梶山あゆみのレビュー一覧
-
購入済み
教科書にない...
月並みな言い方ですが、まさに教科書にないアメリカ史。
建国以来の政治的中心(すなわち大統領)がどういう思想傾向を持っていたかがよくわかります。
1巻は2つの大戦を中心に描いているので、ウィルソン、フーバー、ルーズベルト、トールマンといった人たちの描写が自分には新鮮でした。
ただ相当リベラルよりの内容なので、当の米国では本書はどんな評価なのか気になります。
TVシリーズも見たほうが理解という点では補助になりそうですね。 -
-
Posted by ブクログ
どう考えても、早死にするより長生きする方が良い。ささやかでも日々の愉楽を健康的に享受し続け、病や死への怯えを少しでも遠ざけられるなら、それだけでも十分に価値がある。だがもし、科学の進歩によって「永遠の生命」さえも手に入れられるとしたら——。
その時、私たちはどんな生を選ぶのだろう。変わらぬ日々を延長するか、あるいは新しい価値観を携えて未知へと踏み出すか。延長線か路線変更か。どちらも“報酬を求める生き方”という点では同じである。しかし、前者はマイナスを避けて幸せを感じるタイプであり、後者は新しいプラスを求めて挑戦するタイプだ。
本を読み、行ってみたい場所に行き、見たいものを見、食べたいものを -
-
Posted by ブクログ
ネタバレご近所さんに勧めていただきました。。
その方は本書を何度も繰り返し読んでいるそうで、お話ししたときも「248頁のお父さんのエピソードはすごいよ」など、ちょっとした立ち話で頁数まで言えちゃうほど読み込んでいることに驚き、俄然興味が湧きました(笑)
本書はアンチエイジングに関する最前線の研究について語られた本です。(といっても本書は2020年に発売されたものです。)
まず大前提として、老化は病気なので予防と治療をすべきと主張されています。
その延長線上に老化を遅らせるための具体的な方法が、科学的根拠に基づいて詳細に紹介されています。山中教授のips細胞のこととか、サーチュイン遺伝子のこととかな -
Posted by ブクログ
この本を読んで、あなた(=私)は「老化は宿命じゃないかもしれない」という希望と、「その実現がもたらす負荷や葛藤」への覚悟の両方を強く感じました。
まず、サーチュイン遺伝子という概念や、NMN/レスベラトロールなどの補助因子が実験段階で示す効果にはワクワクしました。あなたが印象に残されたように、これらが“老化を遅らせる鍵”だという主張は、ただの理論ではなく、未来を先取りする挑戦だと感じます。
ただ、現実と理想のギャップも無視できません。例えば、「老人が増えることで若い世代に負荷がかかるのでは?」という懸念に対して、著者が「老人は優秀な人材であり得る」とする反論は魅力的ですが、制度・社会構造・ -
-
Posted by ブクログ
ネタバレ脳の可塑性、否、live wiredに関する本
脳は果てしない変化と適応を続けながら情報を求めるシステム
メモ
・変化はとても早く7日間目隠しするとことに関する技能が高まる
・ポテトヘッド仮説 脳は感覚器官を差し込みさえすれば脳はその使用法を見つけ出してくれる
・感覚代行 舌で見るなど、入力をすれば別の器官で受け入れることもできるようになりうる
・ライブワイヤリングの主な特徴
世界を反映する 脳は自らを入力情報に適合させる
入力情報を受け入れる 脳はなんである流れ込む情報を活用する
どんな装置でも動かす
大事なことを保持する 自分にとって大事なものに脳は資源配分する
安 -
-
-
Posted by ブクログ
素描で認識される世界において、精密さが求められるのは、工学的な環境において。人間は完全なる再現性による安全安心、利便性を求めているからでもある。しかし、座標軸や時間軸の精密さは、人間や自然が、少なくとも今のコンピュータでは精密には規定し得ない存在だという事を却って浮き彫りにするようでもある。
素描的な世界とは、線にゆらぎがあり、陰影に曖昧さがある世界。一方、工学が求めるのはCAD的=コンピュータ設計的な厳密に制御された空間。
人間は常にこの両方を生きている。
感覚の世界と制度・構造の世界。
本書、『精密への果てなき道』は、この断絶を埋めようとした数世紀にわたる人類の試みの記録だ。精密さと -
Posted by ブクログ
漠然と農業革命について、文明の起源みたいな捉え方をしていたので、今につづく支配と統治の一種病的とでもいえそうな関係、つまり、神話や宗教が物的限界を見誤らせつづけ、そればかりか偏見やトートロジーの跋扈を許し(説明のつかない都合のよさは神由来のものとなる、それはたぶん支配の構造に結びつくのだろう)、本当に必要な手当てを妨げさえしそうな状況を作り出していることについて、危うく見誤るかも知れなかった。
さすがに現代社会では都合よく、神が降り立つこともないわけだが、それでも、過去そのように形成されてきた社会だということなのだろうか。いまだに国家や民族のようなものに幽霊の影のようにはりついて克服できない。 -
-
Posted by ブクログ
無駄無駄無駄無駄無駄ァーーッ。
無駄の対義語が「合理的」「経済的」「効率的」など、生産性を高めるという事なのであれば、そこには“知識や能力における水準の低さ”が隠れているような気がする。つまり、知能程度が高ければより高度な技術を駆使していくのだし、それは個人単位、企業単位、文明単位で言えることだ。だとすれば、低水準が無駄の原因だと言えるかもしれない。これは、発展途上国に無駄が多いという現象にも符合するし、その逆も然りである。
しかし、はっきりと「無駄」を定義しておかねばならない。本書で語られるのは、プラスチックなどのゴミ問題。二酸化炭素などの排出ガスの問題。都市鉱山資源、フードロス、時間の -
Posted by ブクログ
「ライブワイヤリング(Livewiring)」とは、簡単に言えば「脳がつねに自分を作り直している」状態のこと。脳が作り直されるなら、自分自身の人格はどうなってしまうのか。
私たちは、昨日とまったく同じ脳では今日を生きていない。新しい経験により、脳はその配線を繋ぎ直している。昨日は彼が好きだったが、今日は違う子に惚れた。急に音楽に目覚めた。そんな風に毎日の人格は確かに変わっていく。
印象的だったのは、環境によって脳の作りまで変わるという話。大学に進学した人は高卒の人よりも、言語をつかさどる脳の枝分かれが多いらしく。これは動物でも同じで、刺激に満ちた環境で育ったラットの脳に比べ何もないケージで -
Posted by ブクログ
本書は、ハーバード大学の老化研究者であるデビッド・A・シンクレアが、「老化は病気であり、治療可能である」 という革新的な視点を提示する一冊だ。これまで老化は避けられないものと考えられてきたが、最新の科学では老化を制御し、健康寿命を延ばす方法が研究されている。
著者は、サーチュイン遺伝子(長寿遺伝子) の活性化が老化を遅らせる鍵であると述べる。具体的には、カロリー制限や断食、運動、レスベラトロールやNMN(ニコチンアミド・モノヌクレオチド)の摂取 などが有効とされる。さらに、細胞の修復機構であるオートファジー や、遺伝子のエピジェネティックな変化に着目し、老化を「治療」する可能性について詳述す