を唱える羽目にもなった。難行苦行の果てに幾度も命を

    0
    2023年01月01日
  • 異端の人間学

    Posted by ブクログ

    2014年クリミア併合後の2015年に出た本。2022年ウクライナ侵攻。今だからあらためて読んでいい本。

    0
    2022年12月18日
  • 青春の門 第六部 再起篇 【五木寛之ノベリスク】

    Posted by ブクログ

    ブルジョアとプロレタリアートなんて言葉が流行った時代の懐かしいお話。
    林みどりさんとの会話の中で、一杯の飯を涙を流して食べたことのある人間と、そうでない人間、という表現が刺さった。

    0
    2022年12月01日
  • 青春の門 第五部 望郷篇 【五木寛之ノベリスク】

    Posted by ブクログ

    第4部の「堕落篇」までを読んだのは、約50年前の学生時代だったという記憶。
    最近、書店の店頭で文庫の最新版である第9部「漂流篇」がふと目に止まって、あれ?まだ続いていた。読もう!となったが、その前にブランクを埋めなくっちゃということで本書を購入。

    ほとんどストーリーは覚えて無くて、登場人物の名前を断片的に記憶にある程度であったが、学生運動を白けた気分で眺めていた時代の空気を思い起こされた。

    最新刊にたどり着くまで、まだブランクはたくさん残っているが、それまで持ちこたえられるかどうか・・・

    0
    2022年12月01日
  • 林住期

    Posted by ブクログ

    時々、誰かに知恵を授かりたいなぁ、と思うことがあって、そんな時思い出す人は美輪明宏さんと、五木寛之さんだったりする。お二人ともいくつになっても聡明で、おごらず、言葉に含蓄がある。
    「林住期」というタイトルから“臨終”を想像するが、まったく逆である。人生後半の50歳〜75歳までこそ、輝かしい黄金期だと説く。満を持してジャンプする時期だと。「できれば生活のために働くのは五十歳で終わりにしたい。社会への義務も、家庭への責任も、ぜんぶはたし終え自由の身として五十歳を迎えたい」この言葉は若い人にも希望を与えるのではないか。なんとか五十歳までは頑張ろう! というエールにもなる。
    そのためにどういう心持ちで

    0
    2022年11月25日
  • 歎異抄手帳

    Posted by ブクログ

    歎異抄の五木寛之訳
    とても読みやすく、理解しやすい。
    訳の挿絵もとても素敵で、手元に置いて何度でも読みたくなるような本。

    原典もあり、好きな方は訳と合わせて読むことで、より深く親鸞の教えを探れる。

    0
    2022年11月20日
  • 3分でわかる! 青春の門

    ネタバレ 購入済み

    典型的な大河小説ですよね

    親戚から要らなくなったという文庫本を貰い、私も学生時代、途中まで読みました。
    五木寛之氏の小説、基本的には通俗的でエロも結構あるし、まぁ性少年だった頃に読んでちょっとドキドキした部分もありましたね。
    夜中にふと起きたら主人公のご両親、している最中で、主人公も親子3人で愛し合っている淫夢?もみたりしていましたので……作者もそういう経験があったのかも知れません。
    織江さんを相手に、いわゆる筆おろしをした後も、口淫のみOKな大学生のお姉さんとかも出てきますし、売血は社会問題にもなっていましたが、作者も結構、経験があったようですね。
    シリーズのガイドブックとしては悪くない出来で、まぁ長く読み伝えられて

    0
    2022年10月23日