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ついに「力」と決別する時がきた。自力か他力か、人間か自然か、心か体か、生か死か――あらゆる価値観が揺らぎ、下降してゆくこの国で、私たちはどういう姿勢でこれからを生きていけばいいのか。絶対他力を説いた親鸞、楕円の思想を唱えた花田清輝、流民にたどる文化の源流、今日一日を生きる養生の実技、変容する死のかたち……。深化し続ける人間観の最終到達地を示す全十一章。
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Posted by ブクログ
末世に荒野を目指す 自力や他力だけではない 四季のように人の価値観も移りゆく それを楽しみ、苦しみながら歳を重ねていければいい
ムリキと読むタイトルの意味が本書でわかる。 自力でも他力でもなく、無力とは的を得た表現だと思う。そもそも人間は白黒ハッキリ出来ないことが多いのに、白黒つけたい人が多過ぎる。
五木寛之による、他力でも自力でもない無力(むりき)を説いた一冊。 実際、自力でできることは限られるし、運などの他力に左右されることも多いので、非常に参考になった。
この本のタイトルですが、「むりょく」ではなく「むりき」と読みます。80歳になった五木寛之さんの本ですが、先行きのはっきり見えなくなった現在においては、必要な考えと思いました。 「むりき」とは、物事に白黒をつけるのではなく、どちらにもつかず不安定さを肯定する事を意味しています。要は物事にはグレーゾー...続きを読むンがある事を理解し状況に応じてどちらの側にもつけれるような物の見方をする事が必要だとの考えです。 考えのブレナイ人は尊敬されがちな世の中ではありますが、ひとつの価値観で物事を正常だ異常だと仕分けする方が間違いであり、人間はむしろブレがあるのが当り前であり、時代の流れと共にブレル事こそ「生きる」事ではないかと述べられています。 日本は少子高齢化や経済成長の行き詰まり等、登山で言えば下山の時期に来ている。下山の時期にはひたすら上を目指した頃には気付かないものも見えてくる。そして登山とは下界まで無事降りて初めて成功と言える分けで、下山の時期にどう生きるかもこれからの日本人には問われているとも書かれています。 GDPが最盛期の1/10になろうとも、株価がかつての半分になろうとも幸せな生き方が出来る事を追求するには五木流の「MURIKI」の考え方は学ぶ価値のある価値感でないかと中田には思えます。
無力をむりきとよませるのは著者の工夫。「~力」がつく新書が多い中でいっそ流れに身を任せようという提案。力むなということだろう。著者の行き着く先だと納得。
この本のタイトルですが、「むりょく」ではなく「むりき」と読みます。80歳になった五木寛之さんの本ですが、先行きのはっきり見えなくなった現在においては、必要な考えと思いました。 「むりき」とは、物事に白黒をつけるのではなく、どちらにもつかず不安定さを肯定する事を意味しています。要は物事にはグレーゾー...続きを読むンがある事を理解し状況に応じてどちらの側にもつけれるような物の見方をする事が必要だとの考えです。 考えのブレナイ人は尊敬されがちな世の中ではありますが、ひとつの価値観で物事を正常だ異常だと仕分けする方が間違いであり、人間はむしろブレがあるのが当り前であり、時代の流れと共にブレル事こそ「生きる」事ではないかと述べられています。 日本は少子高齢化や経済成長の行き詰まり等、登山で言えば下山の時期に来ている。下山の時期にはひたすら上を目指した頃には気付かないものも見えてくる。そして登山とは下界まで無事降りて初めて成功と言える分けで、下山の時期にどう生きるかもこれからの日本人には問われているとも書かれています。 GDPが最盛期の1/10になろうとも、株価がかつての半分になろうとも幸せな生き方が出来る事を追求するには五木流の「MURIKI」の考え方は学ぶ価値のある価値感でないかと思えます。
五木寛之さんの「無力(むりき)」(2013.4)、宗教的色彩もあり、五木さんの本にしては難しかったです。自力でもなく他力でもなく無力、「?」です(^-^) ただ、読んでて考えることは多々ありました! 自力か他力か、人間か自然か、心か体か、生か死か、意識か無意識か・・・。そして琴線に触れる文も~。人間...続きを読むは重力という他力によって立っていられる。重力がなければ、猛烈なスピードで自転する地球の表面からあっという間に宇宙へ吹っ飛ばされてしまう。本当に不思議なことだと思います!
著者は、浄土真宗の他力の思想に深く共感しながらも、しかし同時に自力をも否定しない。それどころか、どちらか一方を採用する二分法的な考え方自体を改めなければならないとする。そして花田清輝の「楕円の思想」(真円の中心点は1つであるのに対し、楕円は2つの中心点を持つ)を引き合いに出して、自力と他力という2つ...続きを読むの力点間を自在に往復し、どちらにも偏らない(力まない)生き方=「無力(むりき)」を提案する。 「本来、人間は時に右へ、時に左へと揺れ動いていくものなのに、その認識を欠いたまま、どちらに落ち着きたがっているような気がしてなりません」(p.65) 少なくとも現代社会において、このようなどちらにも落ち着かない、いわば不安定な生き方を自発的に選択することにも、ある種の「強い力」を必要とするような気がしないでもないが、この問題意識は共有できる。
「むりき」 ついに「力」と決別する時がきた。自力か他力か、人間か自然か、心か体か、生か死か―あらゆる価値観が揺らぎ、下降してゆくこの国で、私たちはどういう姿勢でこれからを生きていけばいいのか。いいね、これ。
「明日のことはわからない」ということをわかっている人は、「明日のことなどわかっている」というひより、5割ぐらいはマシ
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