梶山あゆみのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
記憶、学習という領域に留まらず、過去をどのように位置づけるのか、どのような人生を送るのかといった事象にまで届く、たいへん興味深く有益な本だった。
記憶というものがどのような脳のしくみによって作られ、保持されているのかという生理学的なベースの話から、私たちが日常よく経験している実感のある話まで、著者は驚くほどスムーズに話を繋げる。脳の機能についての科学的な話が、これほど読み物として優れているのは珍しいし、ありがたいことだ。
記憶というのはスチール写真のように脳に刻まれているものではなく、思い出すたびに再作成されていると思ったほうがよいらしい。そして、思い出すたびに強化される。想起すること -
Posted by ブクログ
本書は「記憶」についての認識を新たにさせる本である。本書では、最新の科学的な知見から、記憶は過去を保存するためではなく、未来を形作り、自己を保ち、他者とつながるための中核的な仕組みとして、解説されている。
「はじめに」で「記憶する自己」について問いかける。「あなたの<記憶する自己>はほぼすべての決断に影響を及ぼすことで、あなたの現在と未来を絶えずーしかも大きくー方向づけている」
記憶は、過去の記録ではなく、未来の行動を導くためのシステムとして捉えられ、その仕組みについて、脳機能イメージングや様々な実験が紹介されている。
記憶についての基本的な仕組みとして、かつては前頭前野がワーキングメモリーで -
-
-
Posted by ブクログ
2019年に撮影されたブラックホールの画像を見た時から興味をそそられ色々調べてみましたが、憶測ばかりの話でイマイチよく解らずそのまま放置していたらこの本と本屋さんで出逢い手にしました。
文章が上手且つ翻訳も素晴らしいのでスイスイ読み進める事が出来ました。また、取っ付きにくい方程式もE=MC ²くらいなので文系の自分にも解りやすく書かれていて理解が深まりました。
数々の発見を過去に遡って整理されているので、知っているものから何となく知っているもの、知らなかったことまでこの一冊に凝縮されています。
こうしてみてみると宇宙にはまだまだ解らない事がありすぎて古い情報誌を読むよりも2025年発行のこ -
Posted by ブクログ
本書は書店でも科学コーナーに置いてあったが、どちらかというと歴史書。恐竜、小惑星の衝突は人類誕生以前の話だが、それ以外は歴史上のイベントに対して詳細に調べて、その中でどう対処すれば生き延びられるかという観点から描写したもの。臨場感もあり、歴史好き、科学好きには面白く読める。
【原題】
HOW TO SURVIVE HISTORY : How to Outrun a Tyrannosaurus, Escape Pompeii, Get Off the Titanic, and Survive the Rest of History's Deadliest Catastrophes
【 -
Posted by ブクログ
ネタバレ漫画を読みなれていないので、けっこう読むのに時間がかかったけど、「サピエンス全史」のおさらいをするのにはとても良いです。「文明の正体」編では、最初の方は、人間が麦の奴隷になっていく過程が描かれる。
これは、原作を読んで衝撃を受ける人が多い部分で、非常におもしろい。狩猟・採集をして暮らす人々から見れば、朝から晩まで畑で働いて、農耕をする人々は、全く自由がなく、不幸そうに見えるが、麦を手なずけた人々は「我々は素晴らしいことを成し遂げた!これからは豊かになる!」と信じている。中盤から後半にかけては、人類が築いてきた虚構(フィクション)は、人類が作ったものであって、決して生物学的に決定されたものではな -
-
-
-
-
Posted by ブクログ
ネタバレ内容については言うに及ばず、和訳が良い。本書は下記のような注釈から始まる:
"本書は現在「アルツハイマー型認知症」と呼ばれる疾患の研究について記述しており、この疾患名が頻出語となるため「アルツハイマー病」と略記する。また、「若年性」「家族性」などの断りが特にない場合は、弧発性アルツハイマー型認知症を指す。"
本書は「アルツハイマー病とは結局、なんなのか?」という本なので、和訳にあたって慎重に言葉を定義するのは極めて誠実な姿勢と考える。自分は原書をあたっているわけではないので原書と和訳書の比較まではできないが、この注釈が最初にあるお陰で全編にわたって安心して読み進めることがで