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Posted by ブクログ
第8巻は山陰・山陽。
こちらもまた行ったことないお寺ばかりだけれど、地域的には何となく親しみがありますね。
それにしても巻頭の三佛寺投入堂の何という奇観。
いつもは寺を訪ねて奔放に話を広げる筆者も今回ばかりはひたすら登頂というか登坂の経緯に終始する。
崖に張り付く不思議な堂宇の尽きせぬ魅力。右半身不随となった土門拳がそれでも弟子に引かせて何回も登ったとあるが、確かに写真を見れば確かにこれだけで腹一杯。
そして終章の“川底に沈んだ幻の中世都市”のお話。
草戸千軒町遺跡のことは全く知らなかったけれど(芦田川の中洲というと福山競馬場もほんの近くな訳で)、それらを見下ろす明王院の五重塔の在り様に歴史の多重性を読む。
それらの驚くべき話に挟まれて語られる騒々しい現代における信仰への思い−『生きた人々の信仰心のすがたというものは、こんなふうに清濁がごちゃごちゃになっている中にあるのではないか』 日の光溢れる境内から薄暗い内陣の荘厳な雰囲気に身を置き独りごちる。
『日常生活のなかではあまり感じることがないような感情が、身体の深いところから湧き上がってくる。寺を訪れるというのは、じつは、こういうことなのかもしれない』−確かにそう思えるこの頃。
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