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みちのくの地に、輝く闇を求めて――。平泉で生まれて消えた幻の黄金郷。都から遠く離れ、奥州藤原三代がみた夢の跡を偲ぶ、中尊寺と毛越寺。山間に隠された桃源郷、恐山での胸を衝かれる死者との邂逅。そして美しい松島と瑞巌寺から彼方の浄土を想う。この深く静かで強い大地から、心の安らぎが匂い立つ。
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Posted by ブクログ
第七巻では、東北の寺がとりあげられています。 巻頭の序文で著者は、「仏教は縄文的な東北には、きわだって異相の侵入者である。そして、その異文化の受容と根付きの過程に、私たち日本人の心象風景が象徴的に透視できるような気がする」と述べています。こうした著者のまなざしは、日本が単一国家として統合されていく...続きを読む動きの裏面に、複数の文化が併存していたという考えかたが述べられているところにはっきりと現われています。著者は、奥州に一大勢力をきずいた藤原氏を「平泉幕府」とみたて、これにならって源頼朝が鎌倉を「第二の平泉」として形成したのではないかと論じています。 慈覚大師円仁の名前が、東北の地に大きな存在感をもっていることや、最澄との論戦で知られる徳一の人物について書かれていることなども、興味深く読みました。
日本中色んなところへ行ったけれど、岩手・秋田・山形にはまだ足を踏み入れたことがなく、そういうこともあって、九州生まれの私にとって東北は何だか奥が深くてまだまだ底知れない感じがする地方なのだけれど、巡礼の旅の第7巻は東北のお寺を巡りながら松島や中尊寺以外は聞いたこともなく、益々その感を深くする。 そこ...続きを読むかしこに伝わる慈覚大師円仁の存在の大きさを認めながら、朝廷の“平定”によって新しい文化としての仏教が東北に入り込み、明らかに異相のものが東北の風土の中に根付いていく過程を見る。 そしてそこには京都や奈良の煌びやかな仏教文化とは異なる東北ならではの質朴なる仏教の有り様が。 私たちは、中央の人々の目からみた坂上田村麻呂の英雄伝説を知っており、清水寺に立つアテルイとモレの碑のことも知っているが、東北の人の立場から見たその物語はまた別物であることに気が付く。
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