乾くるみのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
物語はかなり凡庸で、恋愛小説として読んでいるぶんには特に引っかかりもないし、少し退屈。
だからこそ警戒せずに読み進めてしまうし、その読み方自体が利用されている。
読み終えてから振り返ると、こちらに与えられていた情報は明らかに偏っている。仕掛けとしては巧妙だが、フェアかと言われると首を横に振りたくなる。
「見抜けなかった自分が悪い」とは思わないし、そう思わせる作りでもない。
それでも腹は立たない。
騙しの手際が良く、無駄がなく、作者の狙いがはっきりしているからだと思う。
残るのは、納得と苦笑。
小説というより、よくできたマジックを見せられたような一冊だった。 -
Posted by ブクログ
物件の気持ちが分かるという、謎の女性《不動尊子(ふどうたかこ)》が様々な物件の謎を家主に教える短編集。
思っていたようなミステリではなく、ほんわかした日常系ミステリでしたね(^_^;)
著者の乾くるみさんと言えば、『イニシエーション・ラブ』や『リピート』が有名作であり、ちゃぶ台返し並みのどんでん返しが印象的であったが故、本作もハードルあげて身構えていましたが、どの短編も最後はほっこりする感じで、不動産のことに少し勉強できた良作でした。
登場する不動尊子は、あまり存在感を押し出すタイプではなく、謎に悩む家主の前にひょっこり現れて、ちょっとだけ解決して涙を流すと、やはり謎の女性で終わる展開。 -
Posted by ブクログ
イニシエーション・ラブが鮮烈だった乾くるみによる、
あのタイムリープの元祖ケン・グリムウッドの『リプレイ』と
アガサ・クリスティの『そして誰もいなくなった』に挑んだ作品との触れ込み。
ある日、大学生の毛利圭介の元に謎の電話がかかって来る。
電話の主は今から一時間後に地震が起こる旨を伝え、
実際に地震が起きたらまた電話するとだけ告げ電話を切る。
そして一時間後、本当に地震が起こる。
電話の主はこう告げる、もし現在の記憶を持ったまま
十ヶ月前の自分に戻れるとしたら?
リピートと呼ばれる夢のような体験に誘われ
集められた九人の男女とその首謀者と思われる風間という謎の男。
こうして計十人の男女は、疑