梶山あゆみのレビュー一覧
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本著はアメリカ現代史を権力に対して批判的な観点で描いたもの。詰まり歴史を教科書的には触れられていない側面から考察しているところに面白さがある。
特にアメリカという国は自由を標榜する啓蒙主義的な側面と産業資本・金融資本を背景とした実利主義的な側面の両面があり、それを意識しないと国家の在り方を正しく理解できないのだと思う。
本編は主に第一次世界大戦から第二次世界大戦までをテーマにし、特に最後は広島、長崎への原爆投下の深層について明らかにしていく。
原爆投下不要論は既論評として認識していたが、過去の歴史を遡ってみるとその納得感も高まる。
日本人は自国のこととして様々な観点を理解しておく必要があるのだろう。
アメリカが『世界の警察』になったのは然程昔のことではない。次編以降を読むことでその辺りの理解も深まるのではないか。
2016年大統領選に向けて、アメリカの世界への関わり方が大いに議論されているところでもあり、この歴史的な変遷はよく理解しておきたいところ。 -
Posted by ブクログ
「誰が儲かったのか?」「誰が得したのか?」
というのが物差しになっています。
イデオロギー、正義、悪、ではありません。
こういう近現代史の本、読みたかったですね。
読み物としても、とっても英語的なちょっとした皮肉を交えながら、実に滑らかによどみなく進みますし、ドラマチックに描かれていて、飽きさせません。
そして、アメリカの近現代史というのが、当然ながら全て日本に跳ね返ってきます。
読みながら、日本の近現代史なんて、アメリカや欧州帝国主義の歴史を把握しないと、事実や年号だけ記憶しても何の意味もないんだなあ、と思わされました。
思った以上に、娯楽的にも実に面白い本でした。続きも読もうと思います。
2013年に日本語訳で出た本のようですね。
映画監督のオリバー・ストーンさんと、履歴は知りませんがアメリカの大学教授さん、つまり専門的な歴史学者さんなんだと思いますが、ピーター・カズニックさんという人との共著。
当然ながら、少しでも売れるように、読まれるように、という意図からこういうタイトルになっているのだと思われます。
簡単な話は、「アメリカの近現代史」なんです。
とは言ってもアメリカは、日本と比べれば建国以来歴史が若いので、そのほとんどが近現代史なんですけど(笑)。
そしてそれも、
「学校や政府では教えないけれど、実はこういう裏事情があったのよ」
というお話に特化して書いています。
ただそれも、推測的な陰謀論に基づくものではなくて、基本的にちゃんと歴史的な資料があって書かれています。
(まあ、この辺は情報公開法含めて、アメリカはある部分とてもオープンなんだろうなあ、と思います)
思想的には、前述したように特定の視点から固まって書かれているものはないです。と、僕は思います。
ただ、「アメリカ政府、アメリカ人はいつでも正しい」という心情の人から見れば、あまりに懐疑的で左翼的すぎるのかもしれませんが(笑)。
(最近は笑っていられないのが、「〇〇政府、〇〇人はいつでも正しい」「〇〇政府、〇〇人は悪者だ」というような唖然とするしかない根拠のないコトバを、大真面目でのたまう人が、どうやら僕が住んでる国でも増えてきているらしいことですね。うかうかするとすぐに「非国民」という言葉が復活しそうで。怖い怖い…)
オリバー・ストーンさんという映画監督さんは、割と実は「いつも重くて辛そうな映画ばかりだから、あまり観ていない」監督さんなんです。恥ずかしながら。
ただ、「JFK」と言う映画は、たまたま見てしまって、うんざりするほど長かったのに、見たら、息を呑むほど面白かったんですね。
ことほど左様に、エンターテイメントでもありますが、骨太なタッチの作家さんでもあるんだなあ、と。その個性はこの本にも発揮されています。
同名のドキュメンタリーが先行したそうで、それも観てみたいなあ、と思いました。
################以下、個人的な備忘録###############
●第1次世界大戦、第2次世界大戦は、民主主義の解放とか帝国主義打倒とかと言われることもあるけれど、真っ赤なウソである。
結局は植民地主義帝国同士の奪い合いに過ぎないし、アメリカもその例外ではない。
ということであるとか、
●ウォール街と投資家たちの私利私欲の果てに導かれた「怒れる葡萄」的な不況。
●それを社会主義的傾向で歯止めしたセオドア・ルーズベルトの施策と、それに対する資本家たちの反発。
●反発の結果、資本家たちが立てた「言いなり政治家」ハリー・トルーマン。
●19世紀以降、アメリカで、どれだけの社会主義、共産主義運動があったか。つまり言い換えれば、資本家がどれだけ酷いことをしてきたか。そして、どれだけ無茶苦茶な逮捕弾圧が、加えられてきたか。
●20世紀以降、アメリカがどれだけ南米中米で無茶苦茶な介入をして、都合のいい政府を作り、その政府の暴虐や虐殺を事実上支援してきたか。そしてそれでどれだけ、アメリカ大企業がぼろもうけしたか。
●二つの大戦で、どれだけ武器製造業がぼろもうけしたか。
●つまりアメリカ政府=ウォール街、銀行家、巨大企業は、とにかく商品を買ってくれないと困るわけである。
商品を買う相手を作る為に、海外に進出する。
だから、いちばん困るのは社会主義国家だったりする。この単純な行動動機は、産業革命と帝国主義の勃興から、基本的に変わらない。
21世紀の今も変わらない。
正義の戦いなんて、存在しない。
●資本家が儲けるための戦争で、なぜ労働者のうちの息子が死ななければならない?という声が、どれだけアメリカでもあがっていたか。
どれだけそれが報道されないか。あるいは、歴史としての語られないか。
●第2次大戦で日系在米人が受けた、迫害、収容、そしてなにより財産と事業の没収。巨額の金が簒奪された。
などなどが豊富な例証と事例で語られます。 -
Posted by ブクログ
第一次大戦から第二次大戦原爆投下までの歴史。アメリカのリベラルな立場から語られている。内容はかなり重く、考えさせられる。アメリカは第一次世界大戦の時には化学兵器であるマスタードガスを大量に製造していたが使うチャンスがなかった。しかし、原爆はそれを開発し使用した。マスタードガスの話は知らなかったが、原爆の話はその使用に大いに議論のあるところだ。そもそも、第一次世界大戦の前からアメリカの銀行家のためにアメリカ軍が彼らの利益を守るために利用されていたこと、そして、彼らが死の商人として大いに利益を上げていたことが語られる。また、第二次世界大戦ではアメリカではドイツ、イギリス人とは違い人種差別により日本人は駆除されるべきゴキブリ程度にしか思われていなかったこと、日本の降伏は時間の問題だったにも関わらず、原爆は投下されたこと、トルーマンがなぜ副大統領になったのかなど様々な内容が語られる。無差別戦略爆撃や原爆の使用がナチスドイツとそれほど変わらないと考えるアメリカ人がいることに救いを感じる。それでもやはり勝てば官軍で結局は彼らの都合のいいように歴史は語られてきたように思える。
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購入済み
教科書にない...
月並みな言い方ですが、まさに教科書にないアメリカ史。
建国以来の政治的中心(すなわち大統領)がどういう思想傾向を持っていたかがよくわかります。
1巻は2つの大戦を中心に描いているので、ウィルソン、フーバー、ルーズベルト、トールマンといった人たちの描写が自分には新鮮でした。
ただ相当リベラルよりの内容なので、当の米国では本書はどんな評価なのか気になります。
TVシリーズも見たほうが理解という点では補助になりそうですね。 -
Posted by ブクログ
記憶=散らかった机
注意:優先順位をつけること 環境にあるいろいろなものに捕まえられやすい
意図:注意を導き具体的な物事に固定
前頭前野 正しい情報に注意を向ける
マルチタスクで記憶力が損なわれる コロナウイルス後遺症 睡眠不足
体にいいこと=脳にいいこと 睡眠 運動 食生活 意味あるつながり
エピソード記憶:年齢により衰える (と 意味記憶:衰えない)
海馬 いつどこで起きたかの文脈で記憶を整理 アルツハイマー病で破壊
〇音楽 感情 ×同じ行為を何度も行う
イベント境界 多いと突発的物忘れ 少ないと時間感覚のゆがみ
10~30歳の記憶 人格形成 理想に近い感覚 ノスタルジアの正と負
チャンキング 記憶しやすい3~4桁の情報に区分けして記憶
スキーマ 情報を整理した骨組み 知識の再利用
共感覚 感覚器官の情報が本来とは異なる感覚を生じさせる 別の世界を構築
虚偽記憶 記憶は写真ではなく絵画 想像による再構築
リアリティモニタリング 本当にあった出来事と 想像した出来事の区別
生存回路
感情の喚起 神経装飾物質:ノルアデレナリン
記憶されやすさ 文脈(何を):海馬 再体験(どう):扁桃体
ストレス 直前直後の記憶 コルチゾールが促進 PTSD 鬱病 遁走
ドーパミンと報酬学習 依存性
神経可塑性
デジャヴ 嗅周野の役割 単純接触効果=既知感に魅力 無意識の剽窃=脳の誤解
記憶の目的
未来を予測 予測誤差の解消意欲
視線
記憶が視線を向かわせる 目新しいものに時間をかける
パブロフの定位反応=反射
詮索する性質=好奇心;不快なもの 未知の解明 探検と利用 報酬と知識の追求
心的時間旅行
誤情報に影響を受けやすい 記憶の更新(繰り返しでノイズによる汚染)
エラー駆動型学習
記憶の更新=正しい神経接続に直す 高効率な学習
睡眠効化 徐波睡眠で海馬がエピソード記憶活性化~レム睡眠で新皮質が連想
他者とのやり取りでの記憶 自己感 自分の言葉で記憶 物語り
自分に都合の良い記憶=同質性の弊害 →異なる視点の恩恵を受けることで改善
子供:情報収集 大人:目的の追求 老年:学んだことの共有 -
Posted by ブクログ
息子へ
君は何歳まで生きたいか?
医学の進歩によって、平均寿命が伸びている。加速的に伸びている。来年になれば1週間伸びる。2年後は1ヶ月かも。さらにもっと医学が進むと、1年経つと平均寿命が1年以上伸びる。
つまり、人類は死ななくなる。
ハーバードの著名な研究者が、まじめにこんなことを言っている。
筆者いわく、老化は病気である。病気は治すことができる。だから、医学により老化は克服できる。まさに不老不死。
老化以外にも人類は克服しないといけないことが多い。環境問題。さらには別の惑星への移住。
なんとも壮大だが、どれだけ生きても100才くらいかな。と漠然と生きていられないことに気付かされる本だ。
是非、読んで欲しい。
父は、君が100才になるまで生きようと思う。 -
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「ムダ」と言うと頭に浮かぶのは「資源」「食品」「廃棄ゴミ」などだが、現代は「お金」「時間」も含めて「ムダだらけ」だという。 それは「ムダ」が増えれば増えるほど多くの人間や企業の収益が増える仕組みとなっているからだ、と言う。それは効率の悪さと誤った情報が一緒になってその世界を作り出していることが多く、「ムダ」とは全て差引した最終的な利益がコストを上回らない事であり、社会はマイナスを生み続けているが、避けることは出来るという。そのマイナスと改善の一例が下記のような場合だ。今後、何を犠牲にし、何を優先するか比較検討すべきだと、括っている。
・人口80億人の年間20億トンのゴミ、地中に埋めたゴミからのメタンガスの再利用
・海洋に毎秒250kg(毎年4億トン)のプラスティック、海水、服飾、電子ごみなどをリサイクル
・リサイクルの為の電力量の処理費用が莫大となるが、材料の鉱物使用量の減少につながる
気になった事項は:
・食品のムダ年間6千万トン、一人当たり170kg(1日平均2kgの一般廃棄物)
・発電力のムダ年間500エクサジュール(1エクサジュールは石油1億7千万トン)
・世界のエネルギー発電に年間8兆ドルを支払っている (GDPの1割)
・発電力量25兆kwhを8兆ドルで賄い=一人当たり1日$3の費用を25倍にし消費している -
Posted by ブクログ
150年生きられるとしたらどうだろうか?
今の老人を見て、ベッドでチューブに繋がれて何もできずに行き続けるのは避けたいが、心身共に充実した若いままで生きられるとしたら?(80を超えて世界を飛び回る著者の父のように)
老化が遺伝子が壊れる自然現象ではなく、遺伝子の使い方ができなくなっていく「病気」と捉えたときに、それを「治療」する方法に多額の投資が進められている。行政支出はガンなどの病気に留まっているが、老化を抑制できたとしたらその効果は大きい。
単語や医学的な意味を理解できなくても、(5年以上前の著書ではあるが)最先端を知る一冊。最後の用語集が分かり易い。 -
Posted by ブクログ
ネタバレあなたがブラックホールについて知っていることはほぼすべて間違っている
ブラックホール=光さえ吸い込んでしまう大きな質量を持った穴というくらいの認識しかしていませんでしたが、本書ではブラックホールに関してのトピックスを紐解いていくことで、物理学や量子力学、相対性理論などを分かりやすく解説してくれます。また、宇宙科学に関しての歴史やエピソードなども盛り込まれており、たいへんお得な?一冊となっています。
一流のサイエンスライターのように、話の流れや比喩が的確で、すらすらと読める割りに、結構難しいことも書かれています。
宇宙の観測が可視光からX線、赤外線そして重力波とどんどん進化してきたことにより、宇宙の成り立ちから未来までをも推測できるようになりつつあることが解る一方で、知ることによって更に新しい謎が出て来て、人が知っていることや知りえることはあまりにも限定されているということも思い知らされます。
ブラックホールは何でも吸い込む宇宙の穴ではなく、大きな質量を持った大きな山という比喩もさることながら、ブラックホールにも大きさに限界があることや何でも吸い込んでしまうわけでもないこと、気づかないけれどマイクロブラックホールは近くにもあるかもしれないことなどを教えてもらいました。
まだまだ、ダークマターやらダークエネルギーやら解明しなければならないものも多い宇宙科学ですが、科学者の皆さんの(今後はAIも)知恵を集めて、謎が解明されることを願っています。
竹蔵 -
Posted by ブクログ
ネタバレご近所さんに勧めていただきました。。
その方は本書を何度も繰り返し読んでいるそうで、お話ししたときも「248頁のお父さんのエピソードはすごいよ」など、ちょっとした立ち話で頁数まで言えちゃうほど読み込んでいることに驚き、俄然興味が湧きました(笑)
本書はアンチエイジングに関する最前線の研究について語られた本です。(といっても本書は2020年に発売されたものです。)
まず大前提として、老化は病気なので予防と治療をすべきと主張されています。
その延長線上に老化を遅らせるための具体的な方法が、科学的根拠に基づいて詳細に紹介されています。山中教授のips細胞のこととか、サーチュイン遺伝子のこととかなんでも全部書いてあるかんじです。。この辺りは専門的過ぎて私にはかなり難しかったです。
でも、そのお陰で単なる健康法ではないと思わされました。
現在継続中の研究を含めて、この分野の研究はここまで進んでいるとは思っていなかったので、かなり衝撃的でした。
すべて鵜吞みにすれば、私達は120歳くらいは軽く生きられそうです。
本書では長寿社会になった場合の弊害などのシュミレーションも行われており、とにかくリアルでした。
あ、リアルといえば、本書はコロナ前に発売された本なのですが、パンデミックについては繰り返し語られており、ちょっと預言書のようでした。
最後に、今現在簡単にできる長寿の秘訣、書いときます。
・食事量を減らす、空腹時間を増やす
・タンパク質は動物性より植物性から摂る
・運動する
・寒さに身をさらす
・サプリの活用(NMN・レスベラトロール・メトホルミン)
あ、本書は2020年出版の本でしたから、2025年時点はどうなってるの?と著者の最新本を探しましたが見当たりませんでした・・・残念