五木寛之のレビュー一覧

  • 蒼ざめた馬を見よ

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    直木賞受賞作を含む初期の作品集。どの作品にも影があり、それが奥行きを与えているように思われます。影とは死の予感であったり辛い別れであったり、あるいは暗い過去であったり…。いろんなものを引きずって懸命に生きる人々の物語です。

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    2014年05月02日
  • なるだけ 医者に頼らず生きるために私が実践している100の習慣

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    少し前に読み終わっていましたがレビューを書いていませんでした。

    私が学生の頃、五木氏はすでに中年の域に。作家ってこんな感じの生活をしているのか、と思いながら氏のエッセイを読んでいました。

    「髪なんか洗わなくても問題はない。フケも出るのは最初のうちだけ、あとはツバをつけておけば形は保てる」

    なんてくだりを読んで、えええっ、と思った記憶が。氏のエッセイ、ほとんどのタイトルに「夜」という字が入っていたのも印象的でした。

    それが「林住期」などどう老いるか、どう死んでいくか、という分野の本を書き始められ、「衰え」ることとは?を意識するようになりました。

    いわゆる健康本みたいなタイトルで五木氏の

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    2013年12月23日
  • 青春の門 第五部 望郷篇 【五木寛之ノベリスク】

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    オリエは、歌手を目指して、生活を始める。
    作曲家の家に住み込みで、レッスンを受けるが、ていのいい女中だった。
    そこで、宇崎秋声にあう。
    宇崎は、オリエの歌の中に何かがあると思い、応援することに。
    この飄々とした姿。そして、戦争への深い反省。
    そういう人もいるのだね。
    生命のある歌と生命のない歌。の違い。

    新宿で、竹田という男に絡まれるが、
    それが縁で、自堕落な生活を始める信介。
    ダメな人間として、自分を認識する。
    先が見えないのだ。
    塙竜五郎が怪我をしたということで、九州に帰る。
    塙は、めっきりと老いていた。
    長太はおらず、春男が中心だった。
    お金が回らない状況だった。

    九州に行く汽車の中

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    2013年12月02日
  • 親鸞(しんらん)(下) 【五木寛之ノベリスク】

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    最後に「完」とあるものの、その直前ようやく「親鸞」を名乗ることになり越後に着いたところで終わるという、序章がやっと終わっただけという感じ。浄土真宗はまだ気配すらありません。引き続き「激動編」が楽しみ。まだ新聞連載中の「完結編」も早く本当に完結してくれたらなと思います。
    ともあれ、真宗の「一念義」や「悪人正機」でこれまで疑問に思っていたところが実にわかりやすく説明されていて、非常に勉強になりました。

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    2013年11月23日
  • 人間の覚悟

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    年を重ねるに従って、様々な状況に置かれ、より良い選択をせまられる。
    自分の寿命がどれだけで、どう生きるべきか、考えさせられる時期くる。
    まだ、仕事に追われてそうした余裕もない。自分の思うように生きて、なおかつ、人から惜しまれ死期を迎えられたなら幸せだろうが、うまくいかない事ばかり。考えさせてくれる本だ。

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    2013年10月31日
  • 親鸞(しんらん) 激動篇(下) 【五木寛之ノベリスク】

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    激動編のテーマは『念仏とは何か?』であったと思う。
    親鸞の中では確固たるものである念仏は、言葉として他人へ伝えるには難しい。時には、何の役にも立たないもののように思われたり、誤解を招くこともあった。
    実際、私も読んでいて、そのように感じた。
    しかし、色々な地で色々な人と接することで、念仏を正しく伝えられるようになってくる。
    特に、漂流者の例えは納得でき、もやもやがすっとした。このすっとした瞬間を得られたことが、この本を読んで一番良かった点だ。

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    2013年10月26日
  • 青年は荒野をめざす

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    とても気持ちの良い青春小説。ひねくれたところもなく、グロテスクでもなく、等身大の目線で見たものを描いている。
    自分の中のもやもやに苛立ちつつも向き合い、夢を追いかけるのが危なっかしくもあるが清々しい。

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    2013年10月03日
  • 青春の門 第二部 自立篇 【五木寛之ノベリスク】

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    誠実に 自らの行くべき道を模索する青年の姿。伊吹信介。
    生くべきための自らの思想の確立を求めて
    あらゆる経験を得ようとする。
    プロレタリアートという言葉の響きによって、すべてを覆い尽くそうとする。
    大学が大学の本来的機能として存在するのではなく
    青年の人間集団としての存在。
    価値ある生き方への模索。
    共産党員の経験を持ちながらも、家族への失意、愛への失意
    など 不明確な失意に彩られながら
    カオルという女性にあうことによって、激しく変化し、
    新たな出発を期す人間。

    青年のくぐる門は どこにあるのか。
    青年としての体験、性であり、失意であり、誠実さだった。
    現実の社会を傍観的に見ながら、
    その渦

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    2013年11月30日
  • 親鸞(しんらん) 激動篇(上) 【五木寛之ノベリスク】

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    越後に流されてから外道院との決着まで。親鸞とは違う正義をもつ外道院に反感と共感の混じりを覚えながらも、自分の道を貫く。念仏で人を救う。この「救う」という漠然とした言葉の捉え方、誤解と曲解により、親鸞は雨乞い祈祷の台上に赴くこととなる。念仏は法力ではないと体現しようと決死の覚悟で望むが、結局は雨が降りまたしても思わぬ形で名声が上がる。命は繋いだが、まだ親鸞の理想には遠い。これからどうやってこの葛藤を埋めていくのだろうか。

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    2013年07月23日
  • 選ぶ力

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    選ぶことは賭けること。
    得をしても損をしても自分で選ぶことが何らかの結果に繋がるlことを教えてくれる本です。

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    2013年07月24日
  • 生きるヒント ―自分の人生を愛するための12章―

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    マーク・トウェインの言葉:「私は天国へは行きたくない。なぜならば、天国にはユーモアというものが存在しないからだ ユーモアの源泉は、哀愁である 悲しむことを忘れた人間に、本当の喜びが訪れるわけはないとぼくは思います

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    2013年07月19日
  • 無力 MURIKI

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    この本のタイトルですが、「むりょく」ではなく「むりき」と読みます。80歳になった五木寛之さんの本ですが、先行きのはっきり見えなくなった現在においては、必要な考えと思いました。

    「むりき」とは、物事に白黒をつけるのではなく、どちらにもつかず不安定さを肯定する事を意味しています。要は物事にはグレーゾーンがある事を理解し状況に応じてどちらの側にもつけれるような物の見方をする事が必要だとの考えです。

    考えのブレナイ人は尊敬されがちな世の中ではありますが、ひとつの価値観で物事を正常だ異常だと仕分けする方が間違いであり、人間はむしろブレがあるのが当り前であり、時代の流れと共にブレル事こそ「生きる」事で

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    2013年07月17日
  • 無力 MURIKI

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    無力をむりきとよませるのは著者の工夫。「~力」がつく新書が多い中でいっそ流れに身を任せようという提案。力むなということだろう。著者の行き着く先だと納得。

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    2013年07月17日
  • 無力 MURIKI

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    この本のタイトルですが、「むりょく」ではなく「むりき」と読みます。80歳になった五木寛之さんの本ですが、先行きのはっきり見えなくなった現在においては、必要な考えと思いました。

    「むりき」とは、物事に白黒をつけるのではなく、どちらにもつかず不安定さを肯定する事を意味しています。要は物事にはグレーゾーンがある事を理解し状況に応じてどちらの側にもつけれるような物の見方をする事が必要だとの考えです。

    考えのブレナイ人は尊敬されがちな世の中ではありますが、ひとつの価値観で物事を正常だ異常だと仕分けする方が間違いであり、人間はむしろブレがあるのが当り前であり、時代の流れと共にブレル事こそ「生きる」事で

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    2013年07月15日
  • 親鸞(しんらん) 激動篇(下) 【五木寛之ノベリスク】

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    単なる物語から、次第に教義の深みに迫っていく。
    弟子や信者から素朴な疑問が投げかけられ、親鸞がそれに答えていく。そして、徐々に真理に近づいていくような気がする。
    様々な人物が登場し、去っていく。退屈な宗教小説でなく、ストーリーとしても面白い。

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    2013年07月07日
  • 親鸞(しんらん) 激動篇(下) 【五木寛之ノベリスク】

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    法然、逝く。
    親鸞は、京での縁により関東・笠間に誘われ、越後を離れる。
    これが転機となり、法然の念仏から、自分の新しい念仏を作ろうする。

    すぐに物語に引き込まれる。

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    2013年06月23日
  • 親鸞(しんらん) 激動篇(上) 【五木寛之ノベリスク】

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    配流された直江津で見た、貧者、病者、弱者が連なって行進する行列が、親鸞を動かす。
    新しい仲間を得、法然の新しい念仏を広めようと苦闘する。
    堅苦しい性格の親鸞に立ちはだかる世間。

    すっと読んでしまいました。

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    2013年06月23日
  • 親鸞(しんらん) 激動篇(下) 【五木寛之ノベリスク】

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    深い!早合点は災いの元。自分を取り戻す文字通りの呪文、それが念仏の原点。これが宗教の原点。何とセット販売したら浄土真宗は日本の母宗教として定着したのだろうか。。この考え自体が煩悩かぁ。放埓かぁ。

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    2013年06月22日
  • 親鸞(しんらん) 激動篇(上) 【五木寛之ノベリスク】

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    純粋は人の心を動かす。自分を放埓と言って戒めるところが原点。自分を知っているものは強い。修行とは自分の弱点を知り尽くすことなのかも。自戒の念を込めて。

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    2013年06月21日
  • 親鸞(しんらん) 激動篇(上) 【五木寛之ノベリスク】

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    読みやすい文体であっという間に読み終わった。
    親鸞という堅苦しい題材ながら、娯楽性を重視した内容で、面白かった。おそらく史実とはかけ離れていると思うが。

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    2013年06月19日