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日本海と瀬戸内海に囲まれたこの地は、多くの文化を受け入れてきた。中国の黄檗宗の面影を感じる東光寺。天下随一の奇観、三佛寺投入堂。『暗夜行路』の舞台・大山寺と森鴎外の眠る永明寺。凛然と聳える瑠璃光寺の塔を見ながら、尾道、出雲、萩、津和野――歴史を動かした土地の息吹を感じる。
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Posted by ブクログ
2024年に行くべき52カ所で紹介された山口市。そこで取り上げられた瑠璃光寺の五重塔は現在改修中。本書でこのお寺を巡っていることを教えてもらい購入。中国地方の10か所を巡った旅。お寺がその地域の歴史や文化を感じとれる場所となっているのは間違いない。そういう意味でニューヨークタイムズにも取り上げられて...続きを読むいるのかもしれない。この本を読み終えて、神社仏閣巡りと合わせてその土地の歴史にも眼を向け、そこの空気感や根付いている文化に触れることを楽しもうと決めた。
五木寛之さんの百寺巡礼シリーズ、馴染が深い山陰・山陽の第八巻から読み始めました。2005.3刊行、2009.4文庫化です。第73番「清水寺(きよみずでら)」(安来市)、第74番「一畑薬師(いちばたやくし)」(旧平田市、現出雲市)、第75番「永明寺(ようめいじ)」(鹿足郡津和野町)、第79番「浄土寺」...続きを読む(尾道市)、楽しく懐かしく読みました。巡礼はもとより、その土地その土地の歴史・風俗・文化などが丁寧にわかりやすく書かれています。
第8巻は山陰・山陽。 こちらもまた行ったことないお寺ばかりだけれど、地域的には何となく親しみがありますね。 それにしても巻頭の三佛寺投入堂の何という奇観。 いつもは寺を訪ねて奔放に話を広げる筆者も今回ばかりはひたすら登頂というか登坂の経緯に終始する。 崖に張り付く不思議な堂宇の尽きせぬ魅力。右半身不...続きを読む随となった土門拳がそれでも弟子に引かせて何回も登ったとあるが、確かに写真を見れば確かにこれだけで腹一杯。 そして終章の“川底に沈んだ幻の中世都市”のお話。 草戸千軒町遺跡のことは全く知らなかったけれど(芦田川の中洲というと福山競馬場もほんの近くな訳で)、それらを見下ろす明王院の五重塔の在り様に歴史の多重性を読む。 それらの驚くべき話に挟まれて語られる騒々しい現代における信仰への思い−『生きた人々の信仰心のすがたというものは、こんなふうに清濁がごちゃごちゃになっている中にあるのではないか』 日の光溢れる境内から薄暗い内陣の荘厳な雰囲気に身を置き独りごちる。 『日常生活のなかではあまり感じることがないような感情が、身体の深いところから湧き上がってくる。寺を訪れるというのは、じつは、こういうことなのかもしれない』−確かにそう思えるこの頃。
第八巻では、中国地方の寺がとりあげられています。 本シリーズでもっともハードな巡礼となった三仏寺投入堂にはじまり、鴎外・森林太郎の墓のある津和野の永明寺などが紹介されています。 瑠璃光寺では台風の直後におとずれることになった著者が、伝統建築の強さへの驚きを語っています。さらに阿弥陀寺では、東大寺...続きを読む再建のために尽力した重源の人物像にせまり、そのエネルギーがなにに由来するものであったのかということについて、考察がおこなわれています。
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