【感想・ネタバレ】孤独のすすめ 人生後半の生き方のレビュー

あらすじ

著者が2015年に『嫌老社会を超えて』を出版し、世代間闘争や暴走老人に警鐘を鳴らして約1年半。老人による交通事故報道が後を絶たず、2017年には改正道路交通法が施行されました。100歳以上の高齢者が6万人を超え、団塊世代が70歳を迎える今、新たな「老い方」を考えることは日本にとって、私たち一人ひとりにとって最も重要な課題であるといえます。しかし、「高齢になっても元気に前向きに」は誰もができることではありません。老いに抗わず、等身大に受け止め、工夫して楽しむ。「嫌われる、迷惑をかける老人」にならないなど「賢老」という生き方のために日々実践できることを、84歳の著者自らの体験も交えながら綴った1冊。

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Posted by ブクログ

国も人も下山時は登る時より注意が必要だが、まずは自分たちが下山中だと認識をする必要がある。
その上で、シニア層が視野を広く持って賢く成熟して行く意識を持つと、世代間が理解しあえる社会になって行くはずと。
このような発想がジワーッと浸透して行くといい社会になって行く気がする。

自分も50代中盤。肩肘を張らずに、社会のために何を貢献できるのかの意識を持って、残りの仕事人生を歩んでいきたいと感じた。

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2025年04月09日

Posted by ブクログ

 本書タイトルの「孤独」というようりも,本書の元となった単行本のタイトルに使われていた「嫌老」という言葉の方が,より心にずしりとくる内容の本でした。
 「嫌老」という言葉は,著者の五木さんの造語で,今,ATOKで変換しようとしたけれでも,まだ変換用の辞書には入っていないようです(でも,嫌韓なら,すぐに変換できる)。そのうち,嫌老でも変換できるようになるのが,ある意味,怖い社会になってきたということですね。変換できなくてよかった。
 さて,この「嫌老」。少子高齢化社会が生み出す新たな階級闘争の原動力となるのではないか…五木さんはそう危惧しています。元気なくせに働きもしないで年金で暮らしている裕福な老人。一方では,なかなか正社員にさえも慣れずに,いくつもの仕事をこなしているのに,生活にゆとりが出ない若者社会。この2極分化は,もう始まっているのかもしれません。
 そこで必要なのは「元気な高齢者ははたらきましょう」「社会に貢献しましょう」ということになります。それこそ,高齢者の生きがいにもなるでしょう。ただ趣味で時間をつぶすだけではなく,何か,賃金をもらえるようなこともやりながら,老いていく。下山の思想は,そういう高齢者の働き方改革でもあるのでしょうね。
 下山,孤独,嫌老,そして,非断捨離,どれもこれも,高齢化社会を見つめるための面白い視点です。

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2023年07月19日

Posted by ブクログ

いかに孤独と向き合うかの本ではなく、いかに老いるかを考察する本。または社会的問題としての高齢化社会の論考。
身体の衰え、認知機能の低下、社会からのリタイア...老後の孤独は若い頃のそれとは異なり、場合によっては大変苦しいものになるだろう。自分もそれに対する恐怖心はある。
諦める=明らかに究める。来し方行く末を想い、自分の現状、今後の見通しをしっかり見極め、次の世代に譲るべきものはちゃんと譲り、なるべく子供の世話にならずに往生していきたいもんである。しかしそうできなくなることも十分ありうる。
また、人口問題の結果、世代間の格差、対立があり、五木氏は「嫌老感」と呼んでいるが、我々第二次ベビーブーマーが高齢者になる頃には今よりもさら「本格的な嫌老社会」になっているわけで、どのように老いていくかは自分にとっても決定的に重要なことである。「豊かで元気な高齢者」という階級が生じ、若者との間に階級闘争が起こりうる不安にも言及。急激な少子高齢化に日本社会が何の手立ても見出すことなくここまできてしまったことがつくづく悔やまれる...
今更的なお話もあるが、下山の話、ガラクタの話、回想の話等なるほどーな言及も多く、じっくり考えさせてもらえた。しかし、宗教に対する著者のいいとこどり的な態度では一神教の心理や精神は理解できないだろうなとは感じた。

「私はこの世界がどう変わっていくのか見ていたい。日本だけではなくアジアが世界全体がこの先どのような変貌を遂げていくのが目撃したい知りたいそのために長生きがしたいと思う」
「もし自分が少しでも長く生きたいと願っているならばその原動力は一体何かという自問自答は老いの時代を送るためのひとつの糧になり得るのかもしれません」
「自分の死生観を託せる宗教を見つけ学ぶことは死に対する恐れを振り払う上でかなり有意義なことであるとふと感じます。それは宗教というよりも宗教的な生き方と言った方がいいのかもしれません」

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2023年02月22日

Posted by ブクログ

●年をとると、どのように生きるべきか戸惑っている人が少なくないと言われます。
●本書はそうした人々に老いの現実を肯定的に受け止めて生きていく言葉を贈っています。孤独な生活の友となるのが、例えば本だと。読書とは、著者と一対一で対話する行為で、心強い友。人生の後半期は自分で登ってきた山を降りていく時期なので、景色を楽しんで下山することだと言う。
●確かに、リタイアした人の中には、仕事一筋でやってきた人ほど何かしていないと自分だけが取り残されたという不安に駆られる人が多いと言われます。私は、老いを気楽に受け止めて、現役より自由な時間が膨大に増えるメリットを活かして、好きな事をやれば良いと思います。社会への恩返しになるような事であれば、なお良いですが。
●一方、現役の人は自分の納得出きる生活を追求する事です。それには、時折は現状の棚卸しも必要と思います。

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2021年08月01日

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五木さんの広くて深い知識と読みやすい文章の為か、押し付けられ感なく、こんな考えもあるんだなーと素直に入ってきました、

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2020年01月15日

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孤独のすすめ...と言うよりは、五十歳前後で人生を見つめ直し、生き方や働き方を変えるすすめでしょうか?時代の変化や年齢によって、考え方は変える必要があります。そこを変えないと楽しく生きられません。そんな事は誰もうすうす感づいていますが、本書は五木さんの独特の見解も書かれており、ちょっと思考の幅を広げる事ができました。

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2019年08月23日

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山を下る楽しさや、意義を知った。年老いて、無理に前向きにや、前を見ろと言われても死があるだけ。回顧する楽しさ、振り返る喜び。過去の大切なものに囲まれて暮らす喜び。変化に抗うではなく、その中での面白い気づき。自分の感じたことを発せられる機会を持つことが大事なのでは。

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2019年06月06日

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孤独を癒すためのハウトゥーものではない。社会背景をメインに解説している。
そういう意味でタイトルと内容がミスマッチしていると思う。
回想をすすめる。過去を振り返ろう。断捨離は過去を思い出す糸口を捨ててしまう。

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2018年01月01日

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五木寛之は、昭和6年生まれで現在85歳であるが、70代頃から自らの年齢に合わせて人の生き方に関するエッセイを多数執筆している。
本書は、2015年刊行の『嫌老社会を超えて』を再構成し、大幅加筆した上で書下ろしを加えたもの。
題名は「孤独のすすめ」であるが、全体を通して書かれているのは、副題の「人生後半の生き方」であり、原本題名に繋がる「嫌老社会」(老人を嫌悪する社会)を回避するための社会の在り方である。
本書から何を感じ取るかは、世代や現在の環境などにより異なるのだと思うが、知命を超えつつアラフィフとは言えない年齢に達した私としては、今後の自分の人生も想像しつつ、人生後半の生き方として以下のような点に大いに共感を持った。
◆歳を重ねるごとに孤独に強くなり、孤独のすばらしさを知り、孤独を恐れず、孤独を楽しむ。
◆古来、中国では、人生は青春・朱夏・白秋・玄冬の4つの季節が巡っていくのが自然摂理とされるが、それぞれの季節に適した生き方をする。
◆精神活動は高めながらも自然にスピードを制御する、即ち、トルクは高めながらもシフトダウンする。
◆生理的・肉体的な衰えを認め、受け入れる。
◆人生の下山を楽しむ。登山中は振り返って見る余裕もなかった、眼下に広がる、周囲の山々、下界の大パノラマを楽しむ。
◆古代ヒンズー教では、人生を学生期(がくしょうき)、家住期(かじゅうき)、林住期(りんじゅうき)、遊行期(ゆぎょうき)の4つの時期に分け、それぞれに相応しい生き方・役割がある。
◆大切なのは死生観の確立。自分の死生観を託することができる宗教を見つける。
◆未来を考えるより、むしろ昔を振り返る。記憶の抽斗を開けて、あのときはよかった、幸せだった、楽しかった、面白かったと、さまざまなことを回想する。回想はコストもかからず、認知機能の改善にも役立ち、楽しいことを思い出すのは心理的な効果も高い。そしてなにより、元気になり、人間とは愛すべきものだというあたたかい気持ちが戻ってくる。無限の宝物である。
人生後半を生きるための心の持ち様のヒントが得られる一冊と思う。
(2017年12月了)

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2017年12月31日

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発売5ヶ月で早くも13版の本書を店頭で見かけて即買いで読みました。論語からひいて、人生は青春 朱夏 白秋 玄冬と25年刻みで巡るといい、まさに玄冬の只中に居る五木さんからのメッセージ、さらりと読めるし特に反論する箇所もない判りやすい本です。青春の門 の頃は青春を謳歌されていた五木さんからの警鐘、超高齢化の日本に高齢者階級と若者勤労者階級との闘争が起きる懸念も看過出来ないかも! 白秋に居る私にも色々と考えさせてくれる良書でした。

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2017年12月29日

Posted by ブクログ

著者による人生後半の生き方論は、これまでにも何冊も出ているが、本書では年金をもらって豊かに過ごす老人層と、それを支える若年層の間の世代間ギャップという社会問題にも焦点を当てている。長年苦労したのだから、老後は年金をもらってゆっくりと好きなことをしたいのは自然な考え方であるが、超高齢化社会と人口減を考えれば、豊かな層は年金をもらわず、老年層向けのビジネスに関わり、社会貢献すべきだと説く。
人生100年時代といわれるが、超高齢化社会を迎える日本では、老年層の健康維持と社会参加がより重要になる。著者ならではの鋭い目線を感じられる1冊。

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2017年11月06日

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現在世の中に流れている空気「嫌老」を長年の経験からどうみているのかがわかりやすく書かれていた。また、治すより治めるという、アンチエイジング批判も大切な考え方と思いました。

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2017年09月07日

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老人層と若手世代の対立の行き着くところの最悪シナリオには少し恐怖を感じた。しかし、全く非現実的ではなく、ありえるかも知れないと感じさせる説得力があった。そうならない為にそれぞれの世代のそれぞれの個人の役割は何か?また、現代社会における問題や課題をどのような方法で解決して行けるのかを考えていく必要があると思う。

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2017年09月03日

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五木寛之著「孤独のすすめ」
個人としての生き方を示したようなタイトルに対し内容はとても大きなこれからの日本のためにと言うものでした。
その核となる考え方は高齢者にターゲットを当てた、しかも高齢者主導の社会の構築。
今の日本が抱える不安、問題に対し目を背け心配することをやめる「心配停止」状態の社会ではならない。
高齢化、少子化にきっちりと目を向け、むしろそれを逆手に取った発想で逆境を乗り切れ、と。

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2017年08月15日

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年をとってからの人間不信と自己嫌悪は回想することで癒やされると筆者は言う。年をとると明るい未来を見ることがなくなるので過去を振り返り回想するのがいいということ。お年寄りと話しているとやはり今まで生きてきた思い出を振り返ることが多い。それは悪いことではないのだなと思った。私も人生の下山を始めたけれど、嫌老されないように自分の考えや行為を見つめ、自分の思い込みになっていないか、気づきを忘れず暮らしていけたらと思う。

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2024年10月23日

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昔の定義では”初老”に差し掛かったもんで読みました。
無理をせず、分をわきまえて、熟する ということかな

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2024年08月03日

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 五木寛之は年配の男性だ。年配の男性はおおむね孤立する傾向にあると言われ非難されるが、実は非難されるにはあたらないと論じてくれると思っていた。

 なんだか若年層と老年層に横たわるのは世代間ギャップでなく、階級闘争だと言われてもなあ。

 回想こそ老後の時間を豊かにすると言われると安心するが、もっと男性老人の孤独を応援してほしい。

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2024年03月24日

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何故人は、老いを重ねると孤独を感じるのか
またそのコンプレックスのルーツなども、意識と反対側の視点で語ってくれていて、頭の整理もできてよい

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2024年01月21日

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今のの日本は「嫌老社会」になりつつあると著者は危惧する。若者の不安を考えると無理からぬこと。そうした状況を「自覚した老人」であるべしと言う。
年齢をとればとるほど、我が身よりも他者を優先できる人でありたい。

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2023年11月20日

Posted by ブクログ

私も下山に差しかかった年になったんだな。これからは高齢者ビジネスが良いかも知れない。補聴器のポルシェ、老眼鏡のフェラーリの例えは良かった。これだけの物作りの日本ならば作れると思う。そして技術が高く、そして値段も高く。
「敬われる」前に、一個の自立した人間として「評価」される存在になりたい。いい言葉だと思います。

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2019年08月23日

Posted by ブクログ

タイトルと内容がしっくりこない感じ。日本はこれから「山下り」であり、それに見合った政策なり考え方が必要ってことと、80過ぎた著者自身含め、高齢者の人達は無理して前向きに生きる必要はないことを伝えたいらしい。どのように人生の山下りを楽しむか、ということで、決して山登りはしないということか。

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2019年01月20日

Posted by ブクログ

五木さんの本は苦手なんだけどな、何で読もうと思ったかな。孤独と言うキーワードには惹かれ、最近孤独について考える。

家族がいて良い関係と思うけど、それぞれ別の人間なので、孤独を大切に、孤独を思い知らされる日が来るのだろうと思う。
仕事でチームワークといいつつ、もう少し孤独に仕事をする姿勢が私には必要じゃないか。等。
嫌いじゃないし、慣れている方だとも思うけどね。

孤独に対すると言うか、老後の話だった。まあ興味はあるが、うーんと言う感じで読む。その中でも学びがいくつか。

【学】
60後半から老いを感じた
生死観を確立することが必要
「今の日本はたしかな希望を見いだせない」
パンとサーカスに満足し、権力に対する政治的な批判精神を喪失した
→確かに私がそうかもしれない。

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2018年11月06日

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五木寛之 著「孤独のすすめ」(2017.7)、「嫌老社会を超えて」(2015.9)を再構成、大幅に加筆したものだそうです。2つのことが印象深かったです。①孤独な生活の友となるのが、例えば本。読書とは、著者と一対一で対話するような行為。誰にも邪魔されず、古今東西のあらゆる人と対話できる。これほど心強い友はいない。②「捨てること」が巷間よく話題になっているが、ガラクタともいえる使ってないマッチ箱、コースター、レコードなどは、「回想」(幸せな時間)の糸口となり、人間不信と自己嫌悪を癒してくれる。

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2018年07月26日

Posted by ブクログ

一気に読んだ。著者の意見はとても自分に似ている。人生は青春、朱夏、白秋、玄冬と4つの季節が巡っていく。自分は今白秋あたりか? 孤独のすすめというよりも、老人階級と若者との階級闘争が始まるのを危惧する記述が心に残った。嫌老社会から賢老社会に変えていきたいものである。

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2018年07月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

五木寛之さんの本は『人間の覚悟』『下山の思想』に続いて3冊目。
全2冊は夫の本棚から。
この本はそのタイトルに惹かれ、手にした本。
既に30万部を突破しているベストセラー。

2015年に刊行された『嫌老社会を超えて』を再構成、大幅に加筆したうえで、タイトルを変えたそうですが…
『孤独のすすめ』というタイトルと内容がしっくりこなかった。

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2018年06月27日

Posted by ブクログ

そうなんですね。老人大国の先陣をきってるニッポン。あらためて実感しました。
2年後オリンピック開催のいま、前回の時とは国民の意識は明らかに違っていますね。
五木さんの危惧されている話には共感しましたが、タイトルはこれでいいのかな。
とチョッピリ思いました。

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2018年05月10日

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青春、朱夏、白秋、玄冬自分の年齢を考えると白秋で老いは平等にやって来て心身共に誰でも老いる。アンチエイジングを否定して歳を認めて生きる。山を下るのを自覚して登る時に気が付かなかった事を観て過去を振り返りもOK、日本の今後の超高齢化社会での生き方を問う内容でタブーとなりがちな若者が支える社会矛盾に一石を投じ年寄社会をどう作るか?の作者の一案る展開するも解はなさそうだ。

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2018年01月27日

Posted by ブクログ

20170714 自分が五十代なのだから五木さんがまだこれだけの本を書いている事が嬉しい。自分のこれからの為にも嫌老の要因にならないよう自立して行こうという気になった。

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2017年07月14日

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