乾くるみのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
正統から異端まで幅広く取り入れる自在な作風で常に意外性と逆転のどんでん返しを味わわせてくれる職人推理作家の乾くるみさんが数字の7にとことん拘って書いた七編の傑作ミステリ短編集。著者の作品はどれもハズレがなくミステリ・パズルを愛するファンには堪らない魅力で絶大なる信頼が置けるでしょう。唯例えば「木曜の女」はブラウン神父で有名なチェスタトン作「木曜の男」のパロディなのですがそういうマニアックさや、本書の各編や名作「イ二シエーション・ラブ」で感じる残酷さが読者を選ぶかもと懸念しますが但し全て最悪ではないですよ。
『ラッキーセブン』話の面白さは別にして全員が戦わずに餓死する道を選んで欲しかったとも思いますね。『小諸-新鶴343キロの殺意』西村京太郎みたいな題名。こじつけの言葉遊びが楽しかった。『TLP49』7分の場面がバラバラに訪れ推理しながらの結末は?現実にはあり得ねーけど最高に良かった!『一男去って・・・』諺の洒落はいいけど殺人母さん野放しは駄目!『殺人テレパス七対子』麻雀を知らなくても楽しめます。『木曜の女』陽性の下ネタ噺。『ユニーク・ゲーム』単純に偶数と奇数にすれば良いのに人は考え過ぎて墓穴を掘るのですね。 -
Posted by ブクログ
短編のミステリと、ミステリの過去の名作を紹介する
「入門書」のコーナーが交互に出てくる不思議な本。
小説の方の(たぶん)主役の古書店店主が、
書評も担当している、という体で書かれている。
蒼林堂という「ミステリ専門の古書店」を舞台に、
週末になると集まる常連客と店主のやり取りを描く
「一幕物」が小説部分の基本。
その中で毎回のように「日常の謎」が取り上げられ、
店主のロッキングチェアディテクティブぶりが冴える、
というのが基本のパターンなのですが...
正直、この小説部分が、最初の内はなんだかなぁ...
という印象だった(^ ^; 謎が簡単だし、
謎解きもハンパな印象だし...
でも、グダグダした(失礼!)常連たちの会話が、
重ねて読んでいくうちに気持ちよくなってくる(^ ^
しかも、尻上がりに「もやもや感」が増していき、
最終章で全編通しての隠しストーリーが浮かび上がる。
そこで初めて、こんなに複雑な伏線を張っていたのか、
ということに驚かされる(^ ^;
いや...よくまぁここまで複雑な話を思い付くな...(^ ^;
読み始めは★三つくらいの印象だったのに、
最終章で★七つくらいに跳ね上がった感じ(^ ^;
最後の最後の書評のお遊びも粋だわね(^ ^
ミステリ読みの「入門書」としても良いのかも(^ ^
「読んでみたい」と思った作品がたくさんあった(^ ^ -
Posted by ブクログ
ネタバレ今回もありました。しかも今回はSFならではの究極の方法で。
コールドスリープではないけど、『目が覚めたら突然知らない場所で点滴を受けていた。』のような記憶がある人は多いのではないでしょうか?自分も交通事故でその経験をしました。そのときの混乱は結構なもので、手術室に寝かされ血まみれになったTシャツを裁断している一瞬しか覚えていませんでした、、目が覚ますのが、もし30年後だったらと考えるとちょっとぞっとします。
本題の「スリープ」の主人公、亜里沙はコールスリープされているので、その間の成長はストップしているので30年後にタイムスリップした形となる。そこででてくるのがなぜコールドスリープされてしまったのか?その30年間になぜ社会的に抹殺されてしまったのか?いろいろな疑問が発生しては原因が明かされていく。
そんな中で、もう一人の亜里沙がヒッピー村で生活していた。コールドスリープされていた亜里沙はカタカナ表記のアリサになっている。もしやこれは!!しかし記憶は両方とも亜里沙の物。混乱のまま最終章へ。そこですべてが明らかに。
近未来世界もよく描けていて、技術的観点から読んでも抜群に面白いです。
コールドスリープ 第1号が誰なのかわわからなかったのが心残りですが・・・ -
Posted by ブクログ
「何でもあり」のエンターテインメントという印象から、個人的には大好きなメフィスト賞の受賞作にして、著者の乾くるみさんのデビュー作です。
全寮制の名門女子高「純和女学院」、新入生の坂本優子がこの学校の門を潜ったところから物語は始まります。
夢と希望に溢れたかに見えた学生生活は、類い稀なカリスマ性を持つ三年生の生徒会長・朝倉麻里亜の不可解な死という事件を機に暗雲が漂いはじめ、学院の先生や生徒、事件を調べる女探偵「黒猫」なども絡みながら、予想もつかない展開を見せ…
メフィスト賞の中でも、これはかなり荒唐無稽かつ驚天動地の展開が楽しめる作品かと思います。
様々なジャンルの要素もミックスされてます。
ミステリー、青春、SF、伝奇、ホラー、ダークファンタジー、それと舞台が舞台だけにGL的な要素も含んでいるなど盛りだくさん。
他のサイトのレビューを見る限り、まさに賛否両論というか、ほぼ否一色に近いのですが、僕としてはこの展開と結末には「やられた、面白い!」と諸手をあげて降参でした。
(探偵の「黒猫」に関しては、やや期待ハズレの部分もありましたが)
トンデモ本の怖いもの読みたさでも結構です。ぜひご一読を。 -
ネタバレ
面白かった・・・。
なぜ主人公の勤め先が変わったのか?
後半、主人公の人格が凶暴化していたこと。
彼女が妊娠したこと。
あげればきりがないけども
ラストで全ての霧が晴れ視界が視界が一気にはれた感じ。
カセットテープになぞられたA面B面、2回目はB面から読んでみるのもいいかなって思います。