梶山あゆみのレビュー一覧
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アルツハイマー病の本。面白い。
アミロイドβやタウタンパク質をターゲットとした治療(なかなか上手くいってない)に固執している業界への批判が多くあるがフラットな視点で描かれている印象。またアメリカローカルな話題は少し退屈だった。
以前読んだ下山進さんの「アルツハイマー征服」も面白かったが、アルツハイマー病研究で面白いポイントは原因とされる病理について結論がでておらず、日々のニュースでアデュカヌマブなどの新薬についてプロセスが追うことができること。
・アルツハイマー病の定義は何?
・主犯は誰?
現在進行系の問題のため本書でも結論は無い。
頭を切らずに観測しやすいアミロイドβをまずターゲットにして -
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とても面白かったです!
1〜4部まであり、その中でさらに章立てがしてあるのですが、3部までは著者がずっと怒ってます。本当にずっと怒っているので、読み手もいつのまにか引き込まれ「そうだそうだ」という気持ちに…。怒りは人を煽動するのだと本旨とはあまり関係のない感想を抱きました。
とはいえ、もちろん内容も素晴らしかったです。アルツハイマー病の研究で何が間違っていたのか、今後どうすればいいのか、通説への鋭い批判が気持ちいい。あくまで過去の研究そのものへの敬意は感じられ、著者はアルツハイマー病という人類にとって大きな危機に誠実に向き合っているだけなのだと思いました。
しかし、アルツハイマー病研究の構造を -
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ホモサピエンスがどのように我々に変化していったのかを、描くサピエンス全史の漫画バージョン。今回は「歴史の覇者」編です。
歴史の方向性はどのように決まったのか?なぜ対立がずーとあるのか?誰かが言うように陰謀があるのか?裏で誰かが糸をひいいているのか。
なぜ、ホモサピエンスがその他の動物と違って今の隆盛を誇るようになったのかを色々な観点から考察していきます。なんか、堅苦しい感じがするが、漫画なので楽しいです。
歴史上バラバラだったホモサピエンスがどのように統一されてきたのか?
その有力な原動力として 帝国 貨幣 宗教 をあげて検証していきます。
はたして、どの要素が世界をわりと一つにしたのでしょう -
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2024/06/21 読み始めた
失敗の科学に次ぐ失敗シリーズ。「失敗」の蓄積は自分の一大テーマである。
2024/07/03 読み終わった
第1部でアルツハイマー病の病理?的な話が多く、ちょっと面食らう。難しい〜!と思ったけど、そこはなんとなくの理解で読み進めることができた。
詰まるところ、アミロイドとアルツハイマーの相関関についての初期の研究結果があまりにも良かったため、その後アミロイドの研究ばかりが注目された(医学的にも政治的にも経済的にも)。しかしその後の研究の成果は目覚ましくなく、他の可能性も考えておけば良かった、という話。
ではなぜそのような事態になったか、が第2部と第3 -
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ネタバレ脳の可能性を開拓し続ける超名著。
ディキンソンは「僕たちの脳は空よりも広い」なんて言ったわけだけど、まさしくそれを実感できる一冊でした。
『生物と無生物のあいだ』で福岡氏は、「生命とはなにか?」に対して「それは動的平衡にある流れである」と答えた。つまり、必須と思われている機能ですら無いなら無いなりになんとかするのが生物だってわけだな。
本書はそれを脳科学的に証明していて、脳はこの能力が特に強いというのが仮説の一つになる。脳が半分になったって、日常生活を変わらず遅れる人がいるのはそれが理由だ。
特に面白いのが、多くの人が学習しているパターン以外にも、脳は独自のパターン分けが出来るという部分かな -
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5~7歳になると死は例外なく訪れると全ての子供が悟る。増えたいという原始細胞の根源的な欲求。サーチュイン遺伝子。長寿に対する遺伝子の影響は低い。遺伝子を次世代に受け渡せる程度の寿命。老化は1つの病気。肺炎、インフルエンザ、胃腸病、結核が死因の半分以上。サーチュイン遺伝子。酵母すごいな。今井すごい。山中すごい。マウスすごい。寿命やワクチンも昔は違った。NMN。リプログラミング技術と倫理観。デザイナーベビー。新しい価値観を花開かせる要因としては旧来の見方に頑なにしがみついていたものが世を去るのが1番大きい。王立協会の紋章の下「言葉によらず」老化という診断を受けられるようになった!世界を変える勇気を
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脳には、可塑性と言って、一生にわたって変化し続けるような性質があることは、知ってはいたけれど、この本を読むまで、そこまでダイナミックなものなのだとは思っていなかった。
本書に出てくる事例として、例えば、脳が半分だけになったとしても、人間の脳は、半分の領域の中で必要な回路を作り、日常生活にやや不便はあるものの、問題なく生活できるようになった人や、耳の聞こえない人のために、音に反応して皮膚を刺激するベストによって、やがて、脳は、皮膚の刺激によって「聞く」ことができるように変わっていく事例などが上げられている。
人間の脳は、あらかじめ、生まれながらに機能や回路が決まっているのではなく、
必要最低 -
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老化の原因と若返りに関する研究家であり、知られるハーバード大学医学大学院で遺伝学の権威ですでもある、デビット・A・シンクレアによる著書で、「老化」に関する一冊。本書では「老子」は病気であり、抑制することができるという。前半はDNAや遺伝子など様々な研究からの知見が書かれており、理解はできないが生物の進化に関する「カークウッドの理論」の話はとても面白かった。中盤からは、実際に「老化」を抑えるためにどのような食事や運動、行動、また薬が良い効果をもたらす可能性が高いかが示されている。また、後半では、「老化」の抑制が社会にもたらすメリットとデメリットをあげ、この研究に対する世間や他の研究者からの批判に
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脳の常識がひっくり返った!
脳っていうと、左脳が論理や言語、右脳が直感をつかさどり、大脳皮質には言語野や視覚野など部位によって機能分担されている…ここまでは概ね合っているが、だとすると、それぞれの部位は、眼、耳、肌などそれぞれの器官と繫がって、それぞれの信号を処理する構造ができている…と思ってしまう。
これが何と大間違いで、どんな信号をどこでどう処理するかはハードコートされていない、成長した後でも変化することができるのだ。例えば、後天的に視力を失った人が、光学センサを肌につけて、触覚信号として脳に送ることで、視覚として認識できるようになることが既に実用化されている。触覚なので、視覚野では処 -
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第1部
エピゲノムの変化が老化の原因
ゲノムをピアノ、エピゲノムをピアニストに例えるとイメージしやすい
外交的であればあるほど長生きし、悲観的な人や精神疾患者は早く死ぬリスクが大幅に高まる
「老化の情報理論」
若さ→DNAの損傷→ゲノムの不安定化→DNAの巻きつきと遺伝子調節(つまりエピゲノム)の混乱→細胞のアイデンティティの喪失→細胞の老化→病気→氏
体がどれだけ年老いているかを確かめる簡単な検査
腕立て伏せ、46歳以上の場合、20回を超えられたらたいしたもの
「座り立ちテスト『SRT)」裸足で床に座り、両足をクロスさせる、そのまま素早く体を前に傾けて、一度で立ち上がれるか
股関節骨 -
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脳は暗い頭蓋骨の中で、感覚器から届く情報だけを頼りにしている。視覚、嗅覚、触覚いずれの感覚も脳にとっては情報でしかない。その情報がどういう意味を持っているのかを探って理解するのが脳の役目。情報を読み解いて、最適な状態になるように脳の配線を常に変えているという。
例えば、目隠しをして60分程度過ごすだけで、耳の感覚が増すらしい。脳は眼からの情報が入ってこなくなったことで、眼に使われていたリソースを別の感覚に割り振った。たった1時間でこの現象が起きていることに驚かされる。
この他にもたくさんの脳の驚異と可能性について書かれていて、すべての経験は脳に影響していると理解し、いかに脳を育てていくか日