乾くるみのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
マンションやアパートの出来事を綴った6話の短編不動産ミステリー。
各話の問題を終わりに差し掛かって現れ解決へと導く「不動尊子」、
自己紹介がどこかで聞いたような節のある言い回しで、そこがよっ!!
待ってましたってな感じにもなったりならなかったり(笑)。
不動産ミステリーと聞いて、読書好きだと雨穴の「変な家」
という作品を思い浮かべる人もいるでしょう。
小野不由美さんの、怪奇ミステリー「残穢」や「営繕かるかや怪異譚」
なんてのも、家や土地と言ったある意味、不動産ミステリーの端の方に
属してるかもしれません。
そういった、摩訶不思議でおぞましいのをかなり薄めて、
ライトミステリーと言う形でで書か -
Posted by ブクログ
えてして人生こんなもの。小さな「神様の罠」はそこいら中に隠れている。
今日買った品物が、翌日にお買い得品になっていたりしたら、つい「やられた!」とつぶやいてしまう。
この作品集では、もっと致命的な出来事であるわけだが・・・罠なんか仕掛けていません。自業自得でしょう、と神様はおっしゃるかもしれない。
作者の罠だったりもする。
初出が2020年〜2021年なので、コロナ禍にまつわるものもあり、本当にこういう事があったかもしれないね、と遠い目になってしまった。
『夫の余命』乾くるみ
タイトルからして罠だった
『崖の下』米澤穂信
凶器はつららだと思っていましたが、エグかったです
『投了図』芦沢 -
Posted by ブクログ
恋愛ミステリ第二弾。
前作、イニシエーション・ラブが青春時代のほろ苦い恋愛物語を下地にしているとしたら、今作は二人の魅力的な女性の間で揺れる男性の心を下地にしている。
個人的には前作のほうが好み。とはいえ、今作もミステリとしてよく出来ているため、ミステリ好きにとっては面白い作品となっている。
ただ、主人公に関しては、あまり好みじゃなかった。なんか、読んでいてイライラしてしまった。
こういう自分を正当化しようとするような主人公だからこそ成り立つストーリーだとは分かっているが、どうも受け入れられなかった。
ミステリだからこそ楽しく読めたが、もしこれが恋愛小説だったら、早々に投げていたかもしれない。 -
Posted by ブクログ
「乾くるみ」の連作ミステリ短篇作品『蒼林堂古書店へようこそ』を読みました。
『カラット探偵事務所の事件簿2』、『塔の断章』、『スリープ』、『セカンド・ラブ』、『六つの手掛り』に続き「乾くるみ」作品です。
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書評家の「林雅賀」が店長の蒼林堂古書店は、ミステリファンのパラダイス。
バツイチの「大村龍雄」、高校生の「柴田五葉」、小学校教師の「茅原しのぶ」―いつもの面々が日曜になるとこの店にやってきて、ささやかな謎解きを楽しんでいく。
かたわらには珈琲と猫、至福の十四か月が過ぎたとき…。
「乾くるみ」がかつてなく優しい筆致で描くピュアハート・ミステリ。