五木寛之のレビュー一覧

  • 親鸞(しんらん)(上) 【五木寛之ノベリスク】

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    とても面白く読みました。はじめは、時代小説なのに文体は普通で違和感を感じていましたが、最後にはすっかりなれてのめり込みました。下巻が楽しみです。

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    2021年10月20日
  • 大河の一滴

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    20数年前に上梓された本ですが、この手の本で本質をついているであろう内容は全く今でもズレを感じず得心がいくものが多くありました。
    癌の告知を受け残される家族の苦労を減らす為に駆けずり回る内に腫瘍が縮減したとか、ライ麦の根の総延長1万1千2百kmとかの生命の神秘の話や、「あれか、これか」ではなく「あれも、これも」で良い、とか、寛容のすすめ、などの話は、今現在のコロナ禍だったり民族対立、LGBTQ+等に起因する分断の問題に正に当てはまるなと思いながら読みました。
    折に触れて読み返すに値する本と感じます。

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    2021年10月02日
  • 林住期

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    人生100年時代、4分割すると50~75才が林住期と。ある程度役目を果して迎える黄金期、人に寄って差はあれど本当にやりたかった事をやれる時期、色々考えさせられました。

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    2021年09月24日
  • 風の記憶

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     五木寛之「風の記憶」、2001.1文庫、1994.4刊行。作家の自画像、人間を探す旅、語りながら見えてくること、時分の花を読むの4部構成エッセイです。表紙は五木玲子夫人の「向日葵」、解説は村松友視氏。①直接会って肉声で教えを受けることを面授(めんじゅ)という。私は面授しか知りませんが、これからはオンラインが増えるのでしょうか・・・。②免疫とは風邪や怪我を自然に治す働きだけでなく、一個の人間の人格、自己を成り立たせる根源的な活動である。③人はみな大河の一滴。

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    2021年07月13日
  • 人間の運命

    購入済み

    希望の光を求めて

    作者が巻末に、過去の体験談を元に考え方の道筋を照らしてくださった気がした。心のどこかで読み手の私が求めていた言葉が見つかった気がして、少しだけ心が軽くなり、生きるヒント道筋に気付けたと思います。

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    2021年06月25日
  • 孤独のすすめ 人生後半の生き方

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    ●年をとると、どのように生きるべきか戸惑っている人が少なくないと言われます。
    ●本書はそうした人々に老いの現実を肯定的に受け止めて生きていく言葉を贈っています。孤独な生活の友となるのが、例えば本だと。読書とは、著者と一対一で対話する行為で、心強い友。人生の後半期は自分で登ってきた山を降りていく時期なので、景色を楽しんで下山することだと言う。
    ●確かに、リタイアした人の中には、仕事一筋でやってきた人ほど何かしていないと自分だけが取り残されたという不安に駆られる人が多いと言われます。私は、老いを気楽に受け止めて、現役より自由な時間が膨大に増えるメリットを活かして、好きな事をやれば良いと思います。社

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    2021年08月01日
  • 生きるヒント ―自分の人生を愛するための12章―

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    人生は生まれた時から死へむかって1日ずつ接近してゆく旅。自分の五感(第六感も)を大切にして感謝の気持ちで過ごすこと。謙虚にそして自分を肯定しつつ。

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    2021年05月03日
  • 生きるヒント ―自分の人生を愛するための12章―

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    ネタバレ

    さくっと読める長さ。生きていくうえで、うんうんそうだよね、確かに、と頷ける内容や、新しい知見もあり、こう思っていたのは私だけじゃなかったのか!や、そうかこういう捉え方もできるのか、と考えながら読めた。

    以下読書メモ
    >>>>>
    ・〈よろこばせ上手〉は、自分を喜ばせることから始めた方が良さそうです。その結果として、他人に対してもひらかれた暖かい視線で接することができるのではないかと思います。

    ・ 知恵の悲しみ=知的に充実すればするほど、大きな悲しみを味わうことになりかねません。

    ・ 偶数と奇数と比べてみると、偶数は、割り切れて合理的で儒教に近い。奇数は、2で割

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    2021年04月05日
  • 心が挫けそうになった日に(新潮文庫)

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    現代日本は識詞率が低いと書かれているのを読んで、はっと我に帰った。詩を詠むのは古臭い、分からない、難しいという意識が先行して詠まないが、五木さんの御本を読んで、詩の面白さがどこにあるのか、詩を通して異文化を知ることの魅力を感じることができた。
    詩を詠んだから何かが起こるわけではない。しかし識詞率が低いことで知らない詞の世界を知ることはできない。知らないことを知ることの面白さ、そのことの大切さを実感した。
    自分を異端児と捉えて日本人を見詰める五木さんの考え方から日本人はいかにのんびりしていて呑気なのか改めて気付かされた。難民の話が途中で出てくるが、情勢が目まぐるしく変わる今、難民の話を対岸の火事

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    2021年03月30日
  • 心が挫けそうになった日に(新潮文庫)

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    生きる力は日常の営みの中にある?
    そのささやかな触れ合いが、エピソードが自分を励ます。結局人との触れ合いなのかな。

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    2021年03月11日
  • 生き抜くヒント(新潮新書)

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     趣味は養生wとの五木寛之さん、「生き抜くヒント」2020.10発行、35のヒントが紹介されています。私のお気に入りは次の3つです。①三種の神器の変遷: 鏡・剣・玉→テレビ・洗濯機・冷蔵庫→パソコン・携帯・カード→あくび・ためいき・貧乏ゆすり(健康のためw) ②3Kの変遷: キツい・汚い・危険→高学歴・高収入・高身長→健康・経済・孤独(高齢者に大切なこと) ③コロナの時代: うつらぬ用心&うつさぬ気くばり。
     老いと病いを道連れに、ピンピンソロリに向かって、うつらぬ用心、うつさぬ気配り。石原慎太郎氏と同日生まれの五木寛之さん、今年90歳です。「生き抜くヒント」、2020.10発行、再読。①著者

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    2021年03月09日
  • 白秋期 地図のない明日への旅立ち

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     五木寛之 著「白秋期」、2019.1発行。百歳人生、50~75歳は白秋期。60代から始まる黄金時代。著者が振り返って、もっとも自分らしく生きることができたのが白秋期だそうです。健康、経済(お金)、孤独の3K(不安)を乗り越えて。著者が設定した道標は、コンパクトな生活、浪費しない、車の運転をやめる、粗食にする、自分本位の生き方をする など。健康、命、寿命に関しては、自分の体と仲良くいい関係をつくること。そのためには、いい加減に生きる、そしていい加減の手加減が重要と。また、深い呼吸を勧めていらっしゃいます。
     座禅、ヨガ、気功、太極拳・・・、すべて「深い呼吸」。本川達雄氏の「ゾウの時間 ネズミの

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    2021年02月18日
  • 親鸞(しんらん)(上) 【五木寛之ノベリスク】

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     ずっと積読だった本を読みはじめた。さすがに五木寛之の本は面白い。平安末期から鎌倉時代にかけて多くの宗派が乱立するわけですが、今ひとつよくわからなかった。
     この本は、そこいらへんのことを整理してくれる。

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    2021年02月07日
  • 漂流者の生きかた

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    現代社会に対する、横へのいどうがなくなったこと、多様性を叫ぶごとに白黒つけようとする社会のインヒューマンな部分や排他的になっていくもの。因果や運命へすがる人々。日々感じていることを、言語化してくれるような本でした。

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    2021年02月03日
  • はじめての親鸞

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    講座の内容を書籍化しているもので、すべて「ですます」の話し言葉で書かれてある。とても分かりやすく読みやすい。
    有名な「悪人正機」など、思想そのものの解説などは、本書においてはほとんどない。あくまで著者が考える親鸞像を語るものだ。

    お題は「人間・親鸞をめぐる雑話」であり、著者は何度も、自分はこう思います、こうではないかと推測しています、という風に言っている。つまり、親鸞について本当のことなんて分からない、いくつかの書物をもとに想像するほかない、というスタンス。
    そのスタンスに共通するものとして、諸行無常、がある。親鸞その人だって、どんどん変わっていったし、矛盾もあるのだと。変わらない根本の思想

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    2020年10月09日
  • 親鸞(しんらん) 完結篇(下) 【五木寛之ノベリスク】

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    これは史実では無く、稗史小説だと五木寛之は書いている。
    民間に語り継がれる噂や風聞を集めて献上したもの。
    描かれた親鸞は、浄土真宗の教祖との聖人では無く煩悩の塊のような一般の人で親近感が持てる。実在の人間に近かったのでは無いかと思われる。時代を得て神仏化していったのでは。。妻との疎遠な関係、娘と息子との微妙な関係などどこの家庭にもありがち。晩年になり記憶力、思考力が落ちていく様は寂しいが現実の事と受けとめないといけない。
    色々な対決を描くことで、小説としての面白さが増している。

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    2020年10月03日
  • こころの相続

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    五木寛之 著「こころの相続」、2020.7発行。形あるもの、お金や土地(財産)よりも大切なことがある。食事の前に手を合わせる、そして魚の食べ方も言ってみれば相続ですよね(^-^) しつけ、仕草、嗜好、喋り方、幼児期の想い出、記憶・・・、確かに、相当なものを相続しています。万葉集もそうだし、芸や伝統、文化、国民性・・・。桜は集団、梅は個人、時代的には、桜(昭和)から梅(令和)に変わったとも言えるでしょうか。「こころの相続」、考えていくと、人生の生き方に通じるものと思いました。

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    2020年09月18日
  • 漂流者の生きかた

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     大好きな姜尚中さんと五木寛之さんの対談集なんだから読むしかないでしょ。
     5つの対談のうち,第1部は2008年~2011年。第2部は,東日本大震災後の2012年~2013年の『週刊朝日』に掲載されたモノ。第3部~第5部は「語り下ろし」です。
     いずれの話も,お二人の深い思想の一端が現れていて,いろいろと考えさせられました。ま,どこかで読んだ話題もあるにはあるのですが,そんなことは気にならない。
     特に相手の作品を挙げながら(あるいは第3者の話題で),話が進んでいくあたりがおもしろいです。ま,こっちはそれらの本の全部を読んでいるわけではありませんがね。
     第5部は,入水自殺した西部邁についての

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    2020年09月07日
  • 旅立つあなたへ 自分を愛するための20章

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    五木寛之 著「旅立つあなたへ」2019.3発行。(曽野綾子風に)50年にわたる過去の43の作品の言葉を、眠りにつくとき、郷愁を友に、老いと寄り添うなど20の分野に再整理されたものです。①人間も森も海も草も虫も、万有引力の影響を受けて存在している ②歩くこと、日常の動作から会話、すごいこと ③会っておきたい人には会い、捨てるべきものは捨てる ④眠りにつくとき、自分の一生を振り返って満足感を味わう ⑤夜眠るとき、これで明日は目が覚めないのだと自分に言い聞かせながら生きてきた。

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    2020年08月29日
  • 蒼ざめた馬を見よ

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    第56回(1967年)直木賞受賞作。戦後20年ほどの日本と東欧を舞台とした5編の短編集。
    50年近く前の作品だが、先日読んだ『一度は読んでおきたい現代の名短篇』にて表題作が紹介されていたのをキッカケに手にした。
    主人公の行動がとにかく熱い。時代背景もあるが、今読んでも濃い。
    五木寛之の作品というと、『大河の一滴』の大河物語はまだしも『百寺巡礼』のように静かで心落ち着くイメージが強くいのだが情熱溢れる作品。そしてどれも短篇で終わらせたくないようなプロット。初期はこのような作品を書いていたとは思いもよらなかった。
    ハードボイルド小説、ミステリ小説、青春小説、色んな要素をもった作品群だ。
    新装版では

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    2020年08月23日