【感想・ネタバレ】IT’S ELEMENTAL さぁ、化学に目覚めよう 世界の見え方が変わる特別講義のレビュー

あらすじ

「本書から読者は、化学がいかに重要で、いかにクールなものであるかを理解できるだろう」パブリッシャーズ・ウィークリー誌
「ほとんどの科学解説書に欠けているウィットに富んだ内容で、本書は知識を求める人々にとって歓迎すべき一冊となるはずだ」ブックリスト

たとえば朝、目覚めのコーヒーを飲むときにカフェインが体内でどのように眠気を覚ます?
コーヒーを美味しく入れるために湯を沸騰させてはいけない理由とは?
シャワーを浴びるときに使うシャンプーの成分の機能を知ってる?
じゃあ、日焼け止めを塗ることで紫外線を防げる理由とは?
テキサス大学教授として文系の学生に向けた授業を担当し、自他ともに認める化学オタクの著者が、高校から大学の教養レベルで学ぶ化学の基本原理と、日常にあふれる化学反応をわかりやすく、ユーモアたっぷりに紹介する。
掃除をしたり、運動をしたり、バーでカクテルを飲み、愛する人とベッドに入るまで、実は化学が身近で親しみやすい存在であることを感じられる一冊。
元素周期表の見方についても詳しい解説があり、化学を学ぶ学生にも、学び直しをしたい大人にもおすすめである。


■内容
第1部 ひと味違う化学の授業
第1章 小さいけれど大切なもの――原子
第2章 形がすべて――空間の中の原子
第3章 姿を変える――固体、液体、気体
第4章 絆はいつか壊れるもの――化学反応

第2部 化学はここにも、そこにも、どこにでも
第5章 目覚めたあとのお楽しみ――朝食
第6章 燃焼を感じる――運動
第7章 美しい自分になる――出かける準備
第8章 われに太陽を――ビーチで
第9章 パイはウソをつかない――キッチンで
第10章 口笛吹いて働こう――家の掃除
第11章 ハッピーアワーは最高の時間――バーで
第12章 日暮れてまったり――ベッドルームで


■著者について
著者:ケイト・ビバードーフ Kate Biberdorf
テキサス大学の化学教授であり、無機化学で博士号を取得。
Catalysis, Science, and Technology誌に研究論文を発表。
大学では文系の学生に向けた化学の講義も担当し、子ども向けのサイエンス本も多数執筆。
さらに「Today Show」や「The Late Shown」などテレビで複数の化学番組をもち、わかりやすく、すこぶる楽しい化学の授業に定評がある。
「Kate the Chemist」の愛称で親しまれる人気の化学者。

訳者:梶山あゆみ(かじやま・あゆみ)
翻訳者。東京都立大学人文学部英文科卒業。
主な訳書に、カール・へラップ『アルツハイマー病研究、失敗の構造』(みすず書房)、デイヴィッド・イーグルマン『脳の地図を書き換える――神経科学の冒険』(早川書房)、デビッド・A・シンクレアほか『LIFESPAN――老いなき世界』(東洋経済新報社)、コーディー・キャシディーほか『とんでもない死に方の科学――もし〇〇したら、あなたはこう死ぬ』(河出書房新社)などがある。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

苦手であった化学を身近に感じられた。
何かと何かを混ぜたらこうなります、みたいな表面上の話が気に食わなくて化学が好きではなかったのだが、ちゃんと物理的な裏付け…所詮は電子の移動であったり、分子間力など…があるのが分かり、何となく理解できた気がする。
日常の生活を例にさまざまな話が出てくるので、とても読みやすくラフな文章と合間って気軽に楽しく読めた。

0
2025年09月27日

Posted by ブクログ

リケジョのモデルとして何て理想的な存在だろう。女子枠優遇をしながらまだまだ数少ない東工大などは、彼女のようなスターを作る所から始めてみてはどうか。こんなエキサイティングでセクシーな授業を受けたら、化学者志望がグッと上がるに違いない。とても面白かった。

クッパみたいに火を噴く表紙。そこから始まっている。原子の二重結合を男女が両手を繋ぎ合う例えで説明しておいて、では三重結合は…と。もう授業を受けながらタジタジである。

他にも価電子とは原子のいちばん外側の「上着」だとか、陽子と中性子、軌道や距離感、構造についても分かりやすく例えながら説明してくれるが、これはもう天性とも言えるし、意識的に化学を楽しく伝えようという努力の賜物とも言える。

で、前半は徹底的に分かりやすく元素周期表を見ながらお勉強した後、教室を飛び出していく。日常の化学をフィールドワークだ。朝食、運動、掃除に洗濯。ビーチやキッチン、バーから、ベッドの中まで。

400ページ以上あるので重たい本だが、スラスラ読める。世の中には、分かりやすく伝えようと努力する本と、分かる人だけついて来い的な本と大きく二種類あり、これは授業でもそうだなと思うが、分かるか分からないかは、能力というより学問の順序や教え方の手順の問題である事も多い。本書は間違いなく、良い本だと思う。

0
2025年02月24日

Posted by ブクログ

冒頭難しい話がでてきたからどうしようかと思ったが、全体的には一日の普通の生活の中で化学がどのように絡んでるのかを分かりやすく説明する感じ。

◯面白かったところ
・今日肌寒くてランニング行くのめんどくさいのは、自分の意志が弱いのではなく、アナンダミドとカンナビノイド受容体の結合が弱いから。大麻の依存性が低いのも同じ理由。

・牛肉と鶏肉はどれくらいの温度で焼けば安全に食べられるのか。

山と渓谷社。こんな本も出してるんや。

0
2025年03月09日

Posted by ブクログ

化学オタクを自称する女性サイエンティストにより、一般向けの化学読み物。我々の生活にはありとあらゆる場面に化学がはたらいていることを、オタク特有のテンションで熱く語ってくれる一冊。
耳慣れない分子名などが沢山出てきて迷子になりそうになるが、日常の分かりやすい例え話で道案内してくれる。
これを読むと、掃除や料理のコツなんかも身につく。

0
2025年01月02日

Posted by ブクログ

テキサス大学の名物化学教師だそうで、難しい化学現象を擬人化するなどうまい例えで分かりやすい授業をし、ダイナミックな実験などでアメリカではメディアにも露出している有名人なのだそう。読んでいて「ビッグバンセオリー」のエイミーが喋っているのを聞いてるかのような感覚だった。
身近に溢れる現象について化学を使ってミクロレベルで解説するのが本書だが、松原隆彦先生のような物理学者が解説する本の方が分かりやすさ、面白さ、まとまりの良さでは上だと感じてしまった。周期表の素晴らしさも良く理解できるのだが、自分の頭では翌日には忘れてしまっているのが非常に残念…原子核内の陽子の数が原子番号だと、何回聞いても覚えられない

0
2025年11月21日

Posted by ブクログ

原子同士の結合(電子を共有する共有結合と、どちらかの原子が電子を奪うイオン結合)や、分子同士が分子間力で結びつく原理がわかりやすく語られていた。
化学反応の本質が、分解と生成で、分解に必要なエネルギーと生成で放出されるエネルギーのどちらが大きいかで、エネルギーを吸収する吸熱反応か、エネルギーを放出する発熱反応かが決まるというのは勉強になった。

0
2024年08月18日

Posted by ブクログ

目覚められず。

4章までで断念
分子の構造とか動きは高校理科の授業よりはイメージしやすかったかな。
5章から生活の中での化学というテーマだったけど長すぎて飽きてしまった。
やっぱりゴリゴリ文系の私からしたらとっつきにくさは拭えなかったな〜残念。
それでもこういう研究をしてくれる人がいてマクロの理解が進むたび文明も医療も発達するので有り難いなあと思う。

0
2024年04月10日

「学術・語学」ランキング