【感想・ネタバレ】青春の門 第六部 再起篇 【五木寛之ノベリスク】のレビュー

あらすじ

ぬくぬくと居心地のいい冬眠の季節はもう終りだ。人生の目的を見つける過程が青春なら、信介は、いまやそのただなかにいる。若さに賭けて、再会した織江とともに未知の芸能の世界へ踏みこんでゆく。いま信介の新天地への出発! 混沌とした現代をいちずに生きる若者の魂が、熱い共感を呼ぶ大河ロマン(講談社文庫)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

 昭和29年ごろは: アンパン10円、ラーメン35円、カレーライス100円、岩波文庫40円、新聞購読料330円、小学校教員の初任給7800円・・・。五木寛之「青春の門 第六部 再起篇」、1990.5発行、539頁。実業家林三郎の書生兼運転手として住み込み、娘のみどりには好かれて、何不自由のない生活2年半の信介。その境遇から一転して、歌手の織江のマネージャーに。織江も高見沢タエから中元寺はるかとして再出発。石井講師の死、カオルの行方不明、林みどりの信介へのラブコール、金朱烈の動向など重なりつつ「挑戦篇」へ。

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2023年09月04日

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相変わらず都合良すぎる出会いと再開、窮地脱出が繰り返される点が時に興覚めだが、無理やりにでも話が転がってゆき面白い。半世紀前の世相も懐かしい。

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2023年03月21日

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ブルジョアとプロレタリアートなんて言葉が流行った時代の懐かしいお話。
林みどりさんとの会話の中で、一杯の飯を涙を流して食べたことのある人間と、そうでない人間、という表現が刺さった。

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2022年12月01日

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「青春の門」第6部は「再起篇」という題名がついている。第5部の「望郷篇」では、信介は、生まれ故郷の筑豊に戻り、世話になった塙竜五郎の最後を看取ることとなった。その後、ひょんな偶然から実業家の早しに見込まれ、林の家に書生的な立場で住み込むことになるところまでが、第5部だ。
第6部では、林家を出て、プロの歌手となっている織江のマネジャーとして再出発することになる。だから、「再起」という言葉は、実業家の林の庇護のもとでの恵まれた暮らしを捨てて、再度、自分の力で世間と渡り合っていこうという意味合いとなる。普通、再起と言えば、失敗とか挫折とかといった状態から、再び立ち上がって元の状態に戻ることを言うと思う。信介が林家にいたことは、別に失敗でも挫折でもないので、最初、再起という言葉は大げさかなと思った。
しかし、五木寛之にとっては、青春の只中にある者が、誰かの庇護のもとでリスクの少ない生き方をすること自体が、失敗であり、挫折になるのであろう。そういう風に解釈した。

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2022年10月03日

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信介とヤクザのケンカには、うんざりする。 林家のみどりさんは、ドラマでは、誰が演じるのかと想像する。上白石萌音さんか? 兎に角、織江の新曲がヒットしてくれ!と祈る。

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2022年05月22日

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悩み続けながら人生を歩む信介。今後どうなっていくのか楽しみである。また、織江は歌手として成功するのか、第7部も期待したい

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2019年05月04日

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ぬくぬくと居心地のいい冬眠の季節はもう終りだ。人生の目的を見つける過程が青春なら、信介は、いまやそのただなかにいる。若さに賭けて、再会した織江とともに未知の芸能の世界へ踏みこんでゆく。いま信介の新天地への出発!

御年84歳の五木寛之が年明けから23年ぶりに週刊現代で「青春の門」の連載を再開した。第九部からということだが、私はどこまで読んだか全く記憶がないので、適当なところから読み始めてみた。30分もあれば100ページ以上読み進めてしまうこの軽さが懐かしい。
(B)

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2017年04月23日

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林氏の運転手を2年してようやく安定すると思いきや織江のマネージャーになり、歌手業の手伝いをすることに。

まだまだ信介のフラフラした旅は続く。

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2024年07月30日

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ふーむ。
林三郎の書生となって、飛躍するかと思ったら、
林みどりとの間だけに 縮小してしまった。
おい。おい。
それで、オリエのマネージャーになると言うのは、
ふーむ。なんじゃそれ。
という感じだね。

ブルジョアジーとプロレタリアートという図式のなかで
今の時代の流れをつかみきれないものがあるのだろう。
それで、再起 なのだろうか。

信介の行動原理は、敵が明確であれば、立ち向かう時に、
勇気をふるい、たたかう。
歴史の中の個人、歴史との関わり合い、
貧乏であったという過去の生い立ちから、
プロレタリアート意識なるものに、そぐわない何かがある。
食べて、生活するだけでは、物足らない。
オリエは、そのことに満足する。
好きな歌を歌って、自分で生きていければ、良しとする。
ずっと、信介のことを想い続けてきた。
しかし、信介は、オリエだけを見るのでなく、
遠くを見ている。また、別のオンナに魅力を感じたりする。

タエ、オリエ、梓先生、英子、カオル、トミちゃん、
五木寛之は、オッパイの大きな女が好きなようである。
そして、お見舞いに登場したミドリ。
結局は、母親への思いが深く横たわる。
クラシックというのが、知的素養なのだろうか。
むつかしい本を読むということ。

英治と英子。
カオルと石井。
信介とオリエ。
緒方とトミちゃん。

それにしても、信介はなぜ緒方に魅力を感じたのだろう。
理論的とは言えず、明確な主張があるとも言えない。
図式的な階級闘争論。

五木寛之が 挫折した 理由が この再起篇にはありますね。

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2013年12月03日

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信介と織江が再び、今度は同じ目標に向かって歩き出す。
とはいえ信介にはまだまだ進むべき道はぼんやりとしかとらえられていないような感じ、物語としての完結にはなっていないようだ。
と思ったら挑戦編ってのがあるのか…知らなかった。

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2011年06月14日

Posted by ブクログ

自制することができるようになってくる。しかし、我慢ができなくなる。若さゆえなのか、それとも、単に堕落した人物なのか。
道の先に光り無く。手元を灯りが照らし出すとそこしか見えない。だから、二三歩先の溝に嵌る。
俺も全く同じだった気がする。

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2011年05月22日

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