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Posted by ブクログ
脳には、可塑性と言って、一生にわたって変化し続けるような性質があることは、知ってはいたけれど、この本を読むまで、そこまでダイナミックなものなのだとは思っていなかった。
本書に出てくる事例として、例えば、脳が半分だけになったとしても、人間の脳は、半分の領域の中で必要な回路を作り、日常生活にやや不便はあるものの、問題なく生活できるようになった人や、耳の聞こえない人のために、音に反応して皮膚を刺激するベストによって、やがて、脳は、皮膚の刺激によって「聞く」ことができるように変わっていく事例などが上げられている。
人間の脳は、あらかじめ、生まれながらに機能や回路が決まっているのではなく、
必要最低限の機能のみインプットされた状態で生まれ、自分の行動や周りからの影響によって、常に回路を書き換え、変化していく(筆者の言葉では「ライブワイヤードな」)ものである。
本書は、読みながら、とてもワクワクとさせてくれる、脳とテクノロジーの可能性の素晴らしさを見せてくれる本だった。
Posted by ブクログ
脳の常識がひっくり返った!
脳っていうと、左脳が論理や言語、右脳が直感をつかさどり、大脳皮質には言語野や視覚野など部位によって機能分担されている…ここまでは概ね合っているが、だとすると、それぞれの部位は、眼、耳、肌などそれぞれの器官と繫がって、それぞれの信号を処理する構造ができている…と思ってしまう。
これが何と大間違いで、どんな信号をどこでどう処理するかはハードコートされていない、成長した後でも変化することができるのだ。例えば、後天的に視力を失った人が、光学センサを肌につけて、触覚信号として脳に送ることで、視覚として認識できるようになることが既に実用化されている。触覚なので、視覚野では処理しないし、目からの化学反応とは別種別パターンの信号にも関わらず、である。
本書では、それをライブワイヤードと名付け、地球の誕生から長年を経て最適な構造に進化するために必然的なアーキテクチャだとする。
ライブワイヤードを仮定すると、上記の感覚代行(視覚以外が視覚の役割を担う)からさらに進み、遠隔の物質を体のように操作する身体拡張や、赤外線や地磁気を五感のように感知する感覚追加など、SFでしかなかったものが意外と近く実現できそうである。
また、ハードウェアについても、バイオミミクリーはこれまでも成果が上がっているが、可塑性を取り入れると進化のスピード、適応力、資源効率性が大きく向上する。クルマ、建物、宇宙探索マシンをライブワイヤードにすると、未来は我々の想像を超えてゆく。
このように、未来への期待が広がり、医療を進化させ、設計思想にも役立つ。新しい何かを作る人、多くに読んでほしい。
Posted by ブクログ
脳は暗い頭蓋骨の中で、感覚器から届く情報だけを頼りにしている。視覚、嗅覚、触覚いずれの感覚も脳にとっては情報でしかない。その情報がどういう意味を持っているのかを探って理解するのが脳の役目。情報を読み解いて、最適な状態になるように脳の配線を常に変えているという。
例えば、目隠しをして60分程度過ごすだけで、耳の感覚が増すらしい。脳は眼からの情報が入ってこなくなったことで、眼に使われていたリソースを別の感覚に割り振った。たった1時間でこの現象が起きていることに驚かされる。
この他にもたくさんの脳の驚異と可能性について書かれていて、すべての経験は脳に影響していると理解し、いかに脳を育てていくか日々考えて過ごそうと思った。
Posted by ブクログ
脳は汎用機。どんなセンサー・入力メディアからの情報も的確に処理し、出力できるという「ポテトヘッド」理論が面白かった。視覚も聴覚も、網膜や内耳で外部情報を受けた後、体内をめぐる電気信号は、脳にとって同じ。視覚がなくても、触覚、聴覚で映像をイメージできる。いままでコウモリとか深海魚とか、目が見えないのに、どうやって?って思っていたけど、少し理解できた気がしました。
それと、犬など色覚もイメージできるようになるというのも驚きました。
脳でロボットアームスを遠隔操作できるとか。。「攻殻機動隊2045」で描かれているのと同じ世界。。やはり、カラダ(入力・出力)は消えて、脳(意識)が生き残るのでしょうか。。このあたりは、先日読んだ長沼伸一郎先生の「世界史の構造的理解」に、カプセルに入ってストレスなく暮らす未来像が描かれていましたが、そこに近いのかも。
また、これも最近読んだ才能の科学に出てきたチェスのボルガー姉妹、テニスのヴィーナス姉妹の話も出てきてました。
Posted by ブクログ
すこぶるおもしろい!そして、有益と言えるだろう。
脳の持つ「可能性」についての新しい知見をいくつも紹介されている。AIは人間の脳を模倣するところから開発がなされるが「脳の構造」「脳の働き」「脳に対する捉え方」などがかつて無い新し研究が出てきている。シンギュラリティの実現はある意味遠のくという状況かもしれない。
本書の中で「感覚追加」という概念が紹介されていた。人間の脳の「潜在的能力」である。今まで考えられていなかった能力が脳には存在するとの説。5感までは理解されおり研究も進んできた。第6感という概念も馴染みだが、感覚追加という夢の話が現実のものとなるという紹介。
それに関連して身体の一部を失った人がその部分を司る脳の部分を別の機能に譲ることで新しい能力を得ることが紹介されている。視力を失った人が視覚野を聴力に渡すことで目の見える人が得ることのできない聴力を活用する能力を得るという紹介など...
(この著者の本は次が出たら是非とも読んでみたい)
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