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永遠の古都でありつつ、最も前衛的な都市でもある京都。権力者の欲と孤独を伝える金閣寺、懐深き南禅寺。「いのちの物語」をイメージさせる、浄瑠璃寺。あまりに有名な清水寺が教える、日本の寛容さ――。法然上人の教えを奉じ、親鸞聖人に勇気づけられる。知らなかったこの街のふしぎな魅力を、ともに。
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Posted by ブクログ
金閣寺、銀閣寺に始まり、清水寺に至るまでさながら修学旅行のような豪華ラインナップです。 しかし、そうした派手さとは裏腹に、五木氏の仏教に対する宗派を越えた洞察の鋭さには敬服します。 ちょうど銀閣寺の章を読んでいるときに、NHKで銀閣寺の創建当初の姿に迫る非常に興味深い番組が放送されていました。何...続きを読むでも、白壁に明礬を塗りこめた、きらきら輝く白亜の建物だったとか。 こうした知見を踏まえると、また新しい角度から銀閣寺、足利義政を理解することが出来るのではないかと思います。ぜひ、五木氏の意見も聞いてみたいです。
京都をじっくりと見てまわりたくなる内容。 日本人なら、京都のこと、日本のことをもっと知っても悪くない。 読みやすいし、京都Ⅱ編もあるようなのでそちらも読んでみよう。
このひと月の間、京都の町は紅葉見物の人で賑わい、東福寺もまた例外ではなく、淀への乗り換える駅のホームから溢れそうな人にうんざりする。 百寺を巡る旅も第3巻で京都に入る。 金閣、銀閣、東と西の本願寺、南禅寺、清水寺、東寺など観光客にも馴染みの深い寺を巡りながら、しかし描かれる風景は雑踏の観光客とは一線...続きを読むを画し、朝廷や室町幕府が置かれた京都ならではの歴史の上に、夫々の寺と仏の教えがそうした時の権力や民衆とどういう関わりを持ちながら今日まで生き抜いてきたかが語られる。 北山文化や東山文化の栄華を描きながら、一方でそれが鳥辺野や化野の地獄図の上に成り立っていたこともあわせて語り、金閣の輝きは無名の民草の血と汗の輝きと喝破する。 あるいは、信じることでおのずと大きな力によって自然にひきよせられるという〈他力〉の真髄や、ひとつの生命は無限につながる過去の因縁の結果として生まれたものであるという東方浄瑠璃浄土の思想など、相変わらず端々に思わず頭を垂れる一節が展開される。 こうしてみるとこれらお寺のことを何も知らずにお参りしていたことを改めて知る。 ご朱印集めじゃいかんのだ。
第三巻では、京都の寺がとりあげられています。 金閣寺(鹿苑寺)と銀閣寺(慈照寺)では、ともに室町幕府の将軍でありながら、まったく異なる個性をもつ足利義満と義政の二人の人物像についての考察を展開しつつ、両者がそれぞれどのような考えにもとづいて、これらの建物をつくることになったのかということが論じられ...続きを読むています。 また、東本願寺および西本願寺をあつかった章では、東西分裂にいたった経緯を語りつつ、ともに親鸞の教えをいまに伝えていることが説かれています。 清水寺の章では、宗派にこだわらずにお参りできることに著者は注目しており、それを「多神教的」ないし「神仏習合的」と呼んで、宗教の対立が激化する現代の世界情勢を変える可能性を見ようとしています。多神教が宗教的寛容にを結びつき、一神教は非寛容的であるという議論は、梅原猛などがさかんに主張していましたが、著者の議論もその影響を受けたものでしょうか。図式的にすぎる印象はいなめませんが、ともあれ清水寺における信仰のかたちを紹介する文章として読むことは可能だと思います。
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