五木寛之のレビュー一覧
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希望の光を求めて
作者が巻末に、過去の体験談を元に考え方の道筋を照らしてくださった気がした。心のどこかで読み手の私が求めていた言葉が見つかった気がして、少しだけ心が軽くなり、生きるヒント道筋に気付けたと思います。
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●年をとると、どのように生きるべきか戸惑っている人が少なくないと言われます。
●本書はそうした人々に老いの現実を肯定的に受け止めて生きていく言葉を贈っています。孤独な生活の友となるのが、例えば本だと。読書とは、著者と一対一で対話する行為で、心強い友。人生の後半期は自分で登ってきた山を降りていく時期なので、景色を楽しんで下山することだと言う。
●確かに、リタイアした人の中には、仕事一筋でやってきた人ほど何かしていないと自分だけが取り残されたという不安に駆られる人が多いと言われます。私は、老いを気楽に受け止めて、現役より自由な時間が膨大に増えるメリットを活かして、好きな事をやれば良いと思います。社 -
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ネタバレさくっと読める長さ。生きていくうえで、うんうんそうだよね、確かに、と頷ける内容や、新しい知見もあり、こう思っていたのは私だけじゃなかったのか!や、そうかこういう捉え方もできるのか、と考えながら読めた。
以下読書メモ
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・〈よろこばせ上手〉は、自分を喜ばせることから始めた方が良さそうです。その結果として、他人に対してもひらかれた暖かい視線で接することができるのではないかと思います。
・ 知恵の悲しみ=知的に充実すればするほど、大きな悲しみを味わうことになりかねません。
・ 偶数と奇数と比べてみると、偶数は、割り切れて合理的で儒教に近い。奇数は、2で割 -
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現代日本は識詞率が低いと書かれているのを読んで、はっと我に帰った。詩を詠むのは古臭い、分からない、難しいという意識が先行して詠まないが、五木さんの御本を読んで、詩の面白さがどこにあるのか、詩を通して異文化を知ることの魅力を感じることができた。
詩を詠んだから何かが起こるわけではない。しかし識詞率が低いことで知らない詞の世界を知ることはできない。知らないことを知ることの面白さ、そのことの大切さを実感した。
自分を異端児と捉えて日本人を見詰める五木さんの考え方から日本人はいかにのんびりしていて呑気なのか改めて気付かされた。難民の話が途中で出てくるが、情勢が目まぐるしく変わる今、難民の話を対岸の火事 -
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ネタバレ趣味は養生wとの五木寛之さん、「生き抜くヒント」2020.10発行、35のヒントが紹介されています。私のお気に入りは次の3つです。①三種の神器の変遷: 鏡・剣・玉→テレビ・洗濯機・冷蔵庫→パソコン・携帯・カード→あくび・ためいき・貧乏ゆすり(健康のためw) ②3Kの変遷: キツい・汚い・危険→高学歴・高収入・高身長→健康・経済・孤独(高齢者に大切なこと) ③コロナの時代: うつらぬ用心&うつさぬ気くばり。
老いと病いを道連れに、ピンピンソロリに向かって、うつらぬ用心、うつさぬ気配り。石原慎太郎氏と同日生まれの五木寛之さん、今年90歳です。「生き抜くヒント」、2020.10発行、再読。①著者 -
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五木寛之 著「白秋期」、2019.1発行。百歳人生、50~75歳は白秋期。60代から始まる黄金時代。著者が振り返って、もっとも自分らしく生きることができたのが白秋期だそうです。健康、経済(お金)、孤独の3K(不安)を乗り越えて。著者が設定した道標は、コンパクトな生活、浪費しない、車の運転をやめる、粗食にする、自分本位の生き方をする など。健康、命、寿命に関しては、自分の体と仲良くいい関係をつくること。そのためには、いい加減に生きる、そしていい加減の手加減が重要と。また、深い呼吸を勧めていらっしゃいます。
座禅、ヨガ、気功、太極拳・・・、すべて「深い呼吸」。本川達雄氏の「ゾウの時間 ネズミの -
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講座の内容を書籍化しているもので、すべて「ですます」の話し言葉で書かれてある。とても分かりやすく読みやすい。
有名な「悪人正機」など、思想そのものの解説などは、本書においてはほとんどない。あくまで著者が考える親鸞像を語るものだ。
お題は「人間・親鸞をめぐる雑話」であり、著者は何度も、自分はこう思います、こうではないかと推測しています、という風に言っている。つまり、親鸞について本当のことなんて分からない、いくつかの書物をもとに想像するほかない、というスタンス。
そのスタンスに共通するものとして、諸行無常、がある。親鸞その人だって、どんどん変わっていったし、矛盾もあるのだと。変わらない根本の思想 -
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ネタバレ大好きな姜尚中さんと五木寛之さんの対談集なんだから読むしかないでしょ。
5つの対談のうち,第1部は2008年~2011年。第2部は,東日本大震災後の2012年~2013年の『週刊朝日』に掲載されたモノ。第3部~第5部は「語り下ろし」です。
いずれの話も,お二人の深い思想の一端が現れていて,いろいろと考えさせられました。ま,どこかで読んだ話題もあるにはあるのですが,そんなことは気にならない。
特に相手の作品を挙げながら(あるいは第3者の話題で),話が進んでいくあたりがおもしろいです。ま,こっちはそれらの本の全部を読んでいるわけではありませんがね。
第5部は,入水自殺した西部邁についての -
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第56回(1967年)直木賞受賞作。戦後20年ほどの日本と東欧を舞台とした5編の短編集。
50年近く前の作品だが、先日読んだ『一度は読んでおきたい現代の名短篇』にて表題作が紹介されていたのをキッカケに手にした。
主人公の行動がとにかく熱い。時代背景もあるが、今読んでも濃い。
五木寛之の作品というと、『大河の一滴』の大河物語はまだしも『百寺巡礼』のように静かで心落ち着くイメージが強くいのだが情熱溢れる作品。そしてどれも短篇で終わらせたくないようなプロット。初期はこのような作品を書いていたとは思いもよらなかった。
ハードボイルド小説、ミステリ小説、青春小説、色んな要素をもった作品群だ。
新装版では