五木寛之のレビュー一覧

  • 青春の門 第四部 堕落篇 【五木寛之ノベリスク】

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    織江の歌が、芸能事務所のプロデューサーの耳にとまり、彼女は東京へ出て歌手をめざすことになります。信介も東京へもどり、大学生として生活を送りますが、緒方たちの影響を受けて、しだいに左翼運動にのめり込んでいきます。こうして、二人の距離はしだいに離れていくことになり、信介はすさんだ心をもてあますようになります。

    そんななか、信介の所属する運動家たちのグループの女子学生が、対立するグループのスパイであったことが発覚します。彼女に対する「査問」がおこなわれ、信介は仲間の男たちが一人の女性に暴力をふるうことに違和感をおぼえますが、そんな彼の甘さは仲間たちから糾弾され、さらに信介の監視から逃れた女子学生が

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    2022年04月14日
  • 青春の門 第三部 放浪篇 【五木寛之ノベリスク】

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    信介とカオルがたわむれに身体を寄せあっているすがたを目撃した織江が、二人のもとを去ったあと、北海道へ旅立ったという知らせがもたらされます。おりしも、緒方を中心に演劇を志す学生たちが、北海道で活動をおこなうという計画がもたらされ、信介は彼らにつきしたがって北海道へとわたります。

    北海道へたどり着いた信介たちは、アルバイトをしながら共同生活を送ります。彼らの働く職場は関西からやってきた暴力団がとりしきっており、労働者たちが搾取されている実情を目にした緒方は、劇を通じて労働状況の過酷さを訴えようとします。そんな彼らに、かつてアナーキストで現在は食堂を経営している丸谷玉吉や、その娘のトミが、協力を申

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    2022年04月14日
  • 青春の門 第二部 自立篇 【五木寛之ノベリスク】

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    竜五郎の庇護のもとを離れて、一人で東京の大学へ通いはじめた信介は、大学の先輩で演劇青年の緒方という男と知りあい、彼と共同生活を送ることになります。緒方の知人で、新宿二丁目の赤線地区で働くカオルという女性や、二人が暮らしている家の大家の娘たちとの交流を通じて、信介の若い心は揺さぶられます。その後、大学の体育の実技の授業を担当している石井という講師にすすめられて、信介は彼からボクシングの指導を受けることになります。

    そんななか、故郷の筑豊から織江が東京へやってきます。しかし、東京で大学生として日々を送る信介と、喫茶店のウェイトレスとして働く織江のあいだには感情の齟齬が生まれます。

    筑豊編の男ら

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    2022年04月14日
  • 青春の門 第一部 筑豊篇 【五木寛之ノベリスク】

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    主人公の伊吹信介は、義母のタエから、死んだ父の伊吹重蔵の思い出をくり返し聞かされてそだちます。重蔵は、鉱山の落盤事故で閉じ込められたひとたちを救うために、みずからの命を犠牲にしたのでした。父の立派な生きざまに恥じることのない、男らしい少年になることを心に誓う信介は、

    かつてタエをめぐって重蔵と争った塙竜五郎は、のこされたタエと信介の庇護をすることを重蔵に約束し、信介は彼から大人の男たちが生きる世界をかいま見ることになります。他方で彼は、幼馴染の少女の牧織江や、快活な音楽教師である梓旗江に心を惹かれ、少年らしい性のうずきにとまどいながら成長していきます。

    昭和のエンターテインメント小説らしい

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    2022年04月14日
  • かもめのジョナサン【完成版】

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    余りに神話的というのか、聖書を呼んでいるような不思議な信仰心がページを捲れば捲るほど芽生えていくのだが、少し期待値を上げすぎた感が否めない。ただなぜだか分からないけれど最後のページを閉じた時、ジョナサンにまた会いたいと思った。

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    2022年04月07日
  • 捨てない生きかた(マガジンハウス新書)

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    人生百年時代、60歳からもまだ30年もあり、登山に例えると、下山はまさに成熟の時代であり、下山をどう生きるかが大切。
    下山では景色を眺める余裕も生まれます。大切なのは回想と想像。孤独は決して後ろ向きなものではありません。成熟と言われる段階として、豊かな回想を生き抜く覚悟が必要。
    なるほどです。

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    2022年03月14日
  • 捨てない生きかた(マガジンハウス新書)

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    断捨離だけがすべてじゃない。捨てない生き方もあっていい。そんなメッセージだった。断捨離できなくて苦しんでいる方に読んでほしい。

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    2022年01月31日
  • かもめのジョナサン【完成版】

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    今のわたしにとっては掴みどころのない作品。
    わかったような気がするところがあると思ったら、気付けば置いていかれているような…

    定期的に読み返すと、その時々の自分の状態で印象が変わるのかなあという感じ。

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    2022年01月28日
  • かもめのジョナサン【完成版】

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    以前、友人からお薦めされた本。
    読んだ人により千差万別だと思うけれど、私は
    ・まつり上げ、讃えたり信仰したりすることが重要なのではない。その大元にある考え方を自分自身によって体得することこそが重要。
    ・肉体の限界が精神の限界なのではない。肉体は場所や時間など様々な制約をうけているため、無限の思想が自由をうむ。
    ということをこの本から感じ取った。

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    2022年01月03日
  • 〈新版〉夜明けを待ちながら

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    ネタバレ

     20数年ぶりに新版を再刊。五木寛之「夜明けを待ちながら」、2021.7発行。自殺、生きる意味、健康、悲しみの効用、夢と年齢、自己責任、意志の強さ・弱さ、覚悟などについて、人生相談形式のエッセイ。著者の人生観・哲学が映し出されています。著者が指摘されてるように、きれい好き、清潔好き、掃除好きなど生まれつきの「たち」があるし、克己など意志の強さ・弱さも(弱さを克服する努力はするものの)生まれつきかもしれませんね。著者は高い健康保険料を払いながら、ぜんぜん使っていない。素晴らしいことだと思います!

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    2021年10月10日
  • かもめのジョナサン【完成版】

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    頭では何かしらの良い示唆的なものを感じる気がするのだけれど、もやもやとした違和感が最後まであった。確かに食べ物のために争い合う事はやめたいと思うけど、食べるために飛ぶ人生(鳥生?)の何がダメなんだろう?とも思った。
    ダメなあのカモメたちを、自分が教え導かねばというらエゴイズムのようなものを感じる箇所もあった。

    ただ、純粋に飛ぶという行為に喜びを見出し、一心に上を目指して技術を磨く姿はとても素晴らしいと思った。

    最後の章の展開はとてもリアルで、どきっとした。
    崇高な人物の存在が崇拝され、その教えを覚えることだけに満足し、体を動かして練習するという一見すると地味な学習をしなくなる、これは自分自

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    2021年09月26日
  • 心が挫けそうになった日に(新潮文庫)

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    ネタバレ

     五木寛之「心が挫けそうになった日」、2021.2発行。視線を低くして生きる、それでも人間を信頼する、転がる石として生きる、の3つの章立てです。「70歳年下の君たちへ」を改題したもので、若者に対する著者の存念が吐露されています。私にとって一番心にグサッと響いたのは、敗戦時に囚人部隊を第一陣とする酸鼻を極めたソ連軍の暴行略奪の話です。戦争に負けたことがなかった日本人にとって、呆然自失の出来事でしょう。今の日本、災害、病気の災難は避けがたいものがありますが、干戈を交ゆることのない70数年、有難いと思います。

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    2021年08月23日
  • 金沢あかり坂

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    しっとりとした恋愛小説集かと思っていたら、
    遠い昔の金沢の恋のものがたりもあり、
    金沢という町の持つ、不思議な魅力が
    引き起こす、ちょっと怖い話や、
    作者がこの町に魅入られ、
    距離を取ったり取られたりしながら、
    やがて離れることになった理由など。

    どの話も、それぞれ違う色合いで
    金沢という町の魅力を存分に見せてくれた。

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    2021年08月09日
  • かもめのジョナサン【完成版】

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    簡単な文章ですぐに読める。
    解説が大変面白かった。
    作品からどんな思いを持つかはそれぞれだと思うが、これを読んでジョナサンのようにたびに出ようと思わなかったのは私がもうイイ歳だからかな。

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    2021年07月18日
  • 回想のすすめ 豊潤な記憶の海へ

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     回想の力、五木寛之さんはその力によって支えられてきたと。辛かった時代をくぐり抜け、苦しいときは「あの時に比べれば~」と。また、ストレスを解消するときは、嬉しかった時、幸せだった瞬間を回想していると。回想は思い出とは違って、積極的な行為であり、高齢者の特権。そして生きる力につながっている。五木寛之「回想のすすめ」、2020.9発行。

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    2021年05月22日
  • かもめのジョナサン【完成版】

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    最初から何故だかわからないけどジョナサンに対して否定的なポジションを取りながら読んでいた。
    食べることよりも飛ぶこと、高い位置から仲間を見下ろし自分の正義を貫こうとする、天に登って「白く」輝き、自分は特別ではないとしながらも明らかに特別な能力を発揮するジョナサン。自分の教えが形骸化し、意思に反して偶像崇拝的な信仰が一般化するなか、ジョナサンはそれをただ見ていたのか。かれなり「愛」とは結局何だったのか。
     どこまでもストイックに、生きる意味を追い求め、「飛行」というアイデンティティに全てをかける姿勢には心打たれる。がしかし、なぜジョナサンな共感することはなかなかできない。
     最後に訳者の方がその

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    2021年03月15日
  • 親鸞(しんらん)(下) 【五木寛之ノベリスク】

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     五木寛之の小説は面白いのであるが、長編は間延びがある。わずか2巻なのに随分かかってしまった。この次の編も読もうと思うが、全部読み終わるのはいつになるやら…

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    2021年03月13日
  • こころの相続

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    もっとコミュニケーションの取れる子どもだったら、祖母から色々な話を聞いておけたのに、と悔やまれる。伝承されなかった大切なことが、世の中には沢山あるのだろう。

    「相続」という言葉を、このように使うことに違和感を覚えた。「承継」などと言い換えたほうがよかったのでは? 言葉は、本来の意味を尊重して使ってほしいと思った。

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    2021年03月03日
  • 親鸞(しんらん) 激動篇(上) 【五木寛之ノベリスク】

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    ネタバレ

    (上下巻の感想)親鸞聖人が島流しにされて越後で過ごす日々から、縁あって関東で布教をした頃を描いた作品。

    青春編を読まずに読んでしまいましたが、十分楽しめました。難破船を使ったライバル役のアジト、大捕物のようなハラハラするシーンなど、読んでいてわくわく、ドキドキするような演出も多く、とても読みやすかったです。

    作中では、越後でも関東でも、地縁がほぼないところから布教を始めるなか、一癖も二癖もある土地の人たちと出会い、交わることで、だんどんとその地に根を下ろし、念仏を伝えるということに苦心しながらも努めている親鸞の様子が丁寧に描かれています。

    目指す方向は似ていても、信仰のあり方の違うライバ

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    2021年02月28日
  • こころの相続

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    相続とは法的に保護された財産の所有権を死により移動すること。氏のいう文化やら作法、風習の伝承は意味合いが違う。
    この人のエッセイ、話題になるがハズレが多い。タイトル負け?

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    2020年12月07日