梶山あゆみのレビュー一覧
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ライブワイヤード(livewired)を実例を交えて解説した本。原書タイトルはThe Inside Story of Ever-Changing Brain。知らなかった実例が豊富で、文章も判りやすく、楽しく読めた。
・脳の半分が無くても生きてる人
・カメラの出力を皮ふや舌につなげて視覚の代替とする技術
・前足がなくて、二足で歩行する犬
・天才はつくるものという信条の両親のもとチェスのグランドマスターになったポルガー姉妹
脳は能動的に自らを再調整して消費エネルギーを節約する。絶えず内部モデルを修正している。老犬に新しい芸を仕込むのは難しいが、閉じる時期が遅いドアもあるので、還暦過ぎてもまだまだ学習による向上しろはあるということらしい。神経が物理的に途切れても、つねに頭をはたらかせていれば(そして外部からのフィードバックがあれば)、新しい橋が脳内にかかりボケないそうである。
記憶や学習において、 配線変化だけでなく新しい細胞が発生する事実、記憶の種類にいろいろあり、事実や出来事は忘れても歩く方法や歌い方(非宣言的記憶)覚えているという事実は、AIの開発に役立つ情報だと思われる。 -
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ここに書いてあることの全てが真実かどうか、僕には分からない。
けれど、これが事実であると考えた方が、対戦後のアメリカの振る舞いが、あるいはアメリカに対する他国との反発が、あるいはロシアの西側諸国に対する言動が、説明しやすくなるような気がする。
そういう意味で興味深い本だと思う。
翻訳本ならではというか、そもそもの歴史的共通理解がないが故の読みにくさがあり、星4つ。
アメリカが、いや、列強諸国が、他国民や平和のために、(ひとりひとりの自国民のためにさえ)政治的決断をすることなど無いことを、改めて思い知らされる。
それは、列強諸国になろうとして列強諸国のまねをした、かつての日本を見ても明らかである。
この本は、アメリカ人のアメリカ観を是正すべく、アメリカ人の手で書かれた本である。
だから、この本を読んで、日本人がアメリカを非難するのは違うだろうと思う。 -
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"認知"が脳を作る
認知するのはそもそも脳である。しかし自分の行いがどの様な結果を生んだか、それを認知することで脳の構造は作られていく。
あとは記憶と認知の流動性、レイヤーになっている面白さ。
□概要
・脳は未完成で生まれる、可塑性
完璧にプログラムされてくるのではない、それはかえって環境に適合できず不都合。あらゆることを、抽象具体様々な粒度で学習するのに初期プログラムは不都合である
泣く、母乳やミルク飲む、排泄など最低限のこと以外は全て学習する。だからフィードバックを与えられなかった子は発達しない。(発達障害とは次元の違うレベルで機能に障害が残った例も)
・学習はタイミングがすべて
関連づけて学習される。共に発火する、近くで発火するneuron同士ほどシナプスのつながりは強くなる
・脳が見ているのは電気的な信号のみ
(まるで0101の世界)
それを映像として知覚するのには知覚野で認知する必要がある。目も耳も手足も全て周辺機器である。証拠に振動を音として知覚できるようになる実験も存在する。まだ不完全だが実用化すれば様々な身体の不都合を克服できるかもしれへん
・脳の地図は書き換わる
今まで使っていた所が使われなくなると別の部分がその領域を使い始める。盲目の人が音に敏感なのは、音に頼らざるをえない環境のせいもあるが、そもそも脳の中で聴覚野が発達しているケースが考えられる
・一芸に秀でる=他の何かを犠牲にする
発達障害の人は、比類なき才能を持っていることがあるが、むしろ逆で、比類なき才能が何かを犠牲にしている
★記憶のレイヤーと流動性
海馬は一次記憶、長期記憶は皮質。それだけでなく記憶や認識にも階層がある。すぐに忘れるもの、考え方が変わるものとなかなか変わらないもの、忘れないことがある。それは地層の様に記憶や認識にも階層があるから。
年寄りは皮質がカチカチ、だからすぐに自分の考えを改められない、老害は経験とかの精神的な問題ではなく脳の問題、つまり身体的な問題なのよ
■感想
人間に自由意思はあるのか?環境、フィードバックのインプットが脳のアルゴリズムを決めているなら自由意思はないのでは?という哲学的な問いにもつながる内容で好きな内容。
・ただ長い
洋書あるあるでエピソードが多い。読むの疲れる。ユニークな事例も多いんだけどね。
・脳みその複利効果
脳にとって良い環境に自分を置けるか、まぁその意思決定自体も脳が担っているのだが、良い環境→脳の構造良くなる→さらに良い環境...の好循環を生めるか
・やってみて早くフィードバックを得る
ここでもリーンスタートアップの大切さ。β版でもいいからMVPを早期投入し市場のフィードバックを得るのと同様、脳もフィードバックを得ないと良し悪しの判断軸が磨かれない。センスは生まれ持った才能でもあるが、フィードバックをよりたくさん受けて、適切に認識した数によって磨かれるのだろう -
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前巻より字数が多く内容も難しくなってきました。自分の中では一番衝撃的な「小麦に飼われているのは誰?」が、文章に比較してスッと入ってこなかったのは既に知っていたからかな?漫画に邪魔されたか?
人種差別、ジェンダー問題も生物的な原因では無く、社会文化的なフィクションであると作者は言います。
(未だに)男と女は違うのだから、当然役割も違うのだという考えは自分も含めて人々の中には根強く残っています。
問題はその違いが偏見に繋がり、社会的地位が低く留め置かれ、選挙権が与えられなかったり、ガラスの天井のような状況が続くということなのです。
2021年現在では、それはおかしいと思う人も増えているように思います。まだ、拮抗していますが戦争も革命も起こさずに社会は変わってきたのです。それこそ女性の特性を活かした変革でしょう。
(未だに)としたのは、後50年したら、この考え方も古くなってしまうのと、揺り戻しだってあるかも知れないからです。
漫画になっても、古代からの歴史や地理などを網羅しているため、前提となる知識が無いと読み進めるのに苦労する本ですが、フィクションを疑うきっかけになると思います。 -
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本書はワインにまつわる科学を体系的に扱うというよりは、エピソード集といった趣きが強い。農業や有機化学寄りの話になるので、免疫のない人は面食らうかもしれないが、読んでるうちになんと無く新しいワインの楽しみ方が見えてくるはず。自分の経験と聞きかじりの知識を詰め込む前にこういう本を読んでおくと、変な流行に惑わされなくなるかもしれない。例えば、本書のお陰でガチガチのナチュラルワイン教に入信せずにすめば、それ以外のワインを楽しく味わう余裕も産まれるはず。
ちなみに、個人的に面白かったのはブドウ栽培のチャプター。精密農業や灌漑制限など、作り手はここまで科学的エビデンスに基づいた取り組みを進めているのかと、正直驚いた。 -
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まさか、こんなにひどい最期だったとは!体液を抜かれ、蒸し風呂に入れられて死んでいったベートーヴェン。水治療と称して、凍るような冷水を浴びせられたダーウィン。医学が未発達な時代には、病気の症状自体よりもはるかに苛酷で、奇想天外な医療が施されていた。現代医学に感謝したくなる、驚きいっぱいの異色偉人伝!(裏表紙)
『偉人は死ぬのも楽じゃない!』(河出書房新社)の文庫版。元が妙に安っぽい表紙なので、こっちのが見栄えが良い。
内容も、タイトルからしてそのまんまなゴシップ的なものだけど、面白かった。アメリカではヤングアダルト向けの出版物とされていて、まぁなるほどと納得できる。 -
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・西洋が世界の勝利者になったのは、西洋の思想、価値観、宗教が優れていたからではなく、
むしろ組織的な暴力をふるうことに優れていたからである。
・我が国の歴史の中で日本人ほど忌み嫌われた敵はいないだろう(ピュリッツァー賞受賞歴史学者アラン・ネヴィンス)
・原爆被爆者、峠三吉の詩「八月六日」 ”あの閃光が忘れえようか”
・原子爆弾の投下に「これは史上最大の出来事だ!」と喝采を叫んだトルーマンに対してある民主党党員が大統領宛に打った電報
「無辜(むこ)の人を死に至らしめる兵器に歓喜するなど、かりそめにもアメリカ合衆国の大統領たるもののなすべきことではない。
喜んだ理由が破壊ではなく、破壊に終止符を打ったことにあると明確にしていただきたい。」
・アイゼンハワー
私は2つの理由で原爆使用は反対だと言った。
第一に、日本は降伏する用意ができており、あのような恐ろしい兵器を使用する必要はなかった。
第二に、私は自国があのような兵器を用いる最初の国になるのを見たくはなかった。 -
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ウッドロー・ウィルソンのまさしくTPP条約ISD条項を彷彿させる発言。
「門戸を閉ざしている国々には、その扉を叩き壊してでも開国させねばならない……。資本家たちによって獲得された利権は、たとえそれに反感を抱く国々の主権がその過程で蹂躙されようとも、我が国の使節によって保護されねばならない」
これが1907年プリンストン大学総長時代の言葉であるとは。
19世紀末の相次ぐ恐慌がアメリカをモンロー主義を放棄させ、太平洋へと向かわせる。様々な紆余曲折を経ながらも、自由主義国は小さな国々の主権やそこに暮らす人々の暮らしよりも、資本家の財産権を優先させてきた。グローバリゼーションの動きは、TWOからFTAへとさらに貿易の自由化を推し進めている。その先に何が待っているのだろうか。あと15年もすればその姿が見えてくるであろう。