五木寛之のレビュー一覧
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百寺巡礼の旅も遂に最終巻で私の故郷の九州へ。
どんなお寺を巡るのか楽しみにしていたのだけど、なるほどまだまだ知らない場所やお話は沢山あって、最初の巻にあった新鮮な感嘆は最後まで途切れることなく。
お遍路さんを見ては、『人はなにもかも自力のままに行動するのではない』という、「縁」とか「他力」の不思議さ大切さに思い巡らせ、「隠れ念仏」の口伝には人吉の地に埋まっている多くの人々が紡いだ歴史の痛みが知れる。
そしてこれまでに何度も出てくた神仏習合に対しても、『巨木や巨石や山や海などに対する畏怖と尊敬の念のなかから自然に育まれてきた』日本人の神の意識と中国大陸や朝鮮半島から伝来した仏教の自然な融和につい -
Posted by ブクログ
ジャズミュージシャンを目指す20歳のジュン。
行きつけのBarで「お前さんには何か欠けているものがある」
「音がキレイすぎて、こっちに共鳴させるものがないわ。鑑賞用演奏なのよ」
と言われ自分はもっと苦労しなければならないとソ連へ旅立つ。
旅はソ連からヨーロッパへ続くが、その先々でハプニングや強烈な人々との出会いに遭遇することになる。
自分は、ジュンがそれらの出会いを通じ一歩一歩成長していく姿にとても励まされた。
自分もジュンの様にチャレンジ精神を持って、生きていきたいと強く思った作品。
名言が沢山ちりばめられていて大学生活の中で出会った本で一番心に残っている本です。
人生のバイブルにします・ -
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「善い事とか、悪い事とか、そんな事はどうだっていい事だ。おれたち人間は、自分の生命をおびやかす行為を悪、その反対を善と名づけただけさ。」
「音楽は、クラシックも、ジャズも、ポピュラーも、みんなひっくるめて、やはり人間だという感じがするのです。道徳的な意味や、教養とは別な、人間性。どんな飲んだくれの魂の中にある、あの広い永遠の荒野。どんな無知な人間も持っている、その深い魂の淵。国境や、肌の色をこえて、なにかの共通するものが、そこにあると僕は思うのです。そして、それを音で表現するのが音楽だと考えるようになりました。」
ユダヤの若い娘の肌全身にタトゥーをほどこし、その皮を剥ぎランプを作った